真・女神転生オタクくんサマナー外伝~エピソードオブドリフターズ~ 作:ジントニック123
九条ななみは魔法少女である。
例え師である
悪魔変身や超能力を魔法であると訴え“いやそれ無理あるだろ”と言われても。
マジカルでリリカルな変身をしても“アクアンズじゃん、人襲う側では? ”と言われても。
誰が何を言おうが魔法少女である。
まだ上手く使えない半人前なだけであると自認してる。
長々と呪文を唱えられないだけで何とかなると考えている。
友人であるピクシーから呆れられた顔をされても押し通している。
そんな風に一人前を目指して修行と師の手伝いをする毎日。
気になる先輩に彼女が出来て、どう寝取るか思案する日々。
熱中し過ぎて期末試験で赤点を取り、補習漬けとなる連日。
―――変わらぬと思っていた日常が終わった日の事は、今でも忘れていない。
普段の明るい様子が鳴りを潜め、行方不明になった恋人を必死に探す想い人。
代々木公園に集まり怪しげな儀式を開始したガイア教団。
それを阻止せんと襲撃を仕掛けるメシア教会。
“ミロク経典”に予言されし創世の儀式―――東京受胎。
儀式の中核となる創世の巫女を巡る戦い。
最後の最後で間に合わなかった自分たち。
世界が反転し、終焉を迎え滅び行く光景。
そして辿り着いた世界の卵、ボルテクス界における冒険の数々。
筆舌に尽くしがたく苦難の連続する旅路であったが、それでも。
これだけは胸を張って断言できる―――あれは、再会に至る為の物語であったと。
先輩と、崩れ逝く
またいつか次の世界で再び出会う為の誓い、あるいは祈りを込めた口づけ。
創世の炎と決意を纏い、全ての障害を打倒せんとする彼の横顔。
それを見て自分も諦めない事にした。
ストーカーだのヘビー級だの言われようとも関係はない。
いつか必ず彼の心を射止めてみせると改めて決めたのだ。
それはこの世界に流れ着いてからも、欠片ほども変わってはいない。
生き延びた以上は、手足も心臓も動いているなら止まってやらない。
アマラ深界で出会ったブローカーに守護霊を売り飛ばそうとも。
代わりに購入したユニコーンに何か
その為にも、また彼と出会ってみせる。
細かい事は後回し、まずはそれからだ。
―――だから。
| 《ヘビーレイン》*1 | 敵全体に突属性の中ダメージを与える。 突属性(突撃属性)と裁定する。 |
| 《虐殺者》*2 | 全体およびランダム攻撃スキルで与えるダメージが10%増加する。 |
| 「馬は蹄の音を立て」*3 | 牛馬の蹄を持つ悪魔、またはそれに騎乗した悪魔の特徴。 突撃相性・属性のスキル使用時、威力が50%上昇する。 |
ヤクザの軍勢へと向けた魂からの絶叫と共に。
強烈な飛び蹴りを以って人海を割るように突き進む。
さながら目的まで止まる事を知らぬ、恋に生きる少女の
近づいて一斉に攻め掛かれば、などの浅慮が招いた結果がこれであった。
そして残念な事に、これを受け止めるか跳ね返せる者は皆無。
白き閃光が駆け抜けた後に両足で立っている者は誰一人とて残ってはいなかった。
『…………乙女????』
「処女で年齢的には高校生で美少女で魔法少女で健気で一途。
これを乙女と言わずに何と言うんです?」
『属性過多』
「あればあるほど良いんですよ世の中」
『無敵過ぎませんか貴女』
最近はアバズレだの言う事が少なくなってきた相棒の言葉を聞き流しながら、ななみは状況を分析する。
これまでの嫌がらせで相応に敵の数も削れているはずだ。
その証拠に最初に感じていた多人数による“圧”も、大分弱くなっている。
スカイツリー内に後どれだけ潜んでいるかまでは分からないが、そう多くはないだろう。
増援の様子も見られない以上、このままではジリ貧であるのは相手も間違いなく理解している。
であれば、次なる手は―――。
天から降り注ぐような怨嗟の声と共に
「ッ―――!?」
「ぬおおおおおお!?!?」
「こりゃあ……
間一髪で跳躍し近場の街路樹、その高い位置にある枝へと飛び移る。
一瞬前まで居た場所は既に水の底、足も着かないであろう深度へと変わっていた。
