クラス転移した俺のスキルが【マスター◯ーション】だった件   作:スイーツ阿修羅

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二十四発目「耳舐め安眠サービス」

 俺達の川遊びが終わって、日が暮れて……

 浅尾(あさお)さんとリリィさんと合流した。

 

「【熱水(ホットアクア)】…【熱風(ホットエア)】…】

 

 水浸しの俺達を、リリィさんは魔法で洗い流し、乾燥させてくれた。

 

「ねぇ、私も汗かいたから、お願いしてもいい?」

 

 泥が纏わりついた服の、浅尾(あさお)さんも、同様に身体を洗い流した。

 

「やっぱりすごいな、リリィさんは。この家といい魔法といい、どんな事でもできる」

「そんな事ありません、大したことないです。でも、ありがとうございます」

 

 俺はリリィさんを褒めたのだが、リリィさんは困ったように笑った。

 決して謙遜(けんそん)ではなくて、本心でそう思っているようだった。

 

行宗(ゆきむね)さんの、言う通りです、お姉さまは……凄いんです…………」

 

 ユリィさんが、俺の背中に背負われながら、眠そうな声でそう言った……

 

「疲れたみたいですね……行宗(ゆきむね)さんと新崎(にいざき)さんには、感謝しています。ユリィのこんなに楽しそうな顔は、あまり見たことがありません」

「いや、俺達も遊んでただけだ。リリィさんと浅尾(あさお)さんこそ、こんな立派な家をありがとうございます」

「本当は布団まで作りたかったのですがね……ユリィも眠そうです、すぐにご飯にしましょう」

 

 そう言って、俺達は、リリィさんの作ったログハウスに入った。

 弥生時代の建物のような、簡素なものだったが、寝泊りをするには十分だ。

 昨夜の、洞窟のでこぼこ床に比べれば、100倍マシだ。

 

 そして俺達は、リリィさんと浅尾(あさお)さんの作った鍋を食べた。

 熱々の煮込み鍋は、クタクタに疲れた俺の骨身に染み渡った。

 もちろん、定期的に、直穂(なおほ)に【超回復(ハイパヒール)】をかけて貰っているのだが…

 食事でしか、得られない養分もある。

 

 

「明日、朝早くにここを出れば、明日の内には国境を越えられます。きちんとした宿にも泊まれるでしょう」

「なぁ、俺達が今いるガロン王国は、リリィさんの公国と戦争中なんだよな?」

「……停戦中ですね。国境には、互いの警備隊が配備しています」

「なるほどな……」

 

 食事も終わり、暗い蝋燭の部屋で、俺達は眠気が来るのを待っていた。

 ユリィだけが、既に眠っていた。

 リリィさんの膝の上に頭を乗せて、すやすやと可愛い寝顔を見せている。

 もっとも、起きているときも目を瞑っているから、分かりづらいが……

 

「……ふぁぁあ……あたしも眠くなりました……皆さん、おやすみなさい…」

 

 リリィさんは、眠そうなあくびをした。

 俺は、ちょっと気になった事があったので、リリィさんに聞いておく事にした。

 

「あの……リリィさん、全員が眠ってしまっていいんですか? もし、危険が迫った場合に、気づけないのでは?」

「あぁ、その心配はありませんよ。ユリィに任せておいて下さい。眠っていても彼女の危機察知能力は天才ですから……」

「なるほど……お休みなさい……」

「おやすみなさい」

 

 リリィさんは、ユリィさんを抱きかかえながら、床の上へと寝転がった。

 

「私達も、横になろっか」

「そうだね、朝も早いって言ってたし、早く寝ないと」

 

 直穂(なおほ)浅尾(あさお)さんが、ぽつりぽつりとそう言った。

 部屋の真ん中の残り火は風前の灯で、今にも消えそうだ。

 うす暗い光に……直穂と浅尾さんのからだが生々しく照らされていた。

 

