このOTAKUが行くところ全て、どうやってもハッピーエンドになるぜ☆
___物心着いた時からサブカルチャーが好きだった。
戦隊ものが好き ライダーものも、プリキュアも、ムシキングも、ONE PIECEも___アニメやマンガ、ゲームのその全てが好きだった。
小学校に入る頃には、それらに憧れて自主的に色々な習い事を始めた。
水泳や武道、ピアノ、バスケ…本当に色々な事をしてきた。
中学に入ると、ライトノベルを読み始め、親に頼んでノートパソコンを買ってもらった。
高校では、魔法使いや武術の達人、不可思議な現象の噂などの話を聞きつけて、そこに向かうことすらあった。
そうしていくうちに、クトゥルフ神話も真っ青な事件に巻き込まれることすらあった。
そして現在。
「___うむ、これで全ての課程を修了とする。免許皆伝だ。よく頑張ったな」
「…はぁはぁ。師匠、本当…ですか?」
「うむ。本当にお見事だったぞ」
「……おっしゃああああああああ!!これであの技をやっと真似ることができるううううぅぅぅぅううううう!!」
大学生となる前の春先の休みの始め、山奥にて俺が師匠と呼ぶ女性との最後の稽古を終わらせていた。
「本当に長いこと…私についてきたな。思えば10年か。貴様がアニメの技を再現したさに私の元に訪れてから」
「…そうですね。もうそんな時間が経ったのかという想いすら感じてしまいます」
「あの時までは、1人、仙人になる為に山籠りしていたのだが、まさか朝、水汲みに行った際に出たら、扉の前でお前が餓死寸前の重傷で倒れていて、しかも門を叩きに来ていたとは思いもしなかったものだ」
「その節は…はい。すみませんでした…」
「全く…!その結果、貴様を親元に届けに一度は山を降りることになるわ、会いたくもなかった姉者とは会うわ、破廉恥な事に度々なってしまうわ、死を覚悟する出来事に立て続けで巻き込まれるわ、貴様に巻き込まれて化物やら異世界やら様々な事件に会うわ…とことん色んな酷いことに遭遇した…!」
「すみませんすみませんすみません本当にすみません___」
師匠の言葉に思わず俺は、流れるように素早く美しくスタイリッシュスライディング土下座をし、謝罪の言葉を何度も連呼する。
仕方がない。藤丸立夏たる俺にとって師匠の言葉に一つ一つが身に覚えがありすぎた。
というか、師匠が言ったこと以外にもやらかし過ぎてどうあがいても謝ること一択しか選択肢がないのだ。
何度命の危機を師匠と先生、二人の姉妹恩師に救われた事か、数え切れた物ではない。
そんな俺の姿を見た師匠はというと…思わず「本当に貴様という奴は…」と呟いて苦笑いしていて、頭を撫でてきた。うん、EMTならぬSMT(師匠・まじ・テラかっこかわいい)。
「まぁ、そんな日々も今になれば愛おしい日々だ。仙人となる為の修行の時間は確かに減った。しかし…その代わり、それ以上に私は貴様のおかげで強くなれた。想像よりも二十年早く仙人へとなる事ができた。姉者とも和解することができた…本当に貴様を弟子に出来て誇りに思う」
「師匠…」
なんだろう。俺は師匠の言葉に思わず泣きそうだ。…てか既に瞳が涙目になってて泣きかけてる。
「誇れ。貴様は私の一番弟子であり、愛弟子であり…自慢の弟子だ」
「じじょ゙ゔぅうう!!!」
こんな言葉かけられて泣かない奴いる?いねぇえよなぁああああ(泣)
そうして感極まった為に、思わず師匠を抱きしめてしまう。
まぁ、すぐさま、「何をするか!?」と言われてそのまま流れ作業で『魔弾』で威力が増えた二重の極みで鳩尾に衝撃を喰らわされて、思わず放したところを一本背負で真上に投げ飛ばされ、落ちてきてたところを踵落としで叩きつけられ、その叩きつけれた反動で浮いたところを、サマーソルトでまた空へと行かさせれ、コンマ数秒でそのまま、昇竜拳に移行、最後にトドメとばかりにそのまま地上から空中へと放たれるカメハメ波をくらったんだけど。
格ゲーとかなら1combo!2combo!3combo!4combo!5combo!critical hit!!!って表示が出てるに違いない。間違いなくフルコンボならぬフルボッコだドン!であり、overkillも良いところだ。
まぁ、防御技を使用し、その上で照れと恥ずかしさで真っ赤にした師匠のご尊顔を見てなかったら確実に死んでたよ。
素晴らしく強い照れ隠し攻撃、俺じゃなきゃ耐えられなかったね。
「はぁはぁ…貴様という奴はっ…!」
「ありがとうございますっ!」
「褒めておらんわいッッッ!!」
そうして再びの照れ隠しの連撃。
今度は木刀二つによる剣術コンボだった。
急所に何度も当たったし、それで何回か、三途の川で船に乗って鎌を持っていた赤毛の子が慌てて追い返そうとする姿が見えたくらいには死にかけたけど、なんとか耐えた。
