真・女神転生オタクくんサマナー外伝~エピソードオブドリフターズ~ 作:ジントニック123
今回は主人公コンビの出番なしです(
―――それは予想より一日早く訪れた。
『警報! 警報! セプテントリオン警報!!』
『セプテントリオンの出現が予測されました!!
ただちに最寄りの避難所に避難してください!』
『繰り返します! セプテントリオンが出現します!
これは訓練ではありません! 避難してください!』
都市中に響き渡る
三度目の厄災が訪れた事を告げる放送。
「おいいい! はええよ!?」
「明日って話だろ!!」
「くそ、政府の陰謀だ!!」
「ラーメン喰いたかったぁっ!!」
「来ましたか、準備は出来ています」
「お天道様の下で働けるとはなぁ。安い報酬だけど、IDタグ無くすなよ」
「これ以上逃げる場所はない。勝率が少しでも上がるならばやるべきだ」
恐怖し、恐慌し、叫びながら逃げる一般人たち。
事態を受け止め直ちに迎撃準備へと移るDBたち。
不退転の覚悟を決め抗う事を選んだ漂流者たち。
「市街戦はやっぱり浪漫だよねええええええ!!」
「なんだっていい、イカルガが飛ばせれば!」
「いざ目指せ! リューのいる世界へ!」
「夢見たグランゾートの世界を叶えてみせる!」
そして趣味に走る一部の変態もとい変人たち。
斯くして。
南は遥か沖合で。
北は遥か上空で。
一部の面子により先んじて始まった戦いから約75分後。
第三次セプテントリオン迎撃戦が幕を上げる事となる。
・
・
・
| 貪狼星 | ドゥベ | Lv20 |
| 貪狼星 | ドゥベ | Lv20 |
| 貪狼星 | ドゥベ | Lv20 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
迎撃戦開始後、都内は地獄の如き様相を呈していた。
増殖する巨体が建物を圧し潰す
天から飛来し大爆発を繰り返す
浅草寺の
かっぱ橋道具街も蹂躙され、瓦礫の山へと姿を変えていく。
先のヤクザたちが引き起こした奇禍が可愛く見えるほどの被害。
予想よりも早まった影響もあって、逃げ惑う者たちの姿は多い。
「ハッ、ハ……ァァッ!!」
例えば、セプテントリオンたちから少しでも離れようと走る一人の女。
彼女はなんの力も持たないごく普通の一般人だ。
ちょっとした野暮用のせいで避難所に向かうのが遅れ、結果このような目に合っている。
胸の裡にあるのは後悔の念ただ一つ。
なぜ自分は早く避難所に向かわなかったのか。
理由は簡単、警報が鳴っても一向に何も起きないから油断してしまったのだ。
言い方は悪いが完全なる自業自得。
例えるなら、飢えた肉食獣が迫っているのに呑気に寝ていた草食動物。
食い殺されるのは明白で、それを覆す術など持ち合わせてもいない。
今こうして逃げているのも、死への時間を先延ばしにしているだけに過ぎなかった。
「あっ」
そして、順当に瓦礫へと躓き転ぶ。
―――それは致命的な隙であった。
| 《百烈突き》*1 | 敵単体に2~7回、物理小ダメージを与える。 速の値が対象より高いほど回数増加。 |
ミザールの1体から伸びる幾つもの触手が迫る。
避けられない、反応する余裕さえない。
出来たのは瞼を固く閉じて絶望から目を逸らすだけ。
視界が闇に閉ざされ2秒、4秒、6秒、8秒、10秒。
それだけ経って、痛みも衝撃も来なかった。
予期した未来が訪れない事を疑問に思い、うっすらと目を開けば―――。
「うばらららばぁああああああああLALALALALALA!!!!」
| 「シャドウジャック」*2 | 敵複数体に3~5回攻撃する。 ヘアリージャックの魔晶変化武器。 |
| 《双手》*3 | 通常攻撃が、小威力+通常の2回攻撃になる。 |
| 《狂乱》*4 | 「ヤケクソ」状態に入る。本来は「狂乱」となるスキル。 |
| 《大虎》*5 | ヤケクソ状態だと通常攻撃の威力が上昇する。 |
| 《猛反撃》*6 | 物理型攻撃を受けた際、中確率で発動。 2倍の威力で通常攻撃による反撃を行う。 修羅場を潜り抜けた事で業が1段階上昇した |
| 《霊活符》*7 | 通常攻撃の相性を「-」に変更する。 貰い物の符である為、万能相性と裁定。 |
そこには、涎を撒き散らしながら血走った目でミザールを叩き続ける少年がいた。
瞳には理性の色は無く、獣のような咆哮が途切れることなく続いている。
圧倒的サイズ差を前にしながら怒涛の連撃繰り出す、まさに狂戦士の姿。
ぶっちゃけた話。人の形をしている分、怪獣よりこっちの方が怖かった。
「きゃぁああああああああ!!!!」
なので、女は弾かれたように立ち上がり先ほどの倍はあろうかという速さで走り出す。
恐ろしい脅威から逃げるべく脇目も降らず、振り返りもせずに。
まさに火事場の馬鹿力であった。
「ふぅううううう……ヨシ!
