「…!」
あの戦いからどれ程の時間が経ったのか。
少しばかり眠りについていたアッシェは、上半身を起こし周囲を見渡した。
つい先ほどまで居た研究所内部ではない。ここはカーテンによる仕切り、しかし明るく、ベットの周囲には医療器具の様なものが見える。
「…」
微かに聞こえる駆動音。
その時点で彼女は気づいた。ここは潜水艦内で、その中にある医療室であるという事を。
戦いは終わったのだろうか。
研究所で暴れまわり、軽い機能停止状態にあったせいもあって状況はわからずじまい。
だがここに運び込まれたという事はそういう事なのだろうと判断したのか、アッシェはゆっくりとベットから降りた。
もう一度周囲を見渡せば、そこは確かに医療室である事を確信する。
備え付けのキャビネットには愛用しているケルベロスとオルトロスが置かれており、近くの壁にはデスホーラーが立て掛けられている。
誰かがわざわざ装備を外してくれたのだろう。しかしその誰かは此処にはいない。
どうしたものかと思い悩むアッシェ。すると医療室のドアが開く音が響き、誰かが室内に入って来た。
「見舞いに来る必要なんてあるんですかぁ?それもこんな大人数で」
「私や貴女は兎も角、グレイとグリクは救われた身です。家族を救ってくれた恩人に礼を言うのは当然と思いますけどね」
「家族ねぇ…」
聞き覚えのない声。
だがその一人の口から出たグレイとグリクの名。
それを聞きアッシェはこの医務室に入って来たのはプラメドとモリドーだと判断した。
「指揮官とやらも目覚めたと聞いた。後は彼女だけだが…」
「目覚めていると信じたいな」
そして聞こえたグレイとグリクの声。
どうやらこの医務室に入って来たのはプラメドとモリドーだけではなく、グレイとグリクもそうだったらしい。
最上位ネイトの四人がわざわざ見舞いに来るなど普通であればありえない。
だがアッシェの功績は大きい。困難とされる最上位ネイトの二人を救助しているのだから。
「そうですね。…おや?」
「アッシェ…目を覚ましたのか」
プラメドがカーテンを開くとそこには何時もの様子のアッシェが立っていた。
「…」
「無口ですねぇ…。私に向かって大口径の弾丸をブッパした奴には思えないんですけど」
声を掛けられても、変わらず沈黙を貫くアッシェにモリドーが呆れながらも肩を竦める。
だがグレイとグリクはアッシェという人物がどういう性格なのかは知っている為か何も言わなかった。
「色々聞きたいという感じの顔だな」
「少し会ったばかりなのにアッシェが言いたい事が分かるのか、グリク」
「あの指揮官と同じ位、眠っていたんだ。誰だって状況が気になるのは当然だろう」
グリクの台詞にその場に居た全員が確かにと頷く。
状況を説明してくれると判断したのかアッシェはグリクの方へと向く。
説明を求められていると感じたのか、グリクが状況を話し出した。
「…という事だ。指揮官からすればやる事は全て終えたと言った所だろう。後は何かやるらしいが…まぁ私達やアッシェが出張る様な事はないだろうな」
「…」
あの戦いの後、仮眠を取っている間にすべき事は終えていた事を知ったアッシェ。
これ以上出張る事はないと知らされると、彼女はベットの上に腰かける。
何もないのであれば、武装する理由もない。
向こうが何かすると言えど、自身に関係ないのであれば尚の事。
武器を手に取る気にすらなれず、アッシェは静かに終わりが来るのを待つことにした。
「…」
シャマールが何をするのか知った事ではない。
全てが終わっているのだ。どうでも良い事に加担する気など無い。
その判断の元、アッシェは静かに待つ。
今出来ることなど、それしかないのだから。
こちらではお久しぶりです。
今更になってというのもありますが……コラボに参加している以上は内容も締めくくる内容は描きたいと思います。なんもかんもぶん投げするのは、個人的な意見としては良い気はしないので。
主催者様の所も終わりが近づいていますので、こちらも終わりを締めくくる話をかなり遅れながらも投稿させて頂いた次第です。
寧ろ主催者様には大変お待たせしてしまい、大変申し訳ございません。
これにてコラボ編の話は終わりとします。
またこの作品は私の判断で、削除または非公開のどちらかを選ぼうかと思っている次第です。
人知れずこの作品が消えたら、そういう事だと思ってください。
ではノシ