がっこうぐらし! 実績「二度と目覚める事のない悪夢」獲得RTA   作:ランディー55

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一ヶ月!? うせやろ!?
(期間空いて)すいません許して下さい、何でもしますから(何でもするとは言ってない)


アンビバレンツ

 女性恐怖症の主人公がひたすらゲボるRTA、はぁじまぁるよー。

 現在はだだっ子のめぐねえを寝かしつけ、トイレで毎度恒例のキラキラタイムをしてる所ですね。こんな頻度で吐いてたら食道ボドボドになってそう(小並感)。よく今まで普通に生活出来てたな…(困惑)

 

 お、収まったようですね。軽く口ゆすいで寝ましょう…と言いたいんですが今もう朝っすね、はい。眩しい朝日が昇ってます。

 このまま寝ると生活リズムが狂う~^ので典雅君には徹夜で頑張って働いてもらいましょう。ちゃんとやりがいの報酬もあるのでね(ブラック企業感)。

 とは言いましたがやる事自体はいつもの日常生活。通常時は連打ゲー、夜中はめぐねえのお兄ちゃんになるだけで見所さんも特に、ないです。

 

 なので甥の木村、加速しま――え? KRM姉貴?

 

「いやっ違っ…これは…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…酷い顔…」

 

 トイレの手洗い場の鏡に自分が写る。酷い顔だ。自分で言うのも何だが、目が死んでおり生気が感じられない。そんな自分にため息が出る。

 いつも通り、左手の袖をまくり傷だらけの上腕を出す。そしてカッターで切り裂いた。手首から真っ赤な血が滴る。痛い。

 

 …またやった

 

「…もう切る場所もないのに…何やってんだよっ…私は…」

 

 自分でも分かってる、こんな事しても何の意味もない。

 毎日毎日毎日毎日毎日毎日…夜な夜な手首を切り裂いて今では両腕の上腕が傷だらけ、最初は手首だけだったのに意味もなく続けてるうちにこれだ。

 自分でも何でこんな事してるのか分からない。だがやらないと気が収まらない。

 …自己嫌悪で死にたくなる。

 

「…先輩…」

 

 先輩の事はもう気にするだけ無駄だってのは頭では分かってるつもりだ。

 優先すべきはもういない人間より今生きてる人間。当然の判断だ。

 

 …だから…だから私も何か役に立つ事をやらなくちゃいけないんだ…。

 

 めぐねえが教師をやるように、りーさんが家計簿をつけるように、ゆきとたかえが周りを励ますように、鳳条が()()()()をやるように…。

 なら私も何かしなければならないのは当然の事。一人だけ何もしないなんて…上手く言えないがそれは駄目だろう。

 だけど皆は言うんだ、何もしなくていいと。

 私を心配してくれての善意100%の言葉だろう。だが私には「お前は邪魔だ」と言われてるようにしか感じれなかった。

 

「…今日も出来なかった…な…」

 

 あの日以降、鳳条とちゃんと話して和解したいのだが未だに踏み出せないでいる。

 何なら私がウダウダしてるうちに相手から謝りに来る始末。何で私が悪いのにあいつから謝ってくるんだよ…

 

 しかもあいつの事を考えてると、両立しないはずの感情で胸がもやもやする。

 はっきり言って私は先輩を殺したあいつが憎い。だが窮地から救ってくれた恩人でもあり…大好きだ。大好きなんだ…。

 この思いも伝えたい。でも今まで機会何て全て無駄にしてきた私が今さらあいつに告白…? 無理に決まってる。

 それに普通、初対面で殴られた相手と話そう何て考える奴はいない。今回はあいつから謝って来たが、本当は…心の中で…

 

「っ!!!」

 

 邪念を無理矢理振り払うべく、腕をカッターで深く切り裂く。今までの思考は痛みで一瞬にして消し飛んだ。

 

「っ~~…!」

 

 駄目だ、これ以上あいつの事考えてると頭がおかしくなる。

 それにそろそろ掃除して片付けないと、皆が起き――

 

「くっ…くるみ?」

 

 唐突に響いた低い声。声が聞こえた方向に振り向くと、そこにはさっき聞いた低い声の持ち主とは思えない女顔をした男がいた。鳳条典雅だ。

 

「そっ…その腕…」

「いやっ違っ…これは…!」

 

 動揺してカッターを落とす。必死になって言葉を捻り出そうとするが何も出てこない。一気に血の気が引く。

 

 こんな所見られたら…これからっ…どうやって皆に顔会わせれば…。そもそも何でこいつこんな時間に…、まだっ…6時なのにっ…!?

