雑に配信するVtuber   作:一汎人

4 / 25
月に一度のTRPG回です。


【ヒトリガミ】テストプレイする

 

 TRPG、即ちテーブルトークロールプレイングゲームというゲームがある。

 これはルールとサイコロ、それから参加する人さえ居れば誰でも気軽に遊ぶことができるゲームなので、一部の界隈ではとても賑わっているものである。

 そんな複数人前提で遊ぶゲームを今から一人で遊ぶ配信をする超絶美少女がいるらしい。

 やはりそう。

 

 私だ。

 

「はいどーも、ファンブル系Vtuberの姫水シスイさんですよ。みんな集まれー」

 

 どんなVtuberだと自分でも思う挨拶だが、そこら辺は割と適当に挨拶をしている。

 Vtuberの挨拶なんてどこもかしこも大体はそんなもんよ(ド偏見)

 

 :ばんはー

 :わーい

 :同期「わーい」

 :えぇ!? 同期達とコラボだってぇ!? 

 :できねぇ! 

 

「いや、今日は誰ともコラボしませんよ?」

 

 :タイトルェ

 :ヒトリガミとは

 :何でコラボしてセッションしないんですか? 

 

「コラボセッションするとなると、やっぱり時間の調整とかが色々と大変なんですよ。特に私は水曜日しか参加できませんし」

 

 :日の人に頼めばいいジャマイカ

 メイリィ:(*^◯^*)

 :でたわね

 

 うわぁ、出た。

 

「うわぁ、出た」

 

 :心の声出てまっせ

 :正直で草

 :まるでカサカサと動くGを見つけた時のような反応だ

 メイリィ:(´;Д;`)

 :あーあー、シスイさんがメイリィさんを泣かせたー

 :木の先生に言ってやろー

 

 確かにあの阿保はゴキ……黒光りしたり増殖する例のアレのように神出鬼没なところはあるが、流石にそこまで酷い反応はしていないはずだ。

 してない……よね? 

 

「てか、話が脱線するから軌道修正しますね。えー、これから始めるのはシノビガミTRPGのシナリオ【絶対防御は使えない】を始めていきます。本シナリオを今後プレイしたいと考えている人はシナリオのネタバレになってしまいますので、ブラウザバック推奨です」

 

 :いつもの

 :プレイする相手がいない定期

 :一人でできるやろがい

 

「次に自己紹介をしてもらいましょうか」

 

「そうですね。じゃあ私からしますか。PC1水姫を担当します姫水シスイです。普段は週一でいろんな配信をしてたり、ミララボメンバーの切り抜き動画なんかも作ってたりします」

 

「ありがとうございます。そして私は今回GMを務める姫水シスイです。いつもは週一ぐらいで配信だったりをしたりミララボ所属Vの実況動画を編集してたりします」

 

 :同一人物なんだよなぁ

 :若干内容変えてても同じ人という

 メイリィ:(╹◡╹)♡

 

「それでは導入を開始します。PC1は久々の休暇ということで街でショッピングなどをして休もうと考えて出かけます。なんか適当に導入どうぞ」

 

「雑すぎません?」

 

「ヒント、シナリオ作者メイリィ」

 

 :あっ(察し)

 メイリィ:( ;´3`)〜♪ 

 :メイリィェ

 

 何でメイリィとかいうアホは一人用のシナリオを定期的に送りつけてくる割にはその全てに導入シーンが1行しかないことを改善しないんだろうか。

 しかし貰い物だからあまり文句を言うわけにもいかず、結局このままアドリブで何とかすることに決めた。

 

「それじゃあ……『ここのところ任務続きだったからなぁ。久々の休みだし、ショッピングにでも行こう。あとは、何か美味しいものでも食べたい……そうだ! 今話題になってるパフェの店に食べにいこう!』そう言ってなんかパフェの店を探します」

 

「はい、導入オーケーです。このままメインフェイズ入りましょうか」

 

 :誰だお前

 :RP中別人になるのやめてもろて

 :この人一人だからってガチすぎる

 

 やっぱり1人でRPすることを結構しているからか、それともVtuberとしての活動をしているからかわからないけど、無駄に演技が上手くなった気がする。

 

「メインフェイズは1サイクルです。何します?」

 

「じゃあ筋肉ムキムキマッチョマンの“秘密”を抜きに行きます。シーン表はどれを使えばいいですか?」

 

「なんと特殊シーン表があるんですね。それがこちらです」

 

 ドンと言ってパソコンを操作し、画面にテキストファイルを表示する。

 

 :これはひどい

 メイリィ:✌︎('ω')✌︎

 :何で同じシーンしかないんですか? 

