淫魔「やっぱ人間」竜族「そらもう」吸血鬼「人間よ」魔獣族「一番好き」天使「救って差し上げましょう♡」   作:お便器

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目を覚ませ 僕らの学校生活が高身長脚長爆乳肉厚巨尻男装麗人ドスケベインキュバスにイチャラブ侵略されているぞ(後半地の文あり)


拝啓お父様お母様

 

1:名無しの人間がお送りします

全寮制の男子校に入学したワイですが、無事に友達が出来ました

 

2:名無しの人間がお送りします

良かったやん

 

3:名無しの人間がお送りします

全寮制の男子校……?

 

4:名無しの人間がお送りします

お前愛知県にいる?

 

5:名無しの人間がお送りします

いやちゃうで

あんま言うと身バレしちゃうから言えへんけど愛知県のあの学園じゃない

 

6:名無しの人間がお送りします

ほーん

 

7:名無しの人間がお送りします

最近出来たとこだろ

何となくわかったぞ

 

8:名無しの人間がお送りします

言わんでね

 

9:名無しの人間がお送りします

言わないけど

偏差値たっけーな……

 

10:名無しの人間がお送りします

なんやイッチ頭ええんか

 

11:名無しの人間がお送りします

勉強しか取り柄がない悲しき生物やで

 

12:名無しの人間がお送りします

取り柄があるだけまだマシ

 

13:名無しの人間がお送りします

中学から猛勉強して入って

地元から離れて緊張しまくってたけど入学して早数ヶ月

右隣と後ろの席のやつと友人になれた

 

14:名無しの人間がお送りします

友人は大切にしてけ

 

15:名無しの人間がお送りします

ただなぁ

 

16:名無しの人間がお送りします

ただ?

 

17:名無しの人間がお送りします

今まで見た事のないぐらいクッッッッッソイケメン

 

18:名無しの人間がお送りします

顔面偏差値どのぐらい?

 

19:名無しの人間がお送りします

オックスフォード大学の二個上

 

20:名無しの人間がお送りします

存在しないだろいい加減にしろ

 

21:名無しの人間がお送りします

存在しないぐらいにかっこいいってコト?

 

22:名無しの人間がお送りします

いやマジで人生でこんな顔整ったやつおるんか……って思ったぐらいやね

魔族さんに引けを取らないぐらいやで

 

23:名無しの人間がお送りします

うわそりゃ顔良いわ

 

24:名無しの人間がお送りします

一人は銀髪メッシュ入れてるウルフカットでもう一人はミディアムぐらいの長さ

 

25:名無しの人間がお送りします

ホストかな?

 

26:名無しの人間がお送りします

いや最初見た時そう思ったよ

二人ともバッチバチにピアス決め込んでたし

うちブレザーの制服なんやけど二人して着崩してダボついたパーカー着たりとかしてたし

 

27:名無しの人間がお送りします

高校デビューだな

 

28:名無しの人間がお送りします

ワイ一番前で壁際の席やってん

だから初日にうわ〜……やべーのに囲まれちゃったな〜……とか思ってたら二人してすんげ〜良い笑顔で友達になろうよって言ってきたもんだから

思わず頷いたよね

 

29:名無しの人間がお送りします

脅迫されてない?

 

30:名無しの人間がお送りします

顔の良さにビビり散らかしたけど話してみたらめちゃくちゃ話しやすいし

すんげ〜良い匂いするし

思わず見惚れちゃうし

 

31:名無しの人間がお送りします

お前……

 

32:名無しの人間がお送りします

ホモ?

 

33:名無しの人間がお送りします

よせワシはホモじゃない!

 

34:名無しの人間がお送りします

魔性の魅力ってやつだな

 

35:名無しの人間がお送りします

女を何人か狂わせてそうな見た目なんだよなぁマジで……

 

36:名無しの人間がお送りします

実際どんな感じなん?

顔立ちというか佇まいとか

 

37:名無しの人間がお送りします

背はすんげ〜高いね

というかそれこそ魔族さん方と同じぐらい

 

38:名無しの人間がお送りします

たっか

 

39:名無しの人間がお送りします

え、2m超えてんの?

