ポケットモンスター 緋めし記憶と花色の夢路   作:kozmo78

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後書きの方に人物紹介があります。


第3話 海の匂い&人物紹介【ヒギリ】

 

  「ハイハイハイ!今日の競りは朝一で獲れた真ダイでっせ~!」

 

  「ハイこっちはボウルタウンから入荷した新鮮なあま~いりんごだー!」

 

 

 

 ひと段落してルルサさんと提案で街に繰りだすこととなったが、扉を開けて歩き出した途端聞こえてきたのは客に呼びかけるような大音声であった。

 

 

「この街はマリナードタウンって言ってな、聞こえてきてるこの競りをしてる市場が有名なんだ!俺もそこで売るための魚とかを獲る仕事をしてる。」

 

「へぇー………」

 

「前回漁をしてた時にさっき見せたミガルーサを海で泳がしてたんだがな、目を離してたら意識のないヒギリを連れてきてよ、そんな事なかなか…って言うか初めてだったしな。実際見つけた時は死体の方が可能性高いかと思ってた、すまんな。

 そん時一緒に助けた港に居たメンツも市場に居るだろうから合わせてやりたいんだ、俺が看病することになったら『起きるまで休みで良い』と言ってたしあいつ等も心配してたと思うぞ!」

 

「是非会わせてください、ちゃんと感謝したいです。」

 

「分かった!じゃあまず市場行くか!」

 

 またあの冗談もあったが、新しい情報を知れた。

 自分を救うために思っていた以上の人が関わっていたらしい。恩返しをすべき人たちに報いなければいけないが自分が記憶喪失であることを知ったらどう思うかは少し不安だ。

 

 

 初めてこの街を歩くこととなるが、歩みを進めていくうちに市場の方から流れてくる潮風と……少しばかりか視線を感じる。

 考えてみれば当たり前だ。ルルサさん自身のこの街での知名度は分からないが、よく見る(かもしれない)人の横に見知らぬ子供が居たら多少なりとも注目されるだろう。

 

 そんなことを考えていたら視線の一つ、半袖姿で釣り具を持った男性が近づいてきた。

 

「ォハヨーッス……ルルサさん、そっちの男の子は?」

 

「ヒギリっつうんだ、漁の時海で溺れてたんだ。」

 

「あーっ噂で聞いてたあの子供か!はじめまして…だな。何処に住んでるんだ?」

 

 

「………すみません、どう説明したら良いんでしょうか…」

「すまんな色々あって記憶喪失なんだ!」

 

「うわっそりゃ災難だったな………、オレはカジって言うんだ!何かあったら頼ってくれよな!」

 

「ありがとうございます……その時はよろしくお願いします。」

 

「よろしくな!…じゃあまたな!」

 

 

 そんな会話をしながらカジさんと別れた。

 初対面の人と会う度に現状を弁解しなければいけないと思うと申し訳なく感じてしまう。 しかし、

 

「ヨロシク!」「店来たら奢ってやるよ!」「次遊ぼうね!」「魚のことなら任せて!教えてあげるよ」

………

 

 年齢問わず色々な人にあったが、会う人会う人が親切な方々でありがたかった。

 

 多くの人との邂逅を経て市場に着いた。

 家の前の時点で聞こえていたが、客の居ない場所が無いほどにどの店どの場所も賑わっていた。港が近いためか海産物を扱う店が多く、潮風の中に感じた魚や海草の匂いが混ざった空気をより感じた。

 

 人込みの中を進んでいくとルルサさんと同じくらい年代の人たちがある飲食店の中で談笑していた。

 厚めの長袖を纏った服装を見るあたり先程の漁師仲間の方々であることを理解した。

 第一声で自分の現状を伝えた方が良いかどうか考えていたら、

 

「久し振りだなお前ら!遂に起きたぞ!」

「おお!良かった良かった!」

「それでなヒギリって言うんだが記憶が無くてな!記憶が戻るまで俺んちで住むこととなったんでな、ヨロシクな!」

 

「ウェッ!?」「マジか!?」「エッ!?」「大丈夫なんか!?」「え?あ、はい」

 

 早速打ち明けたことが衝撃的だったために聞いた全員が驚いたが、その全員の中には自分も含まれていた。こんなに簡単に言ってしまうとは………もしかしたら罪悪感を持って対応していた自分を見て肩代わりしてくれたのかもしれない。

 

「基本的には家事だけ手伝ってもらうだけで良いけど、もし仕事も手伝いたかったらこいつらとも関わると思うんでな……じゃあお前ら自己紹介!」

 

「オッケー分かった!オレは………

 

 

 

 

 そうして自分……“僕”の新しい生活が始まった。

 

 何もない自分に物事を、居場所を、食事を、ポケモンについてを………

 様々なモノを恵んでくれた。

 

 ルルサさんの家事や漁師の仕事などの手伝いをしているが、これだけでは自分を助けてくれた人への恩を返せるとは思えないし、思いたくない。

 自分がやるべきことは記憶を取り戻すことだけしかない。

 

 目覚めた日から眠りにつくときは夢の中で思い出そうとしている。

 しかし夢を自由に操作するチカラなんてないし、偶然なんてほぼ起きていなかった。

 

 だが思考の暗闇を泳ぐ内に自ずと湧いてきたモノ……感情がある。

 前の幻聴と同様に何の確証も無いが、夢に堕ちる度に少しずつ心に滲んできた。

 

 

 それは漠然とした“恐怖感”………それもポケモンのようなモノに対してだった。

 




【人物紹介】

名前:
 ヒギリ

年齢:
 ?歳(見た目では14~16歳)

容姿:
 緋色に染まる髪が首辺りまで伸びていて、髪同様に緋色の眼を持つ。
 
【挿絵表示】


性格:
 見た目年齢以上に思慮深く、自己犠牲への躊躇がない。
 記憶喪失と他者への恩義により自分に対して厳しくネガティブ思考に陥りやすい。

好きなもの:
 人からもらったモノ(特に魚料理)


(人物紹介といったものの現状だと判明しているものが少ないです すみません)

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