無事ですかそこのお嬢さ………んんん???」
少しして、怒りのラッシュでミザールを殴り殺した少年は微笑みながら振り返る。
当然ながらそこには誰もいない。
崩れた街並みと、風に吹かれて転がる
「………………………」
周囲に敵影が無い事を確認して。
沈黙したまましばし考え込んで。
やがて懐から端末を取り出した。
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| 超人 | BSSマン | Lv60 |
宗吾の薫陶を受けた修練会上がりの少年―――通称BSSマンは涙ながらに駆け出した。
頭の痛みを力に変えて、さりとて完全に怒りに身を任せれば死ぬのでほどほどに抑えて。
応戦する他のDBたちと即席の連携を取りながら怪獣たちに痛打を与え続ける。
……その背中は、何処か悲哀を背負っていた。
「やれやれ―――元気一杯はいいが、もうちょっと静かに立ち回って欲しいもんだ」
そんな悲しい姿をビルの屋上から見下ろす人影が1つ。
金髪の赤いコートをはためかせた男は苦笑しながら異形の拳銃を構える。
狙いはセプテントリオンたち―――ではなくその
| 《ガンマンの心意気》*8 | 物理型攻撃を一定確率で無効化する。 どこぞの魔人との死闘の中で進化させた業。 |
| 《魔弾使い》*9 | 攻撃射程6マス・間接攻撃への迎撃可能。 異能に匹敵する技量を以て成す業。 |
途切れる事の無い
数秒間で吐き出された
ある時は射程範囲内にいるミザールの触手を撃ち抜き。
ある時はドゥベの爆風から生存可能な隙間を生み出し。
ある時は逃げ遅れた一般人を転倒させ死神から逃がす。
どれだけ強力な攻撃であろうと、当たらなければ意味は無いと言わんばかりに。
まさに
人知を超えた―――まさしく魔技であった。
「出来る限り死人は出させないのが千束との約束でね。
ま、現実はそうも言ってられないが……弾がある限りはやるか」
| ガンスリンガー | 遊佐 司狼 | Lv65*10 |
軽い調子で宣う男―――今週回において遊佐司狼の名を得た彼はただの人間だ。
手にした銃こそ特別性であるが、それ以外は異能らしい力を殆ど持っていない。
彼にあるのは銃を使う才能、ただそれだけ。それしかなかった。
―――
それが物理的な攻撃であればどのような業でも撃ち落とせるように。
それが己の間合いの中で起きた事ならば何処でも狙い撃てるように。
腐れ縁の闘牛士との戦いで掴んだ感覚をリハビリ中に何度も反芻し。
研究と検証と実践を血が滲むほど積み重ねて完成したのがつい先日。
千束の“
司狼の“
ガンスリンガーという人種が至れる頂点の一つ。そこに彼は指を掛けていた。
これがバレれば、とあるビルの主は更に勧誘を強める事間違いなしであった。
自殺の意思はもう無いので勘弁して欲しい。
「にしても数が多い……さっさと合流したい所だが」
人のまま人を超えた業を人知れず披露しながら、魔弾使いは援護と救助を続けていく。
最優先目標はもちろん千束たちとの合流だが、この状況ではそうも言っていられない。
如何に彼とて、移動しながらこの業を行使するのは厳しいものがある。
自業自得だが首輪付きの身では周囲の人間を見捨てるという選択は不可能。
弾は全身に仕込んであるのでまだまだ余裕はあり、弾切れという言い訳も使えない。
最低でも、一般人の避難が終わるまではこれを続ける必要があった。
「さぁて、どう動くかねキリギリス―――!」
故に出来るのは掲示板越しの味方に期待する事だけ。
その時まで、ひたすらタスラムは引鉄を引き続ける。
・
・
・
―――そのユニコーンは普通の悪魔ではない。
かつて存在した永遠を続ける楽土の先導者。
