真・女神転生オタクくんサマナー外伝~エピソードオブドリフターズ~   作:ジントニック123

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1ヶ月かかってしまいました。
次はもっと早めに書き上げたいと思います。


Interception Battle -中篇-

 

 

 駆ける―――爆音が轟く戦場を。

 駆ける―――魔法と銃弾の雨霰を潜り抜けながら。

 駆ける―――鉄柵を飛び越え、百合の少女たちを屠らんとする怪物目掛けて。

 

「クハッ……!」

 

 笑いが漏れると同時に刃圏へと捉えた。

 

 

「奇襲攻撃」(ボーナスアタック)*1敵エンカウントシンボルに切りつける。

先行戦闘によりランダムに発生。

相性無視で敵全体にダメージを与えてから戦闘を開始する

 

 

 すれ違いざまに肩口へと一閃。

 生半可な相手であればそれだけで両断される一刀。

 しかし、返って来たのはまるで山を斬りつけたかのような感触。

 目に映ったのは強化された愛剣ですら皮一枚剥ぐのが精一杯という現実。 

 

『――――!』

 

 だが、意識をこちらへ向けさせることには成功した。

 意志持たぬ操り人形ではありえない膨大な“熱”が己に向けられるのを感じ、笑みを深める。

 

「おいおい、若い女を喰うのがドラゴンの定番というけどよ、こういうのもお約束だろう。

 ―――龍を討つのは戦士の誉れってよ」

 

 

 軽口を叩いた。

 それは己を鼓舞し、同時に律する為の精神操作(マインドセット)

 無理矢理でも余裕を作らねば前のめりになり過ぎて死ぬ。

 今この場で求められるのは氷よりもなお冷たい戦術眼。

 

 

「出来るだけ早くぶっとばしてきますから無理はしないでくださいませー!!!」

 

「気になさらず、ごゆっくりどうぞー」

 

 

 恐怖を通り越した興奮を抑えながら、後方の敵へ撤退して(向かって)いく少女たちへの対応もそこそこに。

 微動だにしない絶対者へと向き直る。

 

 

\カカカッ/

???(ニンゲン)アート・ニーラカンタLv100相性:???

\カカカッ/

???(ドラゴン)界毒のカーラクータLv99相性:???

 

 

 相対するのは目を閉じ耳と口の塞がれた人型と、それに半ば融合したかのような禍々しき巨竜。

 

 こうして真正面から直接相対しただけで分かる。

 これまで積み重ねて来た戦闘経験と勘が訴える。

 これは八瀬宗吾単騎では勝ち目のない相手だと。

 死力を尽くしてもなお超えられない壁であると。

 

 かつて己が内界で殺し合った八頭龍が可愛く見えるほどの戦力差。

 であればどうするか……答えは極めてシンプルなもの。

 

 

「……なに、この化け物」

 

「追いついてくると信じてたぜ、勝算(ミノリ)

 

「あの、頭痛いんで帰っていい?」

 

 

 数を揃えて囲んで殴ればいい。

 最終的に斬れれば万事問題無しなのだから。

 

 

「出し惜しみは、なしだ!!」

 

\カカカッ/

剣士八瀬宗吾Lv72相性:銃・火炎・氷結・呪殺反射、破魔吸収、全体的に強い

 

 

「もしかしなくても四騎士より強いわよね!?」

 

\カカカッ/

サイキッカー若槻美野里Lv70相性:全体的に強い、衝撃吸収

神経・破魔・呪殺・魔力・緊縛反射

 

 

「もっと酔って夢オチにしたい。」

 

\カカカッ/

狂神/顕現体(ナホ■ノ)リーベラLv65相性:火炎・氷結・破魔・呪殺無効

突撃・魔力・神経・精神に強い

 

 

「………――」

 

\カカカッ/

擬人(スタンド)エイト・マハーヴィディヤーズLv70相性:全体的に強い、衝撃吸収

神経・破魔・呪殺・魔力・緊縛反射

 

 

「星を終わらせるもの、何時、文明なるや? 黒の■■■なるや」

 

\カカカッ/

地母神ブラックマリアLv65相性:衝撃・電撃・破魔・呪殺無効

 

 

「――心セヨ、其ハ英雄ノ試練デアル。」

 

\カカカッ/

英雄ハゲネLv65相性:物理反射

 

 

 強大な敵に挑む為の最適化された陣形(オーソドックススタイル)―――完了。

 来るべき時、セプテン戦を考えて練り上げた戦術をより強大な敵へと使用する。

 

