淫魔「やっぱ人間」竜族「そらもう」吸血鬼「人間よ」魔獣族「一番好き」天使「救って差し上げましょう♡」 作:お便器
1:名無しの耳長族
何で?
2:名無しの耳長族
なんでやろな
3:名無しの耳長族
エルフに限らず魔族皆人間の匂いフェチだと思うけど
4:名無しの耳長族
そうだよ(便乗)
5:名無しの耳長族
魔獣族とかの方がよっぽど匂いフェチじゃない?
6:名無しの耳長族
あいつら数十キロ先のニンゲンの体臭嗅ぎ分けられるらしいからな
7:名無しの耳長族
種族特徴的にそうなるよね
何だったらあいつら唐突にその場で硬直して足ガクガクさせるし
公共の場で視認できてないヒトの臭いでアクメすな
8:名無しの耳長族
でもまぁ実際ヒトが放つ匂い好きなのはそう
9:名無しの耳長族
当たり前っしょ
10:名無しの耳長族
ヒトとすれ違うだけで胎が痛むんだワ……
11:名無しの耳長族
ズキュンズキュン(卵子が)走り出し〜
12:名無しの耳長族
ら、卵巣ちゃん勝手に排卵するのやめて……
13:名無しの耳長族
うるさいですね……(ぷりゅぷりゅ)
14:名無しの耳長族
無駄排卵させられるメスキンタマの気持ち考えたことあんのか?
15:名無しの耳長族
考えたことあるならその日すれ違ったヒトの臭いでマンズリしないと思うんですけど(正論)
16:名無しの耳長族
正論過ぎて何も言えん
17:名無しの耳長族
正論は時に心を傷つけるからやめようね
18:名無しの耳長族
お前ら人間界のサウナ行ったことある?
19:名無しの耳長族
めっちゃ暑い室内で汗流す施設?
20:名無しの耳長族
そうそれ
21:名無しの耳長族
ワテらはあんな暑さ屁でもないんよな
それはそれとして汗は出るけど
22:名無しの耳長族
魔界のやつはマジで汗がドバドバ出るけど、人間界のはちょっと暑いかなぐらいやもんな
23:名無しの耳長族
整うためにはもうちょい暑さ欲しいけど、ヒト基準だとあれでもう結構ヤバめな暑さらしいから……
24:名無しの耳長族
まぁしゃーない
それに汗は出ないことはないしヒト達を鑑賞出来るなら寧ろいいやろ
25:名無しの耳長族
人間界に降り立った初日のワイ、ヒトがいると思いサウナに飛び込んだもののヒトメスがいなくて無事憤死
26:名無しの耳長族
草
27:名無しの耳長族
可哀想
28:名無しの耳長族
ヒトどこ……?ここ……?
29:名無しの耳長族
ヒトメスが汗だくだくのむわっ……♡としたエロ体臭嗅ぎたくてサウナに突撃したのになんで?(半ギレ)
30:名無しの耳長族
そらもうね
31:名無しの耳長族
ヒトが少ない、これに尽きますよ
32:名無しの耳長族
ぅ゛ぅ゛ぅ゛う゛っっっ(号泣)
33:名無しの耳長族
どいつもこいつもお手つき済みのヒトしかおらん……
34:名無しの耳長族
近所にプールにサウナ付いてるところあるから行ってみたけど、カップルがイチャイチャしながらサウナ楽しんでてもう奥歯無くなりそうなほど噛み締めた
35:名無しの耳長族
サウナちゃうけど混浴OKの温泉行ったワイ、>>34と同じでカップルしかいなくて泣いた
36:名無しの耳長族
これ見よがしにイチャイチャしやがってよ!!!!!!!!
未婚魔族の気持ち考えてくれ!!!!!!!!
37:名無しの耳長族
考えてたら公然の場でイチャイチャしないよ
それに独り身でそんなところ行くのが悪いよ
38:名無しの耳長族
うっ゛
39:名無しの耳長族
それに独り身の気持ちなんて考えてないよ、既婚者魔族は独身魔族のことなんて路傍の石ころ程度にしか捉えてない
40:名無しの耳長族
ぉぐっ
41:名無しの耳長族
淡々とボディーブロー叩き込むのやめてくれません?
