真・女神転生オタクくんサマナー外伝~エピソードオブドリフターズ~ 作:ジントニック123
あと、こちらでも告知しますがR18の方でも投稿しました。
Pi>【セプテン前に】何でもありごちゃ混ぜ相談スレ44【備えなきゃ】
【覚醒】バルザック・ウルバーン 仕様検証スレ4【魔法】
【乱舞】リネーム・スキル研究スレ12【強制発動】
【検証】食いしばりの仕様 情報交換スレ8【死ぬわ】
【集え】剣術系スキル検証 意見交換スレ18【剣士たち!】
1405:一般剣士@LV上げ中
ねんがんの あたらしいけんをてにいれたぞ!
1406:名無しさん@LV上げ中
そう かんけいないね
1407:名無しさん@LV上げ中
殺してでも……やっぱいいや
1408:名無しさん@LV上げ中
ゆずって……いやなんでもないです
1409:名無しさん@LV上げ中
うしろ2つwww
1410:名無しさん@LV上げ中
様式美は守ろうぜ
いや同じ意見ではあるんだが
1411:一般剣士@LV上げ中
なんでだよ―羨ましくないのか?
貯蓄の半分以上が吹っ飛んだブツだぞ
1412:名無しさん@LV上げ中
羨ましいけどそれ以上に怖いよ
絶対妖刀とかの類だろうし
1413:名無しさん@LV上げ中
持ってるだけで命削って来る武器はちょっと
1414:名無しさん@LV上げ中
つかそれ他人が持っても同じ性能発揮できる?
個人専用とかそういうモノだろ
1415:名無しさん@LV上げ中
ちなみにわざわざそんな事言った理由は……?
1416:一般剣士@LV上げ中
……襲って来るバカいたら試し切りしたくて
1417:名無しさん@LV上げ中
悪魔でやりなさい!
1418:名無しさん@LV上げ中
悪魔でやれやwww
1419:名無しさん@LV上げ中
あるいは剣士友達
1420:名無しさん@LV上げ中
帽子野郎ぶっ殺しサークルがいるでしょ!!
1421:一般剣士@LV上げ中
みんなセプテンに備えて忙しそうだしさー、なんかこう悪いじゃん。
下手に遠出して悪魔斬ってたら乗り遅れる予感ががが
1422:名無しさん@LV上げ中
まーだ前回のレイド乗り遅れたの引き摺ってんのか
今回は何処にいても強制参加じゃい
1423:名無しさん@LV上げ中
大した旨味もねぇがな!!
1424:名無しさん@LV上げ中
ホンマ糞やで
1425:名無しさん@LV上げ中
どっかに好条件レイド落ちてないかなぁっ!
1426:名無しさん@LV上げ中
あってもセプテン乗り越えなきゃ意味ないけどね
1427:名無しさん@LV上げ中
非売品含めてアイテムがねぇ(ヤクザ共のせいでだいぶ使った)
悪魔合体にかける時間がねぇ(邪教の館も業魔殿もパンク寸前
ついでに金も無けりゃマッカもねぇ
1428:名無しさん@LV上げ中
無い無い尽くしで笑うわ
1429:名無しさん@LV上げ中
悪魔業界は常に地獄です
真の地獄はすぐにやってきます(定期
1430:名無しさん@LV上げ中
実際のとこ今何やってる?