ついでにヤクザたちの死体と後方にいた味方も何処かへと流されたようだ。
すなわち……
ななみは顔を上げ、この事態を引き起こした者へと視線を向ける。
派手に水しぶきを上げながら着水し、姿を見せたのは隻眼の白龍。
秘神カハク―――この戦場における敵の主力が片割れ。
押されている戦況を前にして、自ら最前線へと上がって来たのだろう。
狙いは当然、最も被害を作り出している
つまりこれは、彼女を殺す為だけに作り上げた殺し間。
| 《結界》*4 | シーン属性を1つ選び、その属性に変更する。 ⇒「河川(海洋)」を選択。 |
| 「シーン属性:河川(海洋)」*5 | 万能属性。 状況:水面を漂流している。水中に落ちる危険がある。 効果:水中に落ちて窒息状態になる(SHOCK扱い)。 付記:海洋系のキーワードを持つNPCの能力に補正。 ⇒秘神カハクに有利となる環境操作。 |
自然の恵みと脅威の神格化である故に許された
例えるならば局地的な洪水災害とでも言えばいいのか。
『調子に乗り過ぎたな小娘。
ここで貴様は終わる、助けも間に合わん。
単騎で突っ込んだのが過ちだったなぁ』
カハクの言葉に間違いは一切ない。
近づいてきたヤクザたちを一掃する為の突進攻撃。
それで自分だけが敵陣深くへ突出し、他のDBと距離が空いてしまっていた。
あの場面なら仲間のフォローを信じ、突き進むのは避けるべきだったのだ。
確かに寄せ集めの共闘である以上、頼りきりになるのはリスクはある。
超人の機動力ならば問題にもならない程度の距離しか空けていないつもりだった。
しかし現実として、その隙を突いた環境操作によって完全に分断された形だ。
押し流された彼らが戻って来るまで一体どれほどかかるのか。
10~20秒では不可能。どれだけ短く見積もっても2分ならば上等だろう。
……その前に殺される可能性の方がずっと高いが。
『己の力を過信するからこうなる。
その愚かさを後悔しながら死ぬがいい』
―――浅慮と侮った側が愚かなのだと、秘神は嘲笑うように告げた。
「……あの鉄砲玉は囮ですか。
バーサークしてるっぽいくせにこんな搦手が出来るとは」
『脳筋過ぎて引っ掛かったって素直に認めるべきでしょう?
か弱い乙女なら尻でも振って雄豚共を侍らせておけば良かったのに』
「? そっちの方が得意でしょう。
普段からブヒヒーンって鳴いてる癖に……豚か牛かいい加減ハッキリしてください。
そんなのだから陰でユニコーン(笑)とか呼ばれちゃうのに」
『お前しか呼んでませんよ小娘! それとブは余計だぁっ!!!!』
―――だというのに。
ななみからは余裕がまるで失われていない。
虚勢、ハッタリ、空元気……どれも違う。
ムダ話による時間稼ぎの意図さえも無い。
彼女は
違和感と疑問がカハクの頭に浮かんで―――。
「私をハメていいのは先輩だけです。
ただし―――嵌める側であれば話は別という事で」
『わざわざ泳ぐのは面倒なのでサヨウナラ』
パチン、と白魚のような指から
―――
『な、あ―――ッ!?』
驚愕の声が零れ、そして。
| 軍勢 | デビルバスターライダーズ | Lv80 |
代わりに現れたのは全身水浸しの軍勢。
騎乗可能な悪魔に跨り水上での足場を確保した―――歴戦DBの集団だった。
| 《ゾーンチェンジ》*6 | 自分の居る 射程無限のスキルであるが現段階ではマップ内(1区画)まで劣化中。 ⇒先輩の隣に割り込む為、相棒の記憶からラーニングした。 ⇒1マス=100mと定義する。*7 ⇒正確には《瞬転の舞い》*8に近い。 |
カハクが思わず単眼を見開く。単純な話だ。
流された先からの
突出させた囮に釣られた間抜けを数で叩く為の作戦。
先のななみの突進は、何も考えずに雑魚を薙ぎ払う為だけではなかった。
まんまと嵌められたのは―――自ら死地に飛び込んだ秘神の方。
如何に有利な環境下であろうとも、こうなってしまえば殆ど関係ない。
「デバフかけつつノックして持久戦いくぞー」
「メディアラハン持ち複数用意。
サマリカーム要員も準備完了な」
「この環境潰せるの居るか?
