完全にネタです。はい。
その日、ジェターク寮の食堂で、訝しげな声をあげる。生徒がひとり。
「え、何それ?」
声の主はフェルシー・ロロ、アスティカシア高等専門学園に通うエリートであるパイロット科の二年生。
その正面に座るのはペトラ・イッタ。メカニック科の二年生で、ペトラと同様にエースパイロットであるグエルを慕い、尊敬している。
今回の話題は噂の転入生のことでも、尊敬する先輩であるグエルのことでも、いつものように終わらないと嘆いている座学の課題のことでもない。
「何って…見ての通り、手鏡だけど」
ペトラがテーブルに置いたのはおもちゃのような小ぶりな手鏡だ。
コレの何が気になるのか、フェルシーには分からなかった。
やがてフェルシーの訝しげな視線に気付いたのか、ペトラは話を続ける。
「いやぁ〜、実を言うと…とある噂に関わるものでさ〜。あ、コレはおもちゃだよ」
「はぁ?」
ストローでドリンクを飲んでいたフェルシーが声を上げる。
まぁ、この化学全盛の時代において、そんな都市伝説的な、学校の七不思議的なアレはそうそう無い話だ。
「まぁまぁ、噂話程度に聞いといてよ〜結構面白いからさ〜」
「あぁうん…」
「実はこの鏡を枕の下に入れて眠ると…」
「眠ると?何?」
堪え性のないフェルシーがさっさと答えを聞こうと質問を投げかける。
「何と!!夢の中で別世界の自分を見られるんだって〜!!」
この年頃はやはり、その手の噂に興味を示すものなのか、ペトラは普段のクールさからは想像もつかない程度には興奮気味だ。
ある意味では年相応とも言えるだろうが。
「これが結構女子寮だと流行っててさ〜!!フェルシーにも一個あげるね〜♪」
そう言って押し付けるように渡された手鏡を持って、数日経ったある晩、ふと思い出して手鏡を持ってベッドに座る。
「別世界の…自分…」
興味があるかないかで言えば、まぁある。
「ま、グエル様のお役に立てるヒントでもあるかも…」
仮に無いなら無いでまぁそんなもんだよねと、そう思って、彼女は枕の下に手鏡を入れて眠りについた。
…………………………
「う、う〜ん…ここは…」
目が覚めたら、そこは学校らしき建物の一室だった。
学校とは言っても、いつも自分が通っているアスティカシアでは無い。
作業用と思われるPCに、飲みかけのコーヒーカップ。
本棚にはたくさんの資料と思しき書類がぎっしりと詰まっており、部屋の隅の角の辺りにはちょっとした観葉植物まで置いてある。
また、部屋の一部エリアには何やら色々なモノが飾られており、大切にされているのが見て取れる。
「コレが…別世界の私の部屋…なのか…?」
まさかあの噂が本当だったとは、そう思って期待と不安とに、胸が高鳴るのを感じる。
「いやぁ〜、今日も頑張ったなぁ〜」
「のだぁ〜♪」
バッと振り向くと、部屋の入り口である扉の向こうから、部屋の主であろう人物たちの声が足音と共に聞こえて来る。
「ま…まずい…」
かと言って出入り口はここだけ、逃げ隠れできるスペースも無い。
普段は取り巻き仲間と一緒にいるから多少強気な態度も取れるが、今はいないし、見つかったら不審者扱いされるのは自分だ。
ここが夢の中という事も忘れて、どうしようどうしようとフェルシーがオタオタしていると………。
ガラガラガラガラ……。
無情にも、ドアが開く音が聞こえた。
口調などヘンだったらごめんなさい。
続くかどうかはわからんですはい。
ちなみに時系列だと、グエルくんが一回負けた辺り…かなぁ…。
ウマ娘はクラシック辺り想定です。なんとなく。