クラス転移した俺のスキルが【マスター◯ーション】だった件 作:スイーツ阿修羅
白いフードのフィリアちゃんに、キスをした獣族の少年は、フィリアちゃんの友達らしい。
フィリアちゃんは一ヶ月前ぐらいに、獣族独立自治区という、獣族達の住む国を抜け出したらしい。
そうして今、この少年は、フィリアちゃんとの再会を喜んでキスをしたのだとか。
という内容を、リリィさんが翻訳して聞かせてくれた。
「可愛いですね。あの子、ファーストキスだったみたいですよ。 キスは、眠っているお姫様を起こす魔法だと信じて、勇気を出したみたいです」
リリィさんは、幼い恋愛を見守る母のように、くすくすと笑っていた。
おかしいな。
あの少年の方がリリィさんよりも、年上に見えるのだが。
「さて……では王国軍の仕掛けた魔法陣を、解いておきましょうか」
リリィさんはそう言って、また獣族達へと話しにいった。
ガロン王国軍が設置した爆破魔法陣は、リリィさんの手によって解除された。
そして俺達は、すぐ近くにあるという。獣族たちの国。
獣族独立自治区へと、足を運んでいた。
俺の隣にいるのは、
俺達の前方では、リリィさんと、
リリィさんが居なければ、俺達は獣族とコミュニケーションがとれなかったのだ。
言い方が悪いかもしれないが、リリィさんはやはり万能家電だ。
訊けばなんでも答えてくれて、洗濯に料理も可能だし、翻訳機能まで搭載している。
あの洞窟で、リリィさんに出会えたのは、奇跡かもしれない。
この世界は、いい人ばかりではない。
昨日、クラスメイトはみんな、騙されたのだから。
召喚士ギャベルと、シルヴァ様というクソ野郎に、【マルハブシの猛毒】を飲まされて、洞窟最深部の鬼畜ボス【スイーツ阿修羅】と戦わされた。
先ほどの、ガロン王国軍も、最低なクソ野郎だった。
彼らは、【神獣マルハブシ】を捕まえるために、
「ごめんね
隣を歩いている
「
「ううん、違うよ
心配そうに顔を覗きこむ
「逆に聞くけどさ? どうして二人とも平然としてるの? 私達、何度も死にかけてるんだよ? 変な世界に連れて来られて、騙されて。クラスメイトと離れ離れになって……。怖くないの??
私は、怖いよ……」
どうしてだろう? と考えてみる。
いつの間にか俺の中には、恐怖心はほとんど消えていた。
どうしてだろう?
すぐに答えが出た。
俺の安心感の正体は、リリィさんへの絶大な信頼であった。
俺は、洞窟の中で一人きりになった絶望的な状態から、リリィさんの協力のお陰で乗り越えたのだ。
恐ろしいダンジョンから脱出できた。
リリィさんとユリィさんという仲間が加わって。
そして今、獣族と交流を持つことが出来たのだ。
仲間が増えると、安心感も増えていく。
だが、油断は禁物だな。
クラス転移したあの時も、クラスメイトという沢山の仲間がいた。
あの時も、正直、油断していた。
「大丈夫だ。リリィさんを信じよう。俺達は明日のうちに、このガロン王国を出るんだ。
リリィさんは、「公国に行けば、現実世界に帰るヒントも、クラスメイトの行方を捜すヒントもあるかもしれない」と言っていた」
俺はそう言ったが、
「信じるって何?? 本当にリリィさんは信用できるの?
私達はリリィさんの言う通りに、ケモ耳のフィリアちゃんを助けたけれど。
私は死にかけたんだよ?