「ねぇ直穂(なおほ)、昨日みたいに一緒に寝ない?」

「うん……少し寒いし……怖い…」

「じゃ……じゃあさ、行宗(ゆきむね)くんを挟むカンジでいい?」

「……私はいいよ……、行宗(ゆきむね)は暖かいしね……」

「ありがと……大丈夫だよ、行宗(ゆきむね)くんを取ったりしないから……」

 

 俺は、彼女たちの会話に息を飲んだ。

 会話の内容は、信じがたいものだった。

 

「ねぇ行宗(ゆきむね)、私と和奈(かずな)で挟んで寝てもいいかな? 行宗の身体は暖かいから」

 

 直穂(なおほ)がそう言った。

 

「べっ、身体をくっ付けたりはしないから……ただ、手を握ってて欲しいの…いいかな?」

 

 浅尾(あさお)さんは、戸惑ったような、不安そうな声で俺を見た。

 彼女の弱っている顔を、初めて見た気がする。

 教室の中でも異世界でも、常に元気で前向きな子だった。

 そんなクラスのモテ美少女が、弱音を吐いて、俺の手を欲しがっている。

 俺は、彼女の冷たい手を握った。

 

「いいよ……というか頼む、俺も怖かったから」

 

 俺は浅尾(あさお)さんにそう言って、

 もう片方の手で、直穂(なおほ)の手を掴んだ。

 

「じゃあ、寝ようか……」

 

 俺達は、手を繋いで横になった。

 目の前には、薄暗い天井があった。

 頭の下には、申し訳程度の干し草があるが、新築(しんちく)の床はひんやりと冷たかった。

 ただ、二人の手のひらだけが、温かかった。

 

「……ありがとうね。二人ともっ…。わたし、二人が居なかったら、とっくに死んでたと思う……。

 ……ありがとう……」

 

 右手を繋いだ浅尾(あさお)さんが、弱々しい声でそう言った。

 俺の目には、彼女はとても小さくみえた。

 手も小刻みに震えていた、怖がっていたのだ。

 

「俺もです…。俺にとって浅尾(あさお)さんは、家族ぐらい大切だから……

 彼女とか彼氏とか関係なく、俺は二人を、すごく大切に思ってるから……。

 欲を言えば、浅尾(あさお)さんも、もっと(そば)に来て欲しい……」

 

 俺が、包み隠さず本心をいうと、

 浅尾(あさお)さんは、瞳を前髪で隠しながら、ギュッと距離を詰めてきた。

 肩とお尻の側面が密着する。体温が温かい……

 

「……仕方ないなぁ、私と直穂(なおほ)に挟まれながら寝るなんて、贅沢な奴め……」

 

 浅尾(あさお)さんは、俺に身を寄せながら、温かい吐息でそう言った。

 

 直穂(なおほ)も、無言で身体を密着させてきた。

 これで俺は、クラスの美少女二人に挟まれて寝る形なったのだが……

 

「ふーー。好きだよっ、ゆきむね……」

 

 !!?

 突然、耳元で囁かれた。

 直穂(なおほ)の声だ……

 そのあまりの甘ったるさに、俺の身体の力は、フワッと抜けてしまった。

 

直穂(なおほ)?」

「そのまま天井向いたままでいいよ、私が寝かしつけてあげる」

「………!!」

 

 直穂(なおほ)は甘く囁くと、俺の左半身にピッタリと抱きつくと……

 

「ふーー。はーーっ」

 

 と、温かい吐息を、俺の鼓膜へと吹きかけた……

 俺は、興奮せざるを得なかった。

 これが、生の吐息か……

 俺は今まで、二次元の耳舐めボイスで、十分満足していた。

 しかし……

 三次元の吐息は、二次元のそれとは比べ物にならなかった。

 

「私ね、眠れない時には、こういうASMRを聞いたりするんだ。すると、良く眠れるの……」

「そ…そうか、俺も毎日聴いてるよ、耳舐めボイスとか……えっちな奴とか……」

「ふっ、正直だねぇ。じゃあ、舐めてあげよっか……」

 

 れろ……れろりっ、じゅぶ……ちゅるるるっ、じゅるっ……

 

