真・女神転生オタクくんサマナー外伝~エピソードオブドリフターズ~ 作:ジントニック123
次はもっと早めに書き上げたいと思います。
駆ける―――爆音が轟く戦場を。
駆ける―――魔法と銃弾の雨霰を潜り抜けながら。
駆ける―――鉄柵を飛び越え、百合の少女たちを屠らんとする怪物目掛けて。
「クハッ……!」
笑いが漏れると同時に刃圏へと捉えた。
| 敵エンカウントシンボルに切りつける。 先行戦闘によりランダムに発生。 相性無視で敵全体にダメージを与えてから戦闘を開始する |
すれ違いざまに肩口へと一閃。
生半可な相手であればそれだけで両断される一刀。
しかし、返って来たのはまるで山を斬りつけたかのような感触。
目に映ったのは強化された愛剣ですら皮一枚剥ぐのが精一杯という現実。
『――――!』
だが、意識をこちらへ向けさせることには成功した。
意志持たぬ操り人形ではありえない膨大な“熱”が己に向けられるのを感じ、笑みを深める。
「おいおい、若い女を喰うのがドラゴンの定番というけどよ、こういうのもお約束だろう。
―――龍を討つのは戦士の誉れってよ」
軽口を叩いた。
それは己を鼓舞し、同時に律する為の
無理矢理でも余裕を作らねば前のめりになり過ぎて死ぬ。
今この場で求められるのは氷よりもなお冷たい戦術眼。
「出来るだけ早くぶっとばしてきますから無理はしないでくださいませー!!!」
「気になさらず、ごゆっくりどうぞー」
恐怖を通り越した興奮を抑えながら、後方の敵へ
微動だにしない絶対者へと向き直る。
| アート・ニーラカンタ | Lv100 | 相性:??? |
| 界毒のカーラクータ | Lv99 | 相性:??? |
相対するのは目を閉じ耳と口の塞がれた人型と、それに半ば融合したかのような禍々しき巨竜。
こうして真正面から直接相対しただけで分かる。
これまで積み重ねて来た戦闘経験と勘が訴える。
これは八瀬宗吾単騎では勝ち目のない相手だと。
死力を尽くしてもなお超えられない壁であると。
かつて己が内界で殺し合った八頭龍が可愛く見えるほどの戦力差。
であればどうするか……答えは極めてシンプルなもの。
「……なに、この化け物」
「追いついてくると信じてたぜ、
「あの、頭痛いんで帰っていい?」
数を揃えて囲んで殴ればいい。
最終的に斬れれば万事問題無しなのだから。
| 剣士 | 八瀬宗吾 | Lv72 | 相性:銃・火炎・氷結・呪殺反射、破魔吸収、全体的に強い |
| サイキッカー | 若槻美野里 | Lv70 | 相性:全体的に強い、衝撃吸収 神経・破魔・呪殺・魔力・緊縛反射 |
| リーベラ | Lv65 | 相性:火炎・氷結・破魔・呪殺無効 突撃・魔力・神経・精神に強い |
| エイト・マハーヴィディヤーズ | Lv70 | 相性:全体的に強い、衝撃吸収 神経・破魔・呪殺・魔力・緊縛反射 |
| 地母神 | ブラックマリア | Lv65 | 相性:衝撃・電撃・破魔・呪殺無効 |
| 英雄 | ハゲネ | Lv65 | 相性:物理反射 |
来るべき時、セプテン戦を考えて練り上げた戦術をより強大な敵へと使用する。
それを感じ取ったのか。
相手もこちらを“脅威”と判断し戦闘態勢へと移る。
熔け焦げ続ける喉からこぼれ落ちた唸り声の意味は―――まだ分からない。
これより始まるのは英雄の物語ではない。
立ち塞がる絶望を斬り伏せる、剣鬼と仲間たちの物語ある。
