クラス転移した俺のスキルが【マスター◯ーション】だった件   作:スイーツ阿修羅

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十三発目「お風呂〇くの禁止!!」

 

 ー新崎直穂(にいざきなおほ)の独白ー

 

 私は中学に入って、人と話すのが苦手だった。

 空気の読めない事を言ってしまう、嫌われたり傷つくのが怖かったのだ。

 人と話すのが怖くなって、変な緊張をするようになり、雑談が出来なくなった。

 

 でも……

 

 学級委員で同じになった万波行宗(まんなみゆきむね)くんは、

 無愛想で勉強だけの私に、気さくに話しかけてくれた。

 そして、私は少しずつ本音が話せるようになっていった。

 行宗(ゆきむね)くんへの気持ちは、恋心ではなく親愛に近かったけれど。

 私は行宗(ゆきむね)くんとの会話経験のお陰で、他の人とも話せるようになった。

 

 そして、私はある人(・・・)に告白された。

 それまでの人生で、告白された事なんて始めてだった。

 その人(・・・)は、すごく私の事が好きだと言ってくれて、私も心打たれた。

 行宗(ゆきむね)くんの事が、少し頭によぎったけれど、彼への想いは恋ではなかった。

 だから私は、その人(・・・)の告白を受け入れた。

 

 でも、しばらくして、行宗くんに告白された。

 「彼氏がいる事は知ってるけど、俺は、新崎直穂(にいざきなおほ)が好きです。」、と。

 私は驚いた。行宗(ゆきむね)くんみたいな凄い人が、私を好きになるなんて信じられなかった。

 凄く嬉しかった。

 もし行宗(ゆきむね)くんに、先に告白されていたら、間違いなくOKをしていたと思う。

 でも私はその時、彼氏と上手くやっていたのだ。

 

 だから私は断った。

 そして、友達でいましょうと言った。

 これは心からの本心だった。

 行宗(ゆきむね)くんとは、ずっと話しやすい関係でいたかった。

 でも、行宗(ゆきむね)くんは、私を避けるようになった。

 当然だ。私は彼をフッた。つまり拒絶したのだ。

 都合良く、今までの関係が続くはずもない。

 

 私も行宗(ゆきむね)くんに話しかけられなかった。

 私は、行宗(ゆきむね)くんに嫌われたんだ。と、思った。

 そうしている内に、彼への想いは薄れていった。

 

 

 そして、私達は同じ高校に入り、意外な形で再会する。

 異世界に転移されたダンジョンの中で、行宗(ゆきむね)くんが私の名前を呼びながら、オ○ニーしていたのだ。

 流石に引いた。

 気持ち悪い、あり得ないと思った。

 でも、行宗くんはそんな人じゃないと思い、私は事情を聞く事にした。

 すると、彼は、【自慰(マスター○ーション)】スキルを試していたらしい。

 なるほど、そんな深い事情があったのか。

 とにかく、私は彼の弱み(・・)を握ってしまったのだ。

 

 つまり、私は彼にどんな事をしても、

 「絶対誰にも言っちゃダメ、スキル(オ○ニー)の事を話されなくなかったらね」

 と、脅す事ができるのだ。

 

 だから私は、友達にも言えないような下ネタワードを、彼にぶちまけた。

 アニメが好きな話も全部話せた。

 彼の告白を断って、「私の本音をぶちまける奴隷になって」と言った。

 これは流石に、私クズだなと思う。

 でもその時は、恋心なんてなくて、

 ただ「やっぱり行宗(ゆきむね)くんと話すと楽しい」という思いしかなかった。

 

 そして、ラスボス戦。

 毒を飲まされ、命懸けの戦いを強要され、浅尾(あさお)さんが死んだ。

 私にも毒が回って、諦めかけていた。

 そんな時、行宗(ゆきむね)くんは、クラスの皆がいる中でオ○ニーを始めたのだ。

 信じられなかった。カッコいいと思った。

 勿論、絵面だけ見ればただの変態だし、他のクラスメイトはドン引きだろうけど、私は知ってる。

 【自慰(マスター○ーション)】スキル持ちの、優しくて勇気のある行宗(ゆきむね)くんを。

 彼は、本気で戦っているのだ。

 

 ドキンと、私の胸が高鳴った。

 ああ、私は彼に、恋しているのだ。

 もう既に、どうしようもなく、行宗(ゆきむね)君の事が好きになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時を戻して、

 ー新崎直穂(にいざきなおほ)視点ー

 