 

40:名無しの人間がお送りします

超えてる

ワイが165ぐらいなんやけど

見上げるぐらいにでけ〜〜〜し足なっげ〜〜〜のよ

 

41:名無しの人間がお送りします

うわ〜〜〜〜……

 

42:名無しの人間がお送りします

魔族さんじゃないのそれ?

 

43:名無しの人間がお送りします

でも男の魔族なんて見た事ないぞ

 

44:名無しの人間がお送りします

そうだよな……

 

45:名無しの人間がお送りします

一応母親は魔族ってことだけは聞いたな〜

しかも二人揃って御曹司

 

46:名無しの人間がお送りします

社会の上位存在じゃんね

 

47:名無しの人間がお送りします

声もいかにも甘〜〜〜〜い感じ

ふわっとした柔らかい声色

 

48:名無しの人間がお送りします

でも男なんでしょう……?

 

49:名無しの人間がお送りします

はい……

 

50:名無しの人間がお送りします

魔族の血が濃く出てるってことなんかな

 

51:名無しの人間がお送りします

多分そうかも?

にしてもいつもこいつら顔いいよな〜って思いながら挟まれてる

 

52:名無しの人間がお送りします

凸凹凸

 

53:名無しの人間がお送りします

やめてよね

身長はわりとコンプなので……

 

54:名無しの人間がお送りします

60cm以上身長差あるとかやべーな

 

55:名無しの人間がお送りします

清涼感と甘さを程よく掻き混ぜたような匂いもしてる

こいつら漫画の世界から出てきたと言っても俺は驚かないぞ

 

56:名無しの人間がお送りします

というか如何にもな勝ち組街道歩いてるのに全寮制選んだんだな

 

57:名無しの人間がお送りします

二人とも経験を積んで自立心を養うためとか言ってたし

今後、会社継ぐためにも必要なんじゃね知らんけど

 

58:名無しの人間がお送りします

見た目がどうあれ今後社会を牽引してく、選ばれた者なんだもんな……

 

59:名無しの人間がお送りします

ワイはカースト最底辺なのでいつも二人に色々餌付けされてる

 

60:名無しの人間がお送りします

餌付け……?

 

61:名無しの人間がお送りします

自販機で飲み物買おうかな〜とか思ってたら横から「何飲む?奢るよ」って言われるし

お菓子食べてんな〜って見てたら「ん」って差し出してくるし

 

62:名無しの人間がお送りします

餌付けだな

 

63:名無しの人間がお送りします

うめ、うめ……って言いながら食べてるよ

 

64:名無しの人間がお送りします

お前それで良いんか……

 

65:名無しの人間がお送りします

施しを甘受……

長いものに巻かれろの精神なので

 

66:名無しの人間がお送りします

高校生らしからぬ社会人みてぇな考え方してんな……

 

67:名無しの人間がお送りします

どうせワイの将来はこういう奴らの下で働くの分かってるしな……

貰えるものは貰いますよへっへっへ

 

68:名無しの人間がお送りします

三下ァ……

 

69:名無しの人間がお送りします

まぁでもこいつらだけじゃないんだけどな、明らかに別次元に住んでるなってやつ

ワイみたいな明らかにふつーの奴と、友人みたいに背ぇデッカい奴もワイのクラスに何人もおるし

 

70:名無しの人間がお送りします

 

71:名無しの人間がお送りします

いや他にもおるんかい

 

72:名無しの人間がお送りします

ワイのクラス総人数27人やけど

2/3は友人みたいなやつばっか

残りはワイらみたいなカスやね

 

73:名無しの人間がお送りします

有象無象と言いなさい

 

74:名無しの人間がお送りします

クラスの大半がそんなバチくそイケメンなのか……

 

75:名無しの人間がお送りします

ワイなら劣等感抱いちゃうね

 

76:名無しの人間がお送りします

劣等感無くはないけど、まぁ友人は友人でワイはワイなので比較するのもアホらしいし

それに友人の二人もそういうの気にせずに接してくれてるからなぁ

 

77:名無しの人間がお送りします

ええ友人やな

 

78:名無しの人間がお送りします

男子校やしね

それもあるかも

 

79:名無しの人間がお送りします

同性しかおらんもんな

 

80:名無しの人間がお送りします

でも体育終わりとか教室絶対臭いやろ

 

81:名無しの人間がお送りします

いやそうでもない……かも?

