クラス転移した俺のスキルが【マスター◯ーション】だった件 作:スイーツ阿修羅
大学忙しかったり、うつ病になってたり、コロナに罹ったり、友達関係でトラブったり、執筆データが消滅したり、
多くの事件が重なってました。
ついに70話!
25日ぶりくらいの更新ですが、お楽しみください!!
手術の内容はいたってシンプルだ。
まず、
同時に、下からの投薬により、【天ぷらうどん】と胎内粘膜との癒着を引き剥がし、
最後にお腹を切って、【天ぷらうどん】をすべて除去する。
その後、
ここまでを、一時間以内だ。
手術一時間以上長引けば、天ぷらうどんの除去に成功しても、浅尾さんの命が危ない。
……考えるな、オレ。
……今は、他のことは何も考えるな。
……冷静になれ。
……オレは医者だ。目の前の患者に集中しろ。
布団をめくって、すみやかに触診を行った。
浅尾さんの腹部は風船みたいに膨れ上がり、皮膚が今にも張り裂けそうで、赤く腫れ上がっていた。
当然だ。たった一週間で、出産直後の妊婦のようにお腹が膨れ上がったのだ。
薬の効き具合を見てから、オレはお腹に清潔な細いナイフを当てて、縦に切り込みをいれた。
真っ赤な血が、冷たく溢れて流れ落ちる。
となりの
……まるで女神様に導かれるように、オレは淡々と肉を斬った。
こんな感覚ははじめてだった。
次に何をすればいいか、どう斬るのが最適か、脳内で言語化する前に手が動いていた。
周りの雑音が、ほとんど何も聞こえなかった。
そういえば、父さんが昔、ゾーンとか言ってたっけ?
それを聞いたときオレは半信半疑だったけれど、体験してようやく分かる。
全く失敗する気がしない。
一つのミスが命取りになる最難関の手術なのに、なぜだか今のオレには、九九の掛け算よりも簡単なことに思えていた。
「【
回復魔法で、切断部分を治癒していく。
同時に吸魔石を魔力石に替えて、ゆっくりと
「……これで一段落だ。【天ぷらうどん】は取り除いた。脈も強まってきているし、手術は成功だ」
オレがそう言うと、隣の行宗が安堵のため息を吐いていた。
「……良かった……ありがとうなっ……!!」
涙ながらに安堵する
「……呼吸を取り戻せるのは早くても三時間後だ。サルファメルファの脳髄の麻酔は強力だからな……
それまで気管呼吸器は外せないし、ずっと誰かが見てないといけないけど……」
オレがそう言うと。
「浅尾さんの経過は俺が見ておく。
だからフィリアは
まだ話し足りないこと、たくさんあるだろ?」
「うん…… ありがとうジルク、オレは、ちゃんと父さんに会ってくるよ」
オレは後をジルクに任せて、荷物をまとめた。
「……
あと、一緒に冒険に行ってくれて、ありがとな」
「……いや、まだしばらく眠れそうにないや、俺は。
フィリアも、お疲れさま。おやすみ……」
病室を出て階段を降りた。
もう完全に日付が変わって、夜中に押しかけていた患者さんの数も減っていた。
独立自治区で流行ったという感染症は、まだまだ独立自治区の各地で感染が拡大しているらしい。
父さんはありあわせの薬草と回復魔法で、新しい治療法を編み出したけれど、オレたちが持ち帰ってきたマグダーラ山脈の薬剤を使えば、もっと良い薬を作れるはずだ。
明日にでも、文献を調べてみようと思う。
そうこうしているうちに、オレは父さんの病室まで歩き着いた。
ガチャリと扉を開けると、部屋のなかにはベットに眠る父さんと、枕元に腰掛け薬を調合する母さんがいた。
「……父さん、母さんっ……!」
オレは二人の元へと駆け寄った。
母ジュリアは、驚いたようにオレの見て、それから涙をポロポロと流した。
『……お帰りなさいフィリア、そしてごめんなさい。
あなたは約束を果たしたのに……母さんが不甲斐ないばかりに、啓介さんはもう……』
申し訳なさそうに痛々しい表情を浮かべる母さんに、オレは居ても立っても居られなくなって、その身体へと飛び込んだ。
「母さんは悪くないよっ! 悪いのは全部父さんだっ!!」
そうだ。言ってやった。
「……病人のくせにっ……
オレがせっかく薬を持ってきたやったってのにっ!!
