この素晴らしい世界に祝福の音色を   作:レイファルクス

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第25話

 

 

昨夜めぐみんと肌を重ねたカズマは家に居る者全員分の朝食をめぐみんと一緒に作っていた。因みにどうやってめぐみんの部屋から抜け出たかというと、窓から外へ出て、玄関から入った。それだけである。

 

 

「あらカズマさん、おはようございます」

 

 

「おはようございます、ゆいゆいさん」

 

 

カズマは台所に来たゆいゆいと挨拶を交わす。余談だが、ゆいゆいは二人の行動を先読みしていたのか、玄関の前でしかも笑顔で立っていたのだった。

 

 

「朝食の準備ですか?ありがとうございます」

 

 

「いえ、向こうでもやっていた事なんで。もう少しで出来上がりますので、他の人達を起こしてもらえますか?」

 

 

カズマはゆいゆいに他の人達を起こしてもらう様お願いすると、ゆいゆいは笑顔で承諾し、台所から去った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

朝食の後、カズマとアスタ、クリスの三人はめぐみんの案内で紅魔の里を観光するのだった。因みにダクネスはと言うと、一泊世話になったからと言って、ゆいゆいの手伝いを申し出た為、観光には行かないことを伝えていた。

 

 

「……何これ?」

 

 

めぐみんは最初に里にある神社へと三人を案内した。

 

 

「この里の"ご神体"です。その昔、モンスターに襲われていた旅人をご先祖様が助けた時にくれた物らしく、『これは俺にとって命よりも大切なご神体なんだ』と言っていたそうで、何の神様か知らされていないのですが、何かのご利益があるかもと言う事で、こうして大切に祀られているのです。この神社と言う施設もその旅人が教えてくれた物らしいですよ」

 

 

「どう見ても『猫耳スク水少女』のフィギュアなんだが…、その旅人、絶対俺とキョウヤの同郷の人だろ…」

 

 

カズマはご神体と建物に突っ込みを入れた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「これは抜いた者には強大な力が備わると言われている聖剣です」

 

 

「おお!如何にもそれっぽい!なあ、ちょっと抜いてみてもいいか?」

 

 

カズマは剣の柄を掴んで抜いてもいいかめぐみんに相談する。

 

 

「構いませんが…、それは観光客寄せとして鍛冶屋のおじさんが作った物で、丁度一万人目の時に抜ける魔法がかけられています。抜くには挑戦料もかかりますし…、作ってまだ四年くらいしか経っていないので、百人程度しか挑戦していないはずですから、もっと後に挑戦した方が良いですよ?」

 

 

「随分と歴史が浅い聖剣だね…」

 

 

めぐみんの説明にクリスが苦笑いした。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「これは『願いの泉』と呼ばれる泉です。斧やコインを捧げると金銀を司る女神を召喚することができるとか…」

 

 

めぐみんは次に里にある泉へと案内した。

 

 

「へぇ~、俺が知ってるおとぎ話に似てるな」

 

 

「それって『金の斧銀の斧』って話?」

 

 

カズマの呟きにクリスが反応した。

 

 

「それってどんな話なのですか?」

 

 

「確か…、泉の畔で木を切っていた木こりが誤って斧を泉に落としてしまったんだ。すると泉から女神が現れて『あなたが落としたのはこの金の斧ですか?それとも銀の斧ですか?』と質問するんだ。木こりは『いいえ、私が落としたのは普通の鉄の斧です』って正直に言ったんだ。すると女神は『あなたは正直者ですね、でしたらこの金の斧と銀の斧を差し上げましょう』と言って、鉄の斧と一緒に金と銀の斧を木こりに渡したんだ」

 

 

「それを見ていた別の木こりが、後日同じ場所で木を切っている時に"わざと"斧を泉に投げ落としたんだ。すると女神が現れて『あなたが落としたのはこの金の斧ですか?それとも銀の斧ですか?』と同じ質問をしたんだ。その木こりは欲張りで嘘つきだったから『そうです!』と答えてしまったんだ。すると女神は『あなたは嘘つきです、そんなあなたにこの斧は渡せません』と言って泉に帰ってしまったと言うお話なんだ」

 

 