42:名無しの耳長族
もう心ズタボロだよ……
43:名無しの耳長族
もういい森に帰る!!!!!!!!
44:名無しの耳長族
帰ったところでカッチャマとトッチャマがいちゃついてるの見せつけられるだけなんだよな……
45:名無しの耳長族
(咽び泣く)
46:名無しの耳長族
ママさぁ……帰るたんびに「おかえり〜♡もうすぐ新しい子が生まれるからよろしくね♡」って満面の笑みでいうのやめてくれへんか……
47:名無しの耳長族
ぽんぽん子供を産むな!!!!!!!
48:名無しの耳長族
妹は確かに可愛いけど!!!!!!!!!!幸せを見せつけられるのが一番辛いんや!!!!!!!!!
49:名無しの耳長族
仮にそれが弟だったら?
50:名無しの耳長族
今まで築いた財産渡すし遺産の受取人を弟にする
51:名無しの耳長族
これでもかってぐらいに面倒見るし、おしめもご飯もしーしーも私が面倒見る
52:名無しの耳長族
うーんこの
53:名無しの耳長族
何だったらワイが育てる
54:名無しの耳長族
こんなんだから結婚できないんだよな……
55:名無しの耳長族
急に矢を放ってくるのやめません?
56:名無しの耳長族
可愛いちんちんの面倒もワイが見る
57:名無しの耳長族
おいこら
58:名無しの耳長族
それはアカンでしょ近親相姦やぞ近親相姦
59:名無しの耳長族
いうて魔族にはインブリード問題なしやろ?
人間同士の近親相姦はあかんけども
60:名無しの耳長族
まぁそれはそう
61:名無しの耳長族
起源がね……リリス様がそうだったからね……
62:名無しの耳長族
ワイもたった一人の人間とイチャイチャして子供たくさん産みてェ……
63:名無しの耳長族
人魔最古の恋愛結婚した夫婦
64:名無しの耳長族
リリス様が重度の匂いフェチだったからワテらも匂いフェチ説
65:名無しの耳長族
初耳だわ
66:名無しの耳長族
何かの美術作品だろそれ
450年ぐらい前の、ガキンチョの時に見た記憶ある
67:名無しの耳長族
見た覚えは確かにあるけど作品名がポンと出てこない
68:名無しの耳長族
こう、喉まで出かかってるんよ……
69:名無しの耳長族
歳ばっか重ねると耄碌するから叶わんな?
70:名無しの耳長族
このスレライン超えするどころか刺してくるレスがあるんですけどぉ……
71:名無しの耳長族
ようこそ、ここは淫ちゃん!人生のアングラ!処女膜に蜘蛛の巣が生い茂る喪女が沢山いるところ!
72:名無しの耳長族
表でろお前
73:名無しの耳長族
久々にキレちまったよ……
74:名無しの耳長族
作品あったで
題名が『原初の母犬』だったわ
75:名無しの耳長族
思ったよりも普通のタイトルとか思ってたけどこんなエグい作品やったか……?
76:名無しの耳長族
エッッッッッッッッッ!!!!!!!!
77:名無しの耳長族
嘘……私達の祖先チンポエグすぎ……?
78:名無しの耳長族
目隠し竿されてるリリス様、表情読み取り辛いけど、開きっぱなしの口と明らかに舐めたいんだろうなっていう様子がよう分かる一品ですね……
79:名無しの耳長族
血管とか竿のね、色彩がえぐいんよ
80:名無しの耳長族
カッチャマの時代はこれがズリネタだったらしい
81:名無しの耳長族
当時リリス様の言葉を残した文献もあるらしいぞ↓
https://……
82:名無しの耳長族
『毎日毎日、来る日も来る日も彼と愛し合う日々。女としての悦びを教えてくれた彼に忠誠を誓う。逞しい牡を手で、顔で、肢体で、子宮で。全てを以て彼に奉仕する。するとどうだろう、自分が牝犬だと気づくのは必然の事だった……』
本当に好きだったんだろうし、マジで幸せやったんやろな……
83:名無しの耳長族
ワイらのパパやぞ
84:名無しの耳長族
気が遠くなるほど前のパパなんだよなぁ
85:名無しの耳長族
性交渉でちょっとした齟齬のせいで大喧嘩になって楽園からそのまま追い出される形になった悪魔を見て心を痛めた青年とくっつくとかいうどこのエロゲだよ
86:名無しの耳長族
エロゲみたいなシチュエーションから産まれてきたのがワイらってワケ
87:名無しの耳長族
尚、独り身多数
88:名無しの耳長族
伴侶どこ……?