楽しみながら獲物を突き立てる傲慢たる獣。
無貌の邪神の化身でもあった這い寄る角人。
とあるDBたちに討たれるまで嘲笑と侮蔑の悦に浸っていた生粋の怪物。
そして今はとある少女と契約したその残滓、あるいは残響でしかない。
どうしてこうなってしまったのか、頭を抱えたのは数え切れなかった。
……もっとも、抱えた所で答えが出る筈も無いのだが。
所詮は残りカスでしかないのでかつての力も知識も、ついでに記憶も無い。
やや特殊な能力がある程度の、少し変わったユニコーンである。
性格と口の悪さは健在だが、特に害を及ぼせるほどでもない。
| チャネラー | Lv58/70*11 |
| 《ヘビーレイン》*12 | 敵全体に突属性の中ダメージを与える。 突属性(突撃属性)と裁定する。 ⇒《フィジカル・エンハンス》により万能相性へと変更済み。 |
| 《虐殺者》*13 | 全体およびランダム攻撃スキルで与えるダメージが10%増加する。 |
なので今は、ミザールの群れを蹴散らしながら壊れたラジオになっている契約者へとツッコミを入れていた。
契約で繋がっているせいで何を言いたいのか分かってしまうが、こうまで繰り返されると頭がおかしくなりそうであった。
「ゴホン……だって仕方ないじゃないですか。
予想より早いセプテン警報で先輩の気配、じゃなくて童貞臭がいっそう強くなりましたもん」
『何で言い直したおい?』
「つまりこれは先輩も派手に動いているという事。
であれば再会のチャンスであり、私が処女を捧げる絶好の機会……っ!!」
『どうしよう後半に繋がる理由が分からない』
「ですが、その為には職場の周りをある程度キレイにしなきゃ。
幸い駆け込み需要で近くに戦える人が多かったのは助かりました。
ノート片手にあれこれ細かく指定する人も特別に許しましょう」
『調整手伝わされたこっちの身にもなれ、契約に無いですよこんなの』
毒を吐きながら、
邪教の館を利用していたDBたちと即席のチームを組み防衛に当たったおかげで、あたりのミザールやドゥベは殆ど掃除出来た。
後は他の集団と合流して戦うという状況だ。
であれば、先輩の下へ向かうのはその後にするべきだろう。
いくらなんでも、この状況で勝手過ぎる行動をしない程度には自制心は働いている。
何より、そんな事をしてしまえば愛する男に胸を張って再会出来ない。
(もうちょっとだけ待っててくださいね先輩)
未練を振り払うかのように味方の方へ足を向けて―――。
「いや、彼らには俺から言っておこう。
ななみちゃんは行きたい所に早く行くと良い」
その直前に、制止の声が掛けられた。
声の主はいつの間にか傍にいた人物。
見上げるほど大きな背に堀の深い顔立ちをした金髪の中年男性。
少し前にななみが働く邪教の館に新しく入って来た同僚である。
「……えっと、良いんですかアハシュロスさん?
流石に迷惑な気がするんですが」
「時々……というか普段からおかしい理由なんだろう、その先輩って。
こんな非常時だ、何があるか分からない。
後悔することになったら目も当てられないからね」
| 探■者 | アハシェロス | Lv60 |
アハシュロス―――そう呼ばれた男は肩をすくめながら苦笑いして答える。
仕草や表情から真意は読み取れない。
同僚ではあるが、彼について知っているのはごく僅かだ。
魔導に長けた腕の立つ悪魔合体師である事。
誰よりも過労死しそうな環境で働いているのにピンピンしている事。
そして、自分と同じ漂流者である事……その程度。
わざわざ自他にリスクが及ぶような行為を許容するかまでは分からない。
しかし、不思議と嘘や害意は感じられない。
だから。
「―――ありがとうございます!