カズマのうろ覚えの説明にめぐみんは

 

 

「確かにこの泉の逸話と似てますね」

 

 

と納得した。

 

 

「因みにですが、親切な鍛冶屋のおじさんが定期的に泉に投げ込まれた斧を回収しては武具等にリサイクルしているのですよ。そうしなければ今頃この泉は錆びた鉄の山になっていたでしょう」

 

 

「なんか…、泉の噂を流した人物が容易に想像できるんだけど…」

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「ここは『世界を滅ぼしかねない兵器』が封印されている地下施設です」

 

 

「いきなり物騒な所に来たな」

 

 

めぐみんは今度は謎の兵器が封印されている場所へと案内した。

 

 

「一体いつ頃からここにあるのかわからないのですが…、謎の施設と共に作られたと言われていて」

 

 

「謎の施設?」

 

 

「あれです」

 

 

めぐみんは丘の上に建っている工場のような施設を指差した。

 

 

「あれが謎施設です。その名の通り用途も謎ですし、いつ誰が何の目的で作ったのか…。中を探索してもサッパリわからないので、謎施設と呼んで何となく残しているのです」

 

 

「(何であんなコンクリート製の施設が…)」

 

 

カズマは施設の外壁に用いられている材質を見抜いていた。

 

 

「ねえめぐみん、ここ以外に何か封印されている所とか無いの?」

 

 

「あるにはあります。『邪神が封印された墓』や『名も無き女神が封印された土地』とかありますが、色々あって両方とも封印が解けてしまいました」

 

 

「この里の封印ザル並にスカスカだな!!」

 

 

カズマは思わず突っ込みを入れてしまった。

 

 

「なあこの施設の封印は大丈夫なんだろうな?」

 

 

「大丈夫ですよ、この施設には誰も読めない古代文字で書かれた謎かけを解読しないと解けませんから」

 

 

カズマは千里眼を使って封印の扉を見ると、確かに扉の横には操作パネルが設置されていた。

 

 

「(パネルの上に何か書いてあるな…、"小並"…?ってまさか『Kコナミコマンド』かよ!?)」

 

 

説明しよう!『コナミコマンド』とは、コナミが販売したゲームに使われている"隠しコマンド"である!

 

 

「カズマ、どうしたの?」

 

 

「いや何でもない。それよりめぐみん、次はどこに案内してくれるんだ?」

 

 

クリスはカズマにどうしたのか質問をするが、カズマははぐらかし、めぐみんに次に案内してくれる場所を質問する。

 

 

「実は…、行きたい所があるのですが…」

 

 

めぐみんはもじもじしながらカズマたちを見る。

 

 

「遠慮する事は無いから、案内を頼む」

 

 

カズマは笑いながらめぐみんに案内を促し、めぐみんは満面の笑顔でカズマたちを案内した。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「おや!めぐみんいらっしゃい!」

 

 

めぐみんが案内したのは里にある服屋だった。

 

 

「んん?そこの人達は里の外から来た人かね?」

 

 

「はい、私の冒険者仲間と恋人です」

 

 

めぐみんがカズマたちを紹介すると

 

 

「我が名はちぇけら!アークウィザードにして上級魔法を操る者!紅魔族随一の服屋の店長!」

 

 

紅魔族特有の自己紹介をした。

 

 

「いや、すまないね。里の外の人間なんて久しぶりだから、名乗りを上げられてスッキリしたよ!」

 

 

「(この里の人達は"これ"やらないと名乗れないのか?)どうも、俺はカズマと言います。しかし、紅魔族随一の服屋とは凄いですね」

 

 

カズマは里の中では随一であることを褒めると

 

 

「ああ、里の服屋はウチ一軒"のみ"だからね」

 

 

「バカにしてんのか」

 

 

ちぇけらはあっさりと随一である理由を話し、カズマは突っ込みを入れた。

 

 

「この里は店自体が少ないからね、他の店も一軒ずつでライバル店なんか無いんだよ!」

 

 

「そう言えば、あのぶっころりーって人も紅魔族随一の靴屋のせがれって言ってたような…」

 

 

クリスは顎に指を添え、首を傾けながら思い出していた。

 

 

「で、何か入り用かい?」

 

 

