真・女神転生オタクくんサマナー外伝~エピソードオブドリフターズ~   作:ジントニック123

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今回はキリの良い所で切ったのでちょっと短めです。


Fleur-de-lis:Vendetta -中篇②-

 

 マギクリスタルコア、それは魔道器の起動及び運用に必須となる中枢装置である。

 これがなければ魔道器は単なる鉄の塊であり、超常の力を発揮するには至らない。

 覚醒者が振り回せば鈍器程度には使えるかもしれないが、それなら素直に銃を持った方がマシである。

 

 そして、その重要な装置を作成するのに用いられる希少物質―――他の周回においてマグネタイト塊と呼ばれる素材―――はどこでも得られるものではない。

 

 古くから禁足地として扱われる事が多く、人が足を踏み入れる事のなかった特殊領域。

 詳細不明、人類が解き明かせない謎に満ちた土地。

 ヒュージ出現より以前から存在する影異界(影法師のような世界)、そこでしか採取されないのだ。

 

 無論、魔道器完成初期から代替素材の研究は開発と並行して行われていた。

 量産を前提とするなら数を揃える必要があり、可能な限り安価かつ容易に入手出来るものが望ましいからだ。

 ―――残念ながら要求基準を満たせる物質は終ぞ見つからず、彼のG.E.H.E.N.Aでさえ匙を投げる結果に終わったが。

 

 だからこそ人類は素材確保の為に採取所を最重要地区として扱い、最も多くの影異界が存在した日本の護りが特に固められる事となった。

 最終的にこの極東の島国が唯一の生存圏となった理由もそこに帰結する。

 

 ―――故に、必然だったのだろう。

 

 かつて日本と中国、そして台湾が長年領有権を主張していた無人島群―――尖閣諸島。

 大陸からのヒュージ進行が秒読みとなり、陥落前に島に存在する影異界から可能な限りの希少物質を採取する中で()()は発見された。

 

 翡翠色(ターコイズグリーン)に輝く多面結晶。

 生き物であれ機械であれ、直接的な接触をした瞬間に蒸発する超高エネルギー体。

 あらゆる方法を用いても解析不可能な、影異界以上の謎に満ちた不可思議物質(エキゾチックマテリアル)

 

 まさに事象の特異点、世界に空いた穴とでも言うべき極大の未知だった。

 追い詰められつつある戦況もあり、多くの者の目には眩い希望に映った。

 そして多くの研究者が解明へと取り組み……そして敗北を喫す事となる。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ヒュージとの闘争を終わらせる銀の弾丸になると期待した者。

 病人寸前の知的好奇心や功名心に突き動かされた者。

 ただ単に仕事や義務に駆られた者。

 

 誰一人として例外なく膝を屈し、代替素材と同じように匙を投げた。

 

 “前提となる知識、あるいは認識が欠けている”。

 “あるいは捨て去ってしまったのか”。

 “これが何なのか理解するには、我々は我々のままでは不可能である”。

 

 そんな言葉を残して、希望を抱いた者たちは失意のまま去っていった。

 

 以降、ソレはG.E.H.E.N.Aの研究機関にて保管される事となる。

 本来であれば、世界が終わるまでソレは保管室の隅で埃を被ったままだった。

 次の周回か、更にまた次の周回に至るまで誰の手にも渡らず埋もれ続けるかもしれなかった。

 

 ―――故に、これも必然だったのだろう。

 

 偶々偶然、視察の為にとある政府高官がソレの保管された研究所を訪れた事も。

 偶々偶然、その高官がソレの傍まで来た瞬間、謎の共鳴現象を引き起こした事も。

 偶々偶然、共鳴に巻き込まれた者たちが高官の秘めていた狂気に触れ汚染された事も。

 

 よって、総ての終わりが始まったのはここから。

 大沢一光――()()()()()()()()()()()()男の終末譚はこうして幕を上げる事となったのだ。

 

 

 

 ・

 

 

 