 

82:名無しの人間がお送りします

なんで疑問系なんだよ

 

83:名無しの人間がお送りします

いや体育終わった後はガンガン制汗剤使うしな……

臭いといえば臭いけどまぁ気にするほどでもないというか

 

84:名無しの人間がお送りします

あーそりゃそうか

 

85:名無しの人間がお送りします

それにクーラー完備の教室やし

マジで至れり尽くせり

 

86:名無しの人間がお送りします

ほーん

 

87:名無しの人間がお送りします

尚友人二人は制汗剤?が多分嫌いみたいでワイが使うと微妙な顔される

 

88:名無しの人間がお送りします

 

89:名無しの人間がお送りします

制汗剤と汗の臭いの混ざった匂いが微妙に臭いんじゃね?

 

90:名無しの人間がお送りします

それはありそう

 

91:名無しの人間がお送りします

多分そうなんだろうな〜……

ミディアムヘアの友達に「これで拭いたら?その制汗剤……君には合わないと思うし」って冷感タオル渡されたし

 

92:名無しの人間がお送りします

それとない気遣いで変に察しちゃうのが辛いな……

 

93:名無しの人間がお送りします

まぁそんでもやっぱ嫌な顔せずに絡んでくれるしな〜……

 

94:名無しの人間がお送りします

心の中では何思ってるかわからんで?

 

95:名無しの人間がお送りします

だる絡みされたりとか隣の部屋なのに電話かけてきて夜遅くまで電話付き合わされることもあるけど

別に嫌だと思ったこともないしな

嫌いなやつならそこまで時間割くのもアレやない?

 

96:名無しの人間がお送りします

まぁそれもそうか

 

97:名無しの人間がお送りします

だる絡みって?

 

98:名無しの人間がお送りします

生返事すると「無視すんなよ無視無視無視無視無視無視無視無視」って背後から抱きついてきたりとか

「昨日シコった?」「……シコ報告いる?」「いる、ついでにオカズもよろ」ってやり取りしたり

コミュニケーションにしちゃ結構べっとりしてくることもあるけど顔良いから許しちゃうんだよね

 

99:名無しの人間がお送りします

顔面の良さを免罪符にされてるぞ

 

100:名無しの人間がお送りします

まぁでもこいつらに一泡吹かせたいと言うか

驚かせたいのはあるので……

合コン行って彼女を作って驚かせてやるんだ

 

101:名無しの人間がお送りします

合コンかぁ

 

102:名無しの人間がお送りします

全寮制の男子校なのにいけるんかそれ

主に門限とかその辺

 

103:名無しの人間がお送りします

事前に外出届出しとけば割と緩いので……

まぁ見とけって

 

104:名無しの人間がお送りします

でもその友人達の方が既に彼女いそう

 

105:名無しの人間がお送りします

それはそう

 

106:名無しの人間がお送りします

イッチ、お前はどうあがいても勝てないんだ……

 

107:名無しの人間がお送りします

勝ち負けとかそういう話だっけこれ

 

108:名無しの人間がお送りします

うるせぇ!!!!!!!!俺は彼女作るんだ!!!!!!!!

 

109:名無しの人間がお送りします

できねーだろうな……

 

110:名無しの人間がお送りします

スペック自体はクソ高そうだし無くはなさそうだけどな〜……

 

111:名無しの人間がお送りします

何だろうな、ワイと同じ雰囲気がする

彼女作れないだろうなっていう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ごめん、ちょっと待って。合コン行くの?」

「おー」

 

 昼休み。机の上でだらしなく伸びながら頭の上から聞こえてくる友人の声に応える。

 合コンのセッティング、待ち合わせから当日の予定が映すスマホの画面を眺めて。

 クラスメイトの──友人とは違う、所謂? 普通のメンツに誘われた合コン。

 それを隠すこともないだったこともあり、何とはなしに言った。

 

「なんで?」

 