 

「たっ…頼む…!」

 

 鳳条にすり寄り懇願する。私の腕が鳳条の腹に当たりシャツが赤く染まった。

 

「皆には…皆には言わないで…! あの時の私みたいに殴って…ストレスの捌け口にしてもいいから…! やって欲しいなら…体でも…!」

「そっ…そんな事…」

「………やっぱり私に価値がないからか…?」

「…?」

「だって…そうだろ? お前が私に何もしなくていいって言ったのは…、私が何も出来ない無能だからなんだろ!?」

「何を――「そうなんだろ!!!」

「ひっ…!」

 

 急に表情を変えた鳳条がしりもちをつき、そのまま隅まで後ずさり腕で顔を隠し丸くなった。明らかに様子がおかしい。

 あれこれと声をかけてみるが鳳条は体を震わせて怯えるだけ。誰かから殴られるのを防御するような姿勢を取り続け、ひたすら嗚咽しながら許してと繰り返している。

 ふと、これが始まった初日にこいつが言ってた事を思い出した。多分母さんが原因、と。

 おそらく…と言うか確実に私が怒鳴った事でこいつのトラウマを思い出させてしまったんだろう。

 

 …これ、もしかしてこのまま好き勝手に出来るんじゃ…

 ――いや駄目だ! 何を考えてるんだ私は…

 

 頭を振り考えを改める。それよりトラウマを反芻したこいつの対処だ。

 

「ごめん…いきなり怒鳴ったりして…、もう怒鳴ったりしないから…」

 

 謝罪と共に頭を撫でる。すると腕をどかして顔を見せてくれた。

 

「え…あ…くるみ…?。…そっか…そう…だよな…、今目の前にいるのはあいつじゃない…あいつじゃ…」

 

 自分自身に言い聞かせる鳳条。

 あいつと言う人物が気になるが、掘り返していいものではなさそうだ。

 

「…あー…あの…さ、ここじゃアレだし…場所変えて…お前と二人で話がしたいんだけど…いい?」

 

 目元が赤い鳳条は静かに頷いた。呼吸を整え震える体でゆっくりと立ち上がる。

 支えてやろうかと思ったが、こいつには逆効果にしかならなさそうなので止めた。服にはべっとりと私の血が付着している。

 

「先…行ってて…。着替えて来る…」

「あ…うん…」

 

 手洗い場を洗い流し新しい包帯を使って腕の傷を塞ぐ。それが終わり部屋まで行くと、鳳条の方が早かったのか部屋の長机の隅に座っていた。

 服もシャツを新しい物に変え上着を羽織っている。

 

「…何か…いる? 飲み物…とか…」

「…コーンスープ…まだある?」

 

 棚を開けると丁度2つだけ残ってた。ポットのお湯と共に粉を入れる。

 いい匂いと共に湯気が立つ。時間もまだ余裕があるしゆっくり出来そうだ。

 

「これ…最後…?」

「…そうだな…」

「取って来ないとな…」

「…今じゃなくていいだろ…。てかまた一人で下に行ったのか…?」

 

 あれだけめぐねえとりーさんに止められてたのに。特に最初の時何て散々詰められてたな。

 

 出来ればこんなやんわりした会話を続けていたいが、長々してる訳には行かないので本題に入る。

 

「……ごめんな、さっきは怒鳴ったりして…」

「いや…」

「…許して…欲しいんだけど…」

「別にいいよ、これぐらい。悪いのは俺だし…」

「…優しいよな…お前は…」

 

 沈黙が流れる。

 

 今だ、今言わないでいつ言うんだ…!