ちなみに自分は手持ちの見直しと手札の調整やってる
1431:名無しさん@LV上げ中
似たようなもんだなぁ
1432:名無しさん@LV上げ中
最後の追い込みでレベル上げられるような異界に凸してる
もちろん無理のない範囲でだけど
1433:ビッグマン@LV上げ中
マシン乗りなので相棒の整備だな
途中で足回りがお釈迦になるのは避けたい
なにせセプテンはこれが最初なんで
1434:似非聖女@LV上げ中
シフターだから人間形態と悪魔形態で共用出来るスキルの考え中
1435:凄拳獣@LV上げ中
古巣に顔を出して近場で共闘出来るように申請したな
1436:スジモン@LV上げ中
残った伝手を頼って色々情報探ってますかねぇ
馬鹿やりそうな馬鹿知ってるんで
1437:猛獣使い@LV上げ中
身内との連携確認と自己能力の再検証
今まで何となく使ってきたけどもう一歩踏み出せそうな気がする
1438:魔☆弾@LV上げ中
リハビリも完了したんでさっそく扱き使われてるね
1439:名無しさん@LV上げ中
都内の某会社の雇われ警備員として防衛マニュアル叩き込み中
なお隣のボケてそうな爺さんがブツブツうっさい
1440:名無しさん@LV上げ中
駄目でしょおじいちゃん変なもの食べちゃ!
1441:名無しさん@LV上げ中
真面目にシェルターにでも送ってやれ
1442:名無しさん@LV上げ中
足手纏いにすらならず即死するに1票
ネタじゃなくてマジで
それはそうと引き籠るって奴がいないのが驚き
1443:名無しさん@LV上げ中
逃げ出した先に楽園なんてありゃしねぇのさ
1444:一般剣士@LV上げ中
戦わなければ生き残れない!
1445:名無しさん@LV上げ中
世界は救われる。俺たちの胃壁を削れば。
1446:名無しさん@LV上げ中
無力のままでいるのはちょっとねぇ……
もちろんいない訳じゃないんでしょうけれども
1447:名無しさん@LV上げ中
無理に戦えとは言わんが、何もせず生き残れるほど甘くねーだろ
1448:名無しさん@LV上げ中
ドリフの中にも今度こそは―ってめっちゃ頑張ってる勢もいるし
1449:名無しさん@LV上げ中
そんな事関係ねぇヒャッハー世界の敵だぁっ!
ってなってるのもいますから(白目
1450:一般剣士@LV上げ中
どこのどいつだろうな(ライダー見ながら刀のメンテ中
1451:凄拳獣@LV上げ中
まるで見当がつかん(推しの曲聞きながら筋トレ中
1452:名無しさん@LV上げ中
こいつらw
1453:似非聖女@LV上げ中
何この……何???
1454:ビッグマン@LV上げ中
変態通り越したナマモノ
1455:猛獣使い@LV上げ中
ただの馬鹿共
1456:スジモン@LV上げ中
やる気があっていいこった
1457:名無しさん@LV上げ中
知り合いのDBの中には何故かハーフマヨ買い込んでるのもいたな
……どう使うのかは怖くて聞けなかったけど
1458:名無しさん@LV上げ中
調味料なんだからかける以外なくね?
1459:名無しさん@LV上げ中
何にかけるのかは……個人の自由ってことで
1460:名無しさん@LV上げ中
あのー、大音量でNTR系ASMRを垂れ流してるのは?
1461:先輩ラブ@LV上げ中
道端で想い人への愛を叫ぶのは?
1462:名無しさん@LV上げ中
近所迷惑だから止めなさい
1463:名無しさん@LV上げ中
お巡りさんこっちです
1464:先輩ラブ@LV上げ中
大丈夫、まだ牢屋に入っていませんから!
厳重注意も1回だけだから!!
1465:猛獣使い@LV上げ中
捕まるんじゃないわよ
引き取りに行くの誰だと思ってんの?
1466:名無しさん@LV上げ中
例外は放っておこう、なっ!!
1467:名無しさん@LV上げ中
マトモな人はいないのか
1468:名無しさん@LV上げ中
怒らないでくださいね
悪魔業界の住人にマトモさを期待するのって馬鹿じゃないですか
1469:名無しさん@LV上げ中
それは……そうなんですが……
1470:名無しさん@LV上げ中
困った。否定しきれない
1471:名無しさん@LV上げ中
正気で戦争が出来るか!
1472:名無しさん@LV上げ中
日常を完全に失ってジャーム化するのは勘弁だなぁ
1473:名無しさん@LV上げ中
このあいだ出た新サプリでいきなりロストした話する?