 そうして疑問を投げかけられる。開けっぱなしの窓からカーテンが靡いて、初夏の香りが鼻についた。

 それと、二人の匂い。

 何というかライムやレモン……清涼感のある果実に甘い匂いを混ぜこぜにしたような特有の匂い。

 普段よりも甘さが強いような気がして。

 それと、いつもより低い声に咎められたような感覚に引け目を感じてか二人に目を合わさずに応えた。

 

「なんでってそりゃあ……彼女が欲しいから」

「ふーん……」

「そっか」

「ふーん、とかそっかってなんだよそっかってぇ! 興味なさそうに言いよってからに! 良いだろ可愛い彼女欲しいんだよ!!!」

 

 非モテ男の切実な悩みを告げて机から立ち上がると……二人共笑っていた。

 おどけながら言ったのもあって二人して口元に手を隠しながらクスクスと上品に笑っている。

 

「まー多分ダメかもだし、その時は慰めてやろうか?」

「ダメ前提で話すなよ!!!」

「いーや。多分ダメだね」

「そうだな〜」

「多分っていう部分なんだよ! なんか微妙にあり得そうなニュアンス持たされてるせいで現実味あって心がグサグサきてるんですけどォ!」

 

 そうこうしてわーわーと言いながら昼休みが終わりを告げて。

 その後の授業も終わって寮に戻った。

 いつものように夕飯を取り、入浴を済ませたところで明日が休みだからなのか友人二人が部屋で遊びたい、そう連絡を寄越して。

 あまり騒ぐなよ、とだけ釘を刺してから招いた。

 最初はゲームをしていたと思う。

 カーレースからパーティゲームまで。

 明日の予定もどうしようか、なんて言ったりして。

 自分の描いた形とは少し違うものの、確かに青春の一ページではあった。

 楽しい友人と、こうして過ごす尊さというものを有難く思ってたんだ。

 

 

 

 

 

 ───

 

 

 

 

 あれ、あ、れ……?

 俺の部屋、だよな。

 寮の一室で……テレビもついてる。その側には転がっているコントローラーが三つ。

 俺は……なんでベッドで寝転んで……?

 なんでこうしてるんだっけ……?

 友人は……まだ帰っていない。

 それどころか、目の前にいる。

 ベッドに転がる自分を見下ろして……

 頬を赤らめて……何処か危ういような。生唾を飲み込むような妖麗を纏っている。

 

 ああ……ああ、そうだ。

 何となく……記憶の輪郭が形になっていく。

 ちょっとした話だった。

 合コンについての話。それに関連した女の好みからオナネタとか。そういう類の話。

 男なら別になんて事はない話の共有で。

 何とはなしに言ったんだ……

 もしお前らが女だったらな、とか。

 勢い任せだったとも思う。

 ちょっとしたシモの話で、二人でどっちがシコれるかどうか、とか。同性にしちゃ踏み込みすぎた話だけど律儀に答えようとしていた……と思う。

 それから記憶が、脳が、思考が酩酊したようにふらついていて。

 おかしい。おかしい。おかしい。

 脳が混乱に陥って抜け出せない。

 なんでそうなった?

 いつからこうなっていた……?

 なんで二人とも……今にも襲いかかってきそうな劣情をもたげてるんだ……?

 男なのに男である俺を襲うってのか……?

 

「……ふふ♡」

「男……そうかな?♡女の子かもよ?」

 

 いや、だって──そうだ、ここはそもそも男子校だ。

 女禁の学舎で……

 お前らは男だろ?

 俺と同じで……

 男、男、男……

 そうだ、そうじゃなきゃおかしい。

 男だろう?

