流れ者のオオカミ   作:8OROCHI丸

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自分の作ったクソみたいな文見てるより
他の神作家の作った文章見てる方が楽しいんだよね


”再会”

「……い、生きてた、のか……!!」

 

ボクに駆け寄ってきた、ループスの女の人。

おんなじような黒髪で、とても綺麗。

 

「私がっ、…どれだけ、心配したとっ…!」

 

ああ、泣いている。哭いている。ボクのせいで、また一人悲しんでいる。

だけど、ごめんなさい。

 

「…ごめん、なさい。貴女は、どなたでしょう」

 

─…手前は、その顔を一生忘れることはできないでしょう。

 

 

私は、やっと見つけた想い人に対して、どんな反応を返せばいいのかわからなくなってしまった。

 

「…冗談、だろう?なぁ…。冗談だと、言ってくれ、オハイオ…!!」

 

…首を横に振る。

 

「本当に、覚えてないのか…!?私だ!テキサスだ!!なぁ、オハイオ、嘘だと言ってくれ…!!」

 

…また、首を横に振る。

 

「…ごめんなさい。貴女の呼ぶオハイオ、という名前。そして貴女のテキサス、という名前…。今のボクには、わからないんです」

 

…私は、立っているのも精一杯だった。

 

「…今、時間はあるか…??」

「……………ええ、少しだけなら」

 

なら、話そう。

きっと、私のことを思い出してくれるように。

 

 

私とオハイオは、かつてシラクーザで同じマフィアに所属していた。私が一員としてであったのに対し、オハイオは傭兵としての所属だった。

ボスは、私の相棒、としてオハイオを付けた。最初は、男のループスにしては細身だったから、少しだけ侮っていたんだろう。

…だけど、オハイオは私の知るどんな人間よりも強かった。他のマフィアとの抗争では、圧倒的な機動力とアーツで凄まじい殲滅力を発揮していた。

オハイオが前線に出れば百戦百勝。いつしか誰が呼び始めたか、常に血を浴びながら戦う姿をとって『鮮血の黒爪(ブラッディ・クロウ)』と呼ばれ始めた。

オハイオは優しかった。たとえ相手がどんな人間であろうと、笑顔を絶やさず親身になっていた。老若男女関係なく、オハイオの人柄に惹きつけられた人間も多かっただろう。

オハイオは冷酷だった。身内にはとことん甘いが、一度敵対したものには、たとえかつての仲間だろうが一切情けをかけなかった。

オハイオは強かった。相手の弱点や行動をすべて知り尽くしたかのような立ち回り、一度指揮を取れば他の追随を許さない作戦立案能力。個人としても、部隊としても群を抜いていた。

 

…そして、[お前]は弱かった。

命令には従えど、その過程で敵の手によって奪われていた幼子の命に、涙を流す人間だったんだ。[お前]は、何時もそれを私に打ち明けてくれていたな。なぁ、オハイオ。

 

〜〜〜

 

ペンギン急便の事務所にオハイオを連れてきた私は、出会ってからの事柄を事細かに話した。

 

「…ある時、シラクーザ中のマフィアが、お前を殺すためだけに徒党を組み奇襲を仕掛けてきた。私達は散り散りになって逃げるしかなかったが、お前だけが、私達を逃がすために最後まで残り続けた。…結局、集合できたのはほぼ半分しかいなかったが、私含め生き残りは一生懸命お前をさがしたさ……」

 

オハイオは、何も言わない。

ただじっと、私を見つめ黙って話を聞いている。

 

「二月ほど経っても、お前の痕跡は何一つ見つけられなかった。その頃、また別の問題に直面して、それどころではなくなった、といったほうが正しいかもしれんが、何れにせよ私達はお前を探すのを諦めた。………諦めて、しまった」

 

…今までずっと、私の心の奥底にあった後悔。

一度堰を切ったように溢れ出てしまっては、もう私自身にも止められない。

 

「…なんで、どうして今になって…!わた、私がっ…!どれほど…!!」

 

嗚咽が漏れる。

ああ、駄目だ。これ以上は駄目だ。

 

「頼む…っ!!お願い、だから…っ。もう、私から、離れないでっ…!!」

 

 

「たっだいのわああああああ!!?!?テキサスはん!!?どなしよったんや!!んん!!?なんやアンタ!!もしかしてアンタのせいかぁ!!?」

 

「い、いや、ボクは…。間違い、ではない、かもしれませんが…」

 

「はぁーっ!!?テキサスはん泣かしておいてなぁにが間違いじゃないや!!お天道様が許してもウチが許さへんで!!天誅ーっっ!!!」

 

クロワッサンは煩いので黙らせておいた。

 

 

☆☆☆

 

 

「ご、ごめんなぁオハイオはん…。ウチの早とちりやったわ…、堪忍してや…」

 

「い、いえ…。実際、疑われても仕方なかった場面ですから…」

 

「…に、しても。テキサスはんのかつての仲間ねぇ。ええやん!感動の再会ってやっちゃろ?何でそんな辛気臭いねん」

 

「…再会、と言われても…。結局のところ、ボクに記憶がないのが、問題なんでしょうけど……」

 

「そこや。そこが問題なんや。原因あらずして記憶喪失になんかならへん。やけど、その原因すら思い出せんっちゅーと、これは結構な難題やで」

 

「…仮に、何かあったとするならば、あの日には違いないんだろうが、今の私には探す術もない。すまない、オハイオ」

 

「いえ、テキサスさんが謝ることでは…」

 

「………テキサス、さん………か、フフフ…」

 

「こーらあかんわ。オハイオはん、あんさんがはやいとこ記憶取り戻さんと、テキサスはんが病んでまう」

 

「き、記憶を失う前のボクは、テキサスさんをなんと呼んでいたのか……」

 

「………いいんだ、オハイオ。これは、見捨てた私に対する罰なんだろう…………ウフ、フフフ…………」

 

「テキサスはーん!!!戻ってこいやぁーー!!!」

 

 

尚、このあとエクシアとソラとすでに振り回されていたバイソン君が戻ってきたことにより、より酷いことになるのはまた別のお話。




見返して( ˙-˙ )ってなる文章しか書けねぇ。
独自設定ばーっかり。
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