本気でやってないはずなのに、なんなら全力の一割すら出してないはずなのに、ちょくちょく防御貫通しかけるあたりやっぱ、師匠強えぇわ。
閑話休題
「…それで。この後はどうするつもりなのだ?晴れて一人前の武人となったわけだが」
先程の照れ隠しを無かったかのように話を逸らす師匠。
まぁ、師匠…というか先生もだけど、姉妹揃ってスキンシップに対して苦手意識というか、慣れてないもんね。特に善意の奴。
それで、この後か…。
一瞬、またオカルト巡りして、ずっと旅するのも良いか…と思ったけれど、それするとそろそろ資金がないし、それにお母さん達には大学しっかりと行って、何でも良いからちゃんと職に就くって言っちゃったし…。
「…とりあえず、大学に通うまではしばらく、アルバイトして、親友達と仲良くのんびりとしようかなと。それで、たまに師匠と手合わせしたりして、また旅をして…その後の、大学に入るまでのことは特に決めてませんね」
「ふむ…そうか。ならば、姉者と私からの大学祝いだ。これを持って行け」
そう言って何かを俺に投げ渡す師匠。
そこにあったのは___。
「……………」
「どうしたのだ?そんな顔をして」
「………あの」
「ん?なんだ、はっきり言え」
「なんで、ここに俺の絆石があるんでしょうか?」
俺の絆石があった。
間違いない。中央の絆石がFFクリスタルっぽくカットしてあって、色はリオレウス亜種を思わせるような蒼、腕時計になっている。
しかも、絆石の中には昆虫入り琥珀っぽく、卵みたいな石が入っていて、横には何かを嵌め込むような場所がある。
確かに俺の絆石だった。
しかも側面にはモンハン語文字で俺の向こうでの名前、タバナの名前が彫られている。
うん…本当に間違いなくあの世界に置いてきた筈である俺の絆石だ。大切な事なので3回言った。何故ここにあるのか?
宇宙猫&訳がわからないよ状態なんだけど?
なお、理由はすぐ判明した。
「祖龍がこちらに戻る際、こっそりと渡してくれた」
「あ゙ん゙の゙変態クソガキドMホワイトロリチョロゴンがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ああああぁぁ!!!?」
何、こっちに連れて帰れないから向こうで今生の別れだと思って、断腸の想いで泣く泣くオトモン達と別れを告げて、愛竜の一匹であるラギアクルスのアクアにもどこか深海にでもこの絆石を捨てて欲しいって言って捨ててきてもらった筈の俺の絆石を拾ってきているんだ!?
何してくれとんじゃあ゙あの禁忌教変態司教まな板担当ペタンデウスィ・ロリパンティ卿お゙ぉ゙ぉおお゙お゙お゙!!
仏の顔も三度まで!
これには『2回までは許す』『3回まで許す』の二通りの解釈の仕方があるけどそのどちらの回数を奴を越してるんだよね!
よし、今度あったら殺す!不死身でドMなあいつが喜ばないむしろ、コロシテ…コロシテ…状態になるような精神攻撃で殺す…!!
祖龍に関する黒歴史ネタは他の禁忌から強請ってやる…!
「…こほん」
と、そこで我に変えった。
うん、ちょっと頭に血が上りすぎていたみたいだ。
「すみません…それで、なんでこれを?」
ふと湧いた疑問。
いや、だって確かこれ単体ではなんの効果も無い、ぶっちゃけただの飾りとしてしか使用出来ない綺麗な石なんだよ?
相棒達やモンスターの卵がいて初めて効果を発揮するので合って。
それ以外には特には使い道はないんだけど?
FFクリスタルみたいな効果持ってんなら別だけど。
そんな効果はない、この世界ではただただ思い出の品というだけの、ダイヤモンドよりも硬い綺麗な石なんだよね。なのになんで?
そんな疑問符ばかりが浮かび上がる俺の顔を見て察したのだろう。師匠はその渡す理由よりも先に、何故、絆石を渡すのかという疑問を答えた。
「…まず最初に聞くが、藤丸。何故この絆石を向こうで手放した?」
「…えっ?それは師匠にも言いましたけど、こちらに相棒達を連れて来た所で架空の存在であるモンハンモンスがいるなんて知られたら、パニックになり、最悪の場合、実験動物や生物兵器として利用される事待った無しになる可能性が高かった上に、もし連れて来て隠すとしても、身体が大きい子達ばかりなのでしっかりと世話して隠す場所が限られてますし、しかも、絆石を座標にしてポータブルを介して相棒達が来る可能性が高かったので、それなら…と」
「ふむ、ならば。それらがなんとかなる…と言えばどうする?」
「そりゃあ、一緒に連れて来て遊び回っていましたけど……って、まさか!」
「そのまさか、だ」
「えっ!?でも、どうやって!?」
「向こうでクリスタルとやらを見たことがあっただろ?あれを元に姉者が祖龍達全面協力の元、研究に研究を重ねた結果、つい最近完成してな。『絆召喚と還送能力、そのついでにいくつかの魔法とか収納機能とか色んなのを持たせることができたわ』とのことだ」