感染症で助からないだ? いったい何やってんだよっ!?」
自分のなかの弱い感情が、溢れ出して止まらない。
母さんを慰めて、父さんを責めたつもりが、いつの間にかオレは力なく泣いていた。
母さんの胸のなかで、頭を撫でられながら泣いていた。
「フィリア……すまない……」
父さんの啜り泣く声が聞こえた。
そうだ、悪いのは全部父さんだ。
この一週間、父さんがベッドの上に引き篭もっていれば、感染症になんて罹らなかった。
父さんは、まだまだ長生きできた筈なんだっ!!
「……オレの患者のくせっ……休んでろって言ったのにっ!
感染症を分析して、新しい治療法を生み出して!
……たくさんの命を、救うなんて……
それで、自分は死んじゃうなんてっ!!
そんなのあんまりだろっ!!」
そんな事言われたら、オレは、父さんを責められないじゃないか。
独立自治区の大勢の命と、父さん一人の命……
どちらか選べと言われて、オレは結局、父さんを選べないだろう……
だってオレは、父さんと同じ医者だから……
「……でもオレは、父さんとずっと一緒に居たかった。
……まだまだ教えてもらいたかった。オレはまだ、半人前だから……」
マグダーラ山脈まで命懸けで往復したのも、獣族独立自治区を飛び出したのも、
全ては、目の前の父さんを助けるためだったのに……
その途中で、
オレのはじめての恋人だった。
まだ昨日の出来事だ。
温泉宿の棚田温泉。
あれからたった一日。すべてが壊れていった。
「……嫌だよ、もう……
オレの大切な人は、みんなみんな居なくなるんだ……
……どうして……こんな……」
そしてオレはカラダの力が抜けて、ガタンと膝をついた。
冒険帰りからの手術で、心も身体ももうヘトヘトだった。
「……そういえば、
あの男とはどうなったんだ?」
父さんは無遠慮にも、オレに突然そう聞いてきた。
たぶん、オレの将来の心配をして訊いているんだろう。
昔から父さんには、恋愛とは無縁だったオレが将来幸せになれるのかとか、余計な心配ばかりされていた。
本当は、父さんと母さんに紹介する予定だったんだ。
誠也と一緒に「オレたち結婚します」って、
そしたら父さんは渋い顔をしてなかなか結婚を認めてくれなくて、母さんが父さんを説得して、
ふふっ。
想像したら、少し可笑しくて口元がニヤけた。
それから凄く悲しくなった。
現実は、残酷な運命だった。
「……
マナ騎士団のギルアって奴と戦う中で、マルハブシの猛毒って液体を飲んで、殺されたんだ……」
「……え??」
両親が心底驚いた顔をした。
寝室に緊張が張り詰めた。
「……マルハブシの猛毒……
一定時間の身体能力の上昇と引き換えに、死を与える巨悪な毒だ。
父さんは……」
そこでオレは父さんに目を向けた。
そしてオレはギョッとして言葉を詰まらせた。
父さんは見たことがないような情けない表情で、涙をポロポロと流していた。
「……もちろん、よく知っているさ……
マルハブシの猛毒を開発したのは、俺なんだから……」
「え……?」
父さんの口から出た言葉に、オレは耳を疑った。
「……すまない。……すまないフィリア……
俺は、父さんは……お前の思ってるほど聖人じゃないのだ……
……俺はたくさんの罪を犯した……どれだけ償っても償いきれない罪だ……」
「……そんな、昔の、ことなんだろう?」
オレの声は震えていた。
失望でも怒りでも混乱でもなくて、ただ衝撃を受けていた。
「
マルハブシの猛毒は、俺が作った。
……マナ騎士団、剣聖第八位、シャイニング・ジョーカー。
それが俺の昔の名前だ。
俺はその名前で医者として、10年ほど、アキバハラ公国にスパイとして潜入していた……」
「え……!?」
俺はまた驚きを隠せなかった。
シャイニング・ジョーカー。
その名前は、ほとんどの人間が知っている。
世界中の難病を治療した。世界最高の名医。
彼の本は山程読んだ。
それでもオレは、「父さんだって負けてない」だなんて、思っていたけれど、
まさか同一人物だったなんて……
「……ギルアと言ったな。お前の想い人を殺した奴は……
ギルア……噂だけなら聞いたことがある。
マナ騎士団の最古参で、剣聖第四位……女癖と趣味が悪い奴だとな……」
あぁ、
間違いないな。
父さんは、ギルアと同じマナ騎士団だった……?