「ええ、今着ているローブの替えが欲しくてですね。このローブは昔、ゆんゆんから譲って貰った物なのですが、これ一着だと何かと不便でして。これと同じ物はありますか?」

 

 

「ああ、そのタイプのローブなら丁度染色が終わったヤツがあるよ」

 

 

ちぇけらはめぐみんたちを店の裏側に案内すると、物干し竿にかけられているローブが数着あった。

 

 

「とりあえずそこにある物全部ください」

 

 

「ほお!あのめぐみんが随分とブルジョアに…、冒険者として成功したんだね?」

 

 

めぐみんは物干し竿にかかっているローブを全て購入すると言って、ちぇけらはローブを全て物干し竿から取った。

 

 

「いえ、全てカズマのおかげですので。カズマ、お会計を…カズマ?」

 

 

「なあアスタ、クリス…。これ…」

 

 

「うん…」

 

 

「間違い無いよ…」

 

 

めぐみんの問いかけにカズマたちは聞く耳持たず、物干し竿を見ていた。

 

 

「「「どう見てもライフルなんだけど」」」

 

 

そう、ちぇけらが物干し竿にしていたのは紛れもないライフル銃だった。

 

 

「おやお客さん、それが何なのか知ってるんですか?ソレはウチに代々伝わる由緒正しい物干し竿でしてね、錆びないから重宝しているんですよ」

 

 

「それよりもカズマ、お会計を…」

 

 

めぐみんに促され、お会計をしようとカズマは財布を取り出そうとしたが、寸前で止まった。

 

 

「カズマ?」

 

 

「ああいや、俺も服が欲しかったから、お会計は一緒でいいか?」

 

 

「もちろんです!なら私がカズマを今よりかっこ良くしてみせましょう!」

 

 

めぐみんは鼻息を荒くしながらカズマに似合う服をコーディネートするのだった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「ふう…、あらかた名所は回りましたね」

 

 

めぐみんが連れて来た所は、里が一望できる丘だった。

 

 

「見晴らしの良い場所ねーっ!風が気持ちいいわ!」

 

 

「だね、お弁当作れば良かったかな?」

 

 

アスタとクリスは丘に吹く風を受けて気持ちよさそうにしていた。

 

 

「だろうと思って、サンドイッチ作っといたから食べようぜ?」

 

 

カズマはバッグからサンドイッチが入った弁当箱を人数分取り出し、全員に配った。因みに今のカズマの服は、めぐみんがコーディネートした紅魔族風の格好で、ご丁寧にローブまで着用しているのである。

 

 

「流石カズマ、気が利くわね」

 

 

「ありがとうカズマ!」

 

 

「ありがとうございます。それと、もっと遠くの景色を見たいなら、山の頂上に展望台がありますよ。超強力な遠見の魔道具が置かれていますから、魔王の城とか覗き見し放題です。オススメの監視スポットは魔王の娘の部屋らしいですよ」

 

 

「魔王の城ですら商売にしてるのね…。それとめぐみん、私ムーディーな場所に連れてってってお願いした筈だけど…」

 

 

めぐみんのオススメにアスタは若干引いており、めぐみんに案内された場所に少し不満があるようだった。

 

 

「ムーディーな場所ですよ?ここ。この丘は『魔神の丘』と言って、丘の上で告白して結ばれたカップルは魔神の呪いにより、永遠に離れる事ができないと…」

 

 

「重たいし怖いわよ!!」

 

 

めぐみんの説明にアスタは突っ込みを入れた。

 

 

「めぐみん、クリス。俺と結婚してくれ!」

 

 

「「喜んで!」」

 

 

「カズマは真に受けて告白しないで!めぐみんとクリスも返事をしない抱き着かない!」

 

 

カズマはめぐみんとクリスに告白をし、二人は即座に答える。その様子にアスタは突っ込みを入れ、疲弊してしまった。

 

 

「…ん?あれは…」

 

 

「どうしたのよ…、また何か突っ込みを入れられるわけ…?」

 

 

めぐみんとクリスを抱擁していたカズマが千里眼で何かを見つけ、アスタがまた突っ込みを入れないといけないのか質問をする。

 

 