 

 

『eイ Y o uuuuu』

 

 

 それを感じ取ったのか。

 相手もこちらを“脅威”と判断し戦闘態勢へと移る。

 熔け焦げ続ける喉からこぼれ落ちた唸り声の意味は―――まだ分からない。

 

 これより始まるのは英雄の物語ではない。

 立ち塞がる絶望を斬り伏せる、剣鬼と仲間たちの物語ある。

 

 


 

―――《グランギニョル社・正面口方面》―――

 

破滅毒竜カーラクータ&毒飲吉祥者ニーラカンタ

VS

八瀬宗吾&若槻美野里

 

―――死 闘 開 始 ! ―――

 


 

 

 

 ・

 

 

 

 

 ・

 

 

 

 

 ・

 

 

 

「さあ……やろうか!」

 

 


 Press Turn Battle          Press Turn Battle                Press Turn Battle    


 

―――【両者の認識速度が戦闘に合わせて加速する!】―――

 

―――【互いの選ぶ呼吸を選択――プレスターンにて合致!】―――

 


 Press Turn Battle          Press Turn Battle                Press Turn Battle   


 

 

【戦闘開始と同時に、二人の神たる悪魔が先行する!】

 

 

「酒が、勝手に!」

 

 

《ラスタオート》*21ターン目開始時、ラスタキャンディが発動する。

“熱■門”の名を冠したスキルの変異、あるいは最適化。

《延長強化》*3自身が使うカジャ・ンダ効果の効果時間が1ターン延長される

 

 

「まずは固めて~♪」

 

 

《大地讃頌》*4《ハーモニクス(召喚)》によって外付けされた種族専用スキル。

 戦闘開始時、味方全体の物理・魔法防御を1段階上昇させる。

⇒《ラク・カジャ》 ※SH1

 

 

 

【界毒のカーラクータは動こうとした! しかし、動けない!】

【毒竜へ挑む剣鬼たちが先手を取る!】

 

 

「好きに準備させてもらうわよ!」

 

 

《烈光の秘法》*5毎ターン《タル・カジャ》*6 が発動する。

《軽業の秘法》*7毎ターン《スクカジャ》 *8が発動する。

《リフレクト》*92ターン毎に《マカラカーン》 *10が発動する。

《ギボアイズ》*11手番を使わずにアナライズを行う。 

指定した相性かBS耐性1つを知る事が出来る。

???(ニンゲン)に物理耐性無し。

《スモークノイズ》*12敵全体の命中・回避を二段階低下させる。

 

 

【異形科学の力が盤面をさらに固める!】

【●●●●●●⇒●●●●●】

 

 

「―――――」

 

 

《反乱の舞踏》*13味方全体を会心状態にする。

敵単体に4回、物理属性の打撃型ダメージを与える。

《狂騒の母神》*14物理貫通を得る。

物理ダメージと命中率とクリティカル率が上昇する。

 

 

【擬人の猛攻が毒龍を打ち据える!】

【カーラクータの反射を突破し、急所へと突き刺さった!】

【味方全体が会心状態となった!】

【●●●●●⇒●●●●】

 

 

「―――ブルル」

 

 

歪み撒かれる恐れの雲空の下で(プレスターン)ふるふると毒竜が身体をねじった!(アイコン増加せず)

 

 

「まだまだ弱らせるしかあるまい!」

 

「お え え え え え !」

 

「――――!」

 

 

《混沌の海》*15敵全体に万能属性の魔法型ダメージ。

3ターンの間、敵全体の防御力を20%減少させる(一段階扱い)

《溶解ブレス》*16敵の防御力・命中・回避率を1段階低下させる。

《ブルグンドの怨嗟》*17物理貫通を得る。それ以外は詳細不明。

最近になって判明したハゲネの能力、その一端。

《物理プレロマ》*18自分の物理属性攻撃時の攻撃力を強化する。

《冥界波》*19敵全体に物理大ダメージ。ニヤリ時即死効果。

《フィジカルエンハンスⅡ》*20剣・ガン(物理)相性の習得済みスキルを指定する。

「属性攻撃」に対応する相性へと変更。

《居合一心》*21敵全体に物理属性の打撃型ダメージを与える。

攻撃成功時、自身をチャージ状態にする。

物理⇒万能相性へと変更。

《会心ブースタ》*22クリティカル率及びクリティカル威力上昇。

フツヌシの武威を取り込み《会心》を昇華させたもの。

 

 

【弱体化の吐息と万能の衝撃、そして英雄と剣鬼の業が敵を打ち据える!】

【しかし無言の人影は目を閉じ、耳を閉ざし、口を開けずに動かない!】

【毒竜は鬱陶しそうに身動ぎをしている!】

【●●●●⇒行動終了】

 

 

(こいつら―――()()()()!?)