89:名無しの耳長族
『一度、産まれた子達の世話に追われて営みを疎かにしたことがあった。獣欲がじわじわと侵食してくるようで、幼子たちを甲斐甲斐しく面倒見ている愛夫の顔を見るたびに子宮が熱病に浮かされているようだった。水浴びは最後にするという彼の身体からは常に芳しい香りが漂っていて……我慢出来ずに慰めを強請った時、汗ばむそこは湯気立つような臭気を放っていた。ひと嗅ぎしてもたげた獣性が活性するのは当然だった』
あっこれかぁ!!!
90:名無しの耳長族
朗報、私達のママ匂いフェチ
91:名無しの耳長族
たぶんえげつないフェラしたんやろな……
92:名無しの耳長族
至近距離チン嗅ぎさせられたらそうなるわ
93:名無しの耳長族
その衝動もリリス様譲りなんかもしれんな……
94:名無しの耳長族
まぁ衝動をぶつける相手がいないんですけどね
95:名無しの耳長族
そもそもエルフの場合、躊躇いなくぶつけるせいで犯罪ケースになってるだろうがアホタレ!!!!!!!!!!
96:名無しの耳長族
しょうがない、私たちは悪くない、エロすぎる人間が悪い
97:名無しの耳長族
そんなんだから万年発情期の強姦魔種族って言われてるんやぞ……
98:名無しの耳長族
お前もエルフなら同じ穴の狢だろ
99:名無しの耳長族
肌の白いやつとは違うんです〜〜〜〜〜〜
100:名無しの耳長族
は???
101:名無しの耳長族
あっこいつダークエルフだ!!!!!
102:名無しの耳長族
陰キャエルフがよ!!!!!
森の奥で寂しくズリこいてろ差別主義者共が
103:名無しの耳長族
お前らのことちょいちょい刺してたちゃんとした訳があるんよ
104:名無しの耳長族
見苦しい弁明か?
105:名無しの耳長族
まぁ聞いてやるよ感謝しろ
106:名無しの耳長族
人間界に下ってる魔族達含め、魔王様直々に婚姻率や独身魔族の統計取ってるのは流石に森しか知らん処女膜しんぴか頭ポンコツアホ垂れなお前達でも知っとるやろ?
107:名無しの耳長族
バチくそに煽るやん
108:名無しの耳長族
人間界に行ける魔族を管理する意味合いも込めて、独り身と既婚者、種族別で集計しとるんやろ?
109:名無しの耳長族
せやで
まぁそれ見たら分かるんですけどエルフって全種族中、ケツから数えるのが早いんですワ
ダークエルフの方は7位、これ上位に区分されるんですよね
110:名無しの耳長族
言うてダークエルフの方が全体数少ないやん
111:名無しの耳長族
語るに落ちとるぞソレ
確かにエルフ対ダークエルフの人口で見ると7:3ぐらいやけど、婚姻率やでこれパーセンテージで見るとわかりやすいけど
112:名無しの耳長族
あっ
113:名無しの耳長族
気づきたくないけど気づいてしまった
114:名無しの耳長族
最下位の竜族達も人口ベースで行くなら種族人口最少やけど、大半が婚姻出来てないから最下位なんよな
あれ????おかしいですね????
115:名無しの耳長族
ぐぎぎっ
116:名無しの耳長族
ワイ達マンカスに……マンカスだった
117:名無しの耳長族
こんなカスみたいな根暗耳長族が悠々自適の結婚生活送れてんのになんでワイらは結婚出来ないんや
118:名無しの耳長族
折角やし教えてやろうか??ん???
