Gungrave D.S.F.L   作:白黒モンブラン

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──害虫駆除──

※2023/05/26
投稿する際に並び替えをせずに投稿してしまった為、再度投稿いたしました。
ご迷惑をお掛けして申し訳ない


EP-Extra Grim reaper in a girl's tears 2.5

巨体から繰り出される一撃。

それら全てが即死へと繋がるものである事を、ステップを踏みながら銃撃し続ける彼女は知っている。

それでも尚、浮かべる表情に焦りが無い。

ケルベロスの弾丸が偏向障壁に阻まれ自身の攻撃が全く通らず、防戦を強いられている状況を理解して尚、この化け物に対して勝てる見込みがあるとでも言うのだろうか。

 

「……」

 

パトローラから繰り出される恐ろしい攻撃を避けつつケルベロスの引き金を引くアッシェ。

次弾が発射される瞬間を狙い、本体へと連射するも放たれた弾丸は全て偏向障壁によって阻まれてしまう。

ケルベロスの弾丸は弾かれ、激しい攻撃によりデスホーラーを構える間すらない。

このまま逃げるだけの状況が続く。

そう思われた矢先、地を這う存在が中々に倒れない事に業を煮やしたのかパトローラが動き出した。

 

「……!」

 

それは相対しているアッシェにとっても驚きであった。

鉄に覆われた巨体が、有り得ない勢いで空へとジャンプしたのだから。

単なる回避。だがあれほど優勢であった筈のパトローラが無意味な行動をするであろうか。

いや、違う。あれは単なる回避ではなく攻撃だ。

それを素早く認識するとアッシェは地面を蹴り後ろへと飛び上がりながら、咄嗟に手に持ったケルベロスを重力に引かれて降下してくるパトローラへと放った。

僅かな間に二丁の巨銃で二十発以上の弾丸を撃ち出す驚異的な早撃ち。

しかしそれら全てはパトローラが展開する偏向障壁によって阻まれてしまうであろう。

だが、アッシェの目に映ったのは放たれた複数の弾丸の全てがパトローラが備えるプラズマ砲に直撃する瞬間であり、プラズマ砲は内部から食い破られるかのように火を吹いた途端、爆発した。

 

「…!」

 

背中から地面に着地したと同時に体を一回転させデスホーラーの振り上げを反動に素早く立ち上がるアッシェ。

両手のケルベロスと己の視線をパトローラへと向けると遠距離攻撃の手段として放っていたプラズマ砲は木端微塵に破壊され、使い物にならない状態になっていた。

つい先ほどまでは一発たりとも通さなかった偏向障壁。何故あの時だけに攻撃が通ったのか。

戦いの最中ではあるが、試しにと思いアッシェはパトローラに向けてレフトヘッドを一発だけ撃った。

放たれた弾丸は巨体へと向かうも、やはりと言うべきか偏向障壁に阻まれてしまい弾かれる。

 

「……」

 

ジャンプした時のみ攻撃が通る。

であれば、ここからはそれを狙うのが最適と言える。

しかしだ。敵がそう何度も弱点を晒すであろうか?

否、それはあり得ない。

遠距離攻撃が無くなった今、攻撃手段は跳躍からの踏みつぶしか強靭な脚による蹴りでの接近戦だろう。

前者は弱点を晒してしまう可能性がある。であれば残る後者のみの攻撃を多用する可能性がある。

加えてだ。万能者を助け出す為に行動し、このパトローラと戦い始めてから時間がかかっている。

これではパラデウスに好き勝手させるだけの時間を与えてしまう。

今までみたく撃っているだけでは埒が明かないのをアッシェは分かっている。

 

「……」

 