・
・
・
「酒が、勝手に!」
| 《ラスタオート》*2 | 1ターン目開始時、ラスタキャンディが発動する。 “熱■門”の名を冠したスキルの変異、あるいは最適化。 |
| 《延長強化》*3 | 自身が使うカジャ・ンダ効果の効果時間が1ターン延長される |
「まずは固めて~♪」
| 《大地讃頌》*4 | 《ハーモニクス(召喚)》によって外付けされた種族専用スキル。 戦闘開始時、味方全体の物理・魔法防御を1段階上昇させる。 ⇒《ラク・カジャ》 ※SH1 |
「好きに準備させてもらうわよ!」
| 《烈光の秘法》*5 | 毎ターン《タル・カジャ》*6 が発動する。 |
| 《軽業の秘法》*7 | 毎ターン《スクカジャ》 *8が発動する。 |
| 《リフレクト》*9 | 2ターン毎に《マカラカーン》 *10が発動する。 |
| 《ギボアイズ》*11 | 手番を使わずにアナライズを行う。 指定した相性かBS耐性1つを知る事が出来る。 ⇒ |
| 《スモークノイズ》*12 | 敵全体の命中・回避を二段階低下させる。 |
「―――――」
| 《反乱の舞踏》*13 | 味方全体を会心状態にする。 敵単体に4回、物理属性の打撃型ダメージを与える。 |
| 《狂騒の母神》*14 | 物理貫通を得る。 物理ダメージと命中率とクリティカル率が上昇する。 |
「―――ブルル」
「まだまだ弱らせるしかあるまい!」
「お え え え え え !」
「――――!」
| 《混沌の海》*15 | 敵全体に万能属性の魔法型ダメージ。 3ターンの間、敵全体の防御力を20%減少させる(一段階扱い) |
| 《溶解ブレス》*16 | 敵の防御力・命中・回避率を1段階低下させる。 |
| 《ブルグンドの怨嗟》*17 | 物理貫通を得る。それ以外は詳細不明。 最近になって判明したハゲネの能力、その一端。 |
| 《物理プレロマ》*18 | 自分の物理属性攻撃時の攻撃力を強化する。 |
| 《冥界波》*19 | 敵全体に物理大ダメージ。ニヤリ時即死効果。 |
| 《フィジカルエンハンスⅡ》*20 | 剣・ガン(物理)相性の習得済みスキルを指定する。 「属性攻撃」に対応する相性へと変更。 |
| 《居合一心》*21 | 敵全体に物理属性の打撃型ダメージを与える。 攻撃成功時、自身をチャージ状態にする。 物理⇒万能相性へと変更。 |
| 《会心ブースタ》*22 | クリティカル率及びクリティカル威力上昇。 フツヌシの武威を取り込み《会心》を昇華させたもの。 |
(こいつら―――
「―――へぇ」
対セプテントリオンのため、そしてまだ見ぬ強敵のため。
出来うる限りの伝手と時間をかけて鍛えあげた仲魔と武器。
それを用いて何度もミーティングを行い、初手の万全の動きとして決めた“盤面固め”。
| 味方陣営 | 攻撃+2 防御+2 命中・回避+2 |
| 敵陣営 | 防御-2 命中・回避-3 |
味方を強化し、敵を弱体化させて。
さらには物理と万能に
だというのに―――付け入る隙が生まれない。
まるで通じない、あるいは簡単にひっくり返せてしまうとでも言うように。
| 「悪天候」*23 | 弱点を突いてもプレスアイコンが点滅しない。 遥か昔、最早知る者も少ない時代にあった法則の一つ。 |
「あの、あれ、効いてますよね!? バチバチにもうボコせるみたいな!?」
「ビビんな!! 状況は固めた!!