待っててくださいねセイト先輩!!!!!」
『この肉食獣に狙われるとか……ホントかわいそ』
| 《ゾーンチェンジ》*14 | 自分の居る 射程無限のスキルであるが現段階ではマップ内(1区画)まで劣化中。 ⇒先輩の隣に割り込む為、相棒の記憶からラーニングした。 ⇒1マス=100mと定義する。*15 ⇒正確には《瞬転の舞い》*16に近い。 |
一言礼を言ってからすぐさま転移を行う。
あらかじめ、学園近くと先輩が行きそうな場所に仕込みをしてあるのだ。
おそらく、さほど時間を掛けずに再会は叶うだろう。
それが良いものか悪いものかは会ってみなければ分からないが。
「……最近の女の子ってすごいなぁ。
いや、この周回が特殊なのかな?」
目の前から掻き消えた少女に再び苦笑してから、アハシュロスは遥か遠方へと目を向けた。
飛来し爆発するドゥベと無限分裂に巨大化を続けるミザールの大群。
諦めることなく喰らい付き倒し続けるDBや自衛隊。
まさしく修羅場、世界が終わりかねない一歩手前。
| 《不死の者》*17 | 弱点として指定されたアイテムを持つ者以外からの ダメージ、BSはすべて無効化される。 自分がどうやれば死ぬのか分かっていない。 死を求めて旅を続ける 放浪者にして探求者。 |
神の子を嘲弄した男。
さまよえるユダヤ人。
放浪の罰を受けし者。
そう呼ばれる彼にとっても、この周回はかなり長く続いている。
この段階でこれほどまでに人類が生存しているのも記憶にある限り初めてだ。
もっとも、それでセプテントリオンも過去最高に厄介なのは頂けなかったが。
「圧し潰されるのは好きじゃないし、みんな頑張ってるんだ。
俺も、ちょっとはやらないとな」
両袖を捲れば、幾つもの魔法陣が刻まれた素肌が覗く。
悪魔召喚を始めとした魔導を行使する為の補助具のようなものだ。
基本は裏方に徹しているとはいえ、まったく戦えない訳ではない。
非才の身ではあったが、鍛える時間だけは呆れるほどあったから。
「そういや“狩人”はこの間ゲーセンで会ったから、他の上位も来てるとして。
こんなに人類が生きてる中で単騎で戦えそうな連中は―――」
ふと思い起こすのは、自分と同じく延々と世界移動を繰り返す知り合いたち。
文字通り一騎当千、本当に人類か疑ってしまいそうな強さを誇る英雄英傑。
その中でも、特に厄介な無限増殖を繰り返すミザールを相手取れるのは。
「んー……“偽鍮王”の爺さんなら嫌がるがやれそうだ。
あとはあのキチガイ……いたらもう終わってるか」
アハシュロスの呟きを聞いた者は誰もいなかった。
・
・
・
その日、グランギニョル社日本支部はかつてない危機を迎えていた。
それは予想よりも早いセプテントリオン襲来によるものか。
それは最高戦力であるDAT隊に襲い掛かかる何者かによってか。
否、どちらも異なる。関係無くはないが別件である。
―――すなわち。
| ?? | ホモ・プルシャ | Lv97 |
| 軍勢 | ??ゲンの群れ | Lv61 |
| 軍勢 | ニ?ゲ?の群れ | Lv52 |
| 軍勢 | ??ゲ?の末路 | Lv33 |
現在進行形で何処からか送り込まれる醜悪な怪物の群れ。
一部のDBから
セプテントリオンに合わせて訪れた、歓迎されざる来客たち。
全てを喰らい尽くす獣の群れより最悪のタイミングで送り込まれた刺客。
救援は間に合わない、都合の良い助けは来ない。
英雄になりうる少女たちは覚悟を決めて力を振るうが物量に押されつつある。
ではもう終わりなのか、蹂躙され食い散らかされるだけなのか――――。
「撃て撃て撃てぇっ! 弾はまだまだあるぞぉっ!!」
「銃撃通じないのは前衛に任せろ! とにかく削れぇ!!」
「クリア! クリア!! オールクリアァアアアアア!!!」
否、断じて否である。
そう咆えるのは、腕に警備と書かれた腕章を着けた装甲服の集団。