 

「―――へぇ」

 

 対セプテントリオンのため、そしてまだ見ぬ強敵のため。

 出来うる限りの伝手と時間をかけて鍛えあげた仲魔と武器。

 それを用いて何度もミーティングを行い、初手の万全の動きとして決めた“盤面固め”。

 

 

味方陣営攻撃+2 防御+2 命中・回避+2

敵陣営防御-2 命中・回避-3

 

 

 味方を強化し、敵を弱体化させて。

 さらには物理と万能に効果的な一撃(クリティカル)を用いて、一気呵成と形勢を決める連撃。

 だというのに―――付け入る隙が生まれない。

 

 まるで通じない、あるいは簡単にひっくり返せてしまうとでも言うように。

 

 

「悪天候」*23弱点を突いてもプレスアイコンが点滅しない。

遥か昔、最早知る者も少ない時代にあった法則の一つ。

 

 

「あの、あれ、効いてますよね!? バチバチにもうボコせるみたいな!?」

 

「ビビんな!! 状況は固めた!!

 静寂の祈り一発ぐらいは殴り返し―――」

 

 

 

                                             

 

\EMEMY TURN/

【ターン が 切り替わる !】

 

                                             

 

 

 理 不 尽 が 起 動 す る 。

 

 

《魂の叫び》*24行動回数が二個増加する。

行動回数が4回⇒6回に増加した!!

《うずまく毒気》*25敵全体の最大HPが-100ずつ減っていく(解除不可能)。

BSの自然回復が最大ターンまで継続になる。

《大逆鱗》*263Tの間、自分の攻撃力が3段階上昇する

《オールリセット》*27敵全体の能力上昇、チャージ、反射状態を解除する。

 

 

【全てを蝕む毒気が吐き出された!】

【毒竜の攻撃力が最大まで上昇した!】

【宗吾たちの全強化・補助効果が消滅した!】

【◎◎●●●●⇒●●●】

 

 

 そしてガラスが砕けるような音と共に―――積み上げた盤面は一息で崩された。

 

 

「………は?」

 

 美野里の口から呆けた声が漏れる。

 頭では理解していたつもりだった。

 このインフレ極まった世界では理不尽が平然と降り注ぐと。

 

 しかし、それでも。

 ただの一行動で強化どころかそれ以外の補助効果まで消されるとは思っていなかった。

 そして―――この状況下であってはならない隙となる。

 

《デクンダ》味方全体に掛けられたステータス低下状態を打ち消す。

まるで根を張られたかのようにこの行動は阻止された。

《毒の尾》*28敵全体に壊属性大ダメージ。一定確率で猛毒にする。

 

 

【毒竜の尾が薙ぎ払われる!】

【●●●⇒●●】

 

 

 

 全ての強化を吹き飛ばしてから、繰り出されるのは薙ぎ払いの一撃。

 まるで巨大な壁が迫るかのような攻撃に反応が僅かだが遅れ―――。

 

「跳べ!」

 

「ッーーー!」

 

 半ば無意識に、反射的に大地を蹴っていた。

 超人クラスの脚力による跳躍は体を容易く宙へと浮かす。

 釣られるようにして()()()()()()仲魔たちも同じ動きを行う。

 

 

【宗吾たちは毒尾を回避した!】

 

【ハゲネは攻撃を反射した!】

 

 

 結果、上空への逃避行に紙一重で成功し、物理を反射する英雄は微動だにせず佇む。

 そして、反射によって呼吸に大きな隙が発生―――すなわち攻守交替の合図である。

 

 

                                             

 

\PLAYER TURN/

【反射によりプレスアイコンが全消費された !】

【ターン が 切り替わる !】

 

                                             

 

 

「―――()()()()。こっちのバフ消されただけだ。

 最大低下(ノーコン)状態の今ならそうは当たらねぇって」

 

 攻撃に移る前に、宗吾は笑いながら告げた。

 

「攻め筋頼む―――俺たちなら勝てる」

 

「~~~~~そもそもっ! そっちが勝手に突っ込んだんでしょうが!!

