ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで   作:ノートン68

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前回のあらすじ

リーダー「オーナーが、オーナーが!!」
AL-1S「正気に戻れい!!」全力ビンタ
リーダー「ぐふぁッ!?」

ミノリ?「独学で習得した複製技術でクリフォト召喚!」
カイ?「失うくらいなら此処で死ぬ!」

〜例の赤冬BGM〜
チェルノボグ「コイツら面白www」

大体こんな感じ。

お待たせ致しました、ホモくん視点です。

慣れない人称で書くもんじゃないや()
今回も小説パートでお送りします。



ホモ:オリジン

 

黒き神格に斬られた私は自分の死を確信した。

 

 

アレは普通の斬撃ではない。

刃が私の体と接触した瞬間、()()()()()()を刈り取る斬撃だと直感した。

斬撃を受けると何かが欠けた感覚と共に、私の意識は薄れつつあった。

 

だからこそ身を呈してリーダーを突き飛ばしたのだが……。

我ながら馬鹿な事をしたと思う。

 

自身の命を考えずに行動するその浅はかさ。

これでは先生の事を悪く言えないな。

結局は私も同じ穴のムジナだったと言うわけだ。

 

私の長年の計画は水泡となった。

あぁ、無念だ。悔しくない筈がない。

色彩打倒という目標には辿り着けなかったのだから。

 

だがあの終わり方で良かったと思う自分もいる。

 

道半ばで絶えるのではなく、私は全て出し尽くした。

研究も兵力も全てを使った上での完全敗北。

あそこで神格に目をつけられた時点で、私の負けは確定していた。

 

元々私の()()()()()()()()だった。

色彩に奪われたもの達への、私の身勝手な復讐心からはじまったもの。

当事者からすると傍迷惑かもしれないが、それでも私はこの怒りを抑えずに居られなかった。

 

後悔は──そうだ一つだけある。

 

チームⅤ達の安否だ。

敵があの強さでは、無事全員が逃げ延びることが出来るだろうか?

私の事なんぞすぐ見捨てて撤退していればいいが……。

恐らく助け出そうとするだろう、彼女たちは善良だから。

 

目的を聞かずに付いてきてくれた彼女たちには感謝しかない。

願わくば全員無事に生存してくれ。

祈る神は持ちえないが、今だけは彼女達の身の安全を祈ろう。

 

 

私の物語はこれで終わり。

最低限の仕事はした、後は先生や黒服に任せて私は眠るとしよう。

 

 

そう、思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「もうここへ来る事は無いと思っていたのだがな。」

 

 

何故か意識が回復したあと、私は()()()()()()()()()()()()()へと降り立っていた。

そう、似ているだけで以前とは異なる。

 

霧は晴れ、水平線まで景色が丸わかり。

()()()()()()()()()()()も無くなっており、とても良い景色だと言えるだろう。

辺り一面が人の気配のない廃墟だという事を除けばだがな。

 

それともう1つ。

私の世界では自由に物を出し入れ出来たのだが、この世界では使えない。

 

つまり私の精神世界では無いという事だ。

だが景色は酷似しているように思える、無関係という事はないだろう。

 

 

「私には天国も地獄もないと?分かってるじゃないか。」

 

 

てっきり死んだ後は地獄行きだと思っていたが、そうではないらしい。

可能性は低いが、もし現実世界なら人が居るかもしれんな。

 

私はアテもなく彷徨うことにした。

記憶にある精神世界と同じであれば良いのだが……。

 

 

 

閑散とした廃墟をひたすら歩く。

 

 

 

ただただ歩く、本能赴くままに。

 

 

 

足は止まらない、ただある一点にのみ向かっていく。

 

 

 

……おかしい。

私はこの土地に詳しかっただろうか?

 

この世界は恐らく()()()()()()だ。

記憶を殆ど失ってる私に土地勘なんて全くない。

だと言うのに私の体は確信でもあるかのように一定方向へと進んでいる。

まるで思い出したとでも言いたげに。

歩き続ける。

 

 

 

見覚えのある場所まで戻ってきた。

以前は霧が深く、ここまでしか進むことが出来なかった。

 

あの時に目印としてつけた木の枝は……()()()

やはり此処は精神世界なのだろうか?

 

景色だけではなく雰囲気すらも違う。

前の世界は不気味さがあったが、今は晴れ渡った空の元そんな雰囲気は感じ取れない。

あの神格の刃を受け入れた事と、何か関係があるのか?

