Gungrave D.S.F.L   作:白黒モンブラン

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─作戦第二段階─


EP-Extra Grim reaper in a girl's tears 5.5

潜水艇が第二作戦の場所となる領域に到達。

揚陸艇から地へと降り立つ彼ら、彼女らは作戦通り行動開始し、研究所の外殻部へと向かっていた。

遠くから戦闘の音が聞こえるというこの状況。完全に遅れを取ったと思っても可笑しくはない。

遅れを取り戻す為、部隊は研究所の外殻部へと駆け出していく。

ふとその時、行動している一人であるSOPⅡがあれ?と不思議そうな声を辺りを見渡し始めた。

そんな彼女を後方で見ていたM16が駆け出しながらも声をかける。

 

「SOPⅡ、どうした?」

 

「なんか…一人足りなくない?」

 

「何?」

 

馬鹿な、とM16は思った。

揚陸艇から降りて今に至るまでメンバーが何処にいるかなど把握している。

メンバーの誰かが勝手な行動を取ろうものなら瞬時に気付いて呼び止めている。

にも関わらず勝手に消えた一人はM16に気付かれる事無く独断行動をしたと来た。

そんな事が出来るヤツは…と思った矢先、M16はハッとした表情を浮かべ辺りを見回した。

居た。居たのだ。自分に気付かれる事もなく、独断行動を出来る奴が。

 

(まさかと思ったが…センサーに反応されない程までに気配を消せるなんてよ…!!)

 

二度、三度と辺りを見渡す。

だが、そこに彼女が探している人物はいない。

 

(何処に行ったんだ…)

 

時々聞こえる棺桶の音。

けど、今はその音すら聞こえない。

つまりそれは…

 

「アッシェ…!」

 

勝手に消えたのはアッシェであるという事だ。

 

 

 

 

部隊が研究所へと行動開始し始める10分前……。

揚陸艇から降り立つ面々の中にアッシェの姿はあった。

戦闘は既に始まっているものの、シャマール自ら前線に出ている事が影響しているのか、ある程度は抑えている状況にあった。

 

「……」

 

戦いの音が遠くから聞こえる。

その方向へと視線を向けるアッシェ。

駆け足で彼女の横を通り抜ける人形達。集結地点へと向かうその姿を一度見つめた時、彼女はゆっくりと誰にも悟られる事もなく、その場から歩き去った。

何時もなら聞こえる筈の棺桶の音が、人形達の駆け出す音によってかき消させる中、静かにゆっくりと…。

 

「……」

 

理由はあった。

元より彼女は部隊行動するつもりなどなかった。

加えて動き出したのが今という事もあって遅れが出ている事も大きい。

歩幅を合わせて動く位なら単独で動いた方が早い。そう言った理由で彼女は別方向から研究所の外殻部を目指す事にしたのだ。

 

「…」

 

己の感覚のみで外殻部へと目指す。

部隊から離れて、一人駆け出すアッシェ。

気付けば部隊の姿が見えなる程の距離まで差し掛かった時、ふと彼女は足を止めた。

外殻部に到達した訳ではない。だがそこには古びた倉庫らしき建物が立っていた。

研究所の職員が置いたものだろう。普段ではそのまま通り過ぎるアッシェだが、まるで何かに引かれるようにして倉庫内へと足を踏み入れた。

 

「…!」

 

屋根に開いた穴から差し込む日の光。

それに照らされるようにして、そして訪れたアッシェを出迎えるようにして一台のバイクが鎮座していた。

バイクにしては大きすぎる車体とタイヤ。

人一人どころか二人は乗せられるのではないかと思えるほどの大きなサイドカー。

塗装は所々剥げており、埃をかぶってはいるが元々は赤色に染められていたのが分かる。

そんな特徴的な形をしたバイク。他の誰が見ても初めて見る形だろう。

 

「……」

 

そして車体に備え付けられたサイドカーには、妙な物が乗せられていた。

ボロ布に巻かれ、その姿を晒さんと言わんばかりに巻き付けられた無数のベルト。

しかしその形は『十字架』とはっきりとしており、ボロ布の上からでも分かる程。

得体の知れないナニカではあるが、アッシェは気にする様子すらなくバイクへと歩み寄る。

背負ったデスホーラーをサイドカーに放り込み、エンジンを起動。

重々しく響くエキゾーストノート音が高らかに鳴る。見てくれこそはオンボロだが中身は今も尚、動けると言った様子である。

 

「……」

 

これなら部隊よりも早く外殻部に到達する事が出来る。

そう確信したアッシェはグリップを捻りバイクを急発進させ倉庫の扉を突き破ると外殻部を目指した。

 

 

ボリショイカーメニ極秘研究施設外殻部。

そこへと向かっていくは新ソ連及びパラデウスの混成軍。

殺意と暴力、無慈悲によって編成された部隊はそこに立つ者を一切の容赦なく殲滅する。

武装した兵士の姿も見受けられるが、この場にいる以上は人としての感情は切り捨てているに違いない。

だからこそ慈悲は無くし、無慈悲になる。そして疑わない。

己がしている事は正しいのだと。

自ら見出した答え。そう思い込んでいるだけの答えを胸に混成軍は外殻部へと向かう。

そしてその近くまで来た時、兵士の一人が何かを見つける。

 

(あれは……人、か…?)

 

兵士が思った様に、確かにそこには人が…一人の女性が立っていた。

白いコートを纏い、二の腕に巻き付けた鎖の先には巨大な棺桶を吊り下げている。

そして肩に担ぐように手にしたソレは十字架の形をしていた。

 

(牧師のつもりか…)

 

そう思うも慈悲は存在していなかった。

障害となるものは排除する。洗脳とも言えるまで刷り込まれた命令を忠実に遂行する為に手にした銃を構えた矢先の事であった。

 

(ッ!?)

 

兵士はまず己の目を疑った。

ボロ布の上から巻き付けられたベルトが一挙動で解かれ、その直後に現れた十字架の本来の姿を。

数トン…いや、数十トンはあるであろうソレ。

展開された装甲の間から現れた重機関砲の姿。

そんな化け物を軽々と振るい、その銃口を自分達へと向ける女性の存在に目を疑った。

 

(何だ、アレは…!?)

 

兵士の問いに誰も答えない。

その代わりに答えのは外殻部へと向かう混成軍へと向かって放たれる大量の銃弾。

そこに立つ者を無慈悲に吹き飛ばし、装甲に覆われた敵を容易くハチの巣へと変えていく。

反撃を試みようとする存在もあるが、銃を向ける前に重機関銃の餌食になる。

絶えの無い銃弾の嵐。崩れ往き、積み上がる屍。

状況をひっくり返された今に兵士は思う。

 

(あ、れは……死神、なのか…)

 

自ら見出した答えに裁きを下しに来た存在を、薄れゆく意識の中でそう認識するのであった。




自由に書いておりますが、良いのかね…こっちは勝手に突出している訳だが…。

はい、外殻部にてアッシェさん、単独で戦闘開始です。

では次回ノシ
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