 だってそう思って──

 

「本当に? 本当にそうだった?」

「ボクの性別について……一言でも話したことあったかな?」

「連れションだってボクは君と一度も行ったこともないよ?」

「体育のとき、君は教室で着替えてたけど……その中にボク達はいたかな?」

 

 え、と声を出たのはおそらく無意識だった、と思う。

 確かに言われてみれば。

 不自然だった。何もかもが。そう言われるまで気付かない不自然さが、あたかも真実であるように見せられていたような……そんな感覚で。

 告げられた事が一つ一つ。

 確かに。伏線を回収するように埋まっていく。

 呆気に取られている内に二人が着ていた学校指定ジャージのジッパーが下ろされて。ふぁさ、と床に投げ捨てられていく。

 アンダーシャツに覆われた上半身。

 心なしか胸板が膨らみを帯びている胸元が露わになって。二人は何も躊躇いもなく、薄いシャツさえも床に落としてしまい……サラシが巻かれている胸板が自分の目の前に。

 ぎゅうぎゅうに押し込められていたのもあるのだろう。サラシにはじんわりと汗が染み込んでいるようで。二人の甘い、甘い、甘い匂いが鼻についた。

 爽やかな匂いが一切ない、甘ったるい匂い……

 しゅる、しゅる……と解かれると。

 ぐ、むっ……押し留めていたであろう肉の海が溢れて溢れ出た。

 勢い良くまろびでた爆乳という言葉では収まりきらないもので。それを証明するように、たぷっ……と擬音が聞こえてきそうな大きさ。

 女を象徴する、片房だけで頭1.5倍もありそうな乳房。

 メートルを飛び越してしまうサイズの爆乳。

 

「じゃーん……♡」

「あ〜……♡涼し〜……♡」

「ほら……♡おっぱいだぞ〜……♡♡」

 

 乳輪の大きさや陥没の差異あれど紛う事なき生乳である。

 サラシを巻いてその上でジャージを羽織っていたのもあるだろう。

 湿度を帯びた肉双丘が二人分……寄せてあげるように見せつけたり……

 下から持ち上げて……手を離して。重力に従って落ちる塊が肋骨に当たってばちんっ♡と強烈な破裂音を立てる。

 見せつけられて誇示されている。

 牝として頂点に君臨する女体を。

 そして徐に……二人共々長い脚を隠しているスウェットに手をかけてずるん、と下ろした。艶かしく、色白の長い脚。造形美を体現したかのような──

 いや、見惚れている場合じゃない。

 男ならあるだろう。あるべきものが。

 脚に囚われていた目線をほんの少し上げる。長い脚にしっかりとついた健康的な肉腿。

 いや──もしかしたら、ということもあるかもしれない。乳房が大きいだけの男だと。色っぽいフェミニンなだけ──

 あり得ないのに。

 牝フェロモンだろうと確信を持てる甘い体臭をこれでもかと撒き散らしてるのに。小さな可能性に賭けている自分がいた。友情を壊したくないという切なる願いからだろうか。自分でも分からなかった。

 ありもしない幻想に縋り付くようにして目を上に。股座の方に。

 それは決定的なものであり。疑惑を真実だと裏付けてしまう現実で──

 二人とも、ない。

 下半身にはない。あるべきものが。

 男ならば無くてはならないものが。

 代わりにあったのは下着。紐同然の、隠すつもりなんてさらさらないような勝負下着で。

 辛うじてある布地は湿り気を帯びていた。

 

「……♡」

「あは……♡バレちゃったね……♡ボク達が女だってこと……♡」

「まぁ、バラしたが正しいんだけど……♡」

「なん、なんで……二人共、男だったじゃ……?」

「本当……? 本当にそうかな?♡ボク達が……最初から男の子だった、だなんて……君の思い込みじゃないかな?♡」

「ねぇ……ボク達の顔を見てご覧よ……♡」

 

 ざざ、と視界にノイズが走ったような感覚に襲われた。

 ……あれ、と思う。

 中性寄りだった二人の顔が……男なのか女なのか微妙に迷うような、けれども美しく整った造形の面立ちが……美人だと。誰がどう見ても美女だと一目で分かる顔つきに。

 ……初めて見たと言うのに何処となくしっくりとくる顔つきで。何度も何度も見たような既視感。

 それに……また疑問が浮かび上がる。

 ……あんなに耳が尖ってたっけ、と。

 綺麗な耳に煌びやかなピアスを着けているのは覚えている。だからこそ印象に残っていた。丸みのあったはずの耳が……今や魔族の、淫魔族のように尖っている。

 薄い唇が、んはぁ……♡と開いて……肺に溜まった空気をゆっくり……絞り出すようにしてから近寄ってくる。

 どくん、どくん。

 心臓が高鳴って。全身が金縛りにあったように強張って動けない。

 恐怖というより……非現実を目の当たりにしてしまって、呆然としてしまっているせいなのか。

 