 ・

 

 

 

 ・

 

 

 666部隊は人類の中でも精鋭中の精鋭である。

 

 主な役割はヒュージに対する遅滞戦闘及び主力となるリリィたちの援護。

 専用の装備でヒュージを拘束、あるいはトラップで動きを封じ嵌め殺す事を得意とする。

 

 デモニカスーツの装着者が大半を占める事もあって華やかさという概念とはほぼ無縁。

 泥臭い戦い方も含め、傍から見れば地味と言っても差し支えないだろう。

 実際、民衆からの評価もリリィたちに比べればいくらか落ちる。

 

 しかし、それは決して戦闘力が劣る事を意味しない。

 

 部隊設立から現在に至るまで、ラージ級はおろかギガント級を数十体以上討伐。

 欠員こそ出たものの、前回の大規模作戦ではアルトラ級を1体撃破するという破格の戦果を叩き出している。

 世界でも指折りの超人に率いられた彼らも、リリィたちに劣らぬ人類の希望であり―――。

 

 

「邪魔だよ」

 

 

―――《Sデカジャ》―――

―――《Sランダマイザ》―――

―――《地獄突き》―――

―――《龍眼》―――

―――《混沌の波動》―――

 

【 黒の機兵が拘束を振り切った! 】

【 全ての強化/低下・反射結界が破壊される! 】

【 敵の全能力値が1段階低下する! 】

【 圧倒的衝撃が広範囲を薙ぎ払う! 】

 

 

 そんな彼らでさえ、理不尽に一蹴される現実がそこにあった。

 

 

「~~~ッ被害報告!」

 

「こちらストライカー2! 今のでダミーが全部吹っ飛んだ!!

 次はもう躱せねぇっ!!」

 

「アベンジャー5! なんとか生きてるがそろそろ妨害が切れる。

 隊長のとこに跳ばれるぞ!」

 

「ハイランダー4及び6―――どちらも手足が吹き飛んで動けません。

 自爆して目くらましするのでその隙に張り直してください」

 

「ガンナー3……下半身が千切れた、ゲホッ、あと数分で死ぬわ。

 やれる事はやるが……おい迅! これで駄目だったら、あの世でぶん殴るからな!!!!」

 

 雑に振るわれる鉄腕が隊員たちをただの肉片へと変えて行く。

 かつて命だったものが次々と散らばる圧倒的蹂躙劇。

 もはや大人と子供の差どころの話ではない。

 

 戦闘開始より既に()()()経過した。

 

 持てる全てを薪として焚べた。

 命を捨てる前提で動き続けた。

 それでもなお時間稼ぎが限度。

 

 一方的に、どうする事も出来ないまま。

 それでも気合いだけは負けてなるものかと吠え立てながら。

 歴戦の兵たちはじわじわと削られつつあった。

 

「本当にしつこいんだよね君たち……いい加減諦めたら?」

 

 そして、彼らと相対する大沢の言葉には何の熱も籠っていない。

 

 暴動を眺めていた時や雨柳を嬲っていた時とはまるで正反対。

 怒りも憎しみも侮蔑も皆無―――心の底からの無関心。

 あるのは精々邪魔なものを片付けるのが面倒という気持ちだけだ。

 

 これは別に力の差が隔絶している故の余裕ではない。

 単なる優先順位の話で、興味のあるなしの問題だ。

 大沢とって何より優先すべきは雨柳を追いかけるという一点に尽きる。

 

 ―――せっかくあそこまで盛り上がったのに最後の最後で邪魔された。

 ―――仮に、あのまま失血死で終わろうものなら堪ったものではない。

 

 そんな()()()結末は不完全燃焼にも程がある。

 ここまで舞台を整えるのにどれほど努力したと思っているのか。

 この日まで一体どれだけ我慢に我慢を重ねたと思っているのか。

 

 終わりよければ全てよし(ll's Well That Ends Well)

 その言葉通り、自分たちの物語は最高の形で締めくくらなければならないのだから。 

 

