この素晴らしい世界に祝福の音色を   作:レイファルクス

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第18話

 

 

ゆんゆんがカズマパーティーの仲間入りを果たしたその日の夕方、カズマはゆんゆんを紹介するべく屋敷に招待し、ダクネスを除く全員にゆんゆんを紹介した。

 

 

ゆんゆんは見た目の通り可愛らしいので、カズマとキョウヤを除く男性全員がゆんゆんに一目惚れした。が、男性陣の視線が怖かったのか、カズマの後ろに隠れてしまい、カズマは男性陣の嫉妬の視線を受ける羽目になってしまった。

 

 

無論、めぐみんとクリスがそれを許すはずも無く、クリスが『拘束(バインド)』で拘束し、屋敷からある程度離れた所で、めぐみんの『爆裂魔法(エクスプロージョン)』の餌食にしたのは言うまでもない。

 

 

「さて、俺は料理に向かうけど、めぐみん手伝ってくれるか?」

 

 

「いいですよ」

 

 

「私も手伝うわよ」

 

 

「私も」

 

 

カズマはクリスにおんぶされて戻って来ためぐみんにドレインタッチをしならが料理の手伝いをお願いすると、めぐみんは了承し、更にはアスタとフィオの二人も手伝いを申し出た。

 

 

「了解、それじゃクリスはクレメアとリーンゆ連れてゆんゆんに屋敷を案内してやってくれないか?」

 

 

「了解!ゆんゆん、行こう?」

 

 

クリスはゆんゆんに手を差し伸べるが、ゆんゆんはその手を取ろうとはしなかった。

 

 

「カズマ、もう大丈夫です。それと、ゆんゆんの案内は私がしましょう」

 

 

「…あっ、そうか。それじゃクリスは俺たちを手伝ってくれるか?」

 

 

「あっ、うん」

 

 

カズマはゆんゆんがめぐみん以外にはコミュ障だったのを思い出し、ゆんゆんの案内をめぐみんにお願いし、代わりにクリスを自分の手伝いをするようお願いした。

 

 

「ではゆんゆん、まずは宿にあるあなたの荷物を取りに行きましょう。カズマの提案でパーティーメンバーは全員、この屋敷に住んでいますので、ゆんゆんもこれからこの屋敷に住んでもらいます。屋敷の案内はその後と言うことで」

 

 

めぐみんはリーンとクレメアを連れてゆんゆんが借りている宿へと向かった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「さあ出来たぞ!召し上がれ!」

 

 

『いただきます!』

 

 

カズマたちが作った料理がテーブルに所狭しと並び、めぐみんたちは手を合わせて合掌した。

 

 

「今日の料理は『骨無しサンマの姿焼き』に、『ストライプサーモンとアーモンドキャベツのホイル蒸し』、『白雪鮎(しらゆきあゆ)の塩焼き』だ!」

 

 

カズマが料理の説明をするが、ゆんゆん以外全員が説明そっちのけで料理を食べていた。

 

 

「それはさておき、カズマ、女性陣以外のメンバーには何か仕事を?」

 

 

「ダストとキースは先に風呂に入ってもらったよ。汚い格好のままじゃ、飯が不味くなるからな。テイラーとキョウヤにはアンナのお墓を掃除したり、果実酒と人形のお供え、冒険譚を話してもらったよ」

 

 

めぐみんがカズマに男性陣について質問をすると、カズマは淡々と答え、その話を聞いていたゆんゆんは食事の手を止めて首を傾げる。

 

 

「あぁゆんゆんにはまだ説明していませんでしたね、実はこの屋敷には"幽霊"が住んでいるのですよ」

 

 

めぐみんの"幽霊"発言にゆんゆんは顔を青ざめた。

 

 

「別に怖がらなくても良いですよ、彼女はいたずら好きのおませな女の子ですが、果実酒や人形、冒険譚が好きで、それらをお供えしたり、話をすれば満足していたずらはしませんから」

 

 

「それでも怖いものは怖いよ!」

 

 

めぐみんがアンナについて説明をするが、ゆんゆんは涙目になって抗議した。

 