 何故か言おうとすると口が、体が固まる。ただ一言、お前が好きだと言うだけなのに。

 

 そんな私の内心も知らない鳳条がスープを啜り飲み干し、口を開いた。

 

「…変な言い方だけど…兄妹の仲がいいって、良いこと…だよな?」

「…?」

 

 長い沈黙を打ち破ったのは、あまりにも斜め上の質問だった。

 

「そりゃぁ…良いことだと思うけど…」

「…悪い、変な事聞いて。ちょっと…妹の事思い出してさ…」

 

 鳳条の女性恐怖症も収まったのか慣れたのか、今ではだいぶフラットに喋るようになった。まだ触られるのは嫌らしいが。

 …私のせいでリバウンドしてないといいけど、この様子なら大丈夫そうだ。

 

「――あぁ、もうこんな時間か…」

 

 何処か遠くを見た、儚げな表情をした鳳条が立ち上がる。

 

「悪いけど…これ洗ってもらっていい?」

「…うん…いいよ、それぐらい…」

「じゃあ俺…ちょっと“用事”があるから」

「…また…下に行くのか…?」

「…ちょっと…な。…じゃあ」

「あっあの…!」

「?」

「いや…その…気を付けて…って言いたかっただけ…それだけ…。…気を付けて…」

「…ありがと」

 

 薄い笑みを浮かべた鳳条が扉を閉め部屋を出ていった。

 

 …情けない、結局伝えたい事は伝えられなかった。今回何てあれだけ望んだ二人だけの空間なのに。もっと自分から喋ればいいのに…それが出来ない…。

 そんな後悔や一瞬だけ言及された鳳条の妹を考えながら食器を片付けてると、注意散漫からか食器を崩しかけた。

 幸いにも被害はないのだが、上から何か落ちてきた。雑誌…にしては薄い、パンフレット…か? 何だこれ?

 

 ええと…[緊急避難マニュアル]…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 え、ええ…(困惑)。もしかしてKRM姉貴メンヘラ化してる?

 いやでもちゃんと役目を与えてればそんな事起きないはず…

 ちゃんとかれらの対処が――あ、そっかぁ(盲点)。今回探索と掃除は全部典雅君がやってたのかぁ…

 …これどうしよ? 下手するとガチメンヘラになりますねクオレワ…。今日中に対策を考えましょう。

 と、言う事なのでゆきちゃん、KRM姉貴が何か役目が欲しいと仰有ってるのですけどどうすればいいですかね?

 

「うーん…。役目何てなくてもくるみちゃんがいてくれればそれだけで楽しいよ!」

 

 うおっ眩しっ。

 別に嘘は言ってないんですが、まさか馬鹿正直にKRM姉貴がリスカしてるのを伝える訳にもいきませんしねぇ…

 

 あ、やべ体力が

 

「? てんくんどうしたの?」

 

 さっき徹夜するとは言った物の流石に重労働の翌日に徹夜は厳しいようですね。

 それに免疫力が下がってる状態で病気になると下手すれば悪化して死ぬ事もあります。

 さっき購買部から掻っ払って来たエナジードリンクに頼り過ぎるのも良くないですし…仕方ありません、まだ昼過ぎですがもう寝ましょう。

 バリケード先輩も完璧に機能して防いでくれてるようなので。

 健康が一番、はっきりわかんだね。

 

「もう寝るの? そっか、ゆっくり休んでね」

 

 ああ^~たまらねぇぜ。もう一度やりたいぜ。明日もこの笑顔見れるなら最高や。

 

 ではお休みなさーい、からのオッ――!?。ここ…何処? 何でベッドの上で縛られてるの?

