ボられるかボられないか。それが問題だ   作:あずき@

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入院中は筆が進む進む!(但しクオリティに比例するとは言ってない)

ではどうぞ!


第12話

ここまで来るのに紆余曲折あったものの、とうとう試験も残すところ後2つ。

 

1つはゼビル島と呼ばれる孤島で行われるナンバープレート狩り。

 

そして最後が負け抜けトーナメントである。

 

先ずはこのナンバープレート狩りを無事クリアしなければ始まらない。

 

イブは改めて気合いを入れ直すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

(とかなんとか意気込んでみたものの……まさか私のターゲットがよりにもよって44番《変態》だなんて………ハァァ〜…」

 

「ダメだよ? 溜息なんて吐いちゃ(ハート)」

 

「ギャァァァァア‼︎ エンカウント早えぇぇぇッ‼︎」

 

へっぴり腰になりながらも慌てて後方に距離を取るイブ。

 

一方、ヒソカは鼻歌交じりにゆっくりと近づいて来る。

 

「くっ……こうなりゃ何度だってヤってやる! コイッ‼︎」

 

戦闘態勢に入るイブを前にヒソカは舌舐めずりをしてニタリと笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

あれから1時間余りが経過した。

 

が、未だ決着は付いておらず、双方、血で血を洗う戦闘を続けていた。

 

「ホラホラどうしたんだい? そんなんじゃいつまで経ってもボクは倒せないよ?」

 

「くっ! うぉぉぉぉおッ‼︎」

 

イブのラッシュが次々とヒソカに向けて放たれる。

 

「ゲブッ! ポヒッ! ドゥイッ! ギャバッ! ジャギ‼︎」

 

ヒソカはそれを余すとこなく全身で受け止め地面に仰向けになりながら倒れ伏す。

 

が、しかし直様、反動を利用して立ち上がると再び口を開いた。

 

「ホラホラどうしたんだい? そんなんじゃいつまで経ってもボクは倒せないよ?」

 

「うっ…! うわぁぁぁぁあッ‼︎」

 

イブのラッシュが次々とヒソカに向けて放たれーーーー

 

 

 

 

 

 

「ホラホラどうしたんだい? そんなんじゃいつまで経ってもボクは倒せないよ? どんと来い!」

 

「 なぜだぁぁぁ!! なぜぇぇ死なねぇぇぇ!」

 

その後もひたすら殴り続けるが一向に堪えた様子がないヒソカ。

 

(ヒソカの)血で(ヒソカの)血を洗う争いは、どうやらまだまだ終わりそうにないらしい………

 

 

 

 

 

 

3時間後…

 

「ハァ…ハァ…ハァ……ど、どんなもんよ‼︎」

 

イブの目の前には嘗てヒソカだった『ナニカ』が転がっていた。

 

流石のヒソカも限界を迎えたらしくピクリとも動かない。

 

その後、イブはゆっくりと近づき、素早くバッチをもぎ取ると、一目散に駆け出した。

 

(これで3点ゲット! 後は一週間、ひたすらバッチを守り切れば……って結構キツくないか……?)

 

 

 

 

 

 

 

暫く歩いているとようやく水場のあるポイントへと到着した。

 

(せめてコンパスくらいは必要だったかな…ここまで来るのにだいぶかかってしまったし……まぁ最悪、今も監視してきている協会の人を利用するまでね)

 

などと黒いことを考えているうちに陽が没ち夜がやってきた。

 

(さて、と……先ずは敵さんがどう動くかを見極めなきゃね。そのためには、罠を仕掛け……ッ! 誰か来た……)

 

慌てて草叢に隠れるイブ。

 

はて? 何か変だ?

 

イブが最初にそう感じたのは、今となっては、全く意味の無いことだが、とりあえず当初から何かしらの小さな違和感を既に感じていたことをご理解いただきたい。

 

視界の先に現れたそれは、そもそも闇に乗じるタイプどころか、威風堂々こちらへ向かって真っ直ぐに歩いてくる巨大な人影……一見するとそれは野生の熊もかくやと言わんばかりの体躯で、イブと比べれば正しく『父』と『子』程の差があった。

 

(⁇ あんな受験生いたかな?)