1474:名無しさん@LV上げ中
どんだけエフェクト積んだのか
1475:名無しさん@LV上げ中
ダ女神に嫌われたのね
1476:暴力巫女@LV上げ中
昼間から酒飲んで取材という名の喧嘩してるだけの社会人だから通して
1477:名無しさん@LV上げ中
何故クビにならないのか???
1478:名無しさん@LV上げ中
DBはその気があるとはいえ社会不適合者過ぎでは????
1479:毒娘@LV上げ中
何だかんだ最後はうまく纏めてしまうので……
あと他の社員も曲者ぞろいといいますか
1480:名無しさん@LV上げ中
相変わらずだぜ暴力巫女さんは
絶っっっ対見習いたくはないけど
1481:名無しさん@LV上げ中
見習えるものなのか
ボブは疑問に思った
1482:名無しさん@LV上げ中
ここで! 僕が! 戦わなければ!!
冬コミが中止になるかもしれないでしょうがっ!!!!!
1483:名無しさん@LV上げ中
気持ちは分かる
やる気も理解出来る
1484:名無しさん@LV上げ中
覚醒者の体をフル活用した(迷惑にならない範囲での)始発ダッシュ
1485:名無しさん@LV上げ中
スクカジャスクカジャスクカジャ
1486:名無しさん@LV上げ中
なお早過ぎるとペナルティ喰らう模様(2敗中
1487:名無しさん@LV上げ中
スキル使ってる阿呆を取り締まる依頼も来そうだな
1488:名無しさん@LV上げ中
それもこれもセプテンを乗り越えればの話だけど
1489:名無しさん@LV上げ中
結局はそこに帰ってくると
1490:名無しさん@LV上げ中
とりあえず今はね
1491:名無しさん@LV上げ中
1年くらい前はこんな事になるなんて予想もしなかった
1492:名無しさん@LV上げ中
今ではレベルも収入も倍以上に増えて嫁も出来た
ここだけ抜き出すと素晴らしい
1493:名無しさん@LV上げ中
なお世界の危機の数々
1494:名無しさん@LV上げ中
ジャンプ連載強制終了(物理)のピンチ
1495:名無しさん@LV上げ中
避けなきゃなぁそれだけは!
1496:名無しさん@LV上げ中
せっかく生き延びて新天地に辿り着いたんだから守らないと
1497:名無しさん@LV上げ中
もう味の薄い携帯食料生活にはもどりたくなーい
1498:名無しさん@LV上げ中
期限切れ缶詰を殺してでも奪うのはもう嫌
1499:一般剣士@LV上げ中
そう、だから調整に付き合ってくれる人いないかなー!?
死なない程度に斬り合うだけだから、ねっ!!!!
1500:名無しさん@LV上げ中
いやでござる
1501:魔☆弾@LV上げ中
この間ハチの巣チャレンジ手伝っただろう?
