この素晴らしい世界に祝福の音色を   作:レイファルクス

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第38話

 

 

クーロンヒュドラを倒し、ピカチュウが新たに仲間になった2日後。

 

 

「カズマカズマ、何を作っているのですか?」

 

 

カズマの工房にめぐみんが入室して来た。

 

 

「これか?これは"ダイナマイト"って言って、爆発魔法を再現できる代物のレプリカだよ」

 

 

カズマがダイナマイトについて説明すると、突然めぐみんが泣き出した。

 

 

「かじゅま~、私はお払い箱ですか!?私はいらない子ですか!?ポイされちゃうんですか!?」

 

 

「んな訳ねえだろ!それに、コイツは爆裂魔法並の威力を出すには、百個単位で用意しないといけないんだよ。めぐみんが愛する爆裂魔法をそうほいほい再現できる事なんかできないから」

 

 

カズマはめぐみんの頭を撫でながらダイナマイトの威力について説明した。

 

 

「…本当ですか?」

 

 

「ああ。それにコイツの本来の用途は岩を砕いたり、山に穴を貫通させる為に使う物だからな」

 

 

「…なら安心しました」

 

 

めぐみんはアイデンティティが失われる心配が無くなったようだ。

 

 

「それで、何か用があるのか?」

 

 

「そうでした、ダクネスの部屋に行ったらこんな物が…」

 

 

めぐみんはカズマに一枚の手紙を渡した。カズマはその手紙をこの場で読み始めた。

 

 

『突然こんな事を言い出して本当にすまない。お前達には言えない込み入った事情が出来た、貴族としてやむを得ない事情だ』

 

 

『お前達とはもう会えない、本当に勝手な事だがパーティーから抜けさせて欲しい。…どうか私の代わりの前衛職をパーティーに入れてくれ。お前達には感謝している、それほどどれだけ感謝しても足りないほどに…』

 

 

『お前達との冒険は楽しかった、私のこれまでの人生の中で一番楽しい一時だった。私は今後、お前達との日々を絶対に忘れる事はないだろう』

 

 

『今までどうもありがとう。ダスティネス・フォード・ララティーナより、愛する仲間達へ深い感謝をー』

 

 

手紙を読んだカズマの頭に言い知れぬ不安がよぎった。まるで"ダクネスが何処か遠くへ行ってしまう"予感が。

 

 

「カズマっ!」

 

 

そこにリーンとフィオとクレメアの三人が慌てた様子で駆け込んで来た。

 

 

「うおっ!?お前らどうしたんだ?確か今日は新しい服を買う為に街へ…」

 

 

「その街で大変な噂が流れているのよ!」

 

 

「ダクネスが…、ダクネスがあの"アルダープと結婚する"って!!」

 

 

「なっ…!?」

 

 

フィオが口走った言葉に、めぐみんは驚愕し、カズマは工房が出ようとしていた。

 

 

「カズマ、どこに行くつもり?」

 

 

「バニルの所に。全てを見通すアイツなら、何か知ってるはずだ」

 

 

工房は庭にある為、カズマは工房から庭に出る。

 

 

「おやこんな所で会うなんて奇遇ではないか」

 

 

すると会いたがっていたバニル当人が目の前にいた。

 

 

「バニル…!」

 

 

「…ふむ、何か込み入った話がある様だな」

 

 

「…話がしたい、来てくれ」

 

 

カズマはバニルを屋敷に入れたのだった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「茶だ、飲んでくれ」

 

 

「頂こう。…おおっ!これは極上の悪感情に等しい味!」

 

 

悪熊(アクマ)の爪を天日干しした物を粉末状にして、お湯に溶かした『ダークマティー』だ」

 

 

カズマはバニルに茶を出し、バニルは出された茶で一息着いた。

 

 

「…さて、今お主が知りたいのは、あの鎧娘の事だろう?この茶の礼だ、話してやろう」

 

 

バニルは事の顛末を話し始めた。

 

 

事の発端はデストロイヤーによる被害だった。アクセルの街はカズマ達冒険者がデストロイヤーを破壊した事で危機を免れたが、道中にある農家は例外だった。

 

 

デストロイヤーに畑を破壊され、財産を失ったも同然の農家は領主であるアルダープに助けを求めた。が、アルダープは知らぬ存ぜぬの一点張りで話を聞こうともしなかった。

 

 

そして農家は最後の頼みの綱として、ダクネスの実家であるダスティネス家に泣きついたのだった。

 

 

ダクネスの父であるイグニスは何とか農家の人を助けたかったが、工面できる金額では無く、イグニスはダクネスと一緒にアルダープの元へ行き、金を借りる事にしたのだった。

 

 