 俺の左耳に、直穂(なおほ)の温かい舌が侵入してくる……

 それは気持ち良すぎて……俺は天に召される感覚だった。

 こんな感覚を知ってしまったら、もう二次元では満足出来ない。

 

「どうかな?気持ちいい?」

「うん、最高だよっ、むっちゃ気持ちいい」

「そっか、良かった。じゃあ続けるね」

 

 直穂(なおほ)は嬉しそうな顔をして、また丁寧な耳舐めを再開した。

 

「ふーー」

 

 今度は、右耳にも吐息が掛かった。

 何事かと思えば、浅尾(あさお)さんだった。

 

「私もしていいかな? 行宗(ゆきむね)くんには、安心して寝てほしいの。恩返しがしたいの……」

 

 そう言って、浅尾(あさお)さんも、自身の舌を、俺の耳の中へと這わせた……

 

 じゅっ、れろっ……れろっ、ちゅるっ、ちゅうっ……

 

 浅尾(あさお)さんは、直穂(なおほ)と違って息が熱く、荒かった。

 舌を迷わせながら、戸惑いながらのぎこちない耳舐め……

 こちらまで緊張してしまい、そしてドキドキした。

 直穂(なおほ)和奈(かずな)、二人の美少女に耳を舐められて、俺の幸せの絶頂だった。

 

 

 

「ねぇ行宗(ゆきむね)、私ね…、毎日オ◯ニーしてるの」

 

 ファッ!?

 突然の、直穂(なおほ)のカミングアウトに、俺は脳の処理が追いつかなかった。

 

「しかも朝晩で最低2回、だから【自慰(マスター◯ーション)】スキルなんて授かっちゃったんだろうね。でも、行宗(ゆきむね)とお揃いで良かった」

 

 直穂(なおほ)は、くすくすと笑っていた。

 彼女が口を開くたびに、俺の鼓膜が喜んでいる。

 まるで、優しく犯されている感覚だ、それが堪らなく気持ちよかった。

 

「……最初は、カッコいい行宗(ゆきむね)に恋していたけど、今は少し違うの。

 それだけじゃなくて、行宗(ゆきむね)(そば)にいると安心するの、すっごくね……」

「俺も安心するわ、二人に耳舐めされて、まるで天国ってカンジ・・・」  

 

 直穂(なおほ)はナチュラルに、俺に好意をぶつけてきた。

 狙っていったセリフではない、彼女は本心で話してくれる。

 だからダイレクトに、俺の心は鷲掴みにされてしまう。

 

 れろ、れろれろ、ちゅるる……

 

 浅尾(あさお)さんは、無言で耳舐めを続けていた。

 浅く早かった呼吸は、大分落ち着いてきた。

 緊張も和らいだようで、浅尾(あさお)さんはリラックスした様子で、優しく耳を舐めてくれていた。

 

 俺も気づくと、眠くなっていた。

 二人の体温と吐息に包まれて、まるでお風呂に浸かっているように、のぼせてくる感覚……

 

「じゃあ、おやすみ。直穂(なおほ)っ、和奈(かずな)っ」

 

 俺は自然に、浅尾(あさお)さんを名前で呼んだ。

 

「うん、おやすみ、行宗っ」

 

 浅尾(あさお)さんも、笑顔で俺の名前を呼びすてて、俺の肩に頭を埋めて、目を瞑った。

 

 

 

「行宗っ。今日は、付き合った記念日になるね。

 ねぇ、もし現実世界に帰ったらさ、とびきりエッチなセッ◯スをしようよ。 それまでは、セッ◯スはお預けってコトでどうかな?」

 

 左耳で、直穂がとんでもない事を囁いた。

 浅尾さんには聞こえないような、小さな囁き。

 でも、俺の鼓膜は聞き漏らさなかった。

 

「うぇ、それは、どうしてっ?」

「決まってるじゃん、モチベーションの為だよっ。まあ行宗(ゆきむね)がどうしてもシたいっていうなら、いつでもどこでも、喜んで股を開くけど?」

「いや、分かった。できる限り我慢してみるよ」

「うんっ、私も我慢する。だから、頑張って現実世界に帰ろうっ」

 