パトローラが動き出す。動きこそは遅いが、強靭な脚でアッシェを踏みつぶそうと襲い掛かる。

それと同時にアッシェは地面を蹴った。

周囲に立つ廃墟を破壊しながら突進してくるパトローラに背を向ける様に駆け出す。

彼女は向かう先は、万能者が埋もれている瓦礫の山。

それへと向かっていくアッシェを逃がさんと言わんばかりにパトローラは一気にジャンプ。

瓦礫の山を駆け登るアッシェを、巨大な影が覆う。

やがてそれは段々と広がっていく。すなわちパトローラが降ってきてる証拠に他ならない。

そしてお互いの距離がすぐそこまで迫った時、アッシェは足場が崩れるのではないかと言わんばかりに脚力で跳躍。

次の瞬間、瓦礫の山にパトローラが飛来した。

破砕音が周囲に響き渡り、落下の影響で瓦礫の山の一部が崩壊。

舞い上がった土埃の中から、ゆらりとパトローラが姿を現し丸みを帯びた頭を瓦礫の山の頂上へと飛び上がるアッシェを捉える。

そんな彼女を追いかけようとパトローラがその脚を動かそうとした時、突如として視界がぐらりと傾いた。

 

「!?」

 

傾き始める巨体。

倒れまいと脚を固定しようとするも、中々固定には至らず空回りするのみ。

何が起きているのか。もしパトローラに人格というものがあればこう思うに違いない。

であれば、種明かしと行こう。

とは言え、そう難しい事ではない。アッシェが選択した方法は実に簡単なものである。

人一人が駆け上がるのであれば、瓦礫で出来た山の足場の不安定など大して問題にはならない。

では、パトローラの様なあれだけの巨体が伸し掛かればどうなるか。

当然ながら足場は一気に不安定になり、巨体が故に体は傾いてしまい、ご自慢の脚も上手く機能しない。

パトローラの脚を上手く機能出来ない状態へと誘い込む

それが瓦礫の山へと駆け出したアッシェの狙い。

そして彼女の狙い通りに事は流れ、漸くとも言うべきか攻撃の時がアッシェに訪れる。

 

「……!」

 

宙へと投じた身を反転つつ鎖と繋がったデスホーラーを掴み、自身の前へと振るい上げる。

するとデスホーラーに施された髑髏の目が薄っすらが輝きを放ち、アッシェがその両腕を伸ばした瞬間、赤黒い稲妻と共にデスホーラーが二つに分離。

分かたれた武装棺桶は自らその姿を巨大な刀身を宿した武器へと変え、死神の腕にへと収まる。

そして彼女の体は重力にひかれて降下開始し、パトローラを正面に捉えつつ瓦礫の山から飛び出た鉄骨を自らの降下速度を速める為の足場代わりにと言わんばかりに思い切り蹴り飛ばし、一気に加速。

風を切る音すら聞こえてきそうな速度でパトローラへと迫り、その間合いがほぼゼロへと迫った瞬間──

 

「……!!」

 

死の駆動(Death drive)の巨大な刃が白き巨体へと食らいついた。

そこに立つもの全てを切り裂く刃。それが装甲に覆われた巨人でも関係なし。

内部を切り裂く金切り音が悲鳴へと変じ、飛び散る火花が鮮血を、飛び出る部品が臓物を彷彿とさせ棺桶から飛び出した死の刃はパトローラの中身をバラバラに切り裂き、そのまま偏向障壁発生装置を破壊。

自身を守るものがボロボロの装甲だけとなった時、パトローラの内部から爆炎が噴き出し、その中からアッシェが飛び出す。

分離したデスホーラーを元の形態へと戻しながら、空中で身体をパトローラの方へと振り向かせる。

そこに残るは中身をズタズタに切り裂かれながらも、その脚で辛うじて姿勢を保ち続けるパトローラの姿。

とは言え、ほぼ虫の息。放っておけば勝手に自滅する。

だが、そんな猶予を与える程…灰被りの死神は優しくない。

寧ろ与えるのは──最期を告げる破壊の一射(FINAL DEMOLITION SHOT)のみである。

 