行宗くんが助けてくれなかったら、私は【神獣マルハブシ】に食べられてた。
本当に、あの子を信用していいの? 今度は騙されてないの!?」
不安が溢れだしてきて、止まらないという様子で、俺の腕を震える手で握りしめた。
「
「私達は無力だよ。スキルは強いけれど、この世界のことを何も知らない。
だから、誰かに頼るしかないの。 リリィちゃんは私達の命の恩人だよ? それに、私達が元の世界に帰れるように、協力してくれるって言ってくれたし」
「確かに……その通りだけどさっ。 ……ごめんね、私、いやな女で。 でも、不安で不安でどうしようもないの。早く家に帰りたい。普通に学校に行きたいだけなの……」
そんな彼女を包み込むように、すかざず直穂が抱きしめた。
「
「うぅ……
男の俺には、決して出来ない行為であった。
俺は、抱き合う二人を見て、ふたたび強く決意した。
必ず二人を、現実世界に連れて帰ると……
「どうしたんですか?」
真後ろから、リリィさんの声がした。
振り返ると、いつの間にか側に来ていた、ポカンとした顔のリリィさんが、
二人と俺を、交互に見つめていた。
「うぅん、なんでもないよ。ありがとね、リリィちゃん。また助けてもらったね」
「そうですか、ならば良いのですが。 はぁぁ……
リリィさんは、ため息をついて愚痴をこぼした。
「苦労をかけたな、リリィさん。助かったよ。お陰で獣族戦士団と、はじめて話すことができた……」
「いえいえ、あたしも楽しかったですよ。学んだ言語が通じるという経験は、嬉しいものでした」
リリィさんは、頬を赤らめて、笑顔で返事をした。
俺達は、獣族独立自治区へと入った。
夜は真っ暗で明かりが少なく、景色はよく分からなかった。
石造りの道を少し歩いて、木造の大きな屋敷へと案内された。
ここに泊まる事になったのは、俺と
そしてリリィさんとユリィ。
最後に
フィリアという獣族の女の子は、
フィリアちゃんはまだ、意識を取り戻していないのだ。
フィリアちゃんの
見知らぬ人間が、獣族の一般住民が棲む地域へと立ち入るのは、流石にマズイらしい。
大きな寝室には、フカフカのベッドが敷かれていた。
久しぶりの布団である。
現実世界では当たり前の布団が、こんなにもありがたいとは。
初夏の蒸し暑い夜だったが、
あまりの疲れと、布団の気持ちよさに、俺たちの意識は、どんどんと奪われていく。
それは、修学旅行みたいで楽しかった。
中学の頃の修学旅行は、地獄のように苦しかったからな。
今は仲間に、
みんな女の子で、俺の大切な親友で、みんな可愛い。
最高のハーレムじゃないか、と思うけれど、俺が恋しているのは
まぁ、今この大きな寝室には、
なんだお前は? 何者だ? 野郎は俺のハーレムから出ていけ。
というのは冗談だ。
「フィリアを助けてくれてありがとう」、と。
悪い人ではないと、信じている
明日は、リリィさんと共に公国を目指すのだ。
アキハバラ公国っていってたっけ?
まぁいいや、寝よう………
大変な一日だったなぁ。
明日は、どんな事が待っているのだろうか……
……………
俺は、知らなかった。
これが、このメンバーで過ごす、最後の夜になるなんて……
★★★★★
俺は静かに目を覚ました。
外から、微かに光が届いてくる。
心地のよい、穏やかな朝だった。
ふかふかの布団が気持ちよすぎて、俺はため息をついた。
そして、俺の右隣には、温かいかたまりがあった。
年不相応の童顔を脱力させて、白い浴衣の隙間から、乳房の谷間がちらりと見える。
浴衣の
気づけば、俺の下半身は、ギンギンに屹立していた。
直穂の身体のラインに沿っていく、浴衣の描く曲線を、舐めるように視姦していく。
この浴衣を剥げば、
くそぉ、見たい、見たいなぁ。
というか俺は、一応
彼氏なら寝込みを襲っても許される、とかないか?
せ、せめて、おっぱいくらい……
俺の本能は、下半身でビクビクと暴れまくる。
俺は、股間をギュッと押さえこんだ。
耐えろ。
まだ
もし見てしまえば、俺のオ〇二ーの質が落ちてしまうのだ。
妄想だけではきっと、満足できなくなってしまう。
俺が賢者になろうとするたびに、
それは……絵的にマズイ。
それは、【
俺が妄想だけでオ〇ニー出来る相手は、
俺は、賢者タイムという武器を失う訳には、いかない。
三人で現実世界に帰る為に、俺のスキルはどうしても必要になるだろう。
だから、あくまでオ〇ニーなのだ。
セッ……はしない。 その快楽を知る訳にはいかないのだ。
「おはようございます、
振り返ると、あぐらをかいたリリィさんがいた。
リリィさんは、ツインテールを解いた金色の長髪だった。
髪を下ろした姿は、ユリィさんそっくりだ。
リリィさんは眠そうな目で俺を見てくる。
それは、昨日の光景と重なった。
俺がリリィさんに出会った時である。
あの時のリリィさんは、今と同じように女の子座りであくびして、
そして、素っ裸だった俺を、変態誘拐犯と罵って、股間を踏みつけてきたのだった。
「リリィさんか…… おはよう、また股間を蹴られなくて良かったよ」
「なっ、あ、あの際は。本当にすみませんでした。私も混乱していまして……」
リリィさんは、上目遣いで、申し訳なさそうに俺を見上げた。
リリィさんは、出会った頃のクールな感じに比べて、表情が柔らかくなった気がする。
俺に、心を許すようになったのだろうか?