静寂の祈り一発ぐらいは殴り返し―――」
| 《魂の叫び》*24 | 行動回数が二個増加する。 ⇒行動回数が4回⇒6回に増加した!! |
| 《うずまく毒気》*25 | 敵全体の最大HPが-100ずつ減っていく(解除不可能)。 BSの自然回復が最大ターンまで継続になる。 |
| 《大逆鱗》*26 | 3Tの間、自分の攻撃力が3段階上昇する |
| 《オールリセット》*27 | 敵全体の能力上昇、チャージ、反射状態を解除する。 |
そしてガラスが砕けるような音と共に―――積み上げた盤面は一息で崩された。
「………は?」
美野里の口から呆けた声が漏れる。
頭では理解していたつもりだった。
このインフレ極まった世界では理不尽が平然と降り注ぐと。
しかし、それでも。
ただの一行動で強化どころかそれ以外の補助効果まで消されるとは思っていなかった。
そして―――この状況下であってはならない隙となる。
| 《デクンダ》 | 味方全体に掛けられたステータス低下状態を打ち消す。 まるで根を張られたかのようにこの行動は阻止された。 |
| 《毒の尾》*28 | 敵全体に壊属性大ダメージ。一定確率で猛毒にする。 |
全ての強化を吹き飛ばしてから、繰り出されるのは薙ぎ払いの一撃。
まるで巨大な壁が迫るかのような攻撃に反応が僅かだが遅れ―――。
「跳べ!」
「ッーーー!」
半ば無意識に、反射的に大地を蹴っていた。
超人クラスの脚力による跳躍は体を容易く宙へと浮かす。
釣られるようにして
結果、上空への逃避行に紙一重で成功し、物理を反射する英雄は微動だにせず佇む。
そして、反射によって呼吸に大きな隙が発生―――すなわち攻守交替の合図である。
「―――
攻撃に移る前に、宗吾は笑いながら告げた。
「攻め筋頼む―――俺たちなら勝てる」
「~~~~~そもそもっ! そっちが勝手に突っ込んだんでしょうが!!
あとで覚えてなさいよ大馬鹿!!!!」
美野里は飲まれかけていた己に対し、頬を張って気合いを入れ直す。
分かっていたはずだ。最前線で戦うような怪物たちの恐ろしさは。
むしろ、低下解除もせずハゲネの反射も抜けないのだからまだマシな方だ。
マイナスに傾きかけた思考をフラットに戻して、戦略を0.2秒で組み直す。
初手で抜いた情報を元に、より効率的な動きをしていかなければならない。
故に次の手は―――。
「――― パターンC! 続けて!!」
「………!」
「ここは解除っと」
| 《道具の知恵・癒》*29 | 悪魔でも補助アイテムの使用が可能となる。 ⇒「デカジャの石」を使用。 |
「うっぷ……また吐きそう」
| 《銀の月の加護》*30 | 味方全体の魔法攻撃力を1段階上昇させる。 味方全体に【状態変化抵抗▲】を付与する。 |
「行くぞ―――ッ!」
「ついでにもっかい斬られとけ」
「んで回復っと」
| 「魔法瓶」*31 | 味方全体のMPを80回復する。 |
行われたのは先程と僅かに違う程度の行動。
目に見えて派手な効果は無く、しかし確実に詰めて行くための戦略。
レベル差30近い格上を屠る為の道筋を見つけなければ死ぬだけだ。
「グルルルル……!!」
| 《紫毒爪》*32 | 敵単体に斬相性大ダメージ。一定確率で猛毒を付与する。 |
狙うは自らを刻んでくれた剣士、その中でも特に火力が高い黒髪の人間。
肉を削ぎ落し、命を削る猛毒を宿した爪撃が宗吾へと迫り―――。
「当たるかよ」
| 「カポーテピアス」*33 | 銃反射 破魔・呪殺無効。 命中・回避率を大きく上昇(龍の反応) |
それを潜るように前進する事で攻撃軌道から退避した。
懐に潜り込み、生じた隙に反撃を行おうとして。
(反射じゃなけりゃ斬り返せたんだが)
刃を振り抜かずに駆け抜けるだけに留めた。
今の宗吾では反射を抜く事は出来ない。
その為の術もいくつか持ってはいるが、今の状況では使えない。
歯がゆい思いをしながら、毒竜の呼吸を乱す事に専心する。
「GAAAAAAAAAAA!!!!」
| 《黒い遠吠え》*35 | 万能相性。敵全体を呪詛状態にする。 |
| 「呪詛」*36 | 敵に与えた50%分ダメージを受ける。 BS付与率が2倍になり、闇属性(呪殺相性)が弱点になる。 |