 

「ところで、ダクネスはまだ帰って来ていないのか?」

 

 

「そう言えば、ここ最近見てないわね…」

 

 

カズマはふと、今はいないメンバーのことを口にすると、アスタもまた思い出したかのように口にした。

 

 

「とりあえず、もし明日も帰って来なかったら、何処に行ったのか探りを入れるか」

 

 

カズマは明日の行動を決めると、食事を再開した。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

カズマが行動を決めてから2日、ダクネスは昨日も帰っては来なかった。

 

 

「た…、大変だ!カズマ大変なんだ!」

 

 

カズマが全員をリビングに呼び出し、今後の予定を言おうとしたその時、豪華なドレスを身に纏ったダクネスが、リビングに駆け込んで来た。

 

 

「……もしかして、ダクネス?」

 

 

リビングにいた全員が最初、『誰だこいつ?』と言った表情をしていたが、クリスだけが乱入者を見破った。

 

 

『えぇっ!?』

 

 

「うむ…、みんな、少しの間離れてしまって申し訳なかった」

 

 

クリスの言葉にゆんゆん以外全員が驚き、ダクネスは謝罪しながら頭を下げた。

 

 

「ねえダクネス、何でそんな高そうなドレスを着ているの?」

 

 

「これには理由があって…、と…、とにかくまずはこれを見てくれ」

 

 

ダクネスが差し出した物を全員が見る。そこにはイケメンが写っていた。

 

 

「誰だこのイケメンのお兄さんは?」

 

 

「…何かムカつくな、カズマ、その写真破っていいか?」

 

 

「駄目に決まってんだろ。なあダクネス、この写真の人は一体誰なんだ?着ている服を見る限り、貴族っぽいけど…」

 

 

キースとダストは写真を破ろうとするが、カズマに止められ、カズマはダクネスに写真の人物は誰なのか質問した。

 

 

「うむ…、そいつはこの街の領主"アルダープ"の息子なのだ」

 

 

『はあ?!』

 

 

ダクネスが写真の人物について話すと、カズマとゆんゆん以外全員が驚いた。

 

 

「あの豚領主の息子?!こいつが!?」

 

 

「全然似てねぇじゃん!」

 

 

「えっと…、アルダープって領主は確か俺を死刑にしたがっていた…」

 

 

「うむ、その領主で間違い無い」

 

 

カズマは記憶の片隅にあった記憶を掘り起こしながらダクネスに質問すると、ダクネスは肯定した。

 

 

「でも、何でその領主はダクネスにこの見合い写真を送って来たんだ?」

 

 

「実は…、カズマの罪を取り下げてもらう時に、私の実家もお願いしに伺ったんだ。その時にアルダープは『私の言う事を聞けば、取り下げてやろう』って言われて…、そしてその要求を飲んだらこの見合い写真を…」

 

 

ダクネスは自身に起きたことをカズマに伝えた。

 

 

「だから何でダクネスの実家がそのアルダープって奴の所に行ってんだよ?さっきから全然わかんねーぞ」

 

 

「あ…ああ、そうか…。しかし…、何から話せばよいものか…。実は…、"ダクネス"と言う名前は偽名で、本名は『ダスティネス・フォード・ララティーナ』と言って…、そこそこ大きな貴族の娘なのだ…」

 

 

『えぇっ!?』

 

 

ダクネスが本名を明かすと、今度はゆんゆんも知っていたのか、カズマ以外全員が驚いた。

 

 

「"ダスティネス"ってこの国の懐刀とまで言われているメチャクチャ大きな貴族の名前ですよ!?そこそこ所ではありませんよ!?」

 

 

「ウェッ!?マジかよ!」

 

 

「しかし…、"ララティーナ"って…プッ(笑)」

 

 

めぐみんがダクネスの実家の大きさを説明すると、カズマは驚いた。そしてダストがダクネスの本名を聞いて笑い出した。

 

 

「笑うなダスト!だから名を明かしたくなかったのだ!とにかく、アルダープは自分の息子と私を結婚させようとしているんだ!」

 

 