 直穂(なおほ)はそう言って、俺の頭を掴んで左に倒すと、即座に唇にキスをした。

   

 ちゅ……っ。

 

 湿った甘い唇同士が、優しく重なり合う。

 直穂(なおほ)の頬っぺたは熱かった。

 瞳は欲情で潤っていて、フレンチキスなのに、物凄くエッチだった。

 

「おやすみ、行宗(ゆきむね)

「うん、おやすみ直穂(なおほ)

 

 俺達は、ゆっくりと唇を離して、寄り添いながら目を閉じた。

 幸せな余韻と、温もりに包まれながら……まどろみの中を沈んでいった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ、っっ!! 大変ですっ! 沢山の人が、強力なモンスターに狙われています!!」

 

 俺達は、眠りにつく事なく、叩き起こされた。

 ユリィさんの危険察知だ。

 俺達はすぐに飛び起きた。

 

「はやく助けに行きましょう! お姉様っ! 人が死んでしまいます!」

「ユリィ、落ち着いてっ、方角はどっち?」

「向こうです、距離は1キロほどっ!」

「分かりました、様子を見に行きましょう」

 

 ユリィとリリィさんが、そんなやり取りをして、

 俺達五人は、森の中へと駆け出した。

 

「ユリィ、どんなモンスターですか?」

「今までに出会った事がありません。動きは遅いです」

「なるほど、負傷者はいますか?」

「負傷者は二人っ、死者は分かりません、モンスターは真っ直ぐに、集団へと向かっています!」

 

 夜の森の中を、リリィさんの【火球(ファイヤボール)】が照らしながら、走る、走る走る……

 すると、だんだんと地鳴りの音が響いてきた。

 ドスン、ドスン、と、巨大な生物があるくみたいな足音……

 もう、危ない目に遭うのは嫌なのだが?

 

行宗(ゆきむね)さん! 念の為に戦闘準備をしておいて下さい!!」

「!!、了解っ!!」

 

 リリィさんの掛け声に、俺は、自身の武器へと右手をかけた。

 リリィさんは、「この森には、危険なモンスターはいない】と言っていた。

 むしろ怖いのは人間だと。

 しかし、万が一のためだ。

 走りながらでは難しいが、やらないよりはマシだろう。

 

「ねぇ、戦闘準備って何?」

 

 隣を走る浅尾(あさお)さんが、不思議そうに首を傾げていた。

 

「決まってるだろ、オ◯ニーだよ!」

「んなっ!? 何してんのっ!?」

 

 浅尾(あさお)さんは、怒ったような顔で、顔を真っ赤にしていた。

 その通り、俺の右手は今、パンツの中で動いている。

 森の中を走りながら、別の運動に四苦八苦しているのだ。

 

「真面目な顔で何て事してんのっ!? 変態っ!」

「しょうがねぇだろっ、賢者になるためだ! もう危険な目に遭いたくないし、遭わせたくないんだっ!」

「そ、そうねっ。確かに……ごめんなさいっ」

 

 俺が迫真に叫ぶと、浅尾(あさお)さんは申し訳なさそうに誤った。

 

「分かった、私も準備しとくよ」

 

 直穂(なおほ)はそう言って、俺の隣を走りながら、自身のおっぱいと、股間へと両手を当てた。

 その仕草を見ただけで、俺の脳は興奮に襲われて、俺の戦闘準備は、大いに(はかど)った。

 これは、相互オ◯ニーという奴だろうか。

 直穂(なおほ)と俺は、隣り合いながら、自身の性◯体を弄っているのだ。

 こんなの、ほとんどセッ◯スじゃないか。

 

 バギバギバギ!!!