 私達は、温泉を見つけた。

 手を入れてみると、程よい暖かさであり

 飲み込んでみても、少ししょっぱい変な味がしたが、飲めないことはない。

 私達はここで汗を流す事にした。

 でも、流石に行宗(ゆきむね)くんに、私の裸を見られる訳にはいかない。

 だって私は和奈(かずな)と違って魅力的な身体ではないし、最近太り気味だし……

 自分の貧相な身体は、あまり見られたくないのだ。

 まあ、私がもし、ナイスボディだったからと言って、見せられるという訳ではないが。

 それはそれで、恥ずかしいからね。

 

 

 という事で、以下の手順を取ることにした。

 

行宗(ゆきむね)君が脱いで、温泉の右側に入る

 ↓

②私と和奈(かずな)が脱いで、温泉の左側に入る。

 ↓

③私と和奈(かずな)が温泉から出て、服を着直す。

 ↓

④私達が行宗(ゆきむね)君に呼びかけ、行宗(ゆきむね)くんは風呂から出る。

 

 [ルール]互いの裸を絶対に見ない!見せない!視線は常に反対側!

 

 

 これは、温泉の中央にある大きな岩を利用して、男湯と女湯で分けるという作戦である。

 

 もしも、誰かがルールを破ったら??

 ……んー。今度こそ奴隷になって貰おうか。

 

 

 

 そして今、私は素っ裸で、和奈(かずな)と温泉に浸かっている。

 

「背中洗ってくれる?直穂(なおほ)ちゃん?」

 

 和奈(かずな)の頼みを受けて、私達は互いの身体を洗いっこをすることになった。

 まあもちろん、ボディソープやシャンプーなんて贅沢品はない。

 素手とお湯でゴシゴシと洗い流すだけだ。

 

「はぁー天国~っ!ずっと浸かってたいよぉーー」

 

 和奈(かずな)は、私に背中を洗われながら、グッタリとした息をついた。

 私にもグッタリとした疲れが押し寄せてくる。

 さっき走ったのもあるが、昨日からずっと気を張り詰めてばかりである。

 それに、今日の朝から、行宗(ゆきむね)君の事で頭がいっぱいで、なかなか心が落ち着かない。

 

「ふーー。直穂(なおほ)ちゃん上手いねー。よしっ!ありがと。交代しよ?」

「うん」

 

 和奈(かずな)は満足した様子で、私の背中へと回った。

 

「じゃあ、やってくよー。って、直穂(なおほ)ちゃん、いい身体してるね」

「え…」

「すっごく可愛いよ。守りたくなるというか襲いたくなるというか。行宗(ゆきむね)くんにも、自信をもって見せられるね」

「み、見せられないよっ」

 

 

 和奈(かずな)は、また私をからかってくる。

 今日は何度もからかわれた。

 間接キスから始まり、匂いの話など色々……

 たしかに、昨日は人工呼吸したし、汗びっしょりの状態で行宗(ゆきむね)君に抱きしめられて、オ〇ズにされたりしたけどさ………

 あーだめだ…思い出したくないよ…恥ずかしすぎる……

 あの時は命がけだから仕方なかったのだけど、私はトンでもない事をしてしまった。

 そのせいで今日、行宗(ゆきむね)君の顔を、まともに見られない。

 

 

「で?直穂(なおほ)ちゃん、いつ告白するの?」

「え?」

行宗(ゆきむね)くんと両想いなんでしょ?早く告っちゃいなよ」

 

 和奈(かずな)が、私の背中を流しながら、不思議そうな様子で訪ねてきた。

 行宗(ゆきむね)君に告白する…考えていない訳ではないのだ。

 私は彼をフッてしまった。

 すぐに謝って、告白すべきなのは分かってる。

 でも、今は無理なのだ…

 恥ずかしすぎて…告白なんて出来ないのだ。

 それに、今は生きるか死ぬかの瀬戸際なのだし。

 

 

「でも…こんな時に告白なんて、場違いじゃない?」

「じゃあ、いつ告白するのよ?私達はいつ死ぬかも分からないのよ?」

「そうだね」

 

 和奈(かずな)にド正論を返されて、私は口をつぐんだ。

 

 

「それに直穂(なおほ)ちゃん。行宗(ゆきむね)くんの頬っぺたをぶん殴ったのに、まだ謝ってないよね?、行宗(ゆきむね)君に嫌われてもおかしくないよ。」

「あ……」

 

 そう言えば行宗(ゆきむね)君に、殴ったことを謝るのを忘れていた。

 行宗(ゆきむね)君が、私に近づいてきて、「美味しそうな匂いがする」と言ったから、

 私は、汗の匂いを嗅がれたのかと思って、顔を叩いてしまったのだ。

 でもそれは、私の勘違いで、小籠包の匂いの話だったのだけど。

 話が移ってしまい、謝るタイミングを逃していた……

 あぁ…やってしまった……謝らなきゃ……

 

「ごめんなさい……」

「私に謝ってどうする。行宗(ゆきむね)君に謝らないと。

 それに朝からずっと、行宗(ゆきむね)君に話しかけてないじゃん。

 そういう小さなマイナスは、積もれば大きなマイナスになるんだよ。

 男が女に冷めるのは一瞬だからね。

 直穂(ゆきむね)ちゃんは行宗(ゆきむね)君に告白されて、一度、フったんでしょ?