出来ればでいい」
「最後に動く事になるが一応やれるぜ*9」
「あ、自分弓使ってるんで目ぇ射抜いたら神話再現やれそう。
……
「ヒャアッ! デスマッチの始まりだァッ!!!!」
本命を手の届く場所に引き摺り出した今、削り殺すまでの道筋は完全に整った。
後は一切の油断なく、死ぬまで殴り続けるだけの塩試合である。
「恋に任せて暴走する馬鹿娘とでも?
甘いんですよこれでも修羅場には慣れてます」
『馬鹿娘なのは事実な件。
……まったく、何故貴女に関わってしまったのやら』
少し離れた位置で白龍の悲鳴をBGMとして、ななみは再び攻撃を開始する。
容赦なく、遠慮なく、徹底的にまで。
秘神が完全消滅するまで残り―――10分。
・
・
・
魔丞スペクターは怨霊だ。
正確に言えば複数の魂からなる集合体。
核となる本体に取り込まれた
1にして多数、多数からなる1を体現する怪物。
かつて人であった頃の名は溶け合い混ざり合う中で喪失した。
元の性別も今となっては忘却の遥か彼方。
ただ一つの意志だけを拠り所に存在を保つ狂気なる者。
もはや人としても悪魔としても外れた
まともという言葉からは正反対の位置に属している。
当然、このような存在が生まれた事には理由がある。
前回のセプテントリオン襲来と同時期。
漂流者出現と時を同じくして発生した日本各地での受胎事件。
その内の1つ、極小規模のボルテクス界にて啓かれたコトワリ。
殺し合い犯し合い奪い合う極限状況の中で。
失う事を恐れ失わせる事を拒否し救いを探し求めた果てに。
何処かの誰かが辿り着いてしまった、極端な選択。
名を《カサネ》―――全てが溶け合い1つとなる事を目指した新世界。
誕生した魔丞はボルテクス界の全てと溶け合うまで、然程の時間は要さなかった。
もっとも、天下を取れたのは狭い箱庭の中だけ。
解放後もその思想を貫いた結果が、阿修羅会に捕らえられての兵器利用である。
ある意味悲劇かもしれないが、少なくとも本人にその認識はなかった。
今でも目指すのはカサネの世界のみ。
道具のように扱われているこの状況も大願成就の準備でしかない。
その為にも、自らの邪魔をする者たちは全て潰す必要がある。
使い捨ての肉盾―――いずれ己になる筈だった物たちの喪失を嘆きつつも準備は完了した。
『集まれ集え我が元に来たれ我が同胞、我が血肉よ!!』
| 《群れ集い》*10 | 仲魔を戦闘に加える。 ⇒ |
叫びと共に励起する霊脈とマガツヒの鼓動。
愚瓶から流れ出す負の念を触媒に、スペクターの周囲で怒涛の
1が2、2が4、4が8、8が16――――止まらない増殖、終わらない誕生。
| 軍勢 | スペクター | Lv50 |
やがてスカイツリー周辺を埋め尽くしたのは小型悪霊の群れだ。
数は優に千を超えているだろう。
軍団規模で考えるならば2個大隊といったところか。
それでも、個体ごとのレベルは10そこらだ。
一般人であるならともかく、DB達にとっては文字通りの烏合。
範囲攻撃の使い手ならば鎧袖一触で蹴散らせる。
もう10秒もすれば
その前に―――悪夢の本番が始まる。
| 《邪霊烏合》*11 | 敵パーティがすべて合体する。 合体した数によってHPその他の値が変化する。 |
一部の乱れもない群体行動。
まさしく瞬きの間の出来事。
一呼吸分にも満たない早業。
その場にいたDB達が止める暇も無く、大量の悪魔同士による融合を許してしまう。
―――そして。
立ち上がったのは妖しき輝きを放つ巨人。
スカイツリーの半ばまで届くサイズの大怨霊。
現在東京に存在する魔丞二十一母の内、最も巨大にして強大であろう存在。
| 魔丞 | スペクター・巨大形態 | Lv95 |
カサネのコトワリを背負いし
かつてのレイドにおいて出現した“神”にも匹敵、凌駕する怪物がDB達に立ち塞がる。
「…………これは、デカすぎじゃね???」
誰かが呟いたが返答は無い。
無言が肯定の証だった故に。
そして――――巨人の片足が上がる。
| 《邪霊蜂起》*12 | 敵全体に物理ダメージ。 《邪霊烏合》で合体した後に使用する。 |
