警備艦が不審船に絡まれる話です

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息抜き殴り書きの警備艦と不審船の戦い
警告シーンが描きたかっただけ



警備艦の受難

小刻みに揺れる艦橋で、柏田大尉は目を覚ました。

目元に残る眠気を追い払い、シートと端末を通常位置に戻す。

量産性を極限まで高めるため居住性を犠牲にした警備艦は居住スペースなど艦橋と機械室しかない。

柏田大尉は足元に転がってきたレーションパックを蹴飛ばし、コーヒーを作ろうと一度席を立つ。

「ああ大尉、目を覚ましましたか。」

火器管制席に座った乗員の一人、デルガー准尉が眠そうな声を上げた。

「ああ、当直を交代しよう」

声を返しつつ邪魔な補給品の段ボールを蹴飛ばし、厨房に入り、ところどころに錆が浮いたドリンクサーバーを適当に操作する。

―そういや残りの2人はどこ行ったかなー

顔が見えない残りの乗員の所在を一瞬考えたが、別に何も起こらないだろうと考え直し、コーヒーを持って席に戻ると、隣の席からは高いびきが聞こえ、柏田大尉は苦笑しつつ端末画面を起動する。

艦は現在、オロファス洋北部を遊弋中で、周囲10㎞に他の船はいないようだ。

そうこうしているうちに艦隊旗艦との定時連絡が入り、端末に表示される。

「「オロファス方面派遣艦隊旗艦タウルスよりオロファス方面派遣艦隊全艦へ伝達

警戒中の警備艦215号が消息を絶った。おそらく攻撃されたと思われる、各艦対艦、対空警備をクラス4に設定、自由なアクティブセンシングを許可する。

なお、警備艦323号は警備艦215号の最終位置へ急行せよ。 通信封鎖は継続。

受信報告は不要。 健闘を祈る。」」

俺の艦が救助に行かなきゃならんのか OIF(オロファス解放戦線)かな。

柏田大尉たちがこのような僻地に派遣された理由として、OIFの撲滅があった。

海岸部に細胞が多いOIFが各国の貨物船などを攻撃し始め、オロファス合衆国軍のみでは対処が不可能となったため、中立国であるアルキリア連邦に対処を依頼した、そして、ゾディアック級戦艦タウルスを旗艦とする各戦隊から抽出された18隻の艦隊が編成され、こんなところまでやってきたのだ。

とりあえず柏田大尉は隣で寝ているデルガー准尉を叩き起こし、艦内スピーカーで残りの二人、ライリー曹長とゲック准尉を艦橋へ集め、シートにそれぞれの乗員を放り込み、戦闘態勢をとる。

時計の長い針が2周したころ、変化が起こった。

「高熱源探知。 この島の裏です。 回り込みますか?」

センシング担当のライリー曹長が低く声を上げ、柏田大尉を振り向く。

「いや、一旦距離を置こう。 針路223、第1戦速に増速、この海域から離脱する。

あと、通信士はタウルスに不審船を発見した旨を送信。」

通信士のゲック准尉がおざなりな返事を返すのを見た後、共用端末に目を戻し、不審船の位置を確認した。

―あいつ…俺たちを追ってきやがるのか?―

増速して引き離したと思ったのだが、それは間違いだったようだ。 引き離すどころか追いつかれつつある。

「通信士、タウルスへの送信が終わり次第接近中の不審船に警告せよ」

「タウルスへの通信、受信確認が返ってきました。

不審船への警告はどのバンドを使いますか?」

そうこうしている間にも不審船は近づいてくる。

「レーダー照射確認、火器管制レーダーと思われます。」

あいつやる気か、こっちは警備艦とは言え軍艦なんだぞ。

「近距離バンドだ、今すぐやれ。 それでも止まらないならやっちまえ。」

「りょ、了解

接近中の不明船に告ぐ。

こちらはアルキリア海軍艦艇である。オロファスの正式な政府より依頼され、合法的に海域の鎮静化行動を行っている。

接近中の艦艇に告ぐ、貴艦の所属を提示し、本艦周囲より離脱せよ。

これ以上接近するのならば本艦は貴艦への攻撃も辞さない。」

―いい子だから離脱してくれ…―

柏田大尉はそう願ったが、願い通じず不明艦は接近してくる。よほど自信があるようだ。

その瞬間、空が明るく照らされ、再び暗くなった時には323号の艦後部が炎上していた。

「ダメコン作動、消火中です!」

「対艦ミサイル発射機、並びに後部機関砲沈黙!」

―なんてこった、レーザーかよ―

カフカスで試作されていると聞いた大型レーザー砲、多分それだろうな。

「被弾箇所の消火。完了しました。」

「ようし、今度はこっちの番だ。180度回頭。 攻撃を許可。あと、全バンドで3秒だけ発信、戦闘信号だ。」

再びエンジンがうなりを上げ、ドリフトするようにして回頭を始める。

「再び高熱源反応。第二射来ます!」

全力で航行する323号にまっすぐ指向されたレーザー発射機、それが再び熱を持ち始め、照射される。

海水を溶かしつつ突っ込んでくる光の濁流に、323号は飲み込まれるかに見えた。

しかし光が収まり、周囲に静寂が戻ってくると、そこには先ほどと変わらぬ323号の姿があった。

―ギリギリで艦の音声や音源データをドローンに乗っけて飛ばしたのが間に合ったのかなー

「主砲照準完了。発射許可を!」

「よし。やっちまえ」

警備艦の甲板に取り付けられた150mm砲が火を噴き、不明船に直撃する。 かに見えた。

不明船は恐ろしいまでの機動性をみせ、150mm砲弾を回避する。

「じ、次弾装填! CIWSも水平射撃。」

艦の側面に設置された4門の8連バルカン砲が轟音を立て、鞭のような曳光弾を吐き出し続ける。

さすがのCIWSからは逃げられず、不明船に弾痕が走るが、それを気にせず不明船は突っ込んでくる。

「だめだ、退避しろ!」

4人はわめき声をあげて端末を叩きまくり、艦は全速で近場の島の浜辺に突っ込み座礁した。

その2秒後には不明船も突っ込み、速度が出すぎていた不明船は浜辺を乗り越え、海沿いの木に激突して爆散した。

デルガー准尉はさみしい声で「救援、来ますかね…」などとぶつくさ言っている。

―まったく、座礁するならこんなくそみたいな寒い島よりマーシャル海がよかったな。ー

柏田大尉はそう考え、開き直って居眠りを始めた。

 

 

 

 

 

48時間後、4人はタウルス所属のヘリコプターに救助された

 




ユヴェントスと同じ世界の話だとおもう

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