 あとで覚えてなさいよ大馬鹿!!!!」

 

 美野里は飲まれかけていた己に対し、頬を張って気合いを入れ直す。

 分かっていたはずだ。最前線で戦うような怪物たちの恐ろしさは。

 むしろ、低下解除もせずハゲネの反射も抜けないのだからまだマシな方だ。

 

 マイナスに傾きかけた思考をフラットに戻して、戦略を0.2秒で組み直す。

 初手で抜いた情報を元に、より効率的な動きをしていかなければならない。

 故に次の手は―――。

 

「――― パターンC! 続けて!!」

 

 

―――《烈光の秘法》―――

―――《軽業の秘法》―――

―――《行動放棄(パス)》―――

 

【アプリの自動発動と同時に行動放棄】

【指揮官の意を受けてそれぞれが最適な動きを開始する!】

【●●●●●●⇒◎●●●●●】

 

「………!」

 

―――《反乱の舞踏》―――

―――《狂騒の母神》―――

 

【擬人の猛攻が人型を打ち据える!】

【ニーラカンタの急所へと突き刺さった!】

【味方全体が会心常態となった!】

【◎●●●●●⇒●●●●●】

 

「ここは解除っと」

 

 

《道具の知恵・癒》*29悪魔でも補助アイテムの使用が可能となる。

⇒「デカジャの石」を使用。

 

 

【黒き聖母が敵の強化を打ち消した!】

【●●●●●⇒●●●●】

 

「うっぷ……また吐きそう」

 

 

《銀の月の加護》*30味方全体の魔法攻撃力を1段階上昇させる。

味方全体に【状態変化抵抗▲】を付与する。

 

 

【飲んだくれが強化と守りのベールを張る!】

【●●●●⇒●●●】

 

「行くぞ―――ッ!」

 

―――《ブルグンドの怨嗟》―――

―――《物理プレロマ》―――

―――《冥界波》―――

 

 

【忠義の剣閃が毒龍たちの体へ僅かに傷を刻む!】

【●●●⇒●●】

 

「ついでにもっかい斬られとけ」

 

―――《会心ブースタ》―――

―――《居合一心》―――

 

【騎士の軌跡をなぞるように剣鬼の刃が走る!】

【●●⇒●】

 

「んで回復っと」

 

「魔法瓶」*31味方全体のMPを80回復する。

 

【再び回って来た手番でサマナーはアイテム係を行う!】

【●⇒行動終了】

 

 

 行われたのは先程と僅かに違う程度の行動。

 目に見えて派手な効果は無く、しかし確実に詰めて行くための戦略。

 レベル差30近い格上を屠る為の道筋を見つけなければ死ぬだけだ。 

 

 

                                             

 

\EMEMY TURN/

【ターン が 切り替わる !】

 

                                             

 

 

「グルルルル……!!」

 

 

《紫毒爪》*32敵単体に斬相性大ダメージ。一定確率で猛毒を付与する。

 

 

【毒竜が巨体を仰け反らせながら爪を振るう!】

【●●●●⇒●●●】

 

 狙うは自らを刻んでくれた剣士、その中でも特に火力が高い黒髪の人間。

 肉を削ぎ落し、命を削る猛毒を宿した爪撃が宗吾へと迫り―――。

 

 

当たるかよ」

 

「カポーテピアス」*33銃反射 破魔・呪殺無効。

命中・回避率を大きく上昇(龍の反応)

 

 

 それを潜るように前進する事で攻撃軌道から退避した。

 攻撃を外した(空振った)毒龍の姿勢が僅かに流れる。

 懐に潜り込み、生じた隙に反撃を行おうとして。

 

(反射じゃなけりゃ斬り返せたんだが)

 

―――《金翅鳥王剣:発動拒否》―――
*34

 

 刃を振り抜かずに駆け抜けるだけに留めた。

 今の宗吾では反射を抜く事は出来ない。

 その為の術もいくつか持ってはいるが、今の状況では使えない。

 歯がゆい思いをしながら、毒竜の呼吸を乱す事に専心する。

 

 

「GAAAAAAAAAAA!!!!」

 

《黒い遠吠え》*35万能相性。敵全体を呪詛状態にする。

「呪詛」*36敵に与えた50%分ダメージを受ける。

BS付与率が2倍になり、闇属性(呪殺相性)が弱点になる。

 

【呪いの込められた遠吠えが響き渡る!】

【リーベラが呪詛に侵された!】

【●●⇒●】

 

 

「ぶべっ!」

 