「いや違う、魔王軍の連中がめぐみんの実家の近くに入り込んでいる!」

 

 

「本当ですか!?あれほどこっぴどくやられたのに、また襲撃に来たのですか?」

 

 

カズマは見えた状況を説明すると、めぐみんが驚いた。

 

 

「警報がまだ鳴ってない所を見ると、里の人達は気づいていないみたいだね」

 

 

「だな。アスタ、俺たちに速度強化支援魔法(スピードアゲイン)を。俺とめぐみんとクリスは奴らに一太刀浴びせるぞ、アスタは里の人達に応援の要請を頼む」

 

 

カズマの指示を聞いたアスタは即座に支援魔法を全員に使い、カズマ、めぐみん、クリスの三人はめぐみんの実家へ、アスタは里にいる人達に連絡をする為、走り出した。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「なっ…、なんだこの女は!一体どこから出てきたんだ!?」

 

 

「魔王軍め!私の目の黒い内はここは通さぬ!どうしても通りたければ私を倒して行くんだな!」

 

 

カズマたちが丘から走っている最中、魔王軍の連中はダクネス一人によって進軍を止められている状態だった。

 

 

「なんて邪魔な女だ!攻撃はスカなクセに硬いとか!というか一体何がしたいんだ!?」

 

 

「どうしたのかしら?敵一体相手に何を手間取ってるの」

 

 

「"シルビア"様っ!あの女、助けを呼びに行く訳でもなく攻撃を受け続けて…!何かの罠かもしれません、お下がりを!」

 

 

そこにシルビアと呼ばれた女が現れ、手下が状況を説明する。

 

 

「へえ…、中々やるじゃない。これだけの軍勢を相手に下がりもしないなんて…。じゃあ今度は私が相手をしようかしら?この魔王軍が幹部の一人、シルビア様がね」

 

 

ダクネスの前に魔王軍幹部の一人であるシルビアが立ちはだかった。

 

 

「ダクネス!」

 

 

そこにカズマたち三人が到着した。

 

 

「カズマ!めぐみん!クリス!この女は魔王軍の幹部だそうだ、気をつけろ!」

 

 

「分かった。ダクネス、良く耐えてくれた!今アスタに応援を呼んでもらっている最中だから、それまで耐えるぞ!」

 

 

カズマは音角を剣に変化させ、クリスはダガーを、めぐみんは悪鬼滅殺を構えた。

 

 

「まさか仲間が到着するまでの時間稼ぎだったとはね…。でも、あんたたち四人でこの軍勢を応援が来るまで、持ち堪えられるかしら?」

 

 

「そいつはやってみないと分からないぜ?」

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「みんな、こっちこっち!」

 

 

アスタがぶっころりーやキョウヤたちを連れて魔王軍が襲撃している所へと到着する。

 

 

「これは…」

 

 

キョウヤたちが到着すると、そこは地獄絵図だった。

 

 

「行くよー、『バインド』!…からの、そーれ!」

 

 

クリスは空を飛んでいる兵士にバインドを使って拘束し、地面に叩きつけた。

 

 

「そりゃ!」

 

 

カズマはダクネスが受け止めた兵士を次々に倒す。

 

 

「えい!やあ!とお!」

 

 

めぐみんもまた、悪鬼滅殺を振るい、兵士を倒していた。

 

 

「おぉ…、めぐみんがネタ魔法では無く、剣術を使って敵を倒しているとは…」

 

 

「何なんだい、こいつら尋常じゃない強さじゃないか!」

 

 

シルビアはカズマたちの強さに驚いていた。

 

 

「カズマ!助っ人を連れて来たわよ!」

 

 

「アスタ!助かるぜ!ダクネスにヒールを頼む、今まで敵の攻撃を受けていたから疲弊しているはずだ」

 

 

アスタは頷いて、ダクネスにヒールをかける。するとダクネスが負っていた傷が塞がっていった。

 

 

「あんたたち、一体何者なんだい!?」

 

 

「俺たちはお前達魔王軍を倒す冒険者だ!そこにいる豪華な装備をしている男は王都でその名を知らない人はいない"魔剣の勇者"ミツルギキョウヤ!そこのクルセイダーはバニルの支配に耐え切った猛者、そしてそこの剣を振るっている紅魔族はバニルやデストロイヤーをも倒した素晴らしき魔法の使い手!」