マナ騎士団という名前は、名前だけなら誰もが知ってる。
1700年前にアキバハラ公国によって滅ぼされたマナ王国の、少数精鋭戦力。
とくに最優の十人には剣聖の称号が与えられて、剣聖一位ともなれば人間離れした強さを誇ったという。
しかし、マナ騎士団は、1700年前に、国とともに滅んだはずなのだ。
「……良いかフィリア? 今俺が話したことは、絶対に人前で口に出すな。
マナ騎士団は1700年前に滅んだ。それがこの世界の歴史だ。
現存を知っている人間はそれだけで殺される…… マナ騎士団は世界各地に潜んでいるんから、どこで聞かれているかッ……! ガハッ……ゴホッ……!」
言葉をまくし立てた父さんは、突然咳き込み血を吐いた。
『
父さんの肩を抱いて宥める母さん。
「……父さん。だったら教えてくれ。マナ騎士団って一体何だ?
どうしてオレ達は襲われて、
それに
オレは聞いておかなくちゃいけない。
父さんなら、何か知っているかもしれない。
「……目的は、分からない……
13才、中学生になったばかりの頃、俺は日本という国から、つまりネラー世界から、この世界に勇者として召喚されたんだ」
「……え??」
勇者、召喚!?
「……それってつまり! 父さんは白菊ともか様と同じ、神の世界から来たのか!?
……召喚勇者なんて、現代にも居たのかよ。ってことは、ステータスの魔法も使えるのか!?」
「あぁ、もちろん、使えるさ……
『ステータス・オープン』か、懐かしい響きだ……」
父さんは目を細めてぼーっと虚空を眺めてから、再び話を始めた。
「それから15年間。俺はマナ騎士団の奴隷だった。
上の命令に逆らった同僚は消えていった。
マナ騎士団の目的は明確には分からない。俺たちはただ、上の命令に従うだけだ……
俺は7年前、人体実験の道具にされていたジュリアを……母さんを連れて、死を装って逃げ出したんだ。
……そしてマグダーラ山脈に向かう道中、フィリア、お前に出会った」
「……っ!!」
俺は、すべてが繋がっていく感覚がした。
父さんや母さんがオレに過去を話さなかった理由も、父さんが人間の侵入しづらい獣族独立自治区を目指した理由も……
オレは父さんの長い人生の内、後半部分しか知らなかったのだ。
「……それが、俺がフィリアと出会うまでの物語だ……
いいかフィリア、マナ騎士団には絶対に関わってはいけない。その名を口に出してはいけない。
関われば間違いなく殺される」
父さんが真剣な目つきで訴えてきた。
隣の母さんは身体を硬直させて、青ざめた顔だった。
「……でも、
だから教えて欲しいんだ。父さん。
マナ騎士団の本拠地か、それか基地でもいい。
奴らはどこに居るんだ?」
正直、ギルアみたいな化け物と再び接触するのは恐怖でしかないが……
オレ達はもう。マナ騎士団と関わってしまった。
オレの旦那は、マナ騎士団のギルアに殺されたのだから……
オレは敵討ちするつもりなんてないけど、
オレは父さんに聞かなきゃいけない……
「マナ騎士団の本拠地の正確な位置は分からない、
あそこは転移魔法陣で巧妙に入口を隠させている上、窓もない施設だった」
「転移魔法陣って……」
「人の手で加工された転移魔法陣は、ダンジョン外へも転移できるんだ。
もちろんこれも、一般には周知されていない秘匿事項だ」