 

イブは指を輪っかにする通称〝あれ? ワシより強くねェ?〟式『凝』でまずはその容姿(シルエット)を確認。

 

まぁ、さすがに全ての受験生をチェックしていたわけではないにしても、ああまで目立つ存在がいれば個人を把握、特定していない方が寧ろおかしいくらいだろう、と思い必死に頭を巡らせるイブだったがどうしても思い出せない。

 

しかし次の瞬間、煌めく月明かりが、一瞬、敵の顔を照らし出した事で、それらの努力が一切合切無駄であった事がわかった。

 

「なっ⁉︎」

 

そのあまりの驚愕に敵に居場所がバレる事など遠に忘れて草叢から立ち上がるイブ。

 

そんなイブの様子を見て足を止める来訪者。

 

「アナタ……いったい何者ですか?」

 

若干、後退りしながら冷や汗混じりにそう問い掛けるイブ。

 

「………親の顔を忘れるとは、かなり参ってしまっているようだな? イブ」

 

「そ、そんな馬鹿なことあり得るわけないでしょ! どうせ幻か錯覚による攻撃に決まってるわ‼︎」

 

「いいや。それは違う。そんなこと『くらい』は、実際に対峙していオマエ自身ならわかっているはずだろう?」

 

「うっ……!」

 

イブはぐうの音も出ない。何故なら

目の前に立つ男から放たれる存在感は、どう見ても実際のそれであったし、何より肌で感じる威圧感がそのことを証明していた。

 

「オレの名は、『ゴン=フリークス』正真正銘本物だ‼︎」

 

 

 

 

 

 

イヴはひたすら草叢を掻き分けて逃げた。

 

(とりあえず距離を取らねば! 最低でも13kmは‼︎ )

 

コレがイヴ流たった一人の人海戦術である。

 

とは言え今もまさに危ない極みに来ており、後方では祟神ならぬ祟髪の黒々とした触手が木々を次々となぎ倒して向かって来ていた。

 

このままではダメだ! と、思われたたその時、イヴの視界の先に一件の山小屋が入ってきた。

 

ちょうどいい、とばかりにそこに飛び込む。

 

中はそこそこの大きさでところどころに斧やナイフ、鉈に猟銃などが飾られていた。

 

よく見ると壁や木製のテーブルの上に野生動物の剥製肉と思しき物が置いてあった。

 

「囲炉裏がある……炭の感じからして最近留守になったばかり…かな? 少しだけ休ませてもらうか」

 

相当疲れていたのか、イヴはいつの間にかウトウトしており、肩口からタオルがかけられ囲炉裏の近くの藁の上にそっと寝かされていた。

 

軽い目眩を振り払いつつ周囲をゆっくりと見回すと奥の方に大きな人の背らしきものが見えた。

 

その背中、なんとゴンさんよりも一段と広く、パワーで自分が適う相手ではないことを悟り、どうにか試験終了まで友好関係を築けないか、と考えた。

 

「あの〜…すいませんでした。勝手にお邪魔してしまいまして」

 

イヴが出来るだけそっと話し掛けると、相手もゆっくりとこちらを振り返った。

 

男の具体的な年齢はわかり難いが、恐らく40は下らないだろう。エラとアゴの張ったホームベースのような顔で森の中には不釣り合いだか、何故か目元には黒のサングラスが装着されている。

 

男はイヴを目視しながら口元ににっかりと笑みを浮かべて言った。

 

「イヤイヤ。この島じゃよくあることさ。変な茸に変な野草、変な虫に体力衰弱による幻覚。ウチに逃げ込む理由なんざ数え挙げ出したらキリがない。お前さんもそのクチなんだろ?」

 

「え、あ、まぁ…似たようなもの……かなぁ?」

 

「おっと! 俺としたことがいけねェ

いけねェ。どうだい腹減ったろう?

 

今日は美味い熊が獲れたんだ。ちょうど一本道に木々を倒して置いた方向から下ってきた奴らしくてな?