グランギニョル社警備部隊―――正規非正規雇用問わぬ戦士たち。
「くそ! 数が多い!」
「どんだけ大盤振る舞いしてやがる! ブルジョワか!?」
「化け物がブルジョワ?」
「俺の中ではそうなんだよ!! オマケでセプテンもきてるしよぉ!」
「最高だなチクショウ!」
銃撃で事切れた怪物を足場にして、周囲の個体を薙ぎ払う
振り終えた隙に群がる新たな群れを数人がかりで串刺しにして沈黙させる。
そうして無理矢理こじ開けた射線を通り、鋼の礫が後続を次々と撃ち抜く。
連携に連携を重ね、途切れる事の無い襲来に終わりなき暴力を叩きつける。
疑うことなかれ、此処は
未熟、または相性が悪いと判断し社内へと避難させた後だ。
しかし絶望の音は僅かもしない。あるのは闘争の響きのみ。
「楓ちゃーん! ユリちゃーん! 二水ちゃーん! 女の子たちみんな無事でいてくれえ!」
「DAT隊に他の警備員たちは?」
「野郎は自力で生き延びろ!」
「辛辣ぅっ! けど大人なら当然だよなぁっ!!」
フルフェイスメットに覆われた彼らの顔は見えない。
だが決して顔も名前も無いやられ役のモブなどでは断じてない。
1人1人がインフレする環境にも負けず、幾つもの修羅場を潜って来た精鋭なのだ。
こうやって自分たちより少女たちの心配が出来るのはその証拠。
本来なら大人が子供を前に立たせている事自体が受け入れがたいのだ。
なので、可能であれば自分たちだけで殲滅して助けに行く気さえある。
それに、例えここに英雄がいなかったとしても――――。
頼れる
| 《千列突き》*18 | 敵全体にそれぞれ2~7回攻撃。 速の値が対象より高いほど回数増加。 生き残る為、悪魔の肉を喰らい己の物とした。【スキル継承】 |
| 《貫通》*19 | 物理 耐/無/吸を持つ敵にも、通常通りのダメージを与える。 生き残る為、悪魔の肉を喰らい己の物とした。 【スキル継承】 |
| 《吸収攻撃》*20 | 物理属性によるダメージの25%、自分のHPを回復する。 生き残る為、悪魔の肉を喰らい己の物とした。 【スキル継承】 |
| 《物理サバイバ》*21 | 物理属性で与えるダメージが15%増加。 自身が死亡するとき、一度だけHP1で踏みとどまる。 |
警備員たちより100メートルほど前方。
数えるのも億劫になるほどの大群―――その真っただ中で暴れ回る影が3つ。
「なんで! いつもいつもいつもいつもいつも!!
私の!!! 店が!!!! 真っ先に!!!!! 壊される!?!?!?」
| 鬼喰い | 《春日恭二》 | Lv60 | 物理・万能に強い、 四属性・破魔・呪殺・精神・魔力・神経反射*22 |
異形と化した腕で誰よりも早く
怒り狂った表情に反して、機械よりも正確な動きで大群を相手取る悪魔の如き猟犬。
警備員たちの一部は知っていた。
彼はグランギニョル社の近所でラーメン屋台を営む店主であると。
なんなら昼休みに食べに行ったこともある。
確かに、立ち振る舞いから一般人ではないと全員思っていた。
とはいえ、ここまでやるのは流石に予想外であった。
自分たちがアレを真似すれば、3分でミンチになるだろう。
「聞いているのか貴様らぁっ!? 」
そんな彼―――春日恭二がこうして戦っているのに大した理由は無い。
ただ、伝手を頼ってシュエルターに入る手続きをしていたら予定より早く襲来が始まって。
パニックに陥り、入るのが遅れた一般人たちを文字通り担いでは放り込むのを繰り返して。
最後に解体した屋台を被害が少なくなりそうな場所へ隠そうとしたら目の前で粉砕された。
つまりは憂さ晴らしだ。
東京封鎖に巻き込まれて以降、何度もあった不幸への憤りをぶつけているのだ。
一体自分が何をしたというのだろうか。神がいればぶん殴りたい気分であった。
「また廃材を集めて屋台を作る所から始めなければ……!