 その場に膝を着いて―――酒瓶は手放さず―――リーベラが悶絶する。

 状態異常への耐性は上がってはいるが、運悪く喰らってしまったのだろう。

 ―――つまり狙うにはうってつけだ。

 

《怨剛爪》*37敵単体に万能大ダメージ。BS状態の相手には確定クリティカル。

 

【隙を晒した獲物に剛爪が振り下ろされた!!】

 

 

 

『エイ ュ ウウう……!!』

 

 

《怨剛爪》*38敵単体に万能大ダメージ。BS状態の相手には確定クリティカル。

《変転する生命》カーラクータ部分からHPを吸収し、自分のHPを回復する。

ニーラカンタ・カーラクータの相性が一部変化する。

耐性無し⇒斬反射・反射⇒斬弱点

 

 

【その前にニーラカンタが命を吸い出した!】

【相性が変化する!】

【●⇒行動終了】

 

 

「――――どういうつもりだ」

 

 何の意味も無い、敵に塩を送るかのような行動に宗吾が眉を顰める。

 当然ながらその疑問に敵が答える事は無い。

 ニーラカンタの口は閉ざされたままで―――。

 

『………』

 

 しかし、閉ざされていた耳が確かに開いていた。

 

 

                                             

 

\PLAYER TURN/

【ターン が 切り替わる !】

 

                                             

 

 

―――《烈光の秘法》―――

―――《軽業の秘法》―――

―――《ギボアイズ:ニーラカンタの物理耐性看破》―――

―――《行動放棄(パス)》―――

 

 

「ッ、人型の物理耐性、斬属性反射に変わってる!」

 

「あいつ単体の変化かは微妙だな。

 探って斬るべきだが……強い上にややこしいこった」

 

 ただ強いだけならいい。暴力の化身であるだけならただの壁でしかない。

 しかし、思考ルーチンがちぐはぐで読めない部分があるというのは()()

 何か見落としは無いか、気づいていない部分があるのではないか。

 こちらの判断を迷わせるノイズになるからだ。

 

 単純にブラフや阿呆なだけならいいが、相手の愚かさに期待するのはそれ以下だ。 

 少なくとも戦意があり、会話も通じない。であれば戦うしかない。

 焼き直すようにパターンを繰り返す。

 

 

「……シ■■」

 

「ここは送りましょうか」

 

「りばぁああす!」

 

 

―――《反乱の舞踏》―――

―――《狂騒の母神》―――

―――《行動放棄(パス)》―――

―――《溶解ブレス》―――

 

【擬人が再び人型を打ち据える!】

【黒き聖母が手番を回す!】

【飲んだくれは気持ち悪いのでまた吐いた!】

【敵全体の防御・回避・命中率が最大低下!】

【◎●●●●●⇒●●●●】

 

 

「もう一度!」

 

―――《ブルグンドの怨嗟》―――

―――《物理プレロマ》―――

―――《冥界波》―――

 

 

【忠義の剣閃が毒龍たちの体をより深く刻む!】

【ニーラカンタの反射を突破し、急所へと突き刺さった!】

【カーラクータの弱点と急所へ突き刺さった!】

【●●●●⇒●●●】

 

 

「やっぱそっちが弱点になったか……じゃあ遠慮なく!

 

 

《デスバウンド》*39敵単体に2~7回、力依存の中ダメージ。

術者のHP最大値が大きいほど威力が上がる。

「命中のバンビーノ」*40味方の命中率をアップし、複数回ヒットするスキルの攻撃回数が多くなりやすくなる。

 

 

【カーラクータを7つの剣閃が斬り刻む!】

【●●●⇒●●】

 

 

「ここは攻める!」

 

―――《行動放棄(パス)》―――

 

【美野里は再び手番を回す!】

【●●⇒◎●】

 

 

「ァアッ!!」

 

 

―――《反乱の舞踏》―――

―――《狂騒の母神》―――

 

【擬人が幾度も人型を打ち据える!!】

【◎●⇒●】

 

 

「じゃあ呪いは解きましょうか」

 

「それより酔い止めが欲しい……」

 

―――《道具の知恵・癒:アムリタソーダ》―――

 

【リーベラの状態異常か解除された!】

【●⇒行動終了】

 

 

                                             

 

\EMEMY TURN/

【ターン が 切り替わる !】

 

                                             

 

 

「オオオオオオオオン!!!!」

 

 

―――《デクンダ》―――

―――《オールリセット》―――

 

【弱体化が解除された!】

【宗吾たちの全強化・補助効果が消滅した!】

【●●●●⇒●●】

 