 

知ってるか? 熊ってェのは、前足が極端に短けェから坂道をゆっくりと下ることしかでねェんだ。そこで眉間に狙いを定めて『ズドン』よ!

 

てなわけで刺身と鍋でも食ってきな!」

 

男は久々の客人だからかかなり上機嫌に語った。

 

イヴは遠慮することなく、恐らく父に化けた対象と憶しき熊を食した。

 

腹も落ち着いてだいぶ落ち着きを取り戻したイヴは、ここでようやく相手の名前を聞き忘れていることに気が付きいた。

 

「あっ、あの今更ですが! 貴方のお名前はーーー」

 

「ん? 俺かい? 俺の名はモラウ。この森に住む番人みてェなもんさ」

 

 

 

 

 

以来この島でモラウさんと過ごす日々はまるで第2の故郷と言わんばかりに充実していた。

 

毎日の様に自然と戯れ、様々な食べられる野草や動物を獲り、互いにひたすら笑いあった。

 

そんな幸せな日々は2ヶ月、3ヶ月とあっという間に経ぎていき、イブは当初の目的を完全に忘れてしまっていた。

 

そんなある夜、独り月を見上げるイブにモラウが背後からそっと尋ねた。

 

「こんなところでどうした? 早く中に入らないと風邪引くぜ?」

 

「ううん。ゴメンね。今夜はなんだか寝れそうになくて…」

 

「……隣いいかい?」

 

「え? うん……いいよ」

 

「ふぅ…風が気持ちいいな。たまにはこんなのも悪くない」

 

「うん。そうだね」

 

しばしの間、沈黙が続く。

「「あの(なぁ)」」

 

2人の声が重なり合って互いに先を譲り合った。

 

暫く譲り合った結果、最終的にイヴから話すことになった。

 

「最近ね? 私、思うの。このまま無理に戦いや競争なんかせず一生ここで平和に暮らせたらなぁって…でも私の血は戦うことに…それこそ呪いのように縛り付けらていて……やっぱり私にはそんな普通の暮らしなんか無理のかなァ、なんてね……」

 

「イヴ……お前さんは責任感が強い奴だ。だから独りで抱え込んで押しつぶされそうになっちまう。

 

そんなお前の小さなカラダを俺がこうして一生支えちゃだめか?」

 

白い煙の兎が写る満点の月のみが見下ろす丘でイヴとモラウは強く抱き合い、それからそっと2つの顔が重なり合った。

 

翌朝、いつも通り小屋の中で目を覚ましたイヴは、モラウが既に猟へ向かったことを確認すると、いつものように朝食の支度を始めることにした。

 

暫くしてそろそろ帰って来る頃かな、と思われたその時、突如、頭部から血を垂らしたモラウが突入してきて「早く逃げろ‼︎」と叫んだ。

 

イヴは半泣きでへたり込んでひたすらモラウにしがみついていた。

 

悲鳴もまともに立てられない。

 

するとモラウの背後…イヴの前方にヌッと巨大な影が現れた。

 

巨大な影は一瞬でモラウとイブの間に回り込み土手っ腹を〝ボッ″と天高く蹴り上げた。

 

次いで錐揉み回転しつつ口から真っ赤な雨を降らして落下するモラウの顔面目掛けて巨大な影の拳ーーーゴンさんの必殺のグーが放たれた。

 

ゴンさんはモラウの屍を前にゆっくりと振り返りこう言った。

 

「ごめん本当に殺しちゃうところだった」(・ω<) テヘペロ

 

……と。

 

「うっ……あ…あァ……うぅ…モラ…ウ……イ、イヤ! 嘘だよ…‼︎ 私…私……貴方がいないと……‼︎」

 

イブはハッとした。突如、モラウの大きな手で自らの手が優しく包まれたのだ。

 

モラウの割れたサングラスの下から慈愛に満ちた瞳が輝きジッと彼女を見据えていた。

 

モラウは2人が出会った時の様な爽やかな笑顔でゆっくりと口を開く。

 

「イブ……お前さんはなぁんも気にする必要ねェ。

 

