興が乗り、続きを書いてみた次第です。しかし長くなりそうだったので続く感じになります
夕陽が差し込む放課後に、草葉の陰から一人の友人が高嶺の花に告白する光景を観察していた。彼は緊張から手汗をズボンで拭い、少し冴えない一般男子高校生を想起させる出立ちで当たり障りのない普通の告白を口にした後、右手をその高嶺の花に差し出す
するとその高嶺の花…アレクシア王女殿下は友人の…カゲノーくんの手を取り、まさかのOKを出していた
いやーアレには驚きより笑わされたな、OKをもらった本人ですら予想外って顔をしていたのだから、余計に笑いが込み上げてきた
くつくつと今にも思い出して笑いそうになるところを耐え予定通り見えざる帝国に赴き、報告を聞くことにする
王都のどこでもいいが、急ぎだろうこともあり学園の人目の無い影に手を置き魔力で入り口を作ると、影に吸い込まれるようにして中に入る。すると私が造った我が帝国が姿を現す
螺旋状に敷き詰めた建物も順調に出来上がってはいるが、まだ外観だけなので内装などはこれから住むものが好きに造っていくだろう
見えざる帝国の中心に位置するのは
城の前に着き、三メートルはある城の扉を開けると星十字騎士団全員が待機していた
『お待ちしておりました。陛下』
現在いる星十字騎士団の全員が一斉に跪き、私の到着を待っていた。これはBLEACHのユーハバッハのような独裁政権ではない事が功を奏して、星十字騎士団全員からの忠誠心が厚いと言う事だろう。悪魔憑きの時の肉塊から解放して尚且つ魂を分け与えたことにより特殊な能力と自分の力にもバフがかかっている事も関係しているだろう。私個人としては自分の魂のかけらを分け与えた娘達のような感覚となっていたりするが、星十字騎士団から実際どう思われているのだろうか…
「出迎えご苦労…それでは、知らせを聞こうか」
◆◆◆
「シャドウガーデン?」
「はい、陰に潜み陰を狩る者としてその存在を発見したのは、我々が悪魔憑きの回収に取り掛かっていた時でした。恐らく偶然目標の悪魔憑きが被り、現場で鉢合わせたものかと思われます」
会議室兼食卓のような長机に着き、右隣に座るハッシュヴァルトから
「その者達との交戦は?」
「シャドウガーデン側の死者は確認した限りではおらず、撤退にまで追い込むことに成功したものの、シャドウガーデンの構成員はかなりの手練れのようで、
「ふむ…交戦した者は、バンビエッタ含む五名か…」
『陛下…ここにおります』
入り口付近で席に座らず待機していたバンビエッタ含む五名が左側に飛廉脚で高速で現れて跪く、左から順にバンビエッタ・バスターバイン、リルトット・ランパード、ミニーニャ・マカロン、キャンディス・キャットニップ、ジゼル・ジュエルと並ぶ、別に彼女らはバンビーズと名乗ってるわけではないがバンビエッタがリーダーをしている本当に仲のいいチームなので心の中でバンビーズと呼んでいる
実はハッシュヴァルトに名前を与えてからと言うもの、悪魔憑きを元の姿に戻した者達から忠誠の証として私からの名付けが恒例化したようで、髪型とか髪の色から果ては質問による性格からBLEACHの星十字騎士団から名付けを行い、全員が名前だけは同じの『なんちゃって星十字騎士団』となっている。恐らくハッシュヴァルトが名付けを広めたのだろう…よほど嬉しかったのかもしれない
「未知の組織に手の内を晒してしまった愚行をお許しいただきたく思います。つきましてはこれ以降失態がないよう細心の注意を払い_」
「待て…未来について話すものではない。私は、『今』のお前の功績を讃えようとしているのだ」
一番左側にいた黒髪巨乳のバンビエッタが震えながら自分を蔑むような言い方をしていたので、気になり途中で遮ってしまった。この子見た目だけでバンビエッタと名付けたけど、性格はゾンビエッタだったんだよね…
「…私の失態をお許しいただけるのですか?」
「失態など何もないであろう、血装も飛廉脚も我ら見えざる帝国の基本技能、聖文字の能力も完聖体すら見せずましてや敵かもわからぬ未知の組織相手に殺生をせず撤退に追い込んだのだ。これを讃えずして私はお前達の王を名乗れはしない」
「…ありがたき幸せでございます。陛下」
これこそ我が見えざる帝国が誇る褒めて伸ばす政権、恐怖政策など仲間割れの危険性とか反逆の原因にしかならないからね