(ここでそう来るのね)

 

 咆哮―――弱体と強化解除。盤面がフラットに巻き戻る。

 推測―――毎ターンリセットが発動する訳ではない、積んだ数か反射状態がトリガーの可能性。

 警戒―――相手も情報を抜き始めている。全体物理攻撃はまず来ない。

 

 そこまで美野里が思考してから毒龍たちが攻めへと転じる。

 今度の狙いは剣士と比べて当てやすいだろう前衛―――黒衣の英雄。

 

 

《怨剛爪》*41敵単体に万能大ダメージ。BS状態の相手には確定クリティカル。

 

 

【剛爪がハゲネに直撃!!】

【ハゲネに大ダメージ!!】

【●●⇒●】

 

 

「ハゲネ!」

 

「問題無いぞ主よ!」

 

 身体の半分を引き裂かれながらも、ハゲネは踏み止まった。

 ここにいるのは悪魔なれど彼の龍殺しと縁深き忠義の騎士。

 伝承上の存在、情報生命体でしかないと言えばそれまでだ。

 

 ―――しかし。

 

「この程度乗り越えられなくて、英雄は名乗れぬ!」

 

 強い言葉を吐く―――主にも言えぬ己なりの矜持を秘めて。

 

 英雄を誇る為に。

 英雄を貫く為に。

 英雄を成す為に。

 

 かつての学園都市須摩留で考案・実施された魔人計画。

 その補足計画の一つ、<強行偵察型英雄悪魔作成計画>。

 暗黒宇宙(アバドンゲート)探索における強行偵察を成す為の悪魔を生み出すプロジェクト。

 

 ハゲネはそこで設計(デザイン)されたモデルであり()()()

 求めていた性能に満たず、データだけがT・Rに残され死蔵されていた在庫品(デッドストック)だ。

 美野里がななみとあれこれ弄った事で、半ば合体事故として顕現したに過ぎない。

 

 作られた理由はとうに過ぎ去り、現在には意味を成さない。

 ハリボテの人形、役立たずの騎士、ガ■アに届かぬ出来損ないの悪魔。

 それでも残された物がある。己を必要とする主の存在がある。

 

 だから忠義の英雄(ハゲネ)は倒れる訳にはいかない。

 美野里()にとって不要となるまで、彼女の英雄()としてあり続けると決めたのだから。

 

「どうした悪竜―――私はまだ死んでいないぞ」

 

『……!!』

 

 

《変転する生命》カーラクータ部分からHPを吸収し、自分のHPを回復する。

ニーラカンタ・カーラクータの相性が一部変化する。

耐性無し⇒壊反射・反射⇒壊弱点

 

 

【ニーラカンタが命を吸い出した!】

【相性が変化する!】

【●⇒行動終了!】

 

 

 閉じられていた眼が開かれ、狂気と正気の鬩ぎ合う瞳が英雄たちを捉える。

 

 

                                             

 

\PLAYER TURN/

【ターン が 切り替わる !】

 

                                             

 

 

「大体コンセプトは読めて来た……隠し玉はまだまだありそうだけど」

 

「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応で」

 

「負けフラグ止めろ」

 

 

―――《烈光の秘法》―――

―――《軽業の秘法》―――

―――《行動放棄(パス)》―――

 

【攻撃・回避・命中率が一段階上昇!】

【美野里は行動を放棄する!】

【●●●●●●⇒◎●●●●●】

 

―――《反乱の舞踏》―――

―――《狂騒の母神》―――

―――《混沌の海》―――

―――《溶解ブレス》―――

【◎●●●●●⇒●●●】

 

【擬人は怒涛の連打を■の似姿へ浴びせる!】

【混沌の衝撃が敵を打ち据え、防御力を一段階低下させる!】

【撒き散らしたブレスが防御・回避・命中率を一段階低下させる!!】

 

―――《ブルグンドの怨嗟》―――

―――《物理プレロマ》―――

―――《冥界波》―――

―――《会心ブースタ》―――

―――《居合一心》―――

―――《アイテム使用:魔法瓶》―――

 

【剣鬼と英雄が毒龍たちを斬り刻む!!】

【美野里が味方全体のMPを回復させる!】

【●●●⇒行動終了】

 

 

                                             

 

\EMEMY TURN/

【ターン が 切り替わる !】

 

                                             

 

 

 4 0 秒(4T) 経 過 。

 

 理 不 尽 が 再 び起 動 す る 。

 

 