とにかく今は逃げろ! そしてどうかシアワセーーー二ュンッ‼︎‼︎」

 

一瞬でモラウの首から上がイヴの横っ面を通過して飛んでった。

 

「カイト。教わった通り…とどめを刺したよ」ゴンさん→☆―(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエ―イ←カイト

 

ヒュオォォォォ……………

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………………

 

 

「この………………どッッッ畜生がァァァァァァアッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

 

………………………

……………………

…………………

………………

……………

…………

………

……

 

 

 

 

 

「………! ……ヴ‼︎ 起き……! イヴ…‼︎ 起きろってばオイッ‼︎」

 

何処かで聞き覚えのある声によりイブの混濁した意識が覚醒していく。

 

酷い息苦しさと頭の鈍痛に堪えつつゆっくりと上体を起き上がらせる。

 

そこは見覚えのない洞窟の側にある木の下で、すぐ目の前ではキルアとクラピカとレオリオが心配そうに此方を見ていた。

 

「あ、れ? ……私は何を……?」

 

するとクラピカが「あれだよ」と親指を横に向ける。

 

そこにはポンズ選手が同じく木を背にして眠りこけて居た。

 

「へ? 彼女が一体……?」

 

「バッッカ野郎‼︎ 無理ばかりしやがって‼︎ マジで死んじまうんじゃないかって思ったんだゾ‼︎」

 

「キ…ルア……? 泣いてるの?」

 

「ッ! んなわけあるかッ‼︎ 調子乗んなバ〜カ‼︎」

 

プイッと慌てて顔を背けるキルア。

 

それを見てヤレヤレと大仰に肩を上げるジェスチャーをするレオリオ。

 

「まったく強がりなのはテメェもだろォが……キルアの奴、それはもう大変だったんだぜ?

 

まぁ、そりゃそうだよな。

 

何たってイブときたらいきなり蛇使いに掴み掛かってしこたま毒蛇に噛まれまくったんだからよォ。

 

んでまぁ、例によってキルアがご自慢の爪でお前さんに絡みついた蛇を切り裂きまくったってわけよ」

 

「そっか……キルア……本当にありがとね?

 

よくよく考えたらキルアに毒効かないし私ってばホント迷惑ばかり掛けて……もうなんて謝ればいいか………」

 

「ぐす……もうイイよ。オレ決めたから‼︎

お前みたいな危なっかしい奴にはオレみたいなお人好しが付いてなきゃいけないって‼︎

 

いいか! よく聞けよイヴ=フリークス‼︎ お前は金輪際オレの側から離れんなッ‼︎‼︎ 分かったな⁉︎」

 

突然のキルアの告白に3人は驚きの表情を浮かべた。

 

その言葉に最初に反応を示したのはイブで彼女は夢で見た例の優しいあの人とそっくりそのままの笑みを浮かべて「こちらこそよろしくね」と言った。

 

 

 

 

 

スタート地点に戻ると既に幾人か選手が集まっていた。

 

と、ここでイブは慌てて周囲を見回した。

 

「どうした? イブ」

 

「い、いや。ヒソカが見当たらないから……ハッ! もしやアレもただの夢⁉︎」

 

しかしイブの懐中には44と書かれたナンバープレートがキチンと収まっていた。

 

ホッと息を吐くイブ。

 

その刹那、間髪入れずに肩をポンッと叩かれた。

 

「イヤァ(ダイヤ)そんなにも心配してくれるなんて嬉しいなァ(ハート)」

 

☢Caution!!☢Caution!!☢Caution!!☢

 

ヒソカのバックアタック発生ッ‼︎

 

「だからそういう出方止めろって言ってんだろォォォォォォッ‼︎」

 

 

 

〝ボッ″

 

 

 

 

 

 

「ドビュッシーーーーーッッッ‼︎‼︎‼︎」




テンテケテケテケテンテケテン♩

お〜いでおいで♩ こっちのヒソカはや〜ばいゾ〜〜〜♩

テンテケテケテケテンテケテン♩ テン♩ テーーーン♩
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