 

 森のひしめく音が強くなる。

 視界の先に、光があった。

 

「すぐそこです!」

 

 ユリィさんと叫びと共に、モンスターが視認できた。

 それは、大きな毛だるまで、白く発光していた。

 球体のシロクマというべきか、

 直径は、大樹を見下ろすほど大きい。

 

「やめろっ!!くるなぁぁぁ!! フィリァぁぁ!!」

 

 その更に奥で、男の人の泣き叫ぶ声がした。

 

 そのモンスターの足元には、倒れている子供がいた。

 そして、手前には、血に染まった死体もあった

 俺は、モンスターの巨体を見上げた。

 そこに書かれていた、HPバーの文字列は、

 【divine beast:Maruhubshi】

 モンスター名、【神獣:マルハブシ】

 聞き覚えのあるその名に、俺はあっと息を呑んだ。

 

 

 スッ!!

 突然目の前に、濃い緑の服装の男が現れた。

 !!?

 俺達は、すぐに警戒態勢をとった。

 軍服のような、ぼろぼろの隊服の男。

 右手には似つかわしくない杖がある。

 この男は、敵か?味方か?

 

 

 

「いやぁぁ!!やめろやめろっ! 来るならコッチに来い!!」

 

 白い光の向こうで、男の叫び声が続いていた。

 さらに奥から、ギャハハという笑い声もしていた。

 

「貴様ら、何のようだ? これ以上近づくな」

 

 目の前の男は、俺達を不審げに見下ろした。

 大人の屈強な男に、ここまで睨まれた事はない。

 正直、おしっこをチビりそうだ。

 

 直穂(なおほ)が、俺の手を握っていた。

 その手は冷たくて、ガタガタと震えていたり

 くそっ、何をやっているんだ俺は、直穂(なおほ)が怖がっているじゃないか、俺がビビっててどうする。

 

「俺たちなら、あのモンスターを倒せます! 助けにきました!!」

 

 俺は、胸を張ってそう言った。

 

「は? 必要ない。まさか俺たちの手柄を横取りするつもりか?

 1100万ガロンだ。公国金貨では10億円なんだよ ……邪魔するなら殺すぞ」

 

 …………!!

 殺すぞ、その言葉は本物だった。

 傷だらけの顔からは、生まれて初めて、殺気というものを感じた。

 俺は震えが止まらなかった。

 前に進むことも、後ろに引くこともできなくなり、金縛りにあった。

 

「早くっ!! 女の子が殺されてしまいます、助けないとっ!!」

 

 ユリィさんの声がした。

 

「あぁ、心配するな。アイツは獣族の罪人だ。ただの餌さ」

 

 目の前の軍服の男が、そう言った。

 

「嫌だァァァ!!」

 

 モンスターの向こうで、男の金切り声が続いていた。

 

 

「ねぇユリィ、あのモンスターを撃ち抜けますか?」

「無理ですっ、その奥にも沢山の人がいて、巻き込んでしまいますっ」

「なら近づくしかないですねっ!、浅尾(あさお)さん!」

 

 リリィさんに応えるように、浅尾(あさお)さんが男の横をすり抜けて、【爆走(バーンダッシュ)】で駆け出した。  

 目にも止まらぬ速さで、【神獣マルハブシ】へと近づいていく。

 

「貴様っ!何をする気だっ!奴は罪人だぞ」

「罪人だと? 貴様らが虐待した被害者だろ!?」

 

 リリィさんは敬語使わずに言い捨てた。

 強い言葉に、慌てふためく男に触れて、不思議な魔法で気絶させた。

 

行宗(ゆきむね)さんごめんなさい。あの女の子を、助けてもいいですか?」

 

 リリィさんは、焦った顔でそう尋ねながら、もう既に走り出していた。

 俺も走り出していた。

 どの道、もう、止まらない。

 そもそも、あのモンスターを倒せば済む話なのだ。

 

 

 

「敵集だ!!すぐに始末しろ!!魔法陣に近づけるなっ!!」

 

 俺たちの周囲には、大勢の敵がいた。

 沢山の軍服が、木の上にいて、モンスターを取り囲んでいたのだ。

 彼らはモンスターではない、俺と同じ、人間である。

 

 俺の戦闘準備は、まだ万端ではなかった。

 しかし……

 俺は腹を括った。

 もう目の前で、誰かが死ぬのを見たくない。

 

 




 ゴールデンウィークも終わりですね。
 大変ですが、一緒に頑張りましょう!
 
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