「ごめんね……♡君が合コン行く、なんていうから……我慢できなくなったんだ……♡」

「な、ん……」

 

 迫り来る大きな影。匂いが強くなる。鼻腔の奥から脳細胞に至るまで染み渡る、甘ったるい匂いが。

 絡み取られる。二人に。

 強張っている指がにゅる、と。両手が、指が。全部握られて。

 嫋やかで、細くて。無骨な自分の指とは正反対である肉感。

 手をそれぞれ取られてしまえば、丸出しになっている肉鞠に沈み込まされる。

 しっとりとした質感に、初めて味わう女体の柔らかさ。

 ぐっにゅぅ……♡と肉沼にどっぷりと……浸からせるように押し付けられてしまう。

 どく、どく、どく……心臓が煩いぐらいに脈打って。

 何で二人がこんなことを、と考える自分がいたというのに。おっぱい重……柔らか……こいつなんでこんなエロい顔して……と欲望混じりの思考のせいで考えがまとまらず霧散してしまう。

 なんで、と言葉が出なかったのもそのせいだった。

 口をはくはくとさせていれば二人がじっとりと……濡れた目で俺を見ていた。友人とは思えない目で。

 

「好き……♡ずっと好きだった……♡」

「愛してる……♡ずっとこうしたかった……♡」

 

 そのまま全裸同然の二人に迫られて押し倒されて。

 長い足に絡み取られて。

 柔らかい肉布団が上から、下から。

 汗に塗れて。ひたすらに煮詰めたような愛欲をぶつけられて。

 温かくてとろとろで粘ついてて。

 自分という存在が熱で蕩けてぐちゃぐちゃになって。

 良い匂いで、甘くて。喉につっかえてしまいそうなぐらい甘ったるくて。

 友達同士のすることじゃないのに。

 そう言ったのに。ふたりとも好きだとか愛してるだとか。

 恋人になりたい、って。俺は、俺は……

 答えを言う間もなくて、頭がよっつの肉房に包み込まれて──

 

 

 

 

 

 

「っっ!」

「お、っと……大丈夫?」

「あ、う……ん……大丈夫……、っ!?」

 

 息を吹き返したように意識が戻った。

 はっ、はっ、と呼吸を繰り返して。

 聞き慣れた声を聞いて安心したのも束の間。

 友人の支えられてふにゅん……♡と柔らかいものが押し当てられて思わず強張った。

 聞き慣れた声……?

 本当に……?

 いや、違う。

 違う……と思う。

 声も……いつもより高くて、女性のものだとはっきり分かる声色だった。

 友人二人の声だと分かっていたけれども、緊張が解けなかった。

 

「ふふ……♡」

「混乱してるね……♡」

 

 聞き慣れている筈なのに聞き慣れていない、相反する矛盾が蟠りになっている。

 振り返ると二人が立っていた。

 友人だと思っていた、いや……同性の友達だと思っていた二人が。

 一瞬、瞬きをする前のコンマ何秒。

 いつもの二人の面影があったのに。瞼が落ちて開いた瞬間。

 自分の脆い願いを踏み砕くように……二人がいたんだ。

 ボタンが弾けてしまいそうなほどに張り詰めている爆乳を強引に納めているカッターシャツと。

 学校指定のスラックス……だけど、暴力的なほどであり……思わず前屈みになってしまいそうになるパッツパツに布地を張っている肉厚巨尻。

 男を狂わせて蕩けさせてしまう艶やかで。官能的で。エロティックで……薄桜色の唇。

 時代が時代ならば男も女も好きに狂わせてしまいそうな、破滅を齎す美麗さを持っている二人が。

 夢か現か分からない。

 傾国の美女二人が友人だった?

 本当に?