絶対許さんぞセプテントリオンッ!!!!」
「いやこいつらセプテンじゃないわよ店長!?」
| 《ジャッジメント》*23 | 敵全体に万能属性の魔法型ダメージ。 3ターンの間、味方全体の攻撃力を20%増加させる。 |
『残念ながら、頭に血が上っていてまるで聞こえていないようです』
「とにかく手ぇ緩めるな! 警備部隊と動き合わせろ!!」
| 《リミットブレイクⅢ》*24 | 指定した武器による攻撃を万能相性へ変更する。 |
| 《ギロチンカット》*25 | 敵全体に物理ダメージ及び中確率でPALYZEの効果。 TRPG版では単体ではなく全体攻撃と記載されている。*26 |
怒る店長の背後に迫った怪物たちが純白の光で焼かれ、その首を断頭刃が刎ね飛ばした。
| 強化人間 | 《ダイ》 | Lv55/60*27 | 物理・衝撃に強い、火炎にやや強い、氷結に極めて強い 神経・破魔・呪殺・魔力・緊縛無効、電撃反射 |
| デビルシフター | 《サロメ》 | Lv65/70*28 | 破魔・呪殺・魔力・神経・精神無効 |
店長が作り出す
マシン乗りの少年と悪魔変身者の少女―――ダイとサロメ、おまけにカルラ。
彼らがここで戦っているのは半ば偶然だ。
サロメはブラックフィエンドの帝都担当部隊と合流しようとして。
ダイとカルラは事前に話の通っていた迎撃地点へ向かおうとして。
その前に、道に迷っていた子供たちを近場のシェルターへと送り初動が遅れて。
結果としてグランギニョル社を襲う怪物とセプテンの軍団と戦うことになった。
「こいつら……まさかデヴァローガの……っ!?」
『詳しい情報があれば提供をお願いします』
「ごめん人面獣心のクソ野郎共ってくらいしか知らない!」
「分かりやすいなぁっ!!」
軽口を叩きながらも警戒は緩めない。時折回復を挟みつつ、怪物たちを的確に排除していく。
数こそ多いが1体1体はそれほどでもない。彼らであれば十分に対処は可能だ。
だが、いつまでも続けられるものではない。まだ終わりには遠いが必ず限界は来る。
―――それでも。
「聞くんだけど、もうギブアップしたくなった?」
「いや、まだまだ踊りたいから付き合ってくれ」
諦めの言葉は出ない、
諦める選択肢はない。
答えの分かり切った質問は呼吸を合わせる為の合図だ。
「ぉおおおおおおおお!!!!!」
空高く飛び上がった店長が地上目掛けて見えざる衝撃の刺突を繰り出す。
爆撃でもされたかのように、敵ごと音を立てて陥没していく周囲の路面。
そして生まれるのはほんの僅かな空白と、2人の少年少女だけが立つ
背中合わせから向き直り、互いに差し出した手を取り合う。
| 「精神向上の札」*29 | 魔法攻撃力を1度だけ2.5倍にする。 《ドラッグホルダー》にて手番を消費せず使用。 |
| 《天罰》*30 | 敵全体に光属性の魔法攻撃で特大ダメージを与える。 1回のみ『光属性弱点』を付与する。 ジンテーゼと呼ばれる合体技。 |
彼らを中心とした光の波動が一帯の怪物たちへと降りかかる。
単独で放つものとは比べ物にならない断罪の極光。
英雄の在り方を胸に抱く者にのみ許される合体技。
才能の有る無しではなく繋がる思いと祈りの結晶。
であれば―――人の心を介さぬ怪物に耐えきれる道理はない。
『……索敵完了。半径300メートル以内に敵影無し。
後続の集団が来るまで1分半ほど時間の猶予が出来ました』
「よし、それじゃあ今のうちに後ろと合流して態勢立て直すぞ」
「―――ハッ! 私は何を……?」
「ついでに店長に説明もしなきゃね」
戦いは続く―――クライマックスはまだまだ先であった。
・
・
・
「うわぁすっげぇ数……どーすんのこれ?」
グランギニョル社のビルは200メートルを優に超える高さを誇る。
異界化によって内部は更に拡張されているだろうが、外見だけでもそれだ。
だからこそ、その屋上から見える景色はとても
「右も左もついでに上も下も化け物だらけ。
おまけにセプテンもチラホラと。
クソゲーにもほどがあるだろ???」
四方八方全方位から絶え間なくやって来る怪物たち。
事前に対策していたセプテントリオンとは別口の襲撃者。
まるで砂糖の山にたかって来る蟻の群れのようだった。
