クラス転移した俺のスキルが【マスター◯ーション】だった件 作:スイーツ阿修羅
見たところ
しかし、呼吸は乱れていた。
そして心臓の拍動も早い。
急がないとな……
またいつ、容態が悪化するか分からない。
それに、こんなに強い日差しの下に、病人を晒しておく訳にはいかないからな。
……割と本気で、もう一度賢者になるべきだろうか?
そうすれば早く病院につける。
しかし、連続発射は苦手なのだが……
どうしようかと迷っていた時。
タッタッタッタッ……
前方から、見覚えのある女の子が走ってきた。
ケモ耳の少女は、ハァハァと息を切らしながら、山道を駆けおりてきていた。
そして俺と
「ど、どうして……人間がここに??」
その女の子は、昨晩俺たちが助け出した少女。
フィリアちゃんだった。
―――――----ー
「お前は、フィリアさん、だよな?」
俺は目の前の女の子に尋ねた。
目の前の少女は、昨日みたフィリアちゃんにそっくりだった。
赤灰色のクセ毛に、赤いルビーのような瞳。
ジト目童顔のケモ耳娘である。
女の子は、俺達を見て、明らかに動揺していた。
おびえているようにも見えた。
「なんで、オレの名を知ってる? まさかお前らっ、王国軍か?」
あぁ分かった。
それは、恐怖に染まった顔だった。
フィリアちゃんは、顔を引きつらせて、全身は震えながらに硬直していた。
「王国軍じゃなくて、俺は
頼む、俺の友達を助けてくれ、急に血を吐いて、酷い腹痛なんだ。回復魔法を使っても治らないんだっ!!」
「
お前たちが、オレと
「あぁ、そうだ。 昨日、王国軍に殺されかけていたフィリアさんと
でも、俺の背中に乗っているのはリリィさんじゃない、
俺は、
リリィさんなら、
フィリアちゃんは、目を丸くして驚愕した。
「そうか……じゃあ、
フィリアは肩の力を抜いて、俯きながら、ゆっくりとオレに近づいてきた。
ぽろり、ぽろりと涙を流して……
「任せろ。
フィリアはそう言って、俺と
「【
「……【
フィリアは目の色を変えて、深刻な顔で、
そして魔法を唱えた。
「【
「うぅぅ!! がはぁぁぁっ!!! 痛いぃぃ痛いよぉぉ!!」
ごほごほと咳き込んで吐き出した痰は、血で真っ赤に染まっていた。
フィリアは
「やめっ!! やめてぇぇぇ!! 死ぬっ!! 死んじゃうっ!!」
ただフィリアになされるがまま、痛みのあまりにガクガクと痙攣し、腹の底から絶叫を吐いていた。
流石に見ていられない。
「おいフィリアさん、もうこれ以上は!」
「あと少し我慢してくれっ、すぐに見つけるからっ!」
フィリアは焦った顔で、
そして、
フィリアは、右手で回復魔法を続けたまま、左手で、
ブラジャーを付けていない
俺は思わず目を背けた。
「なっ! なにやってんだっ! フィリアさんっ!」
「なっ……」
俺が、たまらず声を上げるのと、フィリアが声を漏らして回復魔法を中止したのは、ほとんど同時だった。
フィリアは、空を見上げた俺へと顔を近づけ、俺の耳元でこう囁いた。
「
「え……?」
思わず俺は、フィリアの方をみた。
彼女の動揺した目と声色から、その深刻さが嫌でも伝わってくる。
「だから回復魔法は逆効果なんだ。 魔法は全て、
フィリアさんは説明を続けた。
なるほど、そういうことか。
「治療法は、あるんだよな?」
俺はすがるように、フィリアさんの耳元で囁き返した。
この会話の内容は、
自分の身体の中に、モンスターがいるなんて聞いたら、パニックになってしまうだろう。
「寄生したモンスターの種類次第では、何とかなる……
でも、厳しいかもしれない。……とにかく検査が必要だ」
「厳しい……? って、どういう意味だ?」
「最悪の場合、今日中に死に至るって事だ……」
フィリアさんの口から、残酷な真実を伝えられて、俺は目の前が真っ暗になった。
死ぬ? 今日中に?
それは到底受け入れ難い、認めたくない宣告だった。
「ねぇ? フィリアちゃん、どうしたの? 治してくれるん、だよね?」
足元からの震え声に、俺は思わず
仰向けの
彼女はそんな些細なことを、気にする様子もなく、わなわなと震えながら、フィリアさんの身体を引っ張るように掴んでいた。
死ぬ? のか?