…………
それはつまり、奴らは世界を瞬間移動できるということ。
………そう言えば、行宗たちが何か言っていた気がする。
マグダーラ山脈に着いて、転移魔法陣に向かう途中に、同じような話を……
「……俺が話せるのは、それくらいだ。
……この世界で22年生きてきたが、俺には一体、なにが正解か分からないんだ……
だから、全てを話す事はできない。許してくれ……
……フィリア、お前は俺の娘だから……
おばあちゃんになるまで幸せに暮らして欲しいんだよ、俺は……
危ない目に遭ってほしくない。悲しい気持ちにさせたくない」
父さんの声が震えはじめて、目尻から溢れた涙が枕を濡らしていた。
「……すまないな。フィリア……
せっかく俺のために、好きな人を失ってまで、薬を持ってきてくれたのに……
俺はフィリアの願いには応えられないっ…… 俺は父親失格だ……」
苦しそうな顔で、自責する父さん。
母さんは静かにそんな父さんの頭を撫でていた。
「……そんな事ねぇよっ! 父さんは立派な父親だっ!
たとえ父さんでも、バカにするなんて許さないっ!!」
オレは父さんに訴えかけた。
なに女々しく泣いてるんだよっ!
俺の尊敬した父さんは、頑固で情熱に溢れる男だ。
俺の憧れた父さんだ!
……オレの初恋は、たぶん父さんだったから。
「なぁ父さん……もっと明るい話をしようよ。
せっかく久しぶりに、家族で一緒に寝られるんだから……」
父さんが避魔病にかかってすぐ、オレは獣族独立自治区を飛び出して、一人でマグダーラ山脈に向かった。
家でゆっくりできるのは、2ヶ月半くらいぶりになる。
「……父さんが昔、なにをしたかなんて知らないけど。
少なくともオレは、父さんに命を救われた。生きる希望を貰ったんだ。
父さんがこの独立自治区で、たくさんの命を救うところを見てきた。
……父さんがオレを拾ってくれたお陰で、オレは今でも生きている。
父さんがオレに医者を教えてくれたから、患者さんの笑顔が生きがいになった。
父さんがオレに人間語を教えてくれたから、オレは
言いながら、視界いっぱいが涙で滲んだ。
そうだ。その通りだ。
「全部ぜーんぶ、父さんのお陰なんだからっ!!」
「フィリア……ありがとう……」
父さんは、情けない声で泣いていた。
「母さんも、ずっとオレの心の支えだったよ……
悲しいときや苦しいとき、いつもオレを慰めてくれた。
毎晩オレに絵本を読みきかせてくれた。
男の子たちに虐められたときは、すぐさまオレを助けてくれた。
……それになにより、母さんの作るご飯は、どんな高級料理よりも美味しいんだ!」
『うぅ……フィリア……』
母さんは、口元と目元を両手で抑えていた。
「……今言わないと、一生後悔しそうだから、言うよ。
父さん、母さん、今までオレを育ててくれて、ありがとう。
……そして、父さん。
オレが父さんの後を継ぐよ。
父さんに負けないくらいの医者になってやる。
父さんの作ったマルハブシの猛毒も、必ず治療法を見つけてやるさ。
そしたらオレが、世界一だろ?」
「あぁ……」
父さんが、クスリと笑った。
「お前ならできるさ。立派な医者になれる」
憑き物のとれたような晴れ晴れした顔で、オレにそう言った父さん。
全身がぶわっと熱くなった。