今は防衛線を敷き迎撃を続けているが、いつまで続くかは分からない。
中にはレベル90を超える相手までいるのだ。
下手をすればこの瞬間に突破されても何ら不思議ではない。
そういった相手は最高戦力であるDAT隊に相手をして貰いたい所だが、どうやら
下手をすればこの世から真っ先に退職しかねない状況のようだ。
まさに絶望的な有様で―――。
「んで爺さん。準備出来たか」
「兄ちゃんたち、メシはまだかいのう?」
『さっき食べたでしょお爺ちゃん』
だから、屋上でその光景を呑気に見下ろす3人組は浮いていた。
土色の外套を羽織り、腰の剣に手を添える青年。
ベンチに座り曖昧な表情を浮かべる隻眼の老人。
筆談で意思疎通を図る中性的な容姿をした少年。
彼らは同じ世界から流れて来たドリフターであり。
彼らはグランギニョル社に雇われた警備員であり。
彼らは本来なら社外で戦っていなければならない。
であれば。
これは臆病風に吹かれた敵前逃亡なのか。
これは諦観で自棄になってしまったのか。
―――どれも違う。
「なあ爺さん、そろそろ本腰入れて欲しいんだわ。
いやボケてるならボケてるでいいんだが―――」
青年は顔も向けず、剣を抜き放つ。
転落防止用の鉄柵を飛び越えて屋上の縁に足を掛けた。
視界には敵の群れ、群れ、群れ……それだけしか映らない。
これだけの化け物が何処に潜んでいたのか問い質したいほどだ。
青年は剣を逆手に握りしめて、獣のように姿勢を低くする。
| ウォーロード | 《ハンニバル》 | Lv50 | 破魔・呪殺無効、全体的に強い |
生意気な若造の挑発に、虚空を映すだけだった老人の瞳に熱が宿る。
口元に浮かぶのは獰猛な笑み。戦場に生き続けて来た者特有の狂気。
当然ながら、状況把握はとっくに済んでいる。
全体の割合としては
化け物の中には飛び抜けた個体もいるが
| 《魔力覚醒》*31 | ターン開始時、レベルの2倍のMPを支払う事で発動。 ターン中、味方全体のMPを支払う魔法攻撃の威力を最終的に1.5倍とする。 C・Bでは使用者のいるマスおよび隣接するマスの味方全てに効果が及ぶ。 本人の卓越した戦術眼と古き神による加護が合わさったスキル。 |
| 《覇王の戦陣》*32 | 3ターンの間、味方全体の攻撃・防御力、命中・回避率が3段階上昇する。 本来ならサポートが必須の指揮をこの軍神は単騎で成す。 |
| 「シネマティック・バトル」*33 | 大規模集団戦闘ルール。 |
「えっ、なにこれ!?」
「出力が……どうして?」
「全体バフ……この規模でか!?」
「誰が、いや今はいい! このまま攻めろぉっ!!」
それだけで、戦場で戦う全ての人間の能力値が跳ね上がった。
かつての世界においては己の所属するコミュニティを勝利に導き続けた軍神。
その更に昔、本人さえ知らぬ前世においては
異なる環境、知らぬ世界に放り込まれた反動で呆けようと本質は変わらない。
兵を率いる大規模戦闘において、この老人を上回る者は片手にも満たないだろう。
「オッケーオッケー、それでこそ!
んじゃあ行ってくる。爺さんの事は頼んだぜ“マサヨリ”!」
『援護は任せろ、出来るだけ派手に暴れてこい“シンペー”』
| 超人 | 《シンペー》 | Lv65 | 物理・呪殺反射、神経・破魔無効、全体的に強い |
| 天使人間 | 《マサヨリ》 | Lv63 | 物理・電撃・衝撃に強い、精神・破魔無効、呪殺・魔力反射 |
外套の青年―――シンペーは虚空へと踏み出し、当然の如く重力に引かれ落下を開始する。
何も知らないものからすれば、絶望のあまり自ら命を絶ったのだと誤解するだろう。
無理もない話だ……だがその誤解はすぐ晴れる。
何故なら会社の傍まで接近していた化け物の集団、そのうちの1体に
「―――いいねこの感覚。久しぶりだ」
全方位から向けられる殺意を受けてシンペーは笑う。
慣れ親しんだ空気、ついこの間までは当然の修羅場。
「って訳でさっそく……死んでくれよ」
降りかかる牙を、爪を、触手を前に呟いて。
| 《心眼》*34 | 攻撃を受ける際、敵の命中率が半減する。 |
| 《猛反撃》*35 | 物理型攻撃を受けた際、2倍の威力で通常攻撃を行う。 |