| 《物理貫通》*13 | 物理貫通を得る。 耐性・無効・吸収・反射を貫通する。 《テトラカーン》の効果を貫通する。 |
―――1歩。ただ1歩。
巨大怨霊が踏み出しただけで、周囲のあらゆるものが
人も物も悪魔も例外は無い。桁外れの衝撃と振動に蹂躙される。
強固なはずのコンクリートは重量に耐え切れず陥没し、水道管が破裂して水が噴き出す。
まさに歩く災厄だ。
多くの神話において巨人が倒すべき敵とされる所以。
存在し動くだけで多大な被害を生み出す人類の脅威。
この姿へと至った以上、抗う術はどこにもない――――。
| 「国友の銃」*14 | 3~5回攻撃。 本来なら火縄銃だが自動拳銃へと改造した。 ⇒「魔封じの弾」装填中。 |
| 《ガンマンの心意気》*15 | 物理・銃撃属性の攻撃に確率で発動。 相手の行動を無効化する。 |
| 《デスカウンター》*16 | 3倍の威力で通常攻撃を行う。 リハビリを兼ねた宗吾との修行で覚えた技。 ⇒攻撃された事自体がトリガーとなる為発動。 |
赤いコートのはためきと共に
飛来する瓦礫の全てを撃ち落し、反撃として数発の弾丸が叩き込まれる。
城壁に針、山に破城槌といったほどのサイズ比。
しかし、魔封じの力はしかと効果を発揮してみせた。
「おっと、効かないと思ったがやってみるもんだ。
意外と繊細なのかな」
「こっちも解析終わったところよ。*17
魔法全般反射、破魔呪殺神経精神無効。*18
「巨大化の弊害ってやつか?
ならこのままバステにデバフ盛って斬り殺せるな」
立ち上る煙の中から宗吾、美野里、タスラムの3人が姿を現す。
服装は所々汚れてはいるものの、負傷らしいものはどこにも無い。
五体満足、戦闘に一切の支障なし。
確かにあの巨体から繰り出される攻撃は凄まじかった。
まともに喰らえば即死もあり得るほどの力がある。
なら―――当たらなければいいだけの話なのだ。
単純な物理攻撃であれば、貫通があろうと捌く手段は相応にある。*19
「たぶんレイドの時と同じでデカい分バステの回復も早い筈。
継続して喰らわせた方が良い」
「次は毒試そうぜ毒。割合で削れるし火力も半減する」
「バフデバフ要員準備!
死にかけたら全体回復よろー!!」
「ローテ組んで回せ、邪魔するヤクザ蹴散らすのも要る!」
「キングスライムちゃぁあああん!!
あっそびっましょおおおおおおお!!!!
経験値よこせええええええ!!!!!」
同じように攻撃を凌いだ他のDB達も次々と手を広げていく。
そこには誰一人として絶望を抱いてなどいない。
乗り越え打倒せんとする気概に満ちている。
―――他人同士で一丸となって脅威に挑むその光景が。
スペクターにはまるで、《カサネ》のコトワリを否定するように思えて。
まるで地団駄を踏む子供のように。
足元の蟻共を踏み潰そうと力任せの
そのような分かり切った攻撃ではどうする事も出来ないと理解せぬまま。
魔丞の巨体が崩壊するまで残り―――。
・
・
・
「ありっだけの武器持ってごい!! うぢまくれぇっ!!!!」
「BあKuuuやぐだぁああ!! Oどせぇ、ころぜぇっ!!」
スカイツリー上層部、展望回廊。
愚瓶が安置された最終防衛ラインにて、防衛にあたっているヤクザたちが展望台の強化ガラスを粉砕し、そこから地上へやたらめったに攻撃を行っていた。
囲まれ攻撃を受け続けている魔丞への援護なのだろうが、はっきり言って焼け石に水だ。
地上400メートル以上の高さにある場所から、高速で動くDB相手にそうそう当たるはずもない。
だが、広範囲を攻撃出来るスキルを持った者は既に地上に降りて戦っているので他にどうしようもなかった。
それでもやらないよりはマシだ。
1秒でも時間を稼ぎ勝利へと繋げる。
阿修羅会の、極道の未来を守る為にも。
散っていった
「―――――んあ?」
そんな中、近場に転がっていた
ふと、なんとなく。虫の知らせがしたかのように。
黄昏から夜へと染まりつつある空。
その中に、一際輝く星が見えた気がして―――――。
