ろくでもない、というよりも特に運命的な出来ごともなく今日を過ごした退屈なアカデミーからの帰り道、俺はイワンコに襲われるナンジャモ……のような何かを拾った。
ナンジャモのような、っていうのはそれが明らかに人間サイズでは無いからだ。筆箱に入っていた定規で測るとなんと体長は15cm、頑張ればポケットに突っ込めるサイズだった。
その容姿はナンジャモを彷彿とさせる蒼とピンクのパステルカラーの髪だが、何処かに落としたのかコイルらしきものは一つだけ、髪型はコイルのある側をサイドテールにまとめていた。何故か服装は本物そっくりだった。もしかしてあれってゴーリキー族と同じなのか?
「あー……えっとお前、ナニモンなんじゃ?」
「ンジャモー」
「…やっぱダメか。」
この通り言葉は通じない。いやもしかすれば通じてるのかもしれないが、俺にはこの生物の言語を理解することは叶わなかった。
この小さなナンジャモらしき何か、勝手に命名するがンジャモが喋るのは『ジャモ』『ンジャモー』『ジャモジャモ』『ンジャーーー!!!』『モー!』と言った単語がほとんどである。これで理解しろというのは無理がある。
ただ、参考文献として夕食を食べながらいくつかのナンジャモ配信を見ていると、ときどき妙なステップを踏んだり鳴き声の類似性と生態に似通ったところがあることに気付いた。
「ン、ンジャ…モー……」
「ん?」
ところで、俺の家にはいま現在ンジャモの他にもうひとり同居人が居る。もうひとりっていうか、もう一匹なんだが。
その名はくっつきポケモン バチュル。そういえばこのナンジャモって人はでんきタイプのジムリーダーも兼業してるんだったか、ならでんきタイプのバチュルの扱いにはこのンジャモも慣れてるかもしれない。そう思ってスマホロトムから視線を向けたときだった。
そこにはバチュル(体長10cm)に部屋の隅へと追い込まれぷるぷると震えるンジャモ(15cm)の姿がっ!!
俺は慌ててンジャモを抱えあげテーブルに避難させると、バチュルを手のひらに乗せた。
「おーおー、新しい同居人だから意地悪したら駄目だぞー」
顔の前にまでバチュルを掲げると、そいつは威嚇なのかポーズなのか鳴き声をあげる。愛いやつめ。
バチュルは窓を開けていると自由自在に壁を這って逃げてしまうため窓を開けていない時にしか外には出せないんだが、今後この二人は、二人……?は、仲良くなってくれるかが少し心配だった。
バチュルを頭に乗せた俺はテーブルの上にいるはずのンジャモに振り返る。するとそこではンジャモが俺の晩ご飯であるもんじゃ焼きを既に平らげてテーブルの上に寝っ転がっていた。
「嘘だろ、あんなにあったのにか!?」
後からわかった事だが、こいつはもんじゃ焼きが好物らしい。
思いつきなので続かないかも。