それからもダクネスはクエストで手に入れた報酬を借金返済に回していたが、イグニスが最近になって突如体調不良になり、アルダープへの返済が出来なくなってしまった。

 

 

ダクネスはクーロンヒュドラの報酬を借金返済に当てたが、当然足りる訳無く、アルダープは『ワシの嫁になるなら、残りの借金を帳消しにしてやるぞ?』とダクネスに言ったのだった。

 

 

「……以上が鎧娘に起こった事だ」

 

 

バニルが語り終えると同時に、カズマは机を思い切り叩いた。

 

 

「ダクネスの奴…、俺達に黙ってそんな事を…!」

 

 

カズマは怒り心頭だった。

 

 

「どうしましょう…、このままではダクネスが…」

 

 

めぐみんはダクネスがパーティーを抜ける事になるのか心配になっていた。

 

 

「…バニル、ダクネスの借金の残りはいくらなんだ?」

 

 

「…カズマ?」

 

 

「…お客様の全財産とこの鞄の中身を合わせると、ちょうど借金の残りと同額になります。では商談に入ろうか!…もっとも、お主の中ではもう決まっておる様だがな」

 

 

バニルの視界には、覚悟を決めたカズマの顔が映っていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

それから数日後、街の教会でダクネスとアルダープの結婚式が執り行われる日となった。

 

 

「こら!お前達はここまでだっ!」

 

 

「式が終わるまで中に入る事は許さん!」

 

 

教会の入口にはダクネスの花嫁姿を見ようと、多くの冒険者達が集まっていたが、黒服連中に止められていた。

 

 

「何だよ、中に入れるのは貴族だけかよ。あのダクネスの花嫁姿を拝めると思ったのに」

 

 

冒険者の一人が残念そうに呟く中、教会ではダクネスとアルダープの結婚式が執り行われていた。音楽が鳴り響く中、父親のイグニスでは無く、執事のハーゲンに引率された花嫁姿のダクネスが、ヴァージンロードを歩いていた。

 

 

そしてダクネスが聖職者の前まで辿り着くと

 

 

「汝、ダクネスは望まない婚姻をこの"クソを下水で煮込んだような性格のクソ野郎"と結ぼうとしています。貴女はそれで幸せになりますか?」

 

 

聖職者はマントを脱ぎ捨てながらダクネスに質問をした。

 

 

「あなたは…、"エリス"様!?」

 

 

そう、ダクネスの前にいるのは本来(エリス)の姿になったクリスだった。

 

 

「コイツが女神エリス様だと!?肖像画と全然似ておらんではないか!誰か!この偽物の聖職者を摘まみ出せ!」

 

 

「悪いがそうは行かないぜ?オッサン!」

 

 

するとエリスの横にいたダストがマントを脱ぎ捨てた。

 

 

「カズマから聞いてるぜ、ダクネスはアンタに借金をしてるってな。…なら、コイツを受け取りな!!」

 

 

ダストは持っていた鞄のロックを外した状態でアルダープに投げつけた。すると鞄からエリス魔銀貨が一面に散らばった。

 

 

「エリス魔銀貨で全額を今支払ったぜ!これでダクネスは自由の身だ!花嫁は頂いて行くぜ?」

 

 

「か…金、ワシの金。こ…この金はワシのモノだ!ひ…拾って…拾ってくれ…!!」

 

 

ダストの言葉が聞こえていないのか、アルダープは必死になって金を拾い集めていた。

 

 

「聞いちゃいないな…、よしっ!ダクネス、このままずらかるぜ!?エリス様!」

 

 

ダストはダクネスをお姫様抱っこして、エリスと一緒に入口まで走った。

 

 

「しかし…、ダクネス。お前思ったより軽いな?ちゃんと飯食ってたか?」

 

 

「いや…、ここ最近食事が喉を通らなくてな…」

 

 

「ったく…、全てが終わったらカズマが飯を用意してくれるから、それ食って元気出せよな」

 

 

ダストは笑いながらダクネスに話すと、ダクネスは顔を赤くしながら頷いた。

 

 

「いかん、ララティーナを逃がすな!何としても捕まえろっ!!」

 

 

だが金を集めていたアルダープが、ダクネスの逃走を阻止しようと黒服連中に指示を出した。

 

 

すると、入口が丸く斬られ、入口が吹き飛び、黒服連中は吹っ飛ばされた。

 

 

「悪い魔法使いが来ましたよ。悪い魔法使いの本能に従い、花嫁を攫いに来ました」

 

 

「めぐみん、ゆんゆん!ナイスタイミングだぜ!」

 

 

入口からめぐみんとゆんゆんが現れ、ダストは喜んだ。

 

 

「ねえめぐみん!花嫁を攫うなんて…」

 

 

