ボられるかボられないか。それが問題だ   作:あずき@

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タイトル詐欺です。


【外伝No.4】桃太郎

昔々、あるところに、ネテロおじいさんとビスケおばあさんがいました。

 

ある日、ネテロおじいさんは山へ感謝の正拳突きに、ビスケおばあさんは川へスクワットをしに出かけました。

 

すると川の上の方から、大きな桃が流れて来ました。ビスケおばあさんは喜んでその桃を拾い上げると、家に持ち帰りました。そしてネテロおじいさんが帰ると二人で桃を切って食べようとしました。

 

すると桃の中から「おじいさん、おばあさん、待って下さい」という声がして自然に桃が割れ、中から小さな男の子が飛び出してきました。

 

二人はこの子を育てることにし、桃の中から生まれたのですが、「ゴン」と名付けました。

 

やがて、ゴンが大きくなって『ゴンさん』になった頃、村にはパームが出て人々を困らせていました。するとゴンさんが「おじいさん、おばあさん、俺はパームを退治しようと思う。パームの住んでいる東ゴルトーまで行って退治してきますので、お弁当に肉ダンゴを作ってくれませんか?」と言いました。

ネテロおじいさんとビスケおばあさんは驚いて止めましたが、ゴンさんの気持ちは変わりませんでした。そこでゴンさんの言うとおり、肉ダンゴを作って持たせてあげました。

 

ゴンさんが東ゴルトーへの道を歩いていると、王直属護衛軍の一匹がやってきて、ゴンさんに言いました。

「ゴンさん、お腰につけた肉ダンゴ、ひとつ私に下さいニャン」

 

するとゴンさんは答えました。

 

「あげてもいいが、その代わり俺と一戦交えてもらおうか」

 

すると王直属護衛軍の一人、ネフェルピトーことピトーは「ひっ!」

 

と言って、ゴンさんの家来になって付いていくことにし、肉ダンゴを諦めました。

 

ゴンさんがピトーを連れて東ゴルドーへの道を歩いていると、王直属護衛隊の一匹、モントゥトゥユピーがやってきて、ゴンさんに言いました。

「ゴンさん、お腰につけた肉ダンゴ、ひとつ私に下さいな」

 

するとゴンさんは答えました。

 

「あげてもいいが以下略」

 

するとモントゥトゥユピーことユピーは「滅私」

 

と言って、ゴンさんの家来になって付いていくことにし、当然、肉ダンゴを諦めました。

 

ゴンさんがピトーとユピーを連れて東ゴルドーへの道を歩いていると、シャウアプフ、通称プフが一羽やってきて、ゴンさんに言いました。

「ゴンさん、お腰につけた肉ダンゴ、ひとつ私に下さいな」

 

するとゴンさんは答えました。

 

「あげてもいいが以下略」

 

するとプフの顔は涙で覆われ「私めを存分にお召し上がりください」

 

と言って、ゴンさんの家来になって付いていくことにし、この上ない至高と極上の歓びをもらいました。

 

ゴンさんはピトーとユピーとプフを連れて東ゴルトーに乗り込みました。

まずプフが空から東ゴルトーの門の中に入り、かんぬきをあけました。

 

そこへゴンさん・ピトー・ユピーが飛び込みました。

 

パームも抵抗しましたが、4人もがんばりました。

 

ピトーがパームに噛みつきます。

 

ユピーがパームをひっかきます。

 

プフがパームをつっつきます。

 

そしてゴンさんは拳一つで戦って、とうとうパームの大将を降参させてしまいました。

 

パームは今まで村々から奪った宝物をゴンさんたちに差しだし、もう二度と乱暴を働かないから付き合って、とのたまいました。

 

なんとかパームを撒いたゴンさんたちはもらった宝を荷車につみ、村に持ち帰ってみんなで分けて、仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし。おしまい。

 

…………とはいかず問題はその後に起こりました。

 

ネテロおじいさんとビスケおばあさんが謎の病に突然倒れたのです。

 

床に臥す二人がゴンさんに最期の頼み事をします。

 

「ワシらとガチで戦ってくれ」

 

ゴンさんはにべもなくそれを了承しました。

 

そして翌朝早朝、村の中心に位置する広場にて三人は対峙していました。

 

本人らの要望により、立会人として参加したピトー、ユピー、プフ以外、ギャラリーは一切ありません。

 

それはつまり周りを一切気にすることなく全力を出せるということを意味しているのでした。

 

「嬉しいのォこの年で挑戦者か血沸く血沸く」

 

「ヤダよォ。おじいさん。こちとら随分前から腹ペコなんだ。私の分も取っといておくれよ?」

 

「こればっかりは早いもの勝ちじゃからなんとも言えんのォ」

 

「気概だけは認めてやる。お前等もうおやすみ」

 

「……桃が……上から物言ってんじゃねーーーーーーぞ‼︎」

 

ネテロおじいさんの百式観音の一撃によって戦いの火蓋は切って落とされました。

 

…………………

………………

……………

…………

………

……

 

 

 

 

攻防は一進一退でした。

 