私はまだまだ先へと進む。

 

 

 

歩いてると、時折何かを思い出せそうな感覚に陥る。

だがハッキリと思い出せない。

まるで記憶を上から蓋で閉じ込められてるような感覚だ。

この感覚はミノリと話した時の感覚と似ているような……?

ダメだ考えが纏まらない、歩き続けるしかない。

 

 

 

前の私の記憶には興味がある。

今までは色彩の件で気にする暇も無かった。

このまま探索すれば記憶が戻るという予感があるからかもしれない。

 

──戻ったら私はどうするんだ?

更に私は歩き続ける。

 

 

 

遂にあの場所へとやってきた。

眠ると必ずどこへ行ってもこの場へリスポーンしたが……。

この前にセイアと鍋パした時の焚き火は、既に燃え尽き炭が広がっている。

 

 

「……どうやって付けたんだったか。」

 

 

徐に手を焚き火だったモノにかざしてみる。

当たり前だが火はつかない。

魔法使いじゃないんだ、精神世界で出来たことが今は出来ないということは知っていたのに。

 

 

「何をしてるんだ私、は──?」

 

 

炭が再び燻り始めたのだ。

沈黙した炭は赫く焼け始め、段々と燃え移るように広がってゆく。

やがて火種は立派な炎へと変わり果てた、同じ炎だと言うのにこんなにも暖かく美しい。

 

 

あぁ、あぁ!!思い出した、思い出したぞ!!!

 

 

火が広がるにつれて記憶が次々と入ってくる。

遠い誰かの日記録が、私の記憶へと改正されてゆく。

 

 

紛れもない、これは前の私の記憶。そして──

 

 

「私の推測は、間違いではなかったのだな。」

 

 

思い出したソレは、全生徒を犠牲にしても世界ひとつ救えなかった弱き者の記憶であった。

 

 

未完のパズルを埋めるかのように少しずつ欠けた記憶が戻っていく。

 

 

かつて軍属でそこそこ有名だった私は先生を夢見ていた

 

 

ある日私宛に来た箱庭への招待、先生としての赴任依頼

 

 

しかしウキウキで赴任した先は、滅びが決定づけられた箱庭で

 

 

誰も彼もが心の底では滅びを受け入れていた

 

 

でも中には絶望的な状況でも、滅びに抗おうとする強き少女達が居て

 

 

箱庭の滅びを回避する重責を背負わされた彼女が居て

 

 

始めはギスギスしながらも順調に希望の種を撒いて

 

 

希望へ向かって進むにつれ、いつしか多くの生徒が協力してくれるようになって

 

 

そして──

 

 

誰よりも希望を待ち望んでいた筈の彼女が反転して

 

 

生徒を天秤にかけた私は彼女を、生徒に手にかけて

 

 

そこからドミノ倒しのように不運が重なって──

 

 

仲間を、生徒をどんどん失って

 

 

焦った私は色彩にしてやられ、行動不能となった己の不甲斐なさを呪った。

 

 

そこで終わってしまえたら、どれほど良かったかだろう

 

 

目を覚まして見たのは、生徒達が炉へ身を投げる光景だった。

 

 

「せめて先生だけでも」とドンドン生徒達は身を投げていく。

 

 

意識が復活したばかりの体は動かず、私はただ光景を見るだけの無能で

 

 

そんな生徒達の意向を無下にしてまで、色彩を滅することに決めた私は

 

 

色彩を()()()滅することは出来なかった

 

 

私は先生に成るべきではなかった

 

 

そこで記憶の奔流は止まった。

全てを思い出した、悲劇の数々を、私が犯した罪を。

なんとも愚かで、なんとも救えない記憶だろう。

 

それでも私は、この記憶を思い出せて満足していた。

 

 

──思い出せる事が、こんなにも良きことだったとは。

 

 

今までの色彩への怒りは、名も知らない前の私への手向けであった。

であれば、であるのならば。

 

 

「こんな所で終われるはずがない!!」

 

 

未練はないと言ったな?アレは嘘だ。

たった今ひとつできたぞ、死んでも死にきれないレベルの未練が。

 

 

この未練が許されない事を知っている。

自分に資格が無いことも分かっている。

先生だったモノの残香である私にはすぎたる願いだと言うことは。

 

 

失敗した私にそんなチャンスがあるとすれば──

キヴォトスに到来する厄災である色彩、奴を今度こそ滅する事だ。

それが私なりの罪滅ぼしであり、次に向けて歩く免罪符となる筈だ。

 

 

「私は今度こそ先生になってみせる。」

 

 

()()()

 

 

まずは目の前の生徒を救わなければな?