「今すぐ逃げるなら追わないであげるよ。

 ほら、無駄に命捨てる事ないって」

 

 だからこそ、この言葉は紛れもない本音であった。

 

 人類を鏖殺し、事実上世界を終わらせた男とは思えない台詞である。

 しかし幼い頃から誓っていた塵掃除は既に完了した。

 残っているのは発狂の果てに自滅する愚者か、いずれ怪物(ヒュージ)に変貌する人モドキだけ。

 

 そして塵が消えた以上、それらを護る覚醒者への嫌悪も意味を成さなくなった。

 結果として残っているのは無関心のみ。

 故に、彼らがどうなっても、何処に逃げようとも心底どうでもいい。

 親友との逢瀬を邪魔しないなら路傍の石以下である。

 

 

「―――それジョークか? 面白い事言うなぁあのサイコホモは」

 

「隊長のケツを長年狙ってただけある」

 

「政治家だけじゃなくてコメディアンの才能もあったとはね」

 

覚醒者(おれら)限定のニッチな職業じゃん……考えただけで片腹大激痛」

 

「そりゃ物理的に吹っ飛んでるからだ馬鹿め」

 

 戦場にいる全員が軽口で返した。

 

 ある者は魔道器を杖にしながら。

 ある者は仲間に肩を貸しながら。

 ある者は壁に寄りかかりながら。

 

 息も絶え絶えに立ち上がり、上空で滞空(ホバリング)する大沢を睨みつける。

 中指を立てる(ファックサイン)者もいた。

 

 誰もが傷付きボロボロだ。

 無傷の者など一人として存在しない。

 限界が近いどころか既に超えている。

 それでも諦めている者もまた皆無だった。

 

「しかし、あんだけ大技ポンポン使ってたらガス欠すると思ってたのに底が見えない件」

 

「回復してる様子も無いし、永久機関でも積んでるんじゃね」

 

「マジかよ超羨ましい」

 

「それ以前にこっちの攻撃で傷一つ付かないのチートだって」

 

「試せるの全部試して駄目だったからなぁ」

 

「バランス設定ミスってるぞ運営」

 

「って事で副隊長、ご返答(クレーム)どーぞ」

 

 勝ち目は無い。

 このまま戦えば間違いなく死ぬ。

 だからといって、逃げる訳にはいかない。

 

 自分たちが、多くの仲間たちが護って来たものが粉々に打ち砕かれた。

 息を潜め続けていた狂人の鎌が、紡ぎ続けて実った希望を刈り取った。

 ならこれ以上思い通りにさせてはならない―――すなわち意地がある。  

 

 そして。

 

「―――まだ未来は動いてる。

 だから、もうちょっとおれたちと遊んでもらうよ最高司令官殿」

 

 副隊長()の言葉通り、未来があるというなら戦わない理由が存在しなかった。

 

 

「あっそ。じゃあさっさと死んで」

 

 


Real Time Strategy Battle  Real Time Strategy Battle  Real Time Strategy Battle  Real Time Strategy Battle  


 

 

―――【 大沢は戦闘方式を選択! 】―――

 

―――【 超過音速での決着(リアルタイムストラテジーバトル)に持ち込もうとする!! 】―――

 

 


Real Time Strategy Battle  Real Time Strategy Battle  Real Time Strategy Battle  Real Time Strategy Battle  


 

 

「させるかよぉっ!!」

 

介入開始(ジャックイン)情報処理速度同列向上(クロックアップ)……!」

 

「観測、調整、共有―――対アルトラ級戦闘再開!!」

 

 


Press Turn Battle  Press Turn Battle  Press Turn Battle  Press Turn Battle  


 

 

―――【 666部隊が戦闘方式を押し付ける! 】―――

 

―――【 呼吸を制する潰し合い(プレスターンバトル)を捻じ込む!! 】―――

 

 


Press Turn Battle  Press Turn Battle  Press Turn Battle  Press Turn Battle  


 

