終わった世界と始まった世界   作:せira

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何事にも例外は存在する物だ。

「今日の授業は後1時間か。でその後は部活動紹介と委員会集会か。部活動紹介が終わったら、すぐ委員会集会始まるんだっけか?」

 

「そうだね。委員会に所属してない人はそのまま気になった部活に見学しに行ったり、そのまま帰宅するなりするみたいだね。晴人はそのままテニス部でしょ?」

 

「まあな。とは言っても今日はその辺にいる新入生のスカウトがメインらしいから、テニスは新入生に見せるためにやるくらいでしっかりはやらないらしいけどな。それどころか同じ新入生が居ると安心するだろうから勧誘手伝えって言われてるわ」

 

「てか、委員会メンバーは大変だよな。いきなり今日からスタートかよ。今日から集会開始とか本当に部活入ってる余裕ないよな」

 

「まあ、委員会も一種の部活みたいなものだからね。それに毎日活動がある訳でもないから部活よりは楽だしね」

 

「そんな気持ちではダメよ。私たちも高校生になって、中学生を引っ張る立場になったんだから。」

 

「そうだったね。先輩たちにして貰ったみたいに僕達も中学生を導けるように努力しよう」

 

「そういや、委員会は中高一緒に活動してるんだっけか。部活は中高でわかれてるから羨ましいわ。とは言ってもこっちも同じコートで活動してるんだけどな」

 

自分達が所属している学級委員は、クラス毎に委員長と副委員長が存在し、1学年3クラスなので、中高合わせて36人が所属する最大の委員会となっている。他にも、図書委員や風紀委員なども存在するが基本的に学級委員以外は2学年毎にクラスに1人となっている。

 

部活に一度入った生徒は基本的に3年間部活を続けることが殆どなため、学級委員以外の委員会メンバーが、2つの委員会を交互に繰り返すのが慣例となっている。

 

そのため、高校に入って部活デビューで委員会を辞めることはあるが、それ以外では基本的に1年の時に委員会に入った人は卒業まで何かしらの委員会を続けることになる。

 

特に学級委員は、毎学年所属することができるため、1年の際に所属すればほぼ3年間委員会に所属することになる。

 

さらに学級委員は全学年の生徒が所属することを活かして、中学1年生を高校3年生が、中学2年生を高校2年生が、そして中学3年生を高校1年生が補佐することになっている。

 

そのため委員会内の結束が硬くなっていき、中学1年で所属した人は殆どが高校3年生まで継続して所属する傾向にある。

 

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昼ご飯も終わり、午後の授業、部活動紹介とつつがなく消化されていき、今は委員会集会の時間となっている。

 

委員会の集会が行われる部屋に、冬月と2人で向かうと教室内は少しざわついていた。

 

「あいつ誰だよ?」

「いや知らない、中3だよな?」

 

高2の先輩達が教室のある方向を向いてヒソヒソと喋っているので、自分もそちらの方を見ると、中学3年生と思われる生徒が、眉間に皺を寄せながらイライラと椅子に腰掛け座っていた。

 

先程説明したように基本的に中学1年生から中学3年生まで同じメンバーで委員会を行うことになるので、中学3年生で初見の生徒は確かに珍しい。

 

だが、そうだからと言って、ここまで好機の視線で見られるのは気に食わない。

 

「初めまして。中3だよね。自分は高1の風間修斗よろしく。」

 

「学級委員では、高校生が中学生の補佐をするシステムがあってね、もしかしたら一緒に仕事をすることになるかもしれないからよろしく。」

 

「中3の夏樹海です。」

 

夏樹君の隣に座り挨拶をしたところ、そうぶっきらぼうに返事をされた。取り敢えずもう少し会話を続けようとした所に、高校3年生の委員会メンバーが中学1年生を連れて教室に入ってきた。

 

「中1の子達も連れてきたし、これで全員揃ったかな?取り敢えず初めましての子もいるし、全員自己紹介しようか。」

 

高3の先輩がそう声をかけて、高校3年生から順に自己紹介が始まった。

 

順々に自己紹介は行われていき、自分の自己紹介も終わり、海の自己紹介の順番になった。

 

「夏樹海です。」

 

「ああ、デザイナーチャイルドの人か」

 

「あれサッカー部じゃなかったっけ?辞めたのか?」

 

「なんか試合で負けた時に、俺のレベルについていけないような奴らはいらないとか言って辞めたらしいぜ。」

 

夏樹君が挨拶をすると近くの同じ学年の生徒がボソボソと会話を始めた。

 

デザイナーチャイルドとは、子供が生まれる前からナノマシンを使用して細胞を調整した子供達のことで、生まれる前から天才を作ることが出来るらしい。

 

調整は受精してから生まれるまで細かにする必要があるらしく、専門の人間が定期的に調整を行うらしい。

 

らしい、らしいと言うようにデザイナーチャイルドでどんな天才が生まれるかは知っていても方法はよく知らない。

 

専門の人間が定期的調整を行うことから、一定以上の富裕層ではないと行うことができないのだ。逆に一定以上の富裕層は全員おこなっているので、デザイナーチャイルドであると言うことは富裕層の証明でもある。

 

富裕層にしか出来ないだけはあり、デザイナーチャイルドは一般の人間と比べて調整された内容に関しては遥かに秀でて生まれてくる。

 

身体能力に関してはデザイナーチャイルドとそれ以外の人間では絶対に超えることができないような差があるし、頭の良さもこちらは一般人でもデザイナーチャイルドより頭が良い人もいるが、ある程度の頭の良さは確約されている。

 

基本的にデザイナーチャイルドは富裕層に生まれることもあり、一定の教育を現実世界でも受けることが出来る。そのためこの学校に入学する人はほぼいないはずである。

 

だから、この学校でデザイナーチャイルドを見かけるのはかなり珍しい。

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