1502:名無しさん@LV上げ中
勘弁して
死んでレベルダウンは避けたい
1503:名無しさん@LV上げ中
興味あるけど警備マニュアル覚える方優先でー
1504:猛獣使い@LV上げ中
脛蹴り確定だからねこの剣馬鹿
1505:一般剣士@LV上げ中
アッハイ
都内に幾つも存在する覚醒者の使用を想定した道場。
認識阻害の結界が張られているそのうちの一つに宗吾は立ち入った。
流石に修練会所有の物件よりは狭いものの、個人の鍛錬には十分過ぎる広さだ。
普段であればまばらに人の影があるが、早朝である事も手伝ってか中に他の利用者の姿はない。
これ幸いと思いながら、まずは左足から一歩道場の中へと踏み入る。
続けて正面へと一礼し、板張りの床を鳴らしながら中央へと向かう。
「―――――」
宗吾は軽く息を吐いてから正座した。
奥へと設えられた神棚の方向を見て、鞘ごと抜いた刀を膝前に置き刀礼を済ませる。
野外であればともかく、道場で行うのであれば必須の所作。
少なくとも宗吾はそう思っているし、状況が許す限りは行い続けていた。
武道に身を置くのであれば、礼を尽くすのは当然の事である故に。
「――――ッシ!」
立ち上がって抜刀。
構えを取って刀を背に回す。
息を吐き、縦一文字に刀を振り下ろす。
息を吸い、再び構えを取る。
峰が背に触れるまで振りかぶり、もう一度振り下ろす。
この動きを幾度も繰り返す。
準備運動にして基本稽古である素振り。
一見すれば単純な動きの連続にしか見えないが、流派によっては脱力を重視したり、逆に腕力をフル活用するなど思想や方法論に大きな差がある。
中学時代からあらゆる剣術道場を渡り歩き―――道場破りとも―――その業を盗んで来た宗吾は、それぞれの流派に合わせた素振りを一振りごとに行っていた。
普通であれば頭のイメージと体に染み付いた動きが一致せず無様な棒振り芸と化すだろう。
しかしながら宗吾にその兆候は見られない。
長年こういった修練を積んで来たからか、それとも天賦の才によるプロセスの放棄か。
―――答えを出す気も、興味も意味も無いのであまり気にした事はない。
重要なのは刀剣を振り技を磨き己を高める事。
稽古中に求めるモノなど、それだけで十分だ。
「フッ――――!」
素振りをする―――剣先がミリ単位でズレたので修正。
素振りをする―――運足がミクロン単位で乱れたので修正。
素振りをする―――心拍は僅かに速くなったので修正。
そのまま3千本ほど素振りを行い、
肉体・精神的にも然程調子は変わらない。つまりいつも通りであった。
疲労も息の乱れも無いまま、次の稽古……業の鍛錬へと移る。
道場の中央からやや壁側へと移動してから目を閉じる。
―――状況設定、
敵は2体、火炎弱点の悪魔。
前列に並びこちらへと攻撃態勢を取っている。
物理攻撃か、それとも魔法か……どちらでもいい。
間合いは十分。
既に互いが射程距離内。
向こうの意が迫る。
―――その前に先んじて動く。
| 《火炎斬》*1 | 前列の敵2体までに火炎相性ダメージ。 |
眼前の空間に、2本の赤い線が刻まれる。
幻覚ではない。大気摩擦によって生じた高熱が空気を焼いて残光と化したのだ。
攻撃に移ろうとした敵は実際に動くまでの硬直時間を突かれ、そのまま成す術もなく消滅。
―――そう仮定する。
構え直して状況設定、
敵は5体、氷結弱点の悪魔を確認。
前列に3体、後列に2体と配置が分かれている。
敵は保身を一切考慮せず、自爆系統のスキルを準備中。
―――であれば。
| 《 | 敵全体に氷結相性ダメージ。 |
一閃の後、前方の全てが凍り付く。
刀を振るった際に生じた複雑怪奇な気流が気温の急低下を引き起こした結果によるもの。