「花嫁を攫う?違いますよゆんゆん。私達は"親友を助けに来た"。それだけです」

 

 

事の大きさに尻込みするゆんゆんを、めぐみんは正統性を口にした。

 

 

「そ…、そうだよね!ダクネスだって自分が好きな人と結婚したいはずだよね!正義は私達にあるんだよね!」

 

 

ゆんゆんは自信を取り戻したのか、丸くなっていた背中を真っ直ぐに伸ばした。

 

 

「めぐみん、ゆんゆん!助かった!さあ急いでずらかるぞ!!」

 

 

「待てえええーーーい!!紅魔族の小娘達までも邪魔しおって!!ララティーナ以外は殺しても構わん!何としても取り戻せー!」

 

 

アルダープは教会の外にいる黒服連中に指示を出した。…が、黒服連中は誰一人も現れなかった。

 

 

「悪いなクソダップン、黒服連中は俺達が黙らせたぜ」

 

 

アルダープが教会の外に出ると、そこには装甲響鬼に変身しているカズマと、紫電を体に走らせているジラフ、黒服の一人を齧っているアンナ、そして頬から電気を発生させているピカチュウがいた。

 

 

「なっ…!?くっ、おい!貴様らは冒険者だろう!そこにおるのはワシの花嫁を攫った犯罪者だ!花嫁を取り返した者は多額の報酬を払う!ララティーナを取り返せ!!」

 

 

アルダープは冒険者達にダクネスを取り返すよう言うが、冒険者達は誰一人動かなかった。

 

 

「…どうやら、アンタの味方はいない様だぜ?」

 

 

「みたいだな。ピカチュウ、あのクソダップンに『10まんボルト』!!」

 

 

「ピカ!ピ~カ~…、チュウ~!!」

 

 

カズマはピカチュウに『10まんボルト』を指示し、ピカチュウはアルダープに『10まんボルト』を浴びせた。

 

 

ピカチュウの『10まんボルト』を喰らったアルダープは体が痺れてしまい、身動き一つ取れなかった。その隙を突いたダスト達はその場を去ったのだった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「ふう…、ここまで来れば大丈夫だろう」

 

 

ダクネスをお姫様抱っこしていたダストは、ゆっくりとダクネスを地面に下ろした。

 

 

「皆…、本当にありがとう。私は今、人生で一番幸せだ」

 

 

ダクネスの笑顔に、全員が笑った。

 

 

「お~いっ!」

 

 

そこにイグニスを引き連れたアクアが現れた。

 

 

「アスタ、お父様!」

 

 

「アクア、どうだった?」

 

 

「バニルが予想した通りだったわ。ダクネスのお父さんは悪魔に呪いを掛けられていたの。でも、解呪が間に合ったから命に別状は無くなったわ」

 

 

カズマはアクアに首尾を聞くと、アクアはサムズアップしながら答えた。

 

 

「呪い…だと!?ではお父様が最近になって体調を崩されたのは…」

 

 

「ええ、その呪いのせいだったってわけ。でも呪いは解呪しても、体力とかは回復できないから、しばらくは療養しないといけないわね」

 

 

「ララティーナ…、心配掛けさせてすまなかった」

 

 

イグニスはダクネスに向かって頭を下げた。

 

 

「お父様、頭を上げて下さい!それに悪いのはお父様に呪いを掛けた悪魔です!」

 

 

「……ダクネス、恐らくだが、悪魔に呪いを掛けるよう指示した人物がいると思う。それに関してはバニルが調べてくれるそうだから、バニルの連絡を待とう」

 

 

カズマはダクネスにそう言うと、ダクネスは頷いた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「くそがっ、くそっ、くそっ、くそっ、くそおっ!!」

 

 

ここはアルダープの屋敷の地下。アルダープはそこにいるマスクを何度も足蹴にしていた。

 

 

「お前がっ!お前がもう少し使える悪魔だったなら!あそこで、ワシのララティーナを奪われる事はなかったのだ!!この役立たずめ!!お前の"つじつま合わせの強制力"はそんなにちっぽけな物なのかっ!!」

 

 

「ヒュー…。教会では悪魔の力が弱くなるからね。そんな事より…、何者かに呪いが解かれたようだよアルダープ」

 

 

マスクはイグニスに掛けていた呪いが解けた事をアルダープに伝えた。

 

 

「呪いが解けただと!?お前は満足に人間一人呪い殺す事も出来ないのかっ!マスク!今回の参列者及びワシの言葉を聞いた者達の記憶を明朝までに全て都合の良いように捻じ曲げ、つじつまを合わせておけ!」

 

 

「無理だよアルダープ。…そう無理、僕にそれ程の力はないよ」

 

 

アルダープはマスクに記憶を改ざんさせようとするが、マスクは無理だと伝えた。

 