こんなに美しい身体の女の子が、明日を迎える事もなく?
俺は、悲痛そうな顔の浅尾さんに、なんて声をかけていいのか分からなかった。
事実をそのまま伝えるのは、あまりに残酷すぎる。
「あぁ、治療法は見つかった。
でも今のオレは、薬を持っていないから、オレの診療所まで行かなきゃ行けない。
フィリアはそう言って、力強い目つきでオレを見つめてきた。
焼き付けるように熱い、真っ赤な瞳は、
「絶対に助けてやる」と訴えていた。
「そ、そっか、良かった……良かったぁ……」
フィリアさんの嘘に騙されて、心底安心した様子で、全身のぐったりとさせて目を瞑った。
俺は思う。
こんな可愛い女の子、イキイキとした人を、見殺しにする訳にはいかない。
俺はどんな手を使ってでも、目の前の
きっと
俺達が今まで、
俺たちは、大切な仲間だ。
死なせてたまるものか。
そうだよな?
そして俺は、決断した。
「フィリアさん、ちょっと待ってくれっ! 俺は空を飛べるんだっ!」
俺は叫んで、パンツの中へと右手を入れた。
そして、すでに立っていたモノを、勢いよく育てていく……
「なっ、何やってんだお前っ!? こんな時にっ!?」
フィリアは、真っ赤な顔で発狂していた。
「いいかフィリア! 俺の特殊スキルは【
もう俺は、恥も外聞も捨て去った。
大切なモノを守るためなら、オレは、どんなに恥ずかしいシュチュエーションでも、死ぬ気でオ○ニーしてやるよ!!
なんて、カッコ悪いセリフを脳内再生して、
俺は、必死で必死で、高みへと登っていった。
「あーぁ、
上半身の肌が、すべて丸見えの状態である。
俺は、初めて見る同級生女子の上裸を、オカズにしていた。
他に彼女がいる身でありながら。
やっぱり
異論は認めない。
「すまない。他に、ちょうどいいオカズがないんだ」
「ふーん、認めたね。ちゃんと私のことオカズにしてるんだ。ヘンタイっ」
病気が治ると聞いて、安心したせいだろうか?
俺は今、怒られても仕方ない事をしているのだが?
なんて言っている間に、快楽の頂上が見えてきた。
はじめて見る美少女の生爆乳は、破壊力抜群だった。
そして、俺は、賢者になった。
「うわぁぁぁ!!!」
賢者となった俺は、
フィリアちゃんには、背中にしがみついてもらい、
空へと舞い上がった。
流石に浅尾さんの浴衣は直してから、俺達はフィリアの父さんの診療所へと、飛び立ったのだが……
「ひぃぃいぁあああ!! 怖いっ!! 高いぃぃ!! 落ちる落ちる落ちるっ!! もっと低い所を飛べぇぇ!!」
フィリアが俺の身体に背中にしがみつきながら、恐怖のあまりに身体を痙攣させて、絶叫していた。
「手を離さないかぎり大丈夫だ。 しっかり俺を掴んでいればっ……」
「無理っ……こんなの無理だァァ…落ちるぅぅ!! 死ぬってぇ!! オレは高所恐怖症なんだぁ!!」
フィリアは子供みたいに泣きながら、俺の腰をギリギリと締め付け、必死にしがみついていた。
一方、
また具合が悪くなったのだろうか?
分からない。
フィリアさんの診断では、
さらに追い討ちをかける訳にはいかない。
でも、嘘で騙してぬか喜びさせるのも、また心が痛むのだ。
そんな事を悩んでいる時、俺はふと、ある事に気づいた。
賢者の力である。
賢者の瞳によって見える、"生命の気配"を探れば、
そして俺は空を飛びながら、
よく分からないかった。
体内に生き物がいるかどうかなんて、よく分からない。
さらに集中してみる。
空を飛ぶ速度を落として、目を瞑って、
いた。見つかった。
気持ち悪い。ミミズのようなものが、何匹も。
気持ち悪い。
俺は目を背けたくなったが、なんとか集中し続ける。
なにやらヌルヌルしている。
どこかで、感じたことのある気配だった。
まるで、うどん、みたいな……!
そして、俺は思い出した。
そうか、そういえばあの時。
温泉型モンスター【天ぷらうどん】の中身のクソジジイだ。
あの時、クソジジイに人質にされた浅尾さんは、細い触手で腹に穴を開けられて、胎内を弄られていた。
まさかあの時に、あのクソジジイに寄生された、とか、
ありえるか?