| 《双手》*36 | 通常攻撃を2回行う。 |
| 《全体攻撃》*37 | 通常攻撃の対象が全体になる。 |
| 《百発百中》*38 | 通常攻撃が必中する。 |
| 《小剣の心得》*39 | 片手剣での通常攻撃ダメージが2倍になる。 |
| 「ソルブレード」*40 | 5~7回攻撃の片手剣。 |
それら全てを切り払い、返す刃で斬滅する。
とある剣鬼にも引けを取らない、それどころか殲滅力なら上回る早業。
多数との戦いを常として来たシンペーが磨き上げた、シンプルな剣術。
かつての世界においてはコミュニティを転々として戦い続けた傭兵。
現行世界へと流れ着き、この帝都という街の事を気に入った放浪者。
本人さえ知らない前世において、
そしてこの物量戦を打開しうる可能性を秘めた、まさに
『照準、固定』
―――故に、取るべきはそれを最大まで活かすこと。
「いちいち紙に書くな天使小僧。
さっさとやっちまいな」
体の大きさにやや不釣り合いな大型狙撃銃を構え、マサヨリは狙いを定める。
覗き込んだスコープに映るのは不気味な笑いを続ける
かつての世界においては己の所属するコミュニティを守るべく製造された兵器。
現行世界へと辿り着き、生まれて初めて自分の意志で戦うことを選べた青少年。
本人さえ知らない前世において、
自らが始まった世界を守るべく、引き金を引き絞る。
| 《ダイナブラスト》*41 | そのターン中の攻撃を万能相性に変更する(裁定)。 天使との合体および改造によって得たスキル。 |
| 《邪念の波動》*42 | 使用者が次に行う攻撃1回の対象を【全体】に変更する。 使用者が次に行う攻撃1回の射程を【3】に変更する。 使用に手番は消費しない(補助スキル) |
| 《クレイジーバレット》*43 | 後列にいる時のみ使用可能。 敵1体に突属性の物理攻撃で大ダメージを与える。 1回のみ『斬・突・壊属性弱点』を付与。 シンペーと息を合わせて放つジンテーゼ。 |
| 「シネマティック・バトル」*44 | 大規模集団戦闘ルール。 |
銃口から放たれた光が拡散し、敵の軍勢を射抜く。
敵に弱点を作り出す英雄、あるいは英雄志願者の合体技。
天の道を捨て、地を這い泥に塗れながら進む少年の選択。
戦いは続く―――
◎登場人物紹介
・アハシュロス <探求者> Lv60
シリーズポジション:ジョシュア(ソウルハッカーズ 死都光臨)
ハリス(ソウルハッカーズ 死都光臨)
遥か昔から世界を渡り歩く放浪者にして探求者。
本人曰く、彷徨い続けるように言われたとのこと。
―――さまよえるユダヤ人。
長い事死ねないので色々な事を学んできたのでそれなりに強い。
もっとも、インフレ環境に付いていける程ではないので裏方に徹している。
その体質もあってか、世界を渡る面子には顔見知りが多い。
・春日恭二<鬼喰い> Lv60
シリーズポジション:なし
不屈のラーメン店店主。
東京封鎖で覚醒して以降、あらゆる事件に巻き込まれるようになった。
かつてはちゃんとした店舗を構えていたが、3回ほど崩壊した辺りで屋台に切り替える。
・ハンニバル<ウォーロード> Lv50
シリーズポジション:ハンニバル(真・女神転生 エル・セイラム)
幾つものコミュニティが戦い続ける世界出身の漂流者。
その正体は世界でも10指に入る戦術家「ハンニバル」。
現周回に辿り着いた反動で呆け気味だが、戦闘時は元に戻る。
シンぺーとはいつかの周回で敵対した事がある。
・シンペー <剣士><探求者> Lv65
シリーズポジション:江藤新平(真・女神転生 エル・セイラム)
幾つものコミュニティが戦い続ける世界出身の漂流者。
その正体は東京の生みの親とでも言うべき政治家「江藤新平」。
理由は分からないが、この東京という街を気に入り守るべく戦う。
・マサヨリ<天使人間> Lv65
シリーズポジション:相馬 三四郎(真・女神転生 東京黙示録)
平 将頼(真・女神転生 エル・セイラム)
幾つものコミュニティが戦い続ける世界出身の漂流者。
その正体は帝都の守護者たる大怨霊の弟であった武将「平将頼」。
シンぺーとはいつかの周回で時を超えた共闘をした事がある。
次回もなるべく早く書き上げます。