弱点を突かれ、再行動の機会を得た宗吾の追撃によって敵は全滅。
そう仮定して、技を終えた。
もう一度構えて状況設定―――
敵は1体、電撃相性弱点の悪魔。
突き抜けた【体】能力値と活泉系スキルによる底上げがされている。
弱点を突いたとしても1撃で殺しきれるか微妙。
反撃による負傷のリスクもあり。
―――ならば。
| 《乱入剣》*3 | 敵単体に電撃相性で5連続攻撃。 一定確率で気絶状態にする。 このスキルによる撃破時、HP/MPが少量回復する(裁定) |
雷光の如き5連続刺突。
突きこまれた刃へと増幅された生体電流が走り、敵を内側から焼き尽くす。
穴という穴から煙を噴き上げながら消滅。
仮定を終えてから、構えを解く。
「ふぅー…………」
宗吾は額に浮いた汗を手の平で拭った。
実戦を想定した技稽古は疲労が激しい。
たとえイメージ上の存在―――それも都合の良い―――であろうともだ。
僅か3度で、素振り3千回の倍以上は消耗していた。
「…………ん?」
ふと、背中に刺さる視線を感じた。
よく知った相手の気配で、少し目を向ければ銀色の髪が見えた。
しかし話しかける様子はない。稽古中であるのを慮っての事か。
本来であれば、稽古の様子を人に見られるのは避けるべきである。
単純に手札がばれるというのもあるが、稽古の様子からどのような技を持っているか想定・逆算する事も不可能ではないからだ。
「………………っ」
とはいえ、そういった事を気にする相手でもない。
呼吸を整え、構えを戻す。
周囲を見渡し、十分に動ける環境であるか再確認。
次の技は未だ不完全で、万全を期す必要があった。
―――問題無し。状況設定、
敵1人、召喚前の
格上かつ先ほど想定した悪魔よりもなお頑強。
一撃で殺すのは不可能かつ時間をかければ敗北必須。
―――だから前のめりに駆けるだけ。
「――――シャアッ!!」
| 《先の先》*4 | 判定成功時、ターンの最初に動くことが出来る。 状況の支配、あるいは意識の先を行く知略の成す業。 |
| 《■■■》 | 敵1体に■■相性で攻撃する。 対象は■■・■■・■■を行えない。 ■ターンの間、自身の■■■を■■■■■させる。 |
気合いと共に放たれるのは、空間をも撓ませる雷を帯びた破壊斬撃。
とある世界、いつかの時代にて無双を誇った奥義の一つ。
果たして―――。
「……くっそ~~駄目かぁ」
絶剣は形を成さず、受けてからのカウンターが己の心臓を撃ち抜く。
そう仮定して、宗吾は大の字を描くように仰向けで倒れた。
悔しさの滲んだ声が日の差し始めた道場に響く。
かつての世界で師より教わった剣技の一つ。
最近になってようやく使えるようになってきたと思っていたが、実際はまだまだ不完全。
レベルでいえばとうに超えているはずなのに使えないのは、やはり年季の差だろう。
この数ヶ月で遥かに強くなったとはいえ、剣の腕が上がったとはイコールにはならない。
よほどの異才を除いて、たかが20そこらの若造ではたどり着けない域にあるのだ。
そして残念ながら、宗吾はその異才に属する剣士ではない。
―――技は勝てる機に勝てる行動をするマニュアルである。
極論、技とはそういうものでしかなく、使えないなら他の手を使えばいいだけ。
どこまでも冷たい戦闘理論に感情が入り込む余地はない。
気合いや根性、執念だけでどうにかなるものではない。
戦いに思いの力は必須でも、技の構築には不要である。
だから使えない事を気にしなくても良いのだ――――。
などと、納得して諦めるような性質の男では残念ながらなかった。
「物騒な事言ってないで汗拭いて頭冷やせ馬鹿」
そして稽古の様子を見ていた美野里がタオルを顔面に叩きつけた。
・
・
・
「それで、どうなのよ?」
「どうって……ごめんどれだ?