| 《ジャッジメント》*20 | 全体に万能属性の魔法型ダメージを威力100で与える。 3ターンの間、味方全体の攻撃力を20%増加させる。 |
万能の断罪光と共に、流星が回廊へと突っ込んだ。
「ッ来だぞオマエラァアアアア!!」
断末魔さえ上げられず蒸発するヤクザたち。
それを免れた、あるいは生き残った者はすぐさま集まり陣形を組む。
予期してはいた事態、想定はしていた襲撃。
主力が出払い、対空能力が落ちた今ならば成功する可能性は高い。
ヤクザ側からすれば絶対に来て欲しくはなかった展開だ。
彼らは怒りに歯を食いしばりながら敵を睨みつける。
「……ひょっとして、私たちが一番乗り?」
『そのようですレディ。
敵はよりどりみどり、これならば誤射の心配も要りません。
遠慮なくその力をお振るい下さい』
「おい、ここが公共の場って事忘れんなポンコツ。
壊し過ぎたら流石にお縄だぞ」
| デビルシフター | サロメ | Lv65 |
| 強化人間 | ダイ | Lv52 |
| マシン | カルラ | Lv58 |
砕けたガラスを踏みしめながら舞い降りたのは長い金髪に巨大な旗を持った少女。
そして、隣でエスコートするかのように立つ無骨なデザインのマシン。
ブラックフィエンドのエターナルとフリーのドリフター。
本来なら肩を並べる事はまずない異色のコンビとマシン。
通信を受けカルラの飛行能力を使い大急ぎでここまでやって来たが、どうやらまだ他の味方はいないらしかった。
「ヤク決めろぉっ死んDも守rえええ――――!!」
「でめえらのみたいのがいるぜいで、ダチがじんだ!
だがが
「あんなにやざじかっだ親父が!!」
カスみたいな債権者
| 軍勢 | ヤクザの群れ | Lv75 |
思いの丈を吐き出しながら、ヤクザたちが決死の覚悟で立ち塞がる。
背水の陣。仲間の命運を背負い、刺し違えてでも倒す決意を燃やす。
自分たちの全てはこの瞬間、極道の
それを前にして2人と1体は―――。
『固まってくれていて助かりました―――“
「鴨撃ちだなこりゃ。片っ端から石化させてくぞ」
「残ったのは私が吹き飛ばすって事で」
| 《ホールド》*21 | 鞭の上級技。 巻きつかれていると一切の物理的な攻撃・防御は不能。 回避やそのほかの行動にもペナルティ。 本来は単体技だが、軍勢に対しては全体として扱う。 |
| 「SPAS15」*22 | ショットガン。前列複数体に3~6回攻撃。 ⇒石化弾使用。呪殺相性。 |
| 《リミットブレイクⅡ》*23 | 格闘武器または射撃武器を1つ指定。 シーンまたは戦闘終了まで対象を使用した攻撃の相性は 万能に変更される(スキル本来の相性も無視)。 自動失敗または大失敗した場合、使用したアイテムは壊れる。 |
ワイヤーで敵を拘束し石化弾を浴びせ、石像にならなければ万能の光で吹き飛ばした。
ヤクザたちの思想や背景、事情といったものに欠片も理解を示さず。
完全なる塩対応で立ち塞がる敵全てを無力化していく。
最優先事項は愚瓶の破壊であるのだから、無駄な力や時間を使う暇は無い。
そもそも外道畜生に堕ちた者に対して、わざわざ割く価値も無いのだから。
あらゆる道理を踏み躙った者が踏み躙られないなど、あり得るはずも無い。
「――――さっさとやらないと」
早足で歩く中、サロメからそんな言葉が漏れる。
それはこの事態を早急に収めんとする守護者としての意識。
それはブラックフィエンドの一員として暗躍する者の思考。
そして―――。
「あのキチガイが邪魔して来るか?」
『これまでのパターンから推測するに、この戦場に現れる可能性は非常に高いです』
「あんな目立つ
絶対に仲間と認めたくない
願わくば、何処かで事故死してくれないか。
そんな風にサロメは信じてもいない神に祈るのであった。
・
・
・
―――果たして。
聖女を宿す乙女の祈りが天に通じたのか。
はたまた地獄の底の魔王へと届いたのか。
少女が祈りを捧げた同時刻。
誰の目も届かぬビルの屋上。
観客無き闘技場の中心にて。
―――黒衣の超人シャドウは鋼の刃に刻まれ続けていた。
大体塩対応で終わらせました。
次回、シャドウVS筋者です。