驚きを隠せなかった。
色んな事情からこちらで育てることは難しいと考えていたのに。
もう会う事のない、思い出の中の存在だと思っていたのに。
「…ほら早速、呼んであげて見てはどうだ?」
「でも…」
「大丈夫だ、心配するな。お前は向こうでやってたようにいつも通り、呼び出せば良い。それで向こうが応えてやって来てくれる」
「…はい!!」
師匠にそう言われて覚悟を決める。
___最初に誰を呼び出そうか?
そう考えた時、答えは自ずと決まっていた。
「___ライドオン!リオレウス…レオン!」
モンハンシリーズのパッケージモンスターで、代表モンスターで、初めてオトモンにしたカッコよくて甘えん坊のドラゴンで…一番の相棒の名前を呼ぶ。
そして、相棒も…当然だと言うように咆哮を上げてその声に応えてくれた。
「グオオオオオオォォオ!!!」
焦げたような黒が混じる真紅の身体。
力強く見るものを惹きつけてやまない蒼の瞳。
通常と比べても大きい金の翼。
原種とも亜種とも希少種とも辿異種とも二つ名とも破滅レウスとも違う、俺の相棒だけに見られる特徴を持っている。
ああ、間違いなく確かにそこには…相棒がいた。
「___。…レオン…俺の事、覚えている?」
「グルルッ!!」
恐る恐る聞くと、絆を通して伝わってくる気持ち。
『忘れたことなんてないっ!』『ずっと相棒に会いたかった!』『寂しかった…』『でも元気そうでよかった……!』『嬉しい!』
そんな心の声が聞こえて来た。
だめだ、泣くつもりはなかったのに泣きそうだ。
そうしてしばらくして、レオンにすりすりされた俺はレオンの名前を呼び続けて涙を堪えていたのにも関わらず結局泣いてしまったのだった。
そして数分後。
「___それで、落ち着いたか?」
「ハイ、オチツキマシタ」
いやぁ、やっと落ち着いて周りを見てみれば、一人と一匹が微笑ましい顔をしていたもんだから恥ずかしかったね。
いやー本当に…恥ずっっ!
「それで、話を戻すが、使い心地とかはどうだ?どこか違和感とかあれば微調整すると姉者は言っていたが…」
「いや、流石先生というべきか…特にそんな感じはしないですね。寧ろ怖いくらいに馴染んでます」
レオンを呼び出して見てわかる。
これ、元々俺の身体の一部だったんじゃないかってくらいには前よりもすごく馴染んでいるんたよね。
気怠さも特に無し。
俺の少ない魔力量でこれなら、安心して皆を呼び出せそうだ。
「戻し方とか収納魔法とかその他の使い方は使いたい時にその機能をイメージすれば勝手にやり方が分かるようにしてあるどの事だ」
「あ、本当だ。『ライドオフ!リオレウス、レオン』」
「ガウ!」
確かに頭の中に浮かんだ通りに、言葉を発したらレオンが絆石から浮かんだ魔法陣の中に戻っていった。
おぉ…!これはなんかポケモンみたいで楽しい!
「本当、感謝の言葉しかでないや」
「そこまで言ってもらえるなんて、姉者も聞いたら喜ぶだろうな」
「ははっ!『ふふん!そうだろうそうだろう!あたしの自信作だからね!』って自慢げで満足そうな感じで言っていそうですよね!」
「あはは、そうに違いないっ!」
その時の先生のドヤ顔が目に浮かぶようだ。
本当、感謝でしか無い。
最高の…大学祝いだ。
「さてと、もうすぐ昼駒の時間だろう?確か今日この後、何か予定とかあるんじゃなかったか?」
「あ、やっば!小依達と買い物とか色々するんだった!」
「待ち合わせまでの時間は?」
「……スゥ-…後30分も無いですね」
「……不味く無いか?それは」
「凄く不味いですね、山降りるのに30分くらい掛かるんで。そこから待ち合わせ場所まで20分かかります。どう考えても間に合いませんね」
「「……」」
「…やっば〜い☆地獄☆地獄☆」
「言っとる場合か!早く行けっっ!!」
「は、はい!確かにそうでしたぁあああ!『ライドオン…ガルク、ブランカ』!!」
「ワンッ!」
「よし、これで!…そうだ、師匠!」
「なんだ?」
「次、会うとき、何かお菓子入りますか!?」
「…!…フッ、馬鹿者!そんなこと気にするでは無い!いつもので良いわ!人を待たせるな!」
「はいっ!」
こうしていそいそとして師匠と別れて友人達の元へ急ぎ向かうのだった。
なお、余談だが、なんとかオトモであるガルクの背中に乗り、時間を短縮したものの、結果として待ち合わせ場所に着いたのは約束より十分も後であった為、それが原因で友人達に遅刻代としてスイーツ食べ放題を奢る羽目になった男子大学生の姿がそこにはあったという。