「…」

 

空中という不安定な状態でありながら、何とか己の体を制御しつつデスホーラーを振り上げ前へと展開。

同時に棺桶は左右に広がる様に展開し、まるで十字架を思わせる様な形態と移行し無数の小型コンテナが露わになる。

それらが一斉に展開されると中から大量のマイクロミサイルが迫り出し、虫の息であるパトローラへと向かって一斉に襲い掛かった。

誘導性の無いマイクロミサイルがまるで死の雨(blood rain)を彷彿とさせ、それら全てはパトローラに直撃し、小規模な爆発を伴ってパトローラが持つ装甲を木端微塵に破壊していく。

装甲を彩る純白は失われ、それはやがて真っ黒な鉄くずへと変じていき、巨体は体中から爆発を起こし痙攣したかの様に、その体を跳ね上げていく。

だがそれで終わらないのがアッシェ。マイクロミサイルを大量に放つ形態から、素早くデスホーラーを変形し大型のガトリングガン、死の運び手(fatelity bringer)を展開。

内部からの爆発によって体を跳ね上げるパトローラへと目掛けて、ガトリングガンを発砲。

驚異的な連射によって放たれる無数の弾丸が鉄屑と化した装甲を吹き飛ばし、露わとなった中身を貫く。

空中で反動を強引に抑えながら放たれ続けた弾丸。

大量の薬莢と共にアッシェが地面に着地した時、初めて相対した時のパトローラの姿はそこにはなく、無残な姿でゆっくりと瓦礫の山へと崩れる鉄の塊が存在していた。

 

「…」

 

巨体がゆっくりと崩れ、瓦礫の山に倒れる。

その体から発火した炎が、偶然にも瓦礫の山に埋もれていた複数の燃料タンクに引火した瞬間、瓦礫の山を吹き飛ばすような爆発がパトローラごと飲み込み、空へと向かって爆炎が昇りキノコ雲が形成される。

爆発によって巻き上げられた瓦礫が降り注ぐ中、アッシェは瓦礫を蹴り飛ばし、中からとある人物が飛び出すのを見つける。

 

「あ~…漸く出れたぞ…。あの狙撃手め、ホントやってくれる」

 

あれほどの爆発をほぼ至近距離で受け、瓦礫の山の外部からも相当の攻撃が飛んできたにも関わらずその体には大した傷が見受けられない。

それどころか軽く肩を回し、周囲を見渡せる程の余裕があるのは実に彼らしいとも言えるだろう。

 

「しっかし誰が瓦礫を退けて…って、ん?あんたは……アッシェか?」

 

鉄屑と化したパトローラを背に静かに彼を見つめるアッシェ。

名を呼ばれながら見つめてくる彼女に瓦礫の山から生還した彼…万能者はさて、ここからどうしたものかと思うのであった。




はい、パトローラをぶっ壊すと同時に物理と爆発を用いて瓦礫を撤去、万能者の救援完了。
あとは流れに任せましょう。

ではここいらで今回出したデモリッションショットの紹介を。

:Death drive
デスホーラーを二つに分離させ大剣へと変形させた後に一直線に突進しながら複数の敵を切り裂くデモリッションショット。
ガングレイヴゴアにて登場した。

:blood rain
デスホーラーを地面に叩きつけた後に、左右に展開させ内蔵された大量のマイクロミサイルを多方向に放つデモリッションショット。
本来であれば地上で使うものであるが、今回は空中で強引に使用。
Death driveと同じくガングレイヴゴアにて登場した。

:fatelity bringer
デスホーラーをガトリングガンへと変形させ、一つの対象に対して集中砲火を浴びせるデモリッションショット。
ガングレイヴODにて登場。

※fatelity bringerの事を死の運び手と勝手に訳しているけど、翻訳機能を用いて訳しているので間違っていたら申し訳ない…。誰か英語分かる人居たら教えて…
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