 

「…あぁ…起きたのか…」

 

 …KRM姉貴?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 薄暗い部屋の中、ベッドの上に縛り付けた鳳条がごそごそとしている。起きたか。

 私は靴と靴下を脱いでベッドの上の鳳条に馬乗りになった。

 

「って…」

 

 鳳条は寝ぼけてるのか、状況を把握しきれていないようだ。完全に意識が覚醒するには時間がかかるだろう。

 …仕方ない、これじゃあ話も出来ないな。ちょっと強引だが目を覚まさせてやろう。

 

 スパァン!

 

 鳳条の頬を全力の平手打ちで叩く。綺麗な音が鳴り、鳳条の頬には赤い痕がついた。

 

「おはよ♡」

 

 思考が追い付かないのか疑問だらけの表情。

 出来るならその疑問全てに答えてやりたいが、そんな物は後で説明すればいいか。今は私のターンだ。

 

「私、お前にずっと伝えたい事があったんだ。でも言えなくて…。悪いな、こんな形で」

「なっ…何を…? ここは――「私、お前が好きだ」――え?」

「あの時助けてくれたのが原因だろうな、ずっとお前の事考えてた。…だけどな、それと同時に…!」

 

 固く握り締めた拳を振り上げ、鳳条の腹に勢いよく振り下ろした。

 

「カハッ…!?」

「お前の事が憎いんだよ!!!」

 

 言った…、やっと…言えた…♡

 

「何だよ! 先輩の事殺しておいて! 挙句の果てには屋上から死体を投げ落として!」

 

 殴る。蹴る。感情を乗せて。

 

 やっぱりだ。こいつ、トラウマをほじくると何も抵抗しない。

 現にこいつを縛る物は衝撃でほどけ、何もないのに一切私に反撃しない。あの時と同じ、腕で顔を守って許してといい嗚咽するだけ。

 

「…アハッ♡私もうダァメだ♡ お前の事考えてたら脳味噌が壊れる♡」

 

 憎いのに大好きで♡大好きなのに憎くて♡

 もう色々押さえられない♡

 

 鳳条の腕を退かす。止めろよその顔、誘ってんのかよ♡

 そのまま後頭部を掴んで私の顔まで引き寄せ、鳳条の唇を奪う。口の中に舌を入れると唾液の味がした。

 10秒? 1分? 10分? 分からない。ただ長く…永く続いた。

 

「…っはぁ!♡」

 

 私の感情が収まって来た所で口と手を離す。鳳条は何が起きたのかようやく分かった表情をしている。

 

「お前が…お前が悪いんだぞ♡ お前のせいで…お前のせいで私の両手…こうなったんだぞ♡ ほらっ責任取れよ♡」

 

 服を全て脱ぎ捨て下着姿になり、腕の包帯も取る。

 

 そうだよ、何で私がこんな目に遭わなきゃならないんだよ。

 先輩を刺し殺して、私の心まで弄んで。全部…全部こいつが悪いんじゃないか♡

 

「フフッ♡」

 

 鳳条のズボンのベルトを引き抜く。

 

 改めて見ると、こいつもちゃんとした男なんだとよく分かる。だが全体的に細い。

 ズボン何てチャックも上のボタンも閉めてるのに腰がゆるゆる。身長的にこれしかサイズがなくベルトだけで腰を閉めてたんだろう。

 

「女の子みたいな腕してんなお前な♡」

 

 本当にその言葉通りの華奢な体だ。今まで“かれら”を相手にしていたとは到底思えない。

 

「助けを呼んだ所で無駄だからな…。お前はここで死ぬまで私のおもちゃになるんだよ♡」

 

 上では今どうなってるだろうか。この事は誰にも言ってないから大慌てかもな。

 一応、偽物の手紙で心中した事にしておいたが…、あながち嘘でもないな。この地下シェルターにある物では3日も生活出来ない、すぐに破綻する。

 まあでもどうせ…あのままでも遅かれ早かれ全滅する、いつまでも安全な学校暮らし何て出来やしない。何とか破滅を先延ばしにして現実逃避してるだけだ。

 今の私達にはそれが少し早く訪れた。それだけじゃないか。

 

 それより今はこの時間を愉しもう。

 

「覚悟…しろよ♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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