 :よく見ろ1番下

 

「それじゃあ2d6振りますね。……7! 『ふと何者かの視線に気がつき其方の方を振り向くと、そこには圧倒的な質量の筋肉が聳え立っていた。NPC筋肉ムキムキマッチョマンの変態(全裸)がシーンに登場する』……酷い名前のNPCだぁ」

 

「スゥーッ……『あれ? どこからか視線を感じる。一体誰の…………キャーッ! 筋肉ムキムキマッチョマンの変態が全裸でこっちを見てる!』」

 

 :筋肉ムキムキマッチョマンの変態(全裸)ww

 :シナリオ作者ェ

 :12出さなければこのシーンしかないという

 

 こんなNPCが出てくるシナリオを1人で回さないといけないとかマ? 

 そんなことを思ってしまうくらいには酷い名前がNPCに出ていたので、この配信が終わったらシナリオ制作者のところに駆け込んで頬を引っ叩きに行こうと思う。

 

「んー、取り敢えずRPしてからダイスを振りますね。『あなたは一体何者なんですか』と声をかけながら後退ります」

 

「『貴様の纏うその強者特有のオーラ。さては貴様忍者だな? おまけにその木刀から察するに、鞍馬神流の者といったところか』」

 

「『さて、どうでしょうね。そう言う貴方はその異常な発達した筋肉から察するに、隠忍の血統の忍者ですね?』」

 

「『‥‥……‥鞍馬の忍者がこの地に何のようだ』」

 

「『ショッピング』」

 

「『は?』」

 

「『ショッピング』」

 

 ショッピング。

 

 :これはショッキングだったか

 メイリィ: ( ´・ω) (´・ω・) (・ω・`) (ω・` )

 :ミーティングすなww

 

 何とか使う技能を考えようかと思ったけれど、一向に何を使うか思いつかなかったのでここは強引に行くことにしよう。

 オンラインでTRPGをやるにあたって欠かせないアソコフォリアのダイスツールを用意しながらRPを再開する。

 

「んー、そうですね。それじゃあなんかこの筋肉怪しいなと思って秘密を探りに行きます。思わず秘密を話したくなるようなステップを歩法でします」

 

「はいどーぞ」

 

 :歩法だけにほほーうってか

 :どう言うことなの? 

 :は? 

 メイリィ:(# ゚д゚)

 

「判定は……あっ、1ゾロ」

 

 :草

 :これだからシスイネキの配信はたまんねぇぜ

 メイリィ:m9(^Д^)

 

 クソがよぉ……

 

「ファンブル表は……5か。変調表振りまーす」

 

 :あっ

 :重傷引いてて草

 :もう助からないゾ

 

「スゥーッ……それじゃあ、PC1がステップをするために一歩踏み込むと、足を滑らせたのか体勢を崩して盛大にすっ転び重傷を負いました」

 

「『きゃぁっ!? わ、私の足がァァ……あぁんまりだぁ』」

 

「『お、おい大丈夫か?』」

 

「『あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ 』」

 

「『…………何だこいつ』」

 

 :これを1人でやる狂気よ

 :どこの柱の男かと言いたい

 メイリィ:(´・∀・`)

 

「そんなこんなでシーンを終了します」

 

「それでは1サイクル目終了です。今のうちに変調の回復判定を行なってください」

 

「はーい。生存術は6以上で成功なので、まあ余裕ですね」

 

 :フラグ乙

 :流れるようにフラグを立てるのやめてもろて

 :あっ

 メイリィ:m9(^Д^)

 

「…………ファンブル表振りまーす……5! 変調表は……1! 故障! 終わり!」

 

 :ダメみたいですね

 :これは酷い

 

「スゥーッ! ドラマシーン入りまーす! ……PC1を睨みつけながら、全裸の変態は殺気だった様子で口を開く。『この地に我以外のシノビは不要。貴様をこの地から駆逐してやる‼︎』そう言って貴方に襲いかかってきます。戦闘開始です」

 