でも口調だけは厳格なままにしておかないと甘く見られる危険性がある。…まぁ本気で反旗を翻されたら聖別で弱体化させることも出来るが、そう言うことができると知られるとそれこそ恐怖政策にしかならないからね…。ロバートさんにやったように白骨化?アレは多分本当の意味で自分が始祖にならないと無理だよ
「大義であった。これからも研鑽を積むことを忘れず精進するのだ」
バンビエッタの肩に手を置き、バンビーズ全員を一瞥し緊張を解いてもらう事にする。やっぱり陛下っぽい喋り方は威圧感すごいからね、萎縮しちゃうもんね
バンビエッタは畏まって「勿体なきお言葉を…」と言って頬を赤らめていたので、やはりこの褒めて伸ばす方法は二重の意味で裏切らないだろう。バンビーズ五名を席へと座らせると今後の方針を決めることとする
「それでは、我々見えざる帝国はシャドウガーデンに対し、ひとまずの静観をとる事にし、交戦は極力避けその全容を掴んでから対応を考える。情報収集に尽力せよ」
『仰せのままに』
全員が立ち上がり胸に手を当て敬礼する。私が教えたわけではないがなぜか定着していた…………ハッシュヴァルトかな
◆◆◆
「今宵、私はクロスフローリーの家に帰る事とする。今日は…姉のロイドには体を休めるよう伝えておくように」
「はい、お疲れ様です。陛下」
ユーハバッハは一通り書類に目を通すと、自分が対応しなければいけない書類を済ませて見えざる帝国とは別の、表の顔としている家へと帰るため影へと消えていった
ユーハバッハが帝国を作ったとは言え機能性はまだまだこれからなので、現代でいう会社のような使い方をしていたりするが、裏で動くために表の顔を生かすことはトップの顔が割れることを防ぐ事にもつながるため、一日中はまだ居られない事になっている。ちなみに先日回収された悪魔憑きは、ユーハバッハにより魂のかけらを分け与え元の姿に戻された後「アズギアロ・イーバーン」と名付けられ、未完成の応接室にて様子見となった
「私達の王はどうしてあんなにも寛大なのでしょうか…」
「大事な部下だからでしょうね」
うっとりとしたバンビエッタに冷静に答えるのは、黒い髪を腰まで伸ばしたロングストレートにマスクをつけた美女エス・ノトである。彼女は口元の火傷が原因として常日頃からマスクの着用をしている
「それにしてもバンビちゃん羨ましいわ、ええ羨ましい…」
「私も褒められたかったわ」
「まぁ…それには同感だな」
「うんうんボクもそう思うよ」
リルトットが最初に発言し、ミニーニャ、キャンディス、ジジ*1と続く
「今回は咎められることはなかったけど、陛下にお褒めいただけるかは貴女達の頑張り次第よ。場合によっては生け取りにするか無理なら殺してでも情報を奪うか…いずれかの選択を陛下から迫られる可能性はあるわ、心してかかるように」
「ユーゴちゃん陛下の前では男口調だよね、みんなの前では普通の口調なのに」
「僕が思うにきっと陛下の前では上がっちゃうから、照れ隠しってやつだよ」
ハッシュヴァルトを揶揄うのは、ハッシュヴァルトと特に仲のいいピンク色の髪を編み込んだ美少女バズビー、そしてバズビーに続くのは褐色の肌の銀髪美女エルフであるリジェ・バロであり、痛いところを突かれたハッシュヴァルトが赤面し、星十字騎士団が全員微笑む優しいなんちゃって星十字騎士団が広がっていた。…なおこの中では全員が正妻の余裕を持ち合わせているがユーハバッハはそれを知らない
◆◆◆
友人が王女殿下と交際して一週間が経過した。アレクシア王女とは接点がないため少し離れた位置から観察することが多くなったが、友人と目が合えば「助けてくれッ!」とその都度目で訴えかけてくる。私にどうしろと言うのだ、告白したのはカゲノーくんだろう…
しかしアレクシア王女の対応は傍から見てもいささか見せつけているように見える。カゲノーくんの友人のヒョロくんとジャガくんが早々に罰ゲームで告白したとカゲノーくんを売ったようなのでそのことが関係しているのかもしれない
「クロスフローリーくん…でよろしかったかしら?」
カゲノーくんと王女殿下が昼食中イチャコラしているのをみていると、目についた私にアレクシア王女が話しかけてきた。相手がいるのに他の男に喋りかけるなよ…ほらカゲノーくんが私に押し付けて音を消して逃げていったじゃないか…彼はニンジャか?