 だったら、今度はこっちから告白するのが礼儀だよ。」

 

 和奈(かずな)は真剣な声で厳しい事をいう。

 いや、事実なのだ。 

 私がダメな女なのだ。

 自分の恋心に精一杯で、行宗(ゆきむね)君の気持ちを考えていなかった。

 私のことが好きで、私に振られた行宗(ゆきむね)君が、今どんな気持ちなのかということを、考えていなかった。

 

「ごめん、私が悪かった…。勇気だす、告白するよ。」

「まあ心配しなくても、行宗(ゆきむね)くんは優しいからきっと付き合えるよ。

 私のおススメの告白はね、今すぐ告白しにいくことだよ、

 素っ裸で大好きって言って抱きつけば、行宗(ゆきむね)くんも断れないだろうし。」

「変態じゃない!!」

 

 和奈(かずな)は楽しそうな顔で、とんでもない提案をする。

 裸で告白するなんて、痴女じゃない!、エロ漫画でしか見たことないよ。

 

「お…お風呂上がった後に、告白します、絶対…」

「うん!頑張れ!、そうすれば行宗(ゆきむね)くんも、これからオ○ズに困らなくてウィンウィンだし!」

「えぇ…、それはなんか……恥ずかしいよ……」

 

 

 和奈(かずな)は、また私をからかってくる。

 でも不思議と悪い気はしない。 

 応援されている事が分かるからだ。

 よし!私も勇気を出そう。

 人生初の告白だけど、頑張って好きだと伝えるのだ。

 

「背中、綺麗になったよ。今夜、どんな展開になっても大丈夫だね。あ、避妊具(コン〇ーム)はないから、中はダメだよ。」

「は、話が早いよっ!!

 ………ありがと和奈(かずな)…もう少しゆっくりしよ。」

 

 私達は、ゆったりと湯に浸かった。

 あまりの心地よさに、私の頭は空っぽにして、グッタリと身体と癒し……

 いや、リラックスなんてできる訳がない…

 

 私は、行宗(ゆきむね)くんへの告白の言葉で、頭が一杯であった。

 好きです、カッコいいです、優しいです……

 ずっと一緒にいたいです、付き合って下さい、愛しています……

 考えれば考えるほど、頭の中が熱くなり、ボーっとしてくる。

 

 この風呂から上がったら、私は行宗(ゆきむね)君に告白しないといけない。

 心臓のドキドキが止まらない。

 緊張しすぎて身体が震える。

 もう少し、もう少しだけ、この湯の中にいたい。

 もう少し、心の準備をしたいのだ……

 

 

 

 ヌルッ……

 

(!?)

 

 何??今、足元がヌルっとして……

 

「きゃぁぁぁあっ!!」

 

 隣から、和奈(かずな)の悲鳴が聞こえた。

 そして私の足に、白いヌメヌメとしたものが巻き付いてくる。

 え?なに??気持ち悪いっ!?

 

「いやぁあああ!!」

 

 私は絶叫した。

 私の太ももに巻き付いたのは、直径30センチほどの白い触手であった。

 私は、両手で掴んで必死に引き剥がそうとする。

 しかし白い触手はビクともしない。

 白い触手は、私の下半身から上半身へとヌルヌルと登ってくる。

 さらに地面から、一本、二本、三本と、同じような白い触手が無数に生えてくる。

 

(マズイ、マズイ、マジでマズイ!)

 

 もう手遅れだった。

 沢山の、太くて大きな触手は、私の身体中に巻き付いて離れない。

 柔らかい触手が私の身体中を這いまわり、視界が真っ暗に覆われる。

 

「んーーやめっ!……うぐぅぅぅ…!」

 

 遠くから、籠ったような、和奈(かずな)の悲鳴が聞こえる。

 

(助けて、助けて……!)

 

「助けてっ!!行宗くん!!」

 

 私は声を張って叫んだ。

 でも、声は触手の壁にかき消されて、遠くに届いている気がしない。

 四方八方を触手に囲まれて、息をするのも叶わない。

 

(このまま、ゲームオーバーなのだろうか……)

 

 やだ……いやだ……

 私はまだ生きたい…友達と一緒に遊びたい。

 行宗(ゆきむね)君と恋人になりたい。デートやキスやその先もしたい。

 せめてお母さんとお父さんに、もう一度会いたい。

 学校の先生になりたかった。

 

 沈んでいく、沈んでいく

 白い触手の中へ、沈んでいく。

 

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