嬉しいやら切ないやらで、また一気に涙腺が込み上げてきた。
「……ちょっと、待っててくれ、すぐに戻るから」
オレはそう言って、涙を拭いながら2階へ駆け上がった。
真夜中の診療所、手のひらの上の火魔法を頼りに、オレは書斎の本棚を探った。
「あった……」
大量の医学本の奥に隠れて、絵本の詰まったき箱を引っ張り出した。
埃をかぶった木箱の中には、白雪姫、赤ずきんちゃん、シンデレラに人魚姫の絵本。
オレが小さい頃大好きだった絵本だ。
オレは素早く10冊ほど抱え込んで、また階段を駆け降りた。
ガチャリ、と再び寝室へと戻る。
「……なにか、持ってきたのか?」
入って早々、父さんに訊かれた。
「あぁ、絵本だよ。白雪姫とか赤ずきんちゃんとか。
今夜は、オレが父さんと母さんに読み聞かせたいんだ」
オレはそう言って、両親の側へと歩き寄った。
「……懐かしいな。フィリアが子供の頃は大好きだったもんなぁ」
『そうですね。ふふ……
なかなか満足してもらえなくて、まだまだ続きが読みたいと駄々をこねられて、世話のやける子供でした……』
「え、母さん、そんな事思ってたのか?」
母さんの発言に、オレはかなりショックを受けていた。
……でもまあ確かに、昔のオレは母さんの読みきかせてくれる物語が楽しすぎて、毎晩まだまだ読んで欲しいと、駄々を捏ねていた、気がする……
申し訳ないことをしたかもな。
「はは、フィリアは絵本が大好きだったからな」
「今でも好きだよ、父さん……」
ペラリとページをめくると、懐かしい紙の匂いがした。
「……実はな、これらの絵本は全部、俺の故郷の物語なんだ。
ネラー世界。俺が勇者召喚される前に住んでいた世界。
俺も小さい頃、お姉ちゃんが毎晩絵本を読み聞かせてくれてな。
「……へぇ」
この絵本が、父さんの故郷のネラー世界で創られた物語だったなんて。
知らなかったよ。
「13才の頃突然この世界に召喚されてから、22年。
……だからまぁ、この絵本の物語は俺にとって、
懐かしむように、父さんは絵本に視線を落とす。
そうか、それは残酷だな。
召喚された勇者にも、元の世界に家族があって。
……でも父さんは、この世界で生きていくしかなかった。
できる限り、心を込めて読もう。
そう思った。
父さんのお姉ちゃんみたいに、うまい演技はオレには無理だろうけれど、
それでも、精一杯やろう。
そしてオレは全力の演技で、赤ずきんちゃんを音読しはじめた。
「……むかしむかし、ある村に、小さな女の子がいました。
いつもお気に入りの赤いずきんを被っていたので、村のみんなからは、赤ずきんちゃんと呼ばれていました……」
オレが、父さんと母さんに絵本を読み聞かせていた。
それは小さい頃とは立場が逆で、
懐かしくて、楽しくて、
とびきり幸せな時間だった。
小さな病室のなか、コツコツと刻む古時計の秒針音と、柔らかく響くオレの声、静かに燃えるランプの音。
楽しい時間は、あっという間にすぎていった。
まず、父さんが眠りに落ちて、うとうとしていたオレと母さんも、明かりを消して眠りについた。
そばに敷布団をしいて、三人近くで眠りに落ちた。
幸福感と切なさのなかで、ゆっくりと意識が闇に溶けて、
次に目が覚めた時、父さんの心臓は鼓動を止めて、冷たくなって生き絶えていた。