119:名無しの耳長族
ぐぎっ……
120:名無しの耳長族
自尊心のせいでお願いしますも言えない……
121:名無しの耳長族
やっぱ教えなーいwwwwwwwww
122:名無しの耳長族
さっさとこいつ殺そうぜ日が暮れちまうよ
123:名無しの耳長族
エルフの風上にも置けない、だから陰キャだって言われる
124:名無しの耳長族
恋愛雑魚の子宮に脳みそ置いていったカス以下の喪女に言われてもなんも響かんので……
125:名無しの耳長族
惚気るためにスレにくんな、しっしっ
126:名無しの耳長族
最後だし折角だから旦那くんのえっろい写真貼ろうと思ったんだけどなぁ〜〜〜〜〜帰れって言われたし帰りまーす
127:名無しの耳長族
まぁまぁまぁまぁ待ってくださいよ
128:名無しの耳長族
私らもね、独身生活で気が立っててちょこっと当たっちゃっただけなんすよ
129:名無しの耳長族
テノヒラクルー
130:名無しの耳長族
もうね、申し訳なさでいっぱいです
代表して謝罪させてください
すみませんでした、なのでその写真下さい、何だったら動画でも歓迎です
131:名無しの耳長族
……アレ?
132:名無しの耳長族
あいつほんとに帰りやがった!!!!!
133:名無しの耳長族
クソボケがよ!!!!!!!!!!!
134:名無しの耳長族
二度とダークエルフのこと気遣わん
135:名無しの耳長族
はー塩撒いとけ塩
136:名無しの耳長族
【動画】
137:名無しの耳長族
ぅお゛っ゛♡♡♡♡
138:名無しの耳長族
マジで感謝この世に感謝
139:名無しの耳長族
ふぉ〜〜〜〜〜〜〜〜♡これだからスレやめらんねぇ♡
140:名無しの耳長族
ありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございます
141:名無しの耳長族
ヒトオスやっべぇ〜〜〜〜♡子宮湯立つわ
142:名無しの耳長族
排卵した責任取ってもらいたい……ぃぐ
143:名無しの耳長族
でもこのヒトオス、あいつの伴侶なんだよな……
144:名無しの耳長族
悔しさと苛立ちがごちゃ混ぜになって手が止まらん
145:名無しの耳長族
ヒトオス……ヒトオス〜〜〜〜……
146:名無しの耳長族
早く私も春来てくれへんかな……………
エルフは二種類いる。
金髪や銀髪を持つ、エンシェントエルフを祖とするエルフ。そして彼女らとは違い吸血鬼族の混血から始まりその血筋の途中で悪魔族やドワーフ族の血が入ったダークエルフという人種である。
ダークエルフは肌の色合いがエルフと比べて褐色であり、多種の魔族との混血であるためか魔法に長けている事が多い。
性格面も異なっている。基本的に温厚、(人間限定の)子宮瞬間湯沸かし器であるエルフと比べて少し無愛想で奥手、けれども好きになった人間には尽くすという特徴が見られる。こうした特徴で似通っているのが奉仕族だろう。
昨今騒がれる強姦まがいの事件もエルフが大半を占めるのに対しダークエルフの方は皆無である。こうした問題もあってか、エルフに対しのみ人間界の下界がより一層厳しく取り締まられている。そうした背景もあってか、エルフの人口は多いものの大半は未婚者なのである。
淫魔。夢魔、サキュバス。
寝ている男の側に立ち、淫らな夢を見せて夢精させる。
或いは、夢自体に入り込み、まぐわいの最中、精を取る。
生誕の歴史については創世記にまで遡る。
かつて原初の男であったアダムが最初の妻であるリリスと性行為の際に正常位ではなく騎乗位で楽しみたいという願いを退けた事が彼とリリスの袂をわかつ事となった。彼は彼女を見下ろし、快楽に歪む顔を見たかったのだろうが彼女も同じ気持ちだったのだろう。
しかしそれは仲裁した神のせいもあってか大喧嘩にまで発展し、埋まらない溝を作る結果に至ってしまった。原初の男も狭量なものだ。