ちょっと心当たりが多すぎて分からん」
日の高さが頂点へと達した頃、2人はとある公園のベンチへと腰掛けていた。
それなりに大きい、遊具が幾つも設置された公園には、しかし他の利用者の姿はない。
平日かつ気温が下がり冷え込んで来たというのもある。
だがそれより、誰も外出したがらないという点が最も大きいだろう。
なにせ、大規模な内乱騒ぎがあってから10日ほどしか経っていないのだから。
血と狂気と暴力に酔った外道共。
絶大な力を振るう魔丞と秘神共。
戦後最大の事変によって齎された被害は、一般人からすれば容易に忘れられる物ではなかった。
肉体、精神的に生涯消える事のない爪痕として刻まれた者は多い。
いつもの日常を送れる程度に癒えるのは、まだまだ時間を要した。
……残念な事に、癒える間もなく次の試練は訪れるのだが。
「刀の方よ、正宗さんから受け取ったやつ。
稽古の時は練習用のやつ使ってたじゃない。
だから何か問題でもあるのかなって」
「よく見てるなー。
いや別に問題って程じゃないんだが―――」
苦笑しつつ周囲に誰もいない事を確認した上で、宗吾は竹刀袋から愛剣を取り出す。
鞘に納まった姿は、一見すれば以前と何ら変わりも無い。
―――鯉口を切る。
それだけで―――――
| 七星太極正宗・鬼神楽*5 | 攻撃力:735 命中:225*6 攻撃回数:2~4回 追加効果:PANIC 属性攻撃:万能 能力値補正:力+7 魔+1 体+3 速+2 運+5 付加スキル:《冥界波》《ジャベリンレイン》 《食いしばり》《三分の活泉》 |
音が世界から消失したのはほんの一瞬。
だというのに、美野里は全身から冷や汗を噴き出していた。
新たなる力を得た宗吾の刀はこれまでとは完全に別次元。
これを刀と呼んでいいのか……そう疑問に思える域へと至っている。
「……それが、
「正宗さん曰く、本来のモンとは別らしいけどな」
既存の剣合体とは似て非なる技術。
魔晶剣に封入された悪魔へ“マガタマ”を合体させる事で行う強化方法。
しかし考案された時代では技術的、そして材料の少なさから廃れてしまった徒花の一輪。
それを現代まで継承してきた変わり者の鍛冶師。
ドリフター出現と同時期に発生した受胎と呼ばれる事件、そこで出回ったマガタマの幾つか。
そしてこの強化に耐えられるほどのキャパシティを持った魔晶剣と
これらの要素が合わさり、鬼神楽は新生を果たした。
同時に、あまりに切れ味に扱いの難易度が跳ね上がってしまったが。
「あと熟練度の方もリセットされた上、妖刀としての力も発揮出来てない*8。
……セプテン戦終えた後じゃなきゃフルスペックは無理かなー」
「それでまだ全力出せてないの引くわよ……はい、お昼ご飯」
呆れながら美野里は鞄からアルミホイルに包まれた塊を取り出した。
破くと中から黒い色が見える―――海苔の巻かれたおにぎりだ。
ずい、と宗吾の口元まで差し出すと、口を大きく開けて半分を一口で食べる。
「むぐ……塩おにぎりか。
おかずかせめて具があると嬉しいんだけど―――」
「あんたの刀の代金と入院費のせいでしばらく節約生活だから。
贅沢言ってないで大人しく食べてなさい」
「……草の根齧りながら修行してた時よかマシだな、うん」
残った半分は美野里が食べた。
ちなみに塩おにぎりなのは節約だけではなく、美野里の好みでもあるからだ。
鞄にはあと4個同じものが入っている。
「ちなみにそっちは?
ここ数日は邪教の館で色々やってたろ」
宗吾が未開封のペットボトルに入ったお茶を差し出した。
美野里は半分ほど飲んでから口を開く。
「ななみの所で相談しながら業魔殿と往復して仲魔6体の調整は済ませたわよ。
これ以上を望むのは時間も何もかも足りないわね。
……あの酒カスだけは例外だけど」
「やっぱりまた上手く行かなかったか?」
美野里が首肯し、半分になったお茶を差し出す。
受け取った残りを飲み干しながら、宗吾はこれまでの事を思い返していた。
酒カス―――色々と謎の多い元人間の悪魔ことリーベラ。
優秀なスキルを幾つも持つが、支援型として考えるなら入れ替えも必要だ。
特に