「王女殿下に覚えていただけるとは光栄です」
「そんなに謙遜しないで、貴方のお兄さんの剣技はこの国の剣術の進歩を感じさせるものよ、私は貴方にも期待しているわ」
兄さんルール無用の殺し合いならともかく、純粋な剣技なら私では絶対勝てないからな…銃の腕でも怪しい、弓矢ならいけるが
「兄…レイ・クロスフローリーが、この国の役に立っているのなら弟である私も鼻が高いです。それはそうと王女殿下、カゲノーくんがどこかにいかれたようですが?」
「え?もう、あの男ったら…」
「…傍から見ていると結構お似合いのように見えますよ」
カゲノーくんを追いかけようとして席から離れた王女殿下に聞こえるかどうかの声で言ってみると、彼女はチラリとこちらを振り返ると走り去っていった…
…そんなアレクシア王女が誘拐される数日前の何気ない日常を思い出す。私と彼女の接点らしい接点はそんなところだろう、しかし無関係な人物ではなくなっていた。またカゲノーくんがそのアレクシア王女の誘拐犯の容疑者となっていたが、どう考えてもあり得ないだろう。十中八九ディアボロス教団の隠れ蓑にされたものと考えている。カゲノーくんも災難だな
「今夜だな…」
「はい、今夜決行されるものかと」
見えざる帝国の玉座に座り、隣のハッシュヴァルトと共に王都の混乱を待つ。シャドウガーデンがアレクシア王女の捜索に当たっていることは諜報担当のベレニケ・ガブリエリが掴んでおり、今夜が最も活発になるのでその混乱に乗じて『アレ』を取りに行く
すると偵察を任せていたバンビーズが帰還し、王都での破壊活動が活発化されたとのこと
「ならば我々見えざる帝国は、ミドガル魔剣士学園に眠るディアボロスの右腕を奪いに行く、同行する者はペルニダ、ジェラルド、アスキン、リジェの
『ハッ!』
お疲れ様でした
現在のユーハバッハくん含めた現在登場している簡単な星十字騎士団の説明を書いていきます
ユーハバッハ
本作主人公、見た目は一護の精神世界で出てきた若い時のユーハバッハ、現在の能力は他者に魂のかけらを分け与える他、滅却師が持つ能力全般
ユーグラム・ハッシュヴァルト
男装を好む長身イケメン美女、種族は人間
バンビーズ
大体原作ブリーチに出てくる見た目に似ている、種族は人間
ジジ(ジゼル・ジュエル)
ほとんどが女性にしか発現しない悪魔憑きだがこの子だけ唯一性別は男性でこの世界基準ユーハバッハと同じくかなりのイレギュラー、見た目はBLEACH原作のジジに酷似、種族は人間
エス・ノト
本編に書いた通り、見た目は大体『勝利の女神NIKKE』に登場するメイデンというキャラに酷似、種族は人間
ベレニケ・ガブリエリ
金髪の美女、割と一番自分が可愛いと思ってる節がある情報収集担当
ペルニダ・パルンカジャス
種族エルフ(他不明)
アスキン・ナックルヴァール
種族エルフ(他不明)
ジェラルド・ヴァルキリー
種族エルフ(他不明)
リジェ・バロ
種族エルフ、銀髪ロングの褐色、一人称は僕、かなりの長身で巨乳、星十字騎士団のなかで一番スタイルが良くそのことを心の中で自慢げにしている