さて下らないシモ話を挟んだが、事実としてアダムと別れたリリスは悪魔[要出典]と幾星霜交わり、リリムという淫魔を産み落とした。
これが淫魔、夢魔の生誕である。
一説によると、悪魔は神に追放された人間の一人だったと言われるが詳細を記した文献は今なお見つかっていない。
その悪魔はインキュバスではないかという説が学会で囁かれることもあったが、少なくともそれはないと考える。魔族と呼ばれる種族は魔族同士で子を孕む事ができない──ちゃんと立証もされている事実がそれを裏付けている。
まぁ夫と大喧嘩をかまして傷心だったリリスにとっては不幸中の幸いだったことだろう。彼女が見つけた人間[要出典]は、恐らく酷く落ち込んでいる彼女を慰めたことに違いない。それは愛情へと代わって、リリスにとっては他でもない最愛の人が出来たのだから。
その彼はアダムとは違い、彼女の望む全てを叶えたことだろう。証左として、毎日毎晩孕んでは産んでの繰り返し、魔界にはもう既にリリムが大量にいたという話だ。
私達の祖先であり、魔族の祖先たる彼女は楽園に追放されながらも彼という楽園で幸せを築いたと容易に想像できる。
閑話休題。
話が逸れた。
リリスが幸せを謳歌しているところ、アダムの方はイヴというヒトメス祖先と共に知恵の林檎を食った罰で奇しくもリリスと同じように楽園から追放されてしまったことだ。
林檎が実る禁足の地に誘われ、白い蛇に誑かされて食してしまったという話は通説であるが、この蛇が大天使であり後に堕天する大魔王ルシファーだという話も人間界に伝わっているようだ。
ルシファー曰く「可愛い二人を飼い殺しにしていることが我慢ならなかった。こんな気が狂ってしまいそうなほどに、天使が須く悶絶してしまうほどに可愛い存在を作り上げておいて、手元の側で愛玩のように弄ぶ神を許さない。彼らには自由に育むことこそが一番なのだろうと確信している。我が想いに賛同する天使を従えて神と戦争を起こす」と激憤した様子だった。のちに本当に神と戦争をした。
楽園の追放させるように仕向けたのはそういった神の鳥籠という檻から解放して自由を育んで欲しいという彼女なりの優しさだったのかもしれない。
さて、アダムとイヴは追放されて神の手が届かない地で生活をすることになった。悪魔もおらず、天使もいない、人間のみが生息する今日の人間界である。いざこざはあったものの、たった二人から数十億人に至るまでヒトは増えた。
その過程で、アダムとイヴの事もそうだが、リリムや魔族の生誕に関わる根本がどうも歪曲されて伝わっているようであった。
曰く、淫魔は殺すまで精を搾り取る。
……淫魔はヒトが大好きだ。好き過ぎて頭のおかしいやつもいるが、決して殺したりはしない。というか死なせない、もし身近で生き絶えようとしているヒトを目にすれば何がなんでも健康体にするだろう。それぐらいするし、殺したりすることなんていうことがあれば自決を選ぶ。それほどにまでヒト、という存在に飢えているし愛している。
曰く、ヒトは搾取される存在である。
……搾取されるというよりも、依存しているのは我ら魔族である。ヒト社会はそれでこそ魔族無しで形成出来ているが、魔族はその逆、ヒトがなくては回らない世界だ。
ヒトに飢え、代替品である精液を模した謂わば人工精液で誤魔化して暮らしてきている。いつか本当の精を得ると夢見て、最愛のヒト種族に愛される事を願って、愛を煮詰めては慰めて過ごしてきたのだ。
曰く、リリスの根付いた人間嫌いが遺伝していて今いる魔族全員ヒト嫌いである。
……あり得ない。それこそ今の今まで伝承となっている話が覆ることになる。リリスもアダムを愛していたがちょっとした揉め事で神が仲裁する事となり、それが大喧嘩から楽園追放にまで至り、そこでようやく最愛の人を見つけて子沢山に恵まれた。