なんにせよ、リリィさんはさらに可愛くなった。
リリィさんは、お人形みたいに可愛い。
小学校高学年くらいなのに、おっばいが大きいのだ。
おっぱいが大きいのに、体のバランスは整っている。
本当に、最高のラブ〇ールだ。
やはりリリィさんは万能家電である。
きっと夜の仕事も、難なくこなせるはずだ。
……やめておこう。
俺が変態だとバレれば、今度こそ、股間を破壊されてしまうかもしれない。
「さて、すぐに出発の準備をしましょう。今日中には、国境を越えますからね。公国の領土に入れば、あとは明日のうちに、首都アキバハラまで辿り着けます」
リリィさんは、布団の上から腰を上げた。
「そ、そうか、首都アキバハラか……」
アキバハラといえば、東京都の秋葉原しか思いつかないのだが。
この世界の秋葉原は、一体どんな街なのだろうか?
本家通りに、萌えと溢れたアニメ街だといいな。
なんて思った。
「あ、そういえば、
リリィさんは真剣な表情でそう言った。
「マナ騎士団のギャベルとシルヴァでしたっけ?
その二人は、まだ生きているんですよね?
これは憶測ですが。彼らは
現存するマナ騎士団なんて、聞いたことがありません。
マナ騎士団はマナ王国と共に、1700年前に公国によって滅ぼされた筈なのですから。
とにかく、あたしや
「なるほど………」
リリィさんの忠告に、俺は背筋を凍らせた。
そうか。
まだ、アイツらは生きているのだ。
考えただけで恐ろしい。
特にシルヴァという背の低い方は強かった。
俺が【マルハブシの猛毒】と【
完全に勝てると確信できなかったほどである。
【マルハブシの猛毒】が使えない今の俺は、彼には敵わないだろう。
現在の俺のレベルは……27から52まで上がった。
賢者状態になれば、さらに三倍の倍率がかかり、156レベルとなるものの、ボス戦時の強さには遠く並ばない。
ちなみに、
「あの、そういえばリリィさんは、レベルはいくつなんですか?」
「レベル……? とは、何のことでしょうか?」
「え??」
予想外の返答に困惑した。
何を言っているんだリリィさん。
心の中でステータスオープンと唱えるだけだぞ。
それだけで、自分のレベルやステータス、スキルが書かれた画面が現れるだろう。
「あぁ! レベルですね! 思い出しました! 本で読みましたよ
リリィさんは、興奮を抑えられない様子で俺に詰め寄った。
「さあ
「まてまてっ、まさか、普通の人はステータスが見れないのかっ? というか、大きな声をだすなっ、みんな起きちゃうだろっ!」
俺に詰め寄るリリィさんの、うるさい口を両手で抑えて牽制したのだが、間に合わなかったらしい。
「うぅぅぅ…………」
という声をあげて、
そして……
「ゴホ、ゴホゴホッ!!」
と咳き込んだ様子で、
俺は、
「え??」
信じられなかった。
吐血? なんで?
背筋に寒気が、ゾワゾワと登ってくるのを感じた。
「え……? え? え??」
「なんで?? 私……お腹、痛いっ……ゥオェ"ッ!!」
そしてまた、胃の中から血を吐き出した。
とても苦しそうで、目を覆いたくなる真っ赤な血であった。
「
起きたばかりの
「【
淡い緑の光に包まれて、和奈の赤い血が蒸発していく。
しかし……
「ぃ"っ!! いだいいたぃいたぃっ!! 痛いよ
怯えた
「どうしよう、リリィちゃん、
それは絶望的で、俺はどうすれば良いのか分からなかった。
「怖いよっ……!
その顔は血と恐怖に染まっていた。