「ぶべっ!」
その場に膝を着いて―――酒瓶は手放さず―――リーベラが悶絶する。
状態異常への耐性は上がってはいるが、運悪く喰らってしまったのだろう。
―――つまり狙うにはうってつけだ。
| 《怨剛爪》*37 | 敵単体に万能大ダメージ。BS状態の相手には確定クリティカル。 |
| 《怨剛爪》*38 | 敵単体に万能大ダメージ。BS状態の相手には確定クリティカル。 |
| 《変転する生命》 | カーラクータ部分からHPを吸収し、自分のHPを回復する。 ニーラカンタ・カーラクータの相性が一部変化する。 耐性無し⇒斬反射・反射⇒斬弱点 |
「――――どういうつもりだ」
何の意味も無い、敵に塩を送るかのような行動に宗吾が眉を顰める。
当然ながらその疑問に敵が答える事は無い。
ニーラカンタの口は閉ざされたままで―――。
『………』
しかし、閉ざされていた耳が確かに開いていた。
「ッ、人型の物理耐性、斬属性反射に変わってる!」
「あいつ単体の変化かは微妙だな。
探って斬るべきだが……強い上にややこしいこった」
ただ強いだけならいい。暴力の化身であるだけならただの壁でしかない。
しかし、思考ルーチンがちぐはぐで読めない部分があるというのは
何か見落としは無いか、気づいていない部分があるのではないか。
こちらの判断を迷わせるノイズになるからだ。
単純にブラフや阿呆なだけならいいが、相手の愚かさに期待するのはそれ以下だ。
少なくとも戦意があり、会話も通じない。であれば戦うしかない。
焼き直すようにパターンを繰り返す。
「……シ■■」
「ここは送りましょうか」
「りばぁああす!」
「もう一度!」
「やっぱそっちが弱点になったか……じゃあ遠慮なく!」
| 《デスバウンド》*39 | 敵単体に2~7回、力依存の中ダメージ。 術者のHP最大値が大きいほど威力が上がる。 |
| 「命中のバンビーノ」*40 | 味方の命中率をアップし、複数回ヒットするスキルの攻撃回数が多くなりやすくなる。 |
「ここは攻める!」
「ァアッ!!」
「じゃあ呪いは解きましょうか」
「それより酔い止めが欲しい……」
(ここでそう来るのね)
咆哮―――弱体と強化解除。盤面がフラットに巻き戻る。
推測―――毎ターンリセットが発動する訳ではない、積んだ数か反射状態がトリガーの可能性。
警戒―――相手も情報を抜き始めている。全体物理攻撃はまず来ない。
そこまで美野里が思考してから毒龍たちが攻めへと転じる。
今度の狙いは剣士と比べて当てやすいだろう前衛―――黒衣の英雄。
| 《怨剛爪》*41 | 敵単体に万能大ダメージ。BS状態の相手には確定クリティカル。 |
「ハゲネ!」
「問題無いぞ主よ!」
身体の半分を引き裂かれながらも、ハゲネは踏み止まった。
ここにいるのは悪魔なれど彼の龍殺しと縁深き忠義の騎士。
伝承上の存在、情報生命体でしかないと言えばそれまでだ。
―――しかし。
「この程度乗り越えられなくて、英雄は名乗れぬ!」
強い言葉を吐く―――主にも言えぬ己なりの矜持を秘めて。
英雄を誇る為に。
英雄を貫く為に。
英雄を成す為に。
かつての学園都市須摩留で考案・実施された魔人計画。
その補足計画の一つ、<強行偵察型英雄悪魔作成計画>。
ハゲネはそこで
求めていた性能に満たず、データだけがT・Rに残され死蔵されていた
美野里がななみとあれこれ弄った事で、半ば合体事故として顕現したに過ぎない。
作られた理由はとうに過ぎ去り、現在には意味を成さない。
ハリボテの人形、役立たずの騎士、ガ■アに届かぬ出来損ないの悪魔。
それでも残された物がある。己を必要とする主の存在がある。
だから
「どうした悪竜―――私はまだ死んでいないぞ」
| 《変転する生命》 | カーラクータ部分からHPを吸収し、自分のHPを回復する。 ニーラカンタ・カーラクータの相性が一部変化する。 耐性無し⇒壊反射・反射⇒壊弱点 |
閉じられていた眼が開かれ、狂気と正気の鬩ぎ合う瞳が英雄たちを捉える。
「大体コンセプトは読めて来た……隠し玉はまだまだありそうだけど」
「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応で」