 

 隊員の一人が距離を取る。

 隊員の一人が数歩、一メートルの距離を詰める。

 隊員の一人が僅かに左へ動き、体を屈めて距離空間を調整する。

 

 隊列を組み上げ、大沢を包囲するように迎え撃つ。

 

 それは複数人での観測とフィードバックによる神速への対応。

 666部隊が磨き続けた強大な敵に抗う為の連携技。

 いつかの時代に存在した電脳少女の戦術支援と同質のもの。

 

 しかし、生き残っている人数ではこの介入が限界となる。

 仮に仕切り直せたとして、次は速度差で一方的に嬲り殺されるだろう。

 

 だから。

 

 

「じゃあ頼んだ」

 

『了解』

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

《速攻戦型》*1オートコマンダースキル。

発動ターンは味方全体が敵より先に行動できる。

幾つもの屍を積み重ねて完成したサブアプリ。

《ホールド》*2命中時、一切の物理的攻撃と防御が不可能となる。

また、回避やその他の行動にもペナルティが入る。

ホールドからの脱出には手番を1つ使用する必要がある。

 

【 彗星がが黒の機兵に取り付く! 】

【 勢いのまま諸共地上へと墜落する!! 】

 

 

『随分と風通しがよくて助かった』

 

 彗星の正体―――それは機兵だった。

 

\カカカッ/

機兵アーマード・キャバリア Lv35

 

 

 大沢の乗るものとは異なる、分厚い装甲を重ねた丸みのあるフォルム。

 肩の部分に刻まれたドラゴンのパーソナルマークが特徴の第二世代機。

 

 性能こそ高いがコストと乗り手の問題でほぼ廃れてしまった対ヒュージ用兵器であり、部隊での運用にあたって後方の仲間の盾となるべく改造(カスタム)された特別機であった。

 普段は盾役(タンク)である機体とその搭乗者を隠密用魔道器(バッグワーム)を用いて伏せ続けていたのはこの時の為。

 

「さすが頼りになるぜ。

 おかげで届きやすくなった」

 

 乾坤一擲―――最初にして最後の賭け。

 我が身を省みぬ無茶に応え、迅は己の懐から黒い魔道器を引き抜く。

 

 

「風刃―――起動」

 



 

 

「風刃」*3相性:風 攻撃力:94 命中:120 回数:4~6 

扱いが難しく量産されなかった剣型魔道器。

様々な隊員の手を渡り続け、最終的な持ち主となった。

《未来視》*4自身の命中・回避を2段階上昇させる(常時)。

⇒最大強化により3段階上昇している。

著しく劣化した未来視の力だが、数秒先程度なら問題なく見える。

《格闘武器》*5追加で格闘武器をもう1つ装備可能となる。

円環の御手と呼ばれるレアスキルに近い技術。

「グラーシーザ」*6風属性攻撃の威力アップ。

普段使いの剣型魔道器。

《武器の心得》*7通常攻撃の攻撃力が50%上昇する。

《双手》*8通常攻撃を2回行う。

 

 

【 風の剣閃が拘束された機兵へと疾る! 】

 

 

 それは幾重にも重なる不可視の刃。

 

 予算度外視で開発されたが、あまりに扱いの難しかった剣型魔道器―――通称“風刃”。

 今や迅の代名詞ともなったそれから繰り出される風の斬撃は都合12閃。

 実力派エリートの自称に違わぬ超絶技巧と未来視のレアスキルが合わさり、何者にも回避する事を許さない。

 単体への火力だけで言えば雨柳さえも上回る、666部隊最強の攻撃手(アタッカー)の業を受けて―――。

 

 

「で?」

 

―――《■死の者》―――

 

 

 それでも届かない。

 

 奇襲が成功しても黒の機兵には傷一つ付けられなかった。

 ブースターを吹かせ、地面に押し付けるように拘束しているというのに欠片も動じていない。

 精々周りの瓦礫や障害物を巻き込むようにして斬り飛ばしただけに終わる。

 このまま呼吸が途切れて相手が動き出せば一瞬で消し飛ばされるだろう。

 