―――《魂の叫び》―――

―――《うずまく毒気》―――

―――《大逆鱗》―――

 

【全てを蝕む毒気が吐き出された!】

【毒龍の攻撃力が最大まで上昇した!】

【◎◎●●●●⇒●●●●】

 

 

 漏れ出した毒が体力を削り、逆鱗に触れた怒りを攻撃力へと転換させる。

 ここまでは先程と同じで―――異なるのはこれから。

 

 

《咆哮》*42敵全体の全能力が二段階低下する。

 

 

【絶対者の叫びが轟く!】

【宗吾たちの全能力が大きく低下した!】

【●●●●⇒●●●】

 

 

「ば、ばばばっばあああ!?!?」

 

「口から酒漏らすな! 気合い入れて!!」

 

 半ば白目を剥いたリーベラに美野里がキレるが状況が良くなるはずもなかった。

 

「グルゥアアアアアッ!!!!」

 

 

《紫毒爪》*43敵単体に斬相性大ダメージ。一定確率で猛毒付与。

《心乱す誘い手》*44万能相性。敵単体に一定確率で不安状態にする。 

「不安」*45付与状態の時に攻撃を受けると、アイコンの消費がなくなる。

スキル使用時にスキルと対象がランダムで選出される。

攻撃を受けると確定で回復する。

 

 

【毒爪が宗吾へ、不安へ誘う手が美野里へ振るわれる!】

【宗吾は大ダメージを受けた!⇒物理耐性により半減!!】

【美野里は不安に犯された!!】

 

【●●●⇒●】

 

 

「~~~~~宗吾っ!!」

 

「今なら通るよなぁっ!!!!」

 

 

金翅鳥王剣(デスカウンター)*46物理型攻撃に対し50%の確率で発動。

3倍の威力で通常攻撃を行う。

⇒段階1:クリティカルが発生する。

⇒段階2:食いしばり効果を無視する。

1刀流に伝わる5つの奥義、その1つを独自に昇華させた秘剣。

鬼神楽は2~4回斬り刻む。

《会心ブースタ》*47クリティカル率及びクリティカル威力上昇。

フツヌシの武威を取り込み《会心》を昇華させたもの。

 

 

 刻み潰され―――代わりに不可視の4閃が片翼を斬り飛ばす。

 

 新生した鬼神楽の切れ味と秘剣が合わされば、如何に強固な肉体であろうと関係ない。

 僅かな緩み、こじ開けた隙間、流れの淀み。そこに刃を通せばいいだけなのだから。

 

「次はどこ斬られたい……言ってみろよ!!」

 

【宗吾はニヤリと笑った!】

 

 全身を血に染めながら、腹の底から楽しいと言わんばかりに剣鬼が笑う。

 対して、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

『ノり、越エ……ろ、えい、ゆう……!!』

 

 

 絞り出すかのような声で、そう言った。

 

 

《変転する生命》カーラクータ部分からHPを吸収し、自分のHPを回復する。

ニーラカンタ・カーラクータの相性が一部変化する。

耐性無し⇒突反射・反射⇒突弱点

 

【ニーラカンタが命を吸い出した!】

【相性が変化する!】

【●⇒行動終了!】

 

 

 バキリと音を立てて、封じられていた口が開く。

 

 

な に か お そ ろ し い も の を 感 じ る

 

 

 

                                             

 

\PLAYER TURN/

【ターン が 切り替わる !】

 

                                             

 

 

「ッ全員腹括って!!!!」

 

「……全てを焼き尽くす光」

 

「あかん、なんか分かんないけどやばい……っ!!」

 

 

 真っ先に反応したのは2人と1体。

 美野里、E・M、そしてリーベラ。

 少女とその分身は魂故に理解し、もう片方は俗説で同一視される繋がりで感じ取った。

 これから来る脅威―――その恐ろしさを。

 

「焼石だろうけど……!」

 

―――《烈光の秘法》―――

―――《軽業の秘法》―――

―――《アイテム使用:デカジャの石》―――

 

【攻撃・回避・命中率が一段階上昇⇒防御低下以外が元に戻った!】

【カーラクータの攻撃力が元に戻った!】

【●●●●●●⇒●●●●●】

 

 

「少しでも―――」

 

―――《反乱の舞踏》―――

―――《狂騒の母神》―――

 

【擬人は口を塞ぎ無理屋に飲み干させようとする!】

【自覚が薄い故に神話再現には至らない!!】

【●●●●●⇒●●●●】

 

 

「とっておきの使い所かしら」

 