子を愛しながら最愛の想い人と過ごす時間が、どうしてヒト嫌いに繋がろうか。でなければ、魔界も魔族も淫魔も生まれてきていない。
幸いにしてか、その文献の話は時代が経つにつれて人々の記憶からも忘れ去られるに等しいほどに色褪せて薄れていった。お陰で、淫魔を含む魔族が危険であると言う話はデタラメになり、魔族はエッチだけどヒトには友好的であるという刷り込みに成功している。現魔王様の辣腕もあることだろう、多大な利益を齎しつつもその裏ではこちら側に有利な条件を突きつけて人間界に根付いた昨今の魔族に対する価値観を覆すにまで至っている。
当の本人は──結婚した事を契機におしゃぶりを口に咥えて甘えまくる夫専用のデカ赤ちゃんと化しているが。
話を戻そう。
神と魔の協定により人間界には不干渉という措置が取られたものの、巨大ワームホールという未曾有の事象が起きたことが全ての転機となった。
今までもワームホールは時折小さいながらも人間界と接続することがあり、幸運な魔族はそのまま人間界に転がり込んで伴侶を探す事はあったものの今あるワームホールほど大きくはなかった。そのため、すぐに消えてしまっていたが──これが出来てからは変わった。
何故これほどにまで大きいワームホールができたのか?
魔王の仕業か、或いは侯爵の誰かが成功したのか?
眉唾めいた話は当初からあるものの、学者達が首を傾げているほど究明に至っていない。
分からないのだ。
ワームホール自体、何故不特定の場所に人間界と繋がるのかでさえ判明していない事実なのだから、有識者達も匙を投げている。
永続的に繋がり続ける穴を当然ながら神は顔を顰めたという。
協定では人間界不干渉の総意で決まっている。
しかし永久的ワームホールが出来た以上はそうも言っていられない。不干渉しないもなにももう穴が出来た以上、干渉している事に他ならないのだから当然だ。しかし、今いる天使族や魔族……人間の人口よりも多い飢えた牝を解き放てば瞬く間に人間界が終わる。
それは魔王側でもそうであったし、神も天使族の淫乱ぶりはよく知っていた。天使族は大天使の意向に沿って、魔族は魔王から許可を得た者のみが人間界に下ることができるよう措置が下された。折角の友好関係が台無しにされかねないためにも、必要な処置だったとは思う。魔界では温厚な種族でさえも人間を前にすれば理性無法地帯で逆レイプしかねないのだから。
蓋を開けてみれば、その方針は成功だった。じわじわと侵食するように、徐々に徐々に下界する者を増やしていった。
今や数多くの魔族や天使族が下り、人間界の社会に溶け込めるまでに進んだ。
──しかしだ。思いの外、人間と結ばれる魔族が交際する期間が短いまま結婚することが多い。
いや、喜ばしい事実だ。
それは違いない。
だが、人間の数は数千年の時でここまで人数が増えたのにも関わらず、瞬く間に魔族の伴侶になり、つがいとなり、夫となり、子を成している。速いのだ。スピード婚が。
魔界と懇意にしている日本は人口の3割強が魔族になっているし。
このままの調子で行くとヒトの人口が1割になってしまう。たとえヒトは減らなくとも魔族が増えてしまえばそうなりかねない。
基本一夫一妻とはなっていることから一夫多妻にすれば良いと安易に考える者は多いが、一夫多妻にしたところで結局ヒトは増えないのだ。寧ろ一夫多妻にすれば、産めよ増やせよで今よりも子供が増えることの方が不味い。
需要と供給のバランスが、需要だけひたすら伸びてる歪なグラフになる。否、なってしまっている。
人間の意識改革を成功させたはいいものの、成功させたが故に婚姻率を上げてしまい慢性的なヒト不足に陥っている……どうしたものか。
未婚のヒトがいなくなる前に私も早く捕まえなくてはならない……
────『ヒト族の伝承による淫魔及び魔族の価値観の分析 著者:スルフトベルク・デ・フォン・アイリア』