 

「おいおい、しっかりしてくれよ……♡放課後までもうすぐなんだからさ……♡」

『好き、っ♡好きっ……♡ねっ♡好きって言って……♡嘘でもいいからっ……♡』

 

 特徴的なウルフカットを靡かせている彼女を前にして昨夜の出来事が鮮明に蘇る。

 最早断ることもなく自分から迫ると、壊れたように好意をひたすら口にしていた。安っぽい好きを重ねて、重ねて……情事が深まるに連れて……つられて言ってしまっていたと思う。

 長い脚で腰を押さえつけられて。ダメだと思っていても。中に欲しいと乞い願われて。欲望を何度も吐き出した。

 気持ち良くて心地良くて。極上の女体をこれでもかと……脳髄に叩き込んできたんだ。

 

「今日も……君の部屋でゲームしようよ♡いいだろう?♡」

『んれぇ〜〜〜〜……♡ぁむ♡ちゅ、ちゅっ♡ちゅぱ……♡結婚……♡ボクと結婚して……♡』

 

 ミディアムヘアの彼女は──以前よりも心なしか髪が長くなっているようで。

 しつこいまでにキスをせがまれて舌を絡ませ合う濃密な口付けをしたんだ、あの唇を。

 長い舌で頬や首筋を舐め回されて。

 くどく感じるほどに。けれども聞き飽きない声色で。性欲に塗れたような、けれども聞かされたこっちが頷きたくなるぐらいにどろどろで愚直な好意をぶつけられた。安っぽい求婚を答えるようにすると嬉しそうに笑って──

 

 二人が近づいてくる度に、あの夜が呼び起こされる。海馬に刻まれた濃厚で濃密な交わりを。

 気づけば二人に左右から挟み込まれてしまっていた。

 

「ふふ……♡」

「だぁいすき……♡」

 

 こうして迫られて拒めずにいる。

 二人が目が眩むほどの美女というのもあるだろう。

 姿形が多少変わっても不変である友情もあるのだろう。

 しかし自分の、一先ずは巻かれてしまえという精神構造がそう遠くない内に──彼女達の思っている通りの結末へと導くにちがいないと思う。

 自分の意思は……多分ある。

 友人として好ましく思っていたし、交わる前に話していた……こいつらが女だったらいいのに、という言葉も嘘じゃなかった。

 

「……♡」

 

 目が合うとにんまりと笑う。

 ……二人とも可愛いなと思ってしまっていた。

 

 合コン……断らないとな……

 

 

 

 

 




イッチ
普通、勉強だけが取り柄と自虐めいて言うが社交的でコミュニケーションは優秀な部類。ツッコミポジ。長いものには巻かれろと考えている。
長いものに巻かれてたのに、同性の友人だと思っていた二人に美味しく食べられてしまってぐちゃぐちゃにされた。


ウルフカット
ホストで女沈めて人生狂わせてそうな、魔性を秘めた美貌(認識阻害魔法使用中)
制汗剤使われると折角の汗だく♡大好きなヒトオス♡の汗蒸れ雄臭が嗅がなくなるため制汗剤を目の敵にしている。
インキュバス。隣の席にいるイッチにガチ恋中。
結婚前提で彼とは付き合い始めて、普段は男装バージョンで過ごしている。
が、幼馴染のミディアムヘアとイッチの三人になるとこれ見よがしに男装を解いてイッチに迫っている。


ミディアム
ホストで女を依存させて貢がせてそうな中性美顔。
制汗剤使うんだったらこれ使いなよ、とさりげなく貸した冷感タオルを渡して制汗剤使わせないようにした。
イッチの汗をたんまりと吸ったタオルを幼馴染であるウルフカットと共有している。
インキュバス。前の席にいるイッチにガチ恋中。
結婚前提の交際を始めて、こちらも普段は男装モード。幼馴染と結託して卒業に合わせて子供を作ろうと画策している。

男子校
とある全寮制男子校。数十年前、魔族達の多額出資で設立された高校。
イッチのクラスメイトの1/3はイッチ同様普通の人間であるが、全員食われ済み。
男子校、とは名ばかりで本当は男装魔族が潜り込んでいる魔境。
全寮制であり偏差値も高いが故に倍率高め。インキュバスが多く、認識阻害をかけていたりして背の高い男生徒だと思われていたりしている。
その実、男装ドスケベ魔族の巣窟。
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