ネテロおじいさんが『百式観音壱乃掌』を放てばゴンさんは、それを白刃取りし、その際、お留守となっている足元に放たれるビスケおばあさんの下段回し蹴りもインパクトの瞬間、ビスケおばあさんの足の甲を滑るようにターンすることで回避するのでした。

 

ゴンさんがお返しとばかりに、じゃんけんパーによるエネルギー波を放てば、双方、天高く飛び上がり回避します。

 

宙に浮いた状態のネテロおじいさんはビスケおばあさんに背後から百式観音の張り手を放つとビスケおばあさんは足に溜めたオーラでそれをおもいきり蹴り出してゴンさんの頭上目掛けて飛来します。

 

隕石の落下を彷彿とさせる一撃が大地を大きく抉り、三人はそのまま地下に通っていた水脈内へと落下していきました。

 

無事、着地したゴンさんですが、どうやら先程の攻撃で右肩を負傷してしまったようです。

 

ネテロおじいさんが言いました。

 

「ここは墓場……貴様のな」

 

繰り出された百式観音による一撃がゴンさんの右半身を執拗に攻めたてます。

 

勢いよく吹き飛ばされたゴンさんの進行方向にはビスケおばあさんが既に待機していて、ゴンさんが間合いに入ると同時にオーラを纏った拳を放ちました。

 

「『マジカル☆パンチ』‼︎」

 

ピンボールよろしく今度は前方へと飛ばされるゴンさん。

 

そのまま勢いよく壁にめり込んでしまいました。

 

「ばあさん! 一気に決めるゾ‼︎ ワシに合わせろ‼︎ 『百式観音九十九の掌』‼︎!」

 

百式観音から無数の張り手がゴンさんに向かって放たれます。

 

「『マジカル☆ロケット』‼︎!」

 

ビスケおばあさんは何十体もの『クッキーちゃん』を勢いよくぶん投げます。

 

ソレらの攻撃が全て、未だ壁に挟まって身動きが取れないでいたゴンさんにクリーンヒットしました。

 

度重なる衝撃で地下は全壊し気が付けば三人は広場へと戻ってきていました。

 

全身をボロボロにしたゴンさんが「べっ」と血混じりの唾を吐き捨て言いました。

 

「気が済んだか?」と。

 

(直撃したはず…硬い…‼︎)

 

「『参乃掌』‼︎」

 

百式観音から伸びた左右の掌がゴンさんを勢いよく挟み込みます。

 

(…もう退けねェのよ)

 

「ばあさん‼︎ 今だッ‼︎」

 

「マジカル……エネルギー波ァァァァ‼︎‼︎‼︎」

 

ビスケおばあさんの放った特大エネルギー砲がネテロおじいさんごとゴンさんを飲み込みます。

 

「ハァ…ハァ…やったか⁉︎」

 

そんなビスケおばあさんの期待は脆くも崩れ去りました。

 

砂煙の中から現れたのは、片膝を着いたネテロおじいさんと平然とした様子で仁王立ちをしているゴンさんの姿だったのです。

 

「……其の方が己を高めんが為、捧げ続けた永き時、その成果。しかと受け取った。

 

一個が修練の末、届き得る限界。それを卓越した稀有な事例といえよう。

 

天晴れだ。誉めて遣わす」

 

そう言いながらゆっくりとビスケおばあさんの元へ近付いていくゴンさん。

 

「くっ…!」

 

もうダメだ、そう思われた次の瞬間、突如、ゴンさんの背後から百式観音が現れて有無を言わさぬ慈愛の掌衣でもって対象を優しく包み込み、ネテロおじいさんの渾身のオーラを目も眩む恒星のごとき光弾に変え撃ち放つ………

 

無慈悲の咆哮である

 

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

 

 

 

 

 

「まさに個の極致。

 

素晴らしい一撃であった」

 

(零でさえも…………)

 

「おじいさん‼︎」

 

「来るなッ‼︎‼︎‼︎」

 

「ジャン…ケン………」

 

…………………

………………

……………

…………

………

……

 

 

 

 

幾度となく振り下ろしたのであろう血に塗れた拳が既に屑切れの様に横たわるネテロおじいさんの頭部を砕きます。

 

「もう……もう私達の負けでいい! だから止めておくれッ‼︎」

 

ビスケおばあさんが懇願します。

 

するとゴンさんは静かに立ち上がり呟くように言いました。

 

「カイト。教わった通り…とどめを刺したよ」

 

((((誰⁉︎))))

 

その場にいたゴンさん以外、全員の気持ちが一つになった瞬間でした。

 

めでたしめでたし。

 

おしまい。

 

 

 

 

 

 

 

「………寝たか? イブ」

 

「ううん。それは無理」

 

「そうか……もうおやすみ………」

 

「ひっ! あっ、いやそっちの意味じゃないか……」

 

「? ……とにかく明日は早いからな。念の特訓…始めるんだろ?」

 

「うん! ………ねぇ、お父さん?」

 

「ん? なんだ?」

 

「私、頑張るからね‼︎」

 

「…………ああ。期待しているゾ」

 

イブ=フリークス、5歳。春の出来事だった。




どうも。あずき@です。

今回、引用元がガッツリあったので楽した感が否めません(汗)

なんか申し訳ないです。
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