 

 


 

 

ホモが目を覚ますまでの間、チェリノ率いる親衛隊は割と善戦していた。

最初の方こそ黒き神の圧倒的なスペックに翻弄されていたが、部隊を複数に分けて挟撃と言うには過激な全方位攻撃を行った。

 

 

──これは、良い

「ワハハハハッ、いいぞー撃て撃てー!!思い知ったか!!」

 

 

権能が使えたのなら話は違っただろう。

だが親衛隊は強く、しぶとく、何より数がクソほど多かった。

(Gに在らず)

 

ダメージの通ってる感じはあんまりないが、それでも優位なのは変わらず赤冬側だった。

楽勝ムードのチェリノに1人の局員が近づいてきた。

 

 

「チェリノ局長、少々よろしいでしょうか!?」

「オイラの肩書きを省略するな!!」

「そんなことは置いといて。」

「おい!?」

 

「弾薬がそろそろ尽きそうです。このままではまた盛り返されます。」

「な、何ィーッ!!?」

 

 

部隊を散らして全方位から撃ってるのだ、弾薬の消費は通常のそれではない。

ものの数分で今の優位は覆されるだろう。

 

リーダー達もそれを感じ取っていた。

どうせ生徒会がやられたら次は自分たちの番だ。

イザとなれば、オーナーはAL-1Sに守らせて──

 

そんな思考を止める声が聞こえた。

待ち望んだ男の声が。

 

 

「その必要はない。」

「ッ!?オー「うぁぁぁんッ、死んじゃったのかと思いましたぁ!!!!」……。」

 

 

見たこと無いスピードでコユキがホモへとダイブする。

いつもニハニハ笑ってる顔は見る影もなく涙でグシャグシャである。

 

ホモから骨が軋むような音が聞こえるが、当人は引き離すことなくコユキの頭を宥めるように撫でている。

 

急にホモが起き上がったということもあり、フリーズしていたチームⅤだったがようやく回復し涙目ながらホモに言葉をかける。

 

 

「お帰りなさいませ、本当に……ッ!」

「うあぁ、うあぁあ……。」

「的中、当機の言った通りでしょう?オーナーは無事だって!」

「AL-1Sにも礼を言う、チームⅤを抑えてくれたんだろう?」

「ッ!?」

 

 

急に頭を撫でられた事で驚愕、そして困惑するAL-1S。

撫でてもらうのはこれが初めてではない、任務終わりなどお願いすればいつだってしてくれた。

 

問題は戦闘中、それも学園生がいる中でホモが自らの意思で撫でてきた事。

ホモ自身からAL-1Sを撫でたりする事は全くない。

求められない限り、そういう事は必ずしなかったのだ。

 

いつものオーナーじゃない、心做しか纏う雰囲気も違う。

どっちかと言うと柔らかくなったという印象を受けるが……。

 

心配になったAL-1Sはオーナーに声を掛けようとするがホモは少し離れたところに居るカイに目を向けて──。

 

二人とも無事であったが、万全とは言い難い。

特にカイは外見から分かるほどに体調が悪そうだ。

黒い光沢のあるチャイナドレスは朱が染み付いている。

此方に気づいたカイは血を口から垂らしながらも手を振ってきた。

 

 

「……後は任せてくれ。」

お、オーナー?

 

 

かつてない怒りの感情。

骨であるが故に感情の起伏を捕えづらいホモだが、喜怒哀楽をここまでハッキリと表すところをAL-1Sは初めて目撃した。

滅多に見せない感情に充てられ、AL-1Sはホモを見送るしか出来なかった。

 

 

 

そんな事を考えているとは露も知らず、ホモは杖──『バレル』を握りしめ何かを唱え始める。

 

 

我々は証明する楽園の在処を、我々は集う最終焉にて

 

 

──接続申請、承認

──申請者■■■■、改め申請者ホモと接続します

 

──並列動作確認、反応無し

──死■■軍■の情報取得に失敗しました。

──緊急プロトコル発動、バレルの非常運転を開始

 

──機能の正常動作を確認

──神秘の貯蔵残量問題なし

 

 

 

──オールクリア、神格の殲滅を開始してください

 

 





名称:バレル

銀色に輝く金属質のそれはホモが杖として利用すると丁度いい長さとなる為、専ら杖として愛用している。
キヴォトス中どこにも売っていないホモだけの杖である。

というのは嘘である。

最近までホモはこの杖の正体を知ることは無かったが、今回ハッキリと記憶を取り戻したおかげで『バレル』の真価に気がついた。

その正体は対神格殲滅兵装の一部品である。
単品での使用例は次話で明らかになるだろう。

次回も小説パートです。
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