なので業魔殿の方で調整を行おうとして……
合体事故ではない。そもそも合体自体が発生せずに弾かれた。
あまりの異常事態に、宗吾だけでなくその場にいた全てが目を疑った。
なお、リーベラ本人も目を白黒させて驚いていた。
いかに実体のある悪魔とはいえ考えられないイレギュラーであり、あらゆる検証を試したが成果はほぼ無し。
分かったのはリーベラに悪魔合体を行うのは不可能だという事のみ。
これには美野里も業魔殿のスタッフも頭を抱えていた。
本人は泣き叫びながら足に縋りついて捨てないでと懇願していた。
ちなみに今は酒屋でバイトして自分の酒代を稼いでいる。
「―――ま、それはいいのよ。
なんだかんだで使える能力があるのは変わりないし。
ハゲネなんて使えてない能力がいまだにあるから」
「美野里の手持ちも本当に変わり種が多いよな……」
「うっさい、この変わり者筆頭!」
いつものように脛を蹴ってから、美野里が勢いよく立ち上がった。
そのまま宗吾の前へ出るとくるりと回転する。
短めのスカートと黒のニーソックスが作る絶対領域が目に入った……勿論わざとである。
「午後からリコリコでタスラムと動きの打ち合わせの予定でしょ。
そろそろ行かなきゃ間に合わないわよ。
……あ、言っとくけどコーヒーは1杯で済ませなさいよね」
「打ち合わせって言っても前のでほとんど終わってるだろ。
そのままダブクロキャンペーンの続きやる事になりそうだな」
「今度のGMはたきながやるから色んな意味で予想がつかないわね……。
全NPCが千束とかやり出さなきゃいいけど」
「千束の姿したコマ作れって言われたら……流石に勘弁して欲しいわな」
宗吾が遠い目をしながら立ち上がり、美野里の右横に立つ。
美野里は少しの逡巡の後、空いている左手を握る。
そのまま寒空の下を2人で並んで歩きだすのだった。
・
・
・
欧州屈指の武器開発メーカーにして、軍事品を中心にした巨大企業“グランギニョル社”。
その日本支部のすぐ傍。やや寂れた空き地に1軒のラーメン屋台があった。
“ラーメン不屈”と達筆な字で書かれた看板の下には、行列が出来るほどではないがそれなりの人影がある。
「兄ちゃんメシはまだかいのー?」
「今注文するとこだよ爺さん。
店長、不屈塩ラーメン3杯ね」
『昨日も塩じゃなかったっけ?』
例えば、グランギニョル社に警備員として雇われた3人組。
眼帯をした老人とフードを被った年齢不詳の男と筆談で話す黒髪の男性。
「ここのラーメンかなりいけるな。
普通に店構えてもいいくらいだろ」
『情報によるとこれまで何度も物理的に潰れているそうです。
それでも諦めずに続ける不屈の味が売りだとか。
―――マシンの私では理解出来ない感覚ですね』
「バイタリティが高いのね……ちょっと尊敬しそう」
例えば、バイクに2人乗りしてきた男女。
マシン乗りの少年と聖女へと変身するシフターの少女。
この場にいる誰もが知らない。知れるはずもない。
来る日、来る時に轡を並べて戦う事を。
夢を終わらせる来訪者たちの襲来、それに巻き込まれる事を。
「不屈塩ラーメン3丁おまち!!
お客さんたちいつも来てくれるんで、から揚げオマケしといたよ!!」
そして、この屋台がまた物理的に潰れる事も。
―――運命の時はすぐそこに。
◎登場人物紹介
リーベラ <狂神/顕現体> Lv65
シリーズポジション:樹木のディオニュソス(200X)
元は酒の強いのが取り柄の(自称)ごく普通の女だったが、謎の男と出会って悪魔になった。
酒が弱くなった以外は自己認識に変わりはなく、悪魔としてはあまりに異端。
ぶっちゃけ自分でもよく分かっていないし、変な知識が頭にあるが理解出来てもいない。
美野里に見捨てられると人生もとい悪魔生が詰みかねないので全力を尽くしている。
なお、契約時に酒代は自分で稼ぐと約束したので普段はバイトをしている。
八瀬 宗吾
シリーズポジション:八瀬三郎(200Xリプレイ・退魔生徒会シリーズ)
千葉宗吾(200Xリプレイ・退魔生徒会シリーズ)
トーダ(真・女神転生Ⅲ 混沌) NEW
何かネタが思いついたらまた投稿したいと思います。