 

「無理だと…?記憶の捻じ曲げは貴様の得意技だろうが!貴様に拒否権はない、さっさとやれ!」

 

 

「無理、光が…。呪いを解いた強い光が邪魔をするからそれは無理」

 

 

アルダープはマスクに命令をするが、マスクは無理と言い続けた。

 

 

「……もういい!貴様なぞ契約解除して、他の力ある悪魔を呼び出してやる!最後の命令だ!ワシの前にララティーナを…!お前の強制力で今すぐここにララティーナを連れてこい!そうしたら貴様に今までの代価を払ってやる!」

 

 

「…代価?代価を払ってもらえる?」

 

 

「ああ本当だとも。お前はバカだからワシが何度も代価を払っている事を忘れているだけだ、今回もちゃんと払ってやるからララティーナを連れてくるんだ」

 

 

アルダープは代価を払うからダクネスを連れてこいと命令する。

 

 

「領主殿はいるか?私だ、今日の事で謝罪に来た」

 

 

するとそこにダクネスが現れた。

 

 

「よ…よし!よくやった、マスクッ褒めてやる!!約束通り代価を払ってやろう、契約も解除だ、貴様を自由にしてやろう!」

 

 

「代価を払ってくれる?契約を、解除?まだ何もしていないのに?」

 

 

マスクはまだ何もしていない事をアルダープに言うが、アルダープは目の前のダクネスに夢中になっていた。

 

 

「申し訳ありません領主殿…、式での事は謝ります。…なのでどうか我が身と引き換えに仲間の助命を…!」

 

 

「い、いいだろう!仲間は見逃してやる!だからララティーナ!お前はワシが…」

 

 

アルダープはダクネスに迫る。が、突如ダクネスの体が"揺らいだ"。

 

 

「フ…、フハハ…、フハハハ。フハハハハハ!ララティーナだと思ったよりか?残念、我輩でした!」

 

 

実はアルダープの目の前にいたダクネスは、バニルが幻影の魔法を使って変装した姿だったのだ。

 

 

「な…何だ貴様はっ何者だ!?」

 

 

「おっと、これまた凄まじく強烈な悪感情!美味である!」

 

 

「…このゾクゾクする感じ…!そうか、貴様、マスクと同じ悪魔だなっ!?」

 

 

アルダープはバニルが悪魔である事を見破った。

 

 

「ほう貴様のような人間にしては察しがいいな」

 

 

「くそっ悪魔風情がバカにしおって!マスク!この汚らわしい悪魔を殺せ!」

 

 

「……?なぜ僕が同胞を殺さないといけないの?」

 

 

アルダープはマスクにバニルを殺すよう命令するが、マスクはアルダープの命令に逆らった。

 

 

「…あれ、君はどこかで会ったのかもしれないな?」

 

 

「貴公に自己紹介をするのは何百回目か何千回目か。では今回も初めまして、だ"マスクウェル"。つじつま合わせのマスクウェル、真実を捻じ曲げる者マスクウェル。我輩は見通す悪魔バニルである」

 

 

アルダープはマスクの名前がマスクウェルである事を初めて知った。

 

 

「バニル…、バニル!なぜだろう、とても懐かしい気がするよ!以前どこかで会ったような…」

 

 

「フハハハ貴公は会う度に同じ事を言うな。貴公の名前はマスクウェル!こことは違う別の世界から記憶を失ったままやって来た我が同胞である!我輩は貴公が在るべき場所へ連れていくため、迎えに来たのだ。真理を捻じ曲げる悪魔マスクウェルよ、地獄へ帰ろう!」

 

 

「ま…待て待て!そいつはワシの下僕だっ、勝手に連れていくな!!」

 

 

バニルはマスクウェルを地獄へ帰そうとした所をアルダープが止めようとした。

 

 

「下僕?我輩と同じく地獄の公爵の一人であるマスクウェルが?悪運のみが強い傲慢で矮小な男よ、貴様は運が良かっただけだ。たまたま最初に呼び出した悪魔がマスクウェルだったから助かったのだ。他の悪魔を呼んでいたなら、代価を持たない貴様は瞬時に引き裂かれていた事だろう!」

 

 

「だが、力はあるが頭が赤子のマスクウェル!彼のおかげでその地位まで上る事が出来たのだ!深く深く感謝するがいい!そして貴様はマスクウェルにこう言ったな、『約束通り代価を払ってやろう、契約も解除だ、貴様を自由にしてやろう!』と」

 

 

アルダープはマスクウェルが地獄の公爵の一人である事に驚き、更にバニルが言った事を思い出したのだった。

 

 

「さて、領主殿。我輩はもう貴様に用はない。後はマスクウェルを地獄に帰し、我輩