 

 

 

『生憎だけど俺たちは釣り駒だよ……やれ!』

 

 だから―――本番はこれから。

 

 

 

 

「あっちで1杯奢る!」

 

―――《魔道の剛力陣》―――*9

 

【 魔道器の輝きが味方を強化する《攻撃力一段階上昇》! 】

 

「キショイんだよサイコ野郎!!」

 

―――《魔道の剛力陣》―――*10

 

【 魔道器の輝きが味方を強化する《攻撃力一段階上昇》! 】

 

「とにかく積みまくれぇっ!!」

 

―――《魔道の剛力陣》―――*11

 

【 魔道器の輝きが味方を強化する《攻撃力一段階上昇》! 】

 

「待ってましたぁっ!!」

 

―――《魔道の破防陣》―――*12

 

【 魔道器の輝きが敵を弱体化させる《防御力一段階低下》! 】

 

「消されても、一気にやっちまえば関係無いよな……!」

 

―――《魔道の破防陣》―――*13

 

【 魔道器の輝きが敵を弱体化させる《防御力一段階低下》! 】

 

「こいつで決まりだっ!!」

 

―――《魔道の破防陣》―――*14

 

【 魔道器の輝きが敵を弱体化させる《防御力一段階低下》! 】

 

 

味方陣営攻撃+3

敵陣営防御-3

 

 

 一瞬で重ねられる強化と弱体化(バフ・デバフ)の嵐。

 敵が動く度に解除されるというなら、動く前に最大限重ねるだけの話。

 全員に瞳に燃え盛る炎と闘志が宿る。

 

 

「「「行くぞぉおおおおッ!!!!」」」

 

 

【 666部隊が疾風怒濤の攻撃を開始する!!】

 

 


ASSIST ATTACK!  ASSIST ATTACK!  ASSIST ATTACK!  ASSIST ATTACK! 


 

「アシストアタック」*15アシストゲージが最大(八段階目)時に発動する。

パートナーたちが状況によって回復や補助スキルを使用。

最後に全員による万能相性の総攻撃を行う。

攻撃の威力は参加した人数が多いほど増加する。

 


ASSIST ATTACK!  ASSIST ATTACK!  ASSIST ATTACK!  ASSIST ATTACK! 


 

 

 剣、槍、銃弾、爆撃―――四方八方からあらゆる攻撃が機兵目掛けて一斉に降り注ぐ。

 これまでの鬱憤を晴らすかのような、味方を無視して撃ち込む最大火力の一点集中。

 かつてアルトラ級を粉砕してみせた、チームで繰り出す最終手段。

 

「囲んで棒で叩く! 古事記にも載ってる由緒正しい戦法だよなぁっ!?」

 

「殴れ殴れ殴れ!! 全部吐き出して行け!!!!」

 

 個人の力で届かないのならば、仲間と力を合わせるだけの事。

 如何な強固な装甲であろうとも、この怒涛の攻撃(万能)に耐えきれるものではない。

 部隊の息が続く限り攻撃は止まらず、やがて土埃が巻き上がって全てを覆い隠した。

 

「―――――」

 

 静寂が戦場を支配する。

 手応えはあったが、結果はどうなったのか分からない。

 耳に届くのは仲間たちの荒い息遣いのみ。

 

 ―――生きているか?

 ―――死んでいるか?

 ―――傷は負わせたか?

 ―――まだ動けるのか?