―――《道具の知恵・癒:壮絶弱体の札》―――
*48

 

【ニーラカンタの全能力が低下する!】

【●●●●⇒●●●】

 

 

「パァアアアス!」

 

―――《行動放棄(パス)》―――

 

【リーベラは行動を放棄する!】

【●●●⇒◎●●】

 

 

「ォオオオオオッ!!!!」

 

―――《ブルグンドの怨嗟》―――

―――《物理プレロマ》―――

―――《冥界波》―――

 

【雄叫びと共にハゲネが剣を振るう!】

【◎●●⇒●●】

 

 

「喰らっとけやぁっ!!!!」

 

―――《デスバウンド》―――

―――《会心ブースタ》―――

 

 

 ハゲネの攻撃に続いて宗吾が踏み込む。

 ニヤリと笑いながら再び狙うのは竜の方。

 肌を刺す嫌な予感を受け入れた上で、攻め続ける事を選択する。

 再び走る7つの剣閃は堅い鱗を削ぎ、その命に届く所までさらけ出して―――。

 

 

 


 

 

 

             


 

 

 

 

 カラン、と鱗の隙間から何かが落ちた。

 それは半ば朽ちた日本刀だった。

 所々が錆び付き、切れ味など望むまでも無い姿。

 おそらくは、かつてこの竜に挑んだ戦士の遺品。

 

「………、――――」

 

 普段であれば気に留める事もない。

 意識を向けるとしても戦いが終わった後の話。

 余計な所へと気を割けるような状況でもない。

 

 ―――だが、しかし。

 戦いの最中、それも死が間近に迫った状況というのに。

 宗吾は笑みを消し、真顔でその刀に視線を送っていた。

 

「――――――章姫?」

 

 口から零れたのはとある刀の銘。

 どれほど変わり果てようが見間違うはずもない。

 幼少の頃から散々見て来た―――()()()()()()()()()()

 

 それが、今ここに転がっているという事は。

 

 

 

 

 

「来るわよ!!!!」

 

 

 

 最後の手番で行動を終えた美野里が叫び―――終焉が訪れる。

 

 

 

                                             

 

\EMEMY TURN/

【ターン が 切り替わる !】

 

                                             

 

 

目が開き、耳が開き、そして口が開いた

 

 

「アア゛アアアアアアアアア!!!!!!」

 

 

 ニーラカンタという名の人型(ニンゲン)について語ろう。

 

 それはいつかの周回、不安に満ちた発狂世界にいた誰か。

 ある日出現した星毒の竜を封印するべく、自らの身を以て抑え込んだ喰奴(ハイ・アートマ)

 命がけで世界の滅びを防いでみせた―――正真正銘の英雄。

 

 喰らうだけの獣共に回収され兵器として利用されながらも。

 とうの昔に正気を喪失し、機械の如き反応しか返せずとも。

 ただ抑え続ける意志だけを支えに、己を終わらせる者を求め流離う成れの果て。

 

 

《サードアイ》*49敵全体に万能特大ダメージ+麻痺100%

世界が灼き滅ぼされ、同時に弱点がリセットされる。

 

 

 ―――世界を灼き尽くす極光が全てを飲み込んだ。

 

 

*1
※SH2

*2
※D2

*3
※真ⅤⅤ

*4
※200X

*5
※200X

*6
※SH1

*7
※200X

*8
※真Ⅲ

*9
※200X

*10
※SH1

*11
※200X

*12
※DSJ

*13
※D2

*14
※D2 一部制限

*15
※D2

*16
※真Ⅳ

*17
※D2

*18
※真ⅣF

*19
※真ⅣF

*20
※200X

*21
※D2

*22
※P3R

*23
※メタファー

*24
※メタファー

*25
※メタファー

*26
※メタファー

*27
※メタファー

*28
※メタファー

*29
※真Ⅳ

*30
※IMAGINE

*31
※SH2

*32
※メタファー

*33
※真Ⅳ

*34
※真ⅢTRPGの反撃スキルは自動効果に分類されるが発動は任意。

*35
※メタファー

*36
※メタファー

*37
※メタファー

*38
※メタファー

*39
※デビルサマナー

*40
※SH2

*41
※メタファー

*42
※メタファー

*43
※メタファー

*44
※メタファー

*45
※メタファー

*46
※真ⅢTRPG&タガタメコラボ

*47
※P3R

*48
※P5R 3ターンの間、敵1体の全能力を低下させる。1つしか持っていない貴重品。

*49
※アバチュ2

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