 

 

カズマの説明にシルビアは愚か、ぶっころりー達も驚いた。

 

 

「そして「そして彼は魔王軍幹部の一人であるベルディアを一人で倒し、バニルの本体を見破り、更にはデストロイヤーを破壊する作戦を立てた最強の冒険者で私の最愛なる男で、我等の誇りあるリーダーです!」ってめぐみん!そんな紹介恥ずかしいんだけど!?」

 

 

「めぐみん!"私の"じゃなくて"私達の"って言ってくれないと!」

 

 

「そうでしたね、幾ら母の策略とは言え、昨日カズマの求愛を私の身体一つで受け止めていたので勘違いしてしまいました」

 

 

「なにそれズルい!」

 

 

やんややんややんややんや………。

 

 

「おーいお二人さん、奴ら逃げようとしているけど…いいのか?」

 

 

ぶっころりーが指差した先には、シルビア達が背を向けて逃げようとしていた所だった。

 

 

「逃がさないわよ!『バインド』!!」

 

 

「『エクスプロージョン』!!」

 

 

クリスがすかさず魔王軍をバインドで縛り付け、めぐみんが爆裂魔法を叩き込んだ。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「いやいや凄かったな!あの魔王軍の連中を一網打尽にするとは!」

 

 

魔王軍を退けたその数時間後、カズマたちは里にある食堂で夕飯を食べていた。

 

 

「それほどでもありませんよ、あの時はクリスがバインドで大勢の敵を捕縛してくれたから、爆裂魔法が決まっただけです」

 

 

「…にしては、何か威力が上がってたみたいだったけど?」

 

 

クリスのジト目にめぐみんは口笛を吹きながら視線を反らした。

 

 

「俺としては、めぐみんが剣を扱えることに驚いたがな。めぐみん、いつの間にジョブチェンジしたんだ?」

 

 

「ジョブチェンジなんてしていませんよ?私は紅魔族随一の爆裂魔法の使い手で、爆裂魔法をこよなく愛する者。爆裂魔法関係以外のスキルは例え教えられても覚える気はありません。まあ、何故戦えたのかと言えば、カズマがここ最近で、寝る間を惜しんで私に剣の振り方や動きを教えてくれたからですね」

 

 

ぶっころりーがめぐみんに質問をすると、めぐみんはあっさり答えた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「…で、結局こうなるのね」

 

 

「仕方ないですよ、私の母なんですから」

 

 

夕飯を終えたカズマたちは、めぐみんの実家に戻るなりゆいゆいから寝室の部屋割りを言い渡された。そしてもちろん、めぐみんとカズマは同じ部屋になったのだが、めぐみんがゆいゆいに

 

 

「今日からはクリスも私の部屋で寝てもらいます。向こうの屋敷でも三人一緒に寝ていましたから、問題ありません」

 

 

と言った為、めぐみんの部屋にはカズマとクリスの三人で寝ることになった。余談ではあるが、めぐみんの実家に帰る前に『混浴温泉』なる所で男女全員で風呂に入って行ったのは言うまでもない。

 

 

「しかし…、"これ"では俺が身動き取れないんだが…」

 

 

めぐみんの布団の中では、カズマを中心に右にめぐみん、左にクリスが、カズマの両腕を枕代わりにしていた。

 

 

「大丈夫だよ、すぐ(腰が)動けるようになるから」

 

 

「今何か不穏な言葉を発しなかったか?」

 

 

カズマの質問にクリスはそっぽを向いた。

 

 

「クリスがいて助かります。昨日はカズマの求愛が激しすぎて気を失いそうになりましたから」

 

 

「めぐみんはもう少し自重しようか、それと俺の股間をまさぐるのは止めろ。止めないともう二度と腕枕してやらんぞ?」

 

 

めぐみんはカズマの股間をまさぐると、カズマは止めるように言った。

 

 

『魔王軍襲来!魔王軍襲来!既に魔王軍の一部が里の内部に侵入した模様!』

 

 

そしてクリスがカズマの上に乗ろうとしたその時、里に警報が鳴り響いたのだった。

 

 

 

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