「『ふっ、何故か攻撃を受けてもいないのに重傷を負っているし、何故か持ってきた兵糧丸が使えなくなっちゃったけど、そんな私に勝とうなんて百億光年早いってことを教えてあげる!』」

 

「プロットは……決めましたね? それでは行きますよ」

 

 :変態の方が先か

 メイリィ:(^o^)

 

「『間抜けが。光年は距離だ! 奥義発動! 極天殺! 地獄の炎を呼び出し貴様を火炙りにしてやる‼︎』クリティカルヒットを使用します」

 

「頑健の追加生命力を4つ減らします。『あっつい! 焦げる! 焦げちゃう!』」

 

 :光年は距離と言おうとしたら既に言われていた件について

 :そっちが炎をつかうんかい! 

 

「『お返しだ! その強靭そうなボディに叩き込んでやる! 受けてみろ! 私の冷水霊言を!』」

 

「『やれるものならばやってみろ!』」

 

「『…………もしもしお巡りさん? アソコに公然わいせつ的な全裸の変態があるんですけど』と言って相手を精神的に攻撃します。クリティカルヒットです」

 

「『んなぁ! 貴様それでもシノビか! 世を忍ばんか!』」

 

「『勝てば良かろうなのだァァ‼︎』」

 

 :冷や水を浴びせるの冷水か

 :これは酷い

 メイリィ:(・Д・)

 

「それでは次のラウンドです。プロットは……はい。それでは行きまーす」

 

「『今度はこっちから! ……それにしても、ムキムキマッチョマンって流行遅れよね。時代は細マッチョの細マッチョ』て言って物理的にも冷や水を浴びせます。冷水霊言を使用」

 

「『効かぬわ! 我が炎でその水を焼き尽くしてくれる!』火術で奥義破りです。判定は……成功!」

 

「『ぐぬぬ……』」

 

「『我が極天殺は変幻自在。その技を貴様に喰らわせてやる! 我が突撃受けるが良い!』諸事情により走法で奥義破りをしてください」

 

「秘密の中にその諸事情があったのかなぁ…………あ、逆凪」

 

 :これはクリーンヒット

 メイリィ:(=^▽^)σ

 

「取り敢えず頑健の1点で、あとはダイスでランダムに…………あっ」

 

 :体術と忍術と妖術が逝ったか

 :体術ww

 :兵糧丸さえ使えれば

 

「『このままだと負ける……何が方法を見つけなければ、勝つことはできない!』」

 

「『いいや、貴様はどうやっても我に勝つことはない。ここで朽ち果てるが天命よ!』」

 

「『そんなもの、やってみなくっちゃわからない! 行くぞ!』」

 

「『ならば来い! 貴様の全力を我が極天殺にて打ち砕いてくれよう‼︎』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、というわけで今日の配信はここまで。チャンネル登録、グッドボタン等よろしくお願いします」

 

 :乙

 メイリィ:( ´ ▽ ` )ノ

 :リベンジ待ってます

 

「そして本シナリオを用意してくださったメイリィさんくたばれ……じゃなくてありがとうございました。メイリィのチャンネルへのリンクは概要欄に貼ってあるのでそちらからチャンネル登録等お願いします」

 

 メイリィ:( ゚д゚)

 :本音が漏れてて草

 :乙

 

「それではまた来週お会いしましょう。さよならー」

 

 そう締めの挨拶をしてから配信を閉じ、用意しておいたお茶を飲んで一息ついてから、私は言った。

 

メイリィ(あのアホ)のシナリオはもう2度とやらない」

 

 後日、メイリィのシナリオをシナリオ作者本人と一緒に遊ぶことになるのを、私はまだ知らなかった。

 

 

 

 

 





補足
・水姫(PC1)
特技:水術、騎乗術、歩法、怪力、調査術、瞳術
忍法:頑健×4(+接近戦攻撃(瞳術))
忍具:兵糧丸×2
奥義:クリティカルヒット(水術)

・筋肉ムキムキマッチョマンの変態(NPC)
特技:???
忍法:接近戦攻撃(???)
忍具:無し
奥義:クリティカルヒット(???)

・Q/A
Q.どうしてルール説明がないの?
A.あったら余計に複雑になったり、文が今以上に酷いことになりかねないと思ったから抜きました。

登場してほしい曜日

  • All
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。