「益々わかんねーな、ダクネスが貴族の娘であること、その貴族はかなり有名であることはわかった。でも、何でダクネスを嫁として欲しがるんだ?」

 

 

カズマはダクネスの性癖を知っているので、アルダープがダクネスを欲しがる理由が分からなかった。

 

 

「その…、アルダープは私が幼少の頃から何度も婚姻を申し込んでいて…」

 

 

「幼少の頃から…って、カズマと同じロリコンかよ」

 

 

「……おいダスト、何故俺がロリコン認定されているのか、その辺りハッキリ話し合おうじゃないか(怒)」

 

 

ダストの一言がカズマの逆鱗に触れたのか、カズマは指を鳴らしながら立ち上がった。

 

 

「……逃げるが勝ち!!」

 

 

「逃がすかっ!!」

 

 

カズマの怒りに触れたダストは脱兎の如くその場から逃げる。そしてカズマはダストを追いかけるようにリビングから去った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「すまない、話の腰を折ってしまって」

 

 

カズマはロープで簀巻き状態になったダストを引き摺って戻って来た。

 

 

「それは構わんが…、ダストは大丈夫なのか?」

 

 

「コイツ意外に頑丈だったから、ついやり過ぎちまった。アスタ、後でヒールやっといてくれ」

 

 

「り…、了解…」

 

 

アスタは震えながらカズマに敬礼した。

 

 

「さて…、何処まで話したかな…?あぁそうそう、アルダープがダクネスの幼少の頃から婚姻を迫っていた辺りだったな」

 

 

「うむ…、その頃は歳の差を理由に断っていたのだが、やり口を変えたのか、自分の息子と結婚させようとしていて…」

 

 

「恐らくですが、『自分が幾ら婚姻を迫っても断られるのがオチなら、息子と結婚させてしまおう』と企んだのでしょう。もしかしたらですが、ダクネスの両親はこの写真の男を高く評価しているのでは?」

 

 

カズマたちがアルダープがダクネスを欲しがる理由を考えていると、めぐみんが一説を説いた。

 

 

「……その通りだ、父はアルダープの息子"だけ"は高く評価していて、今回の見合い話も乗り気なのだ。しかも、ここ数日頑張って見合いを阻止しようと頑張ったのだが、どうにもならず、今日の昼に見合いをする事になってしまったのだ」

 

 

ダクネスはめぐみんの仮説わー肯定し、見合いの日時を口にした。

 

 

「またえらく急ですね…、カズマ?」

 

 

めぐみんは見合いの日時を聞き、カズマの方を見ると、カズマは顎に指を添えて考えていた。

 

 

「……ダクネス、その見合い、受けたらどうだ?」

 

 

「なっ…、カズマ!私に嫁げと言うのか!?」

 

 

カズマは何かを閃いたのか、ダクネスに見合いをするよう言った。

 

 

「落ち着けダクネス、俺は"見合いを受けろ"とは言ったが、"結婚しろ"とは言ってない。まず事の発端はアルダープが婚姻を持ち掛けたこと、『自分が婚姻を迫っても無理なら、息子の相手にして自分のものにしよう』と考えているはず。だからダクネスの実家の人が"何でも言う事を聞けば"と持ち掛けたんだ」

 

 

「もし見合い事態を断れば、ダスティネス家の面目が丸つぶれだ。だが、今のアルダープの狙いは"結婚"では無くあくまで"見合い"だ。」

 

 

「カズマが何を言いたいか分かりました。カズマは『見合いを受けて、そしてやんわりと断ればダスティネス家の面目を守れる上に、アルダープの願いも叶わない』…と」

 

 

めぐみんはカズマの狙いが何なのか分かり、代弁した。それを聞いたダクネスは目から鱗が落ちたような驚いた顔をした。

 

 

「めぐみんその通り!どうだダクネス、これでも文句はあるか?」

 

 

「いや、有る処か文句の付け所が無い!」

 

 

ダクネスはカズマの狙いに興奮していた。

 

 

「ならカズマ、お願いしたい事があるんだが…」

 

 

ダクネスはカズマに"とあるお願い"を申し出た。

 

 

 

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