「負けフラグ止めろ」
漏れ出した毒が体力を削り、逆鱗に触れた怒りを攻撃力へと転換させる。
ここまでは先程と同じで―――異なるのはこれから。
| 《咆哮》*42 | 敵全体の全能力が二段階低下する。 |
「ば、ばばばっばあああ!?!?」
「口から酒漏らすな! 気合い入れて!!」
半ば白目を剥いたリーベラに美野里がキレるが状況が良くなるはずもなかった。
「グルゥアアアアアッ!!!!」
| 《紫毒爪》*43 | 敵単体に斬相性大ダメージ。一定確率で猛毒付与。 |
| 《心乱す誘い手》*44 | 万能相性。敵単体に一定確率で不安状態にする。 |
| 「不安」*45 | 付与状態の時に攻撃を受けると、アイコンの消費がなくなる。 スキル使用時にスキルと対象がランダムで選出される。 攻撃を受けると確定で回復する。 |
| 《 | 物理型攻撃に対し50%の確率で発動。 3倍の威力で通常攻撃を行う。 ⇒段階1:クリティカルが発生する。 ⇒段階2:食いしばり効果を無視する。 1刀流に伝わる5つの奥義、その1つを独自に昇華させた秘剣。 鬼神楽は2~4回斬り刻む。 |
| 《会心ブースタ》*47 | クリティカル率及びクリティカル威力上昇。 フツヌシの武威を取り込み《会心》を昇華させたもの。 |
刻み潰され―――代わりに不可視の4閃が片翼を斬り飛ばす。
新生した鬼神楽の切れ味と秘剣が合わされば、如何に強固な肉体であろうと関係ない。
僅かな緩み、こじ開けた隙間、流れの淀み。そこに刃を通せばいいだけなのだから。
「次はどこ斬られたい……言ってみろよ!!」
全身を血に染めながら、腹の底から楽しいと言わんばかりに剣鬼が笑う。
対して、
絞り出すかのような声で、そう言った。
| 《変転する生命》 | カーラクータ部分からHPを吸収し、自分のHPを回復する。 ニーラカンタ・カーラクータの相性が一部変化する。 耐性無し⇒突反射・反射⇒突弱点 |
バキリと音を立てて、封じられていた口が開く。
真っ先に反応したのは2人と1体。
美野里、E・M、そしてリーベラ。
少女とその分身は魂故に理解し、もう片方は俗説で同一視される繋がりで感じ取った。
これから来る脅威―――その恐ろしさを。
「焼石だろうけど……!」
「少しでも―――」
「とっておきの使い所かしら」
「パァアアアス!」
「ォオオオオオッ!!!!」
「喰らっとけやぁっ!!!!」
ハゲネの攻撃に続いて宗吾が踏み込む。
ニヤリと笑いながら再び狙うのは竜の方。
肌を刺す嫌な予感を受け入れた上で、攻め続ける事を選択する。
再び走る7つの剣閃は堅い鱗を削ぎ、その命に届く所までさらけ出して―――。
カラン、と鱗の隙間から何かが落ちた。
それは半ば朽ちた日本刀だった。
所々が錆び付き、切れ味など望むまでも無い姿。
おそらくは、かつてこの竜に挑んだ戦士の遺品。
「………、――――」
普段であれば気に留める事もない。
意識を向けるとしても戦いが終わった後の話。
余計な所へと気を割けるような状況でもない。
―――だが、しかし。
戦いの最中、それも死が間近に迫った状況というのに。
宗吾は笑みを消し、真顔でその刀に視線を送っていた。
「――――――章姫?」
口から零れたのはとある刀の銘。
どれほど変わり果てようが見間違うはずもない。
幼少の頃から散々見て来た―――
それが、今ここに転がっているという事は。
「来るわよ!!!!」
最後の手番で行動を終えた美野里が叫び―――終焉が訪れる。
ニーラカンタという名の
それはいつかの周回、不安に満ちた発狂世界にいた誰か。
ある日出現した星毒の竜を封印するべく、自らの身を以て抑え込んだ
命がけで世界の滅びを防いでみせた―――正真正銘の英雄。
喰らうだけの獣共に回収され兵器として利用されながらも。
とうの昔に正気を喪失し、機械の如き反応しか返せずとも。
ただ抑え続ける意志だけを支えに、己を終わらせる者を求め流離う成れの果て。
| 《サードアイ》*49 | 敵全体に万能特大ダメージ+麻痺100% 世界が灼き滅ぼされ、同時に弱点がリセットされる。 |
―――世界を灼き尽くす極光が全てを飲み込んだ。