 

 誰も疑問を発さないまま数秒経過し、風が吹いて土埃が薄れて行き―――。

 

 

「………これでも駄目か」

 

 

 数秒先の未来を幻視して。

 ため息を漏らすように迅がそう呟いた。

 

 

 

「残 念 だ っ た ね 」

 

 



 

 

《不死の者》*16特定条件を満たさないダメージは0となり、BSも無効化となる。

条件を満たした場合であってもダメージを大幅に軽減する。

⇒執着によって発現した異能が超常の力によって強化されている。

闇の翡翠(トラペゾヘドロン)*17全ての攻撃の威力が5倍となる代わりに耐性が無くなる。

光り輝く偏四角多面体、あるいは超増魔軌。

絶大な力を与えると同時に、闇をさまようものと繋がる触媒でもある。

 

 

 土埃が晴れた先にいたのは、先ほどと同じ姿のまま立っている黒い機兵だった。

 剣も槍も銃弾も爆撃も、今までの攻撃と同じく無意味に終わっている。

 対称的に足元には友軍相撃(フレンドリーファイア)で半壊した味方の機体が転がっており、それが意味するのは明白だった。

 

 ―――666部隊の牙は、何をどうしても大沢に届く事は無い。

 

 こちらの火力不足、相手の装甲の硬さ、レアスキルによる不可視のバリア。

 あるいはヒュージが持っている属性への耐性。

 そんな単純なものではなく、もっと上の概念とでも言うべき護り。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 だとすれば過剰火力による突破など論外。

 屏風に描かれた虎を殺してみせると言っているようなもの。

 世界の仕組みに対する知識が足りないからこその誤算で、限界であった。

 

「―――クソッタレ」

 

 悔しそうに誰かが零して―――手番が回る。

 

 

                                                                   

 

\EMEMY TURN/

【ターン が 切り替わる !】

 

                                             

 

 

「実際よくやったと思うよ。

 君たちじゃなかったらボクもここまで足止めされなかっただろうし」

 

 操縦席で機械腕に取り付けられた結晶を軽く撫でつつ大沢が口を開く。

 

 それは称賛ではなく、単なる事実確認だった。

 服が汚れたから口に出したといったレベルの反応。

 独り言に近い物であって、次の行動に何ら影響を及ぼすものではない。

 

 

「けどさ―――ボクらの世界(ソラ)に他人は要らない」

 

 彼だけの真理と共に、黒い機兵の装甲が一部展開された。

 

 

《Sデカジャ》*18敵味方の能力上昇/低下及び結界系魔法を破壊する。手番ごとに自動発動。

《Sランダマイザ》*19敵全体の全能力を1段階低下する。手番ごとに自動発動。 

《一気通貫》*20コマンダースキル。

味方全体が敵の属性相性を無視してダメージを与えられる。

《第六天魔王》*21魔力相性のダメージが1.5倍となる。

スキル使用のMPコストが0となる。

《魔界のしらべ》*22敵全体に魔力属性の魔法ダメージ。低確率でCLOSEの効果。

 

【 黒の機兵から必滅の波動が放たれる! 】

【 全ての強化/低下・反射結界が破壊される! 】

【 敵の全能力値が1段階低下する! 】

【 ターン中、大沢の攻撃が相性を無視して貫通する! 】

【 超増魔軌が第六天魔王の権能を引きずり出す! 】

【 展開された部分から翡翠色の輝きが溢れる! 】

【 何もかもを消し飛ばす滅びの呪詛が謳われる!! 】

 

 

 そして、翡翠色に輝く呪詛(ウタ)が666部隊の全員を容赦なく飲み込んだ。

 

 

 

*1
※DSJ

*2
※覚醒篇

*3
※※偽典 「風塵剣」

*4
※真Ⅳ 《龍の反応》 ※200X 《特定スキルの強化》

*5
※200X

*6
※メタファー 「風神の剣」

*7
※メタファー

*8
※デビサバ

*9
※メタファー

*10
※メタファー

*11
※メタファー

*12
※メタファー

*13
※メタファー

*14
※メタファー

*15
※真ⅣF

*16
※2000X改変

*17
※新約LB2

*18
※偽典&200X

*19
※真ⅤⅤ&200X

*20
※DSJ

*21
※IMAGINE特徴

*22
※真Ⅲ

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