そんな中、俺たちは山の山頂を越えて、ポツポツと家の集まった小さな村を、目視で確認した。
「フィリア、診療所はどこにある。教えてくれないか?」
「うぅうぅぅっ! 目ぇ開けられねぇよぉ! 東の端っこの、崖の中腹だ! 見りゃ分かるだろっ?」
フィリアは震え声でそう言った。
俺は、太陽の方向を探すと、それはすぐに見つかった。
空飛ぶ俺たちが見下ろすのは、フィリアの故郷の村である。
たしか、アルム村という名前だった。
獣族の住民たちが、怯えた様子で、空飛ぶ俺たちを見ていた。
俺はまっすぐに、フィリアの診療所へと降り立った。
「うぅぅ………あぁぁ……やだぁぁ……」
地面に降り立つと、フィリアは膝を落として、地面を抱きしめるように、泣き崩れてしまった。
「
ゼーゼーと息を切らしながら、久しぶりに大地を大切そうに踏みしめるフィリアの耳元へ、
俺は口を近づけて囁いた。
「【天ぷらうどん】……? なんだよそれ?」
「【天ぷらうどん】は、ヴァルファルキア大洞窟の最下層付近の、温泉に扮したうどん型モンスターだ。
昨日
「は? ヴァルファルキア大洞窟って、公国より遥かに西の大ダンジョンじゃねぇか? 移動に少なくとも一か月はかかる距離だぞ? 」
「え……? 俺たちは、転移魔法陣で来たんだが?」
「ん?……なんだそりゃ?」
フィリアは、不思議そうに首を傾げた。
あれ? フィリアさんって、
転移魔法陣の存在を知らないのか?
ガチャン!!!
と、診療所の玄関が、勢いよく開かれた。
診療所の玄関から出てきたのは、武装した獣族の男の子だった。
フィリアの父、小桑原啓介が経営するという診療所は、2階立ての洋風木造建築であった。
崖の中腹に存在して、フィリアの故郷、アルム村を一望できる立地だ。
玄関から飛び出してきた獣族の男の子は、どこかで見覚えがある顔だった。
年は中学生ぐらいだろう。
鋭い目をして、両手には2本の剣を握りしめていた。
そうだ思い出した。
彼は昨日の夜、フィリアちゃんにキスをしていた男の子であった。
『おいお前らっ! フィリアに何してっ!? んぁ?
……昨日の人間!? ……なんでここに?』
彼の獣族語は、賢者の力で聞き取ることが出来た。
もうすぐ"賢者の10分間"が切れるのだが、今だけ俺は、獣族語が理解できるのだ。
『ジルクっ!! 急病患者だ! すぐに父さんと母さんを呼んでくれっ!!
そしてお前は文献の中から、【天ぷらうどん】っていうモンスターを探すんだっ!!』
フィリアが、男の子に獣族語で指示を出した。
ジルクと呼ばれた男の子は、すぐに目の色を変えて、事情を理解したようで、
『分かったっ!!』
と獣族語で叫び、2本の剣をもって、玄関の中へと走っていった。
「
フィリアは日本語でそう言うと、玄関へと足早に向かった。
俺は、少し不安そうな顔の
洋風な外見と異なり、内装は和風であった。
俺は廊下を歩き、襖を開けて、大きな部屋へと案内される。
布団の敷かれた台の上へ、
ドタドタドタドタ……!!
フィリアに似た雰囲気を持った、赤みがかった瞳の、獣人女性である。
おそらく彼女は、フィリアの母親だろう。
『ねぇフィリア。
『いや……起こさなくていい。オレがやる。母さんは、二階から検魔石と魔導石、魔吸石を持って来てくれ』
母親の問いに、フィリアは即座に答えた。
そのタイミングで、俺の"賢者モード"が途絶えた。
絹製の手袋をつけたフィリアが、駆け足で、
「
と、フィリアに耳元で囁かれた。
フィリアの顔は、真剣そのもので、歴戦の戦士のような迫力があった。
「フィリアさん、お願いします。
「あぁ、勿論だ」
フィリアは俺の目を見て、確かにそう言った。
そしてフィリアは、ベットに寝転がった
俺は、
不安にならないように、彼女の手を握る。
「浅尾さん、大丈夫だよ」
ありきたりセリフを言った。
こんな事で、
できる限り、不安や恐怖心が、和らいでほしいと思った。
ぎゅ……
「……ありがとう」
それは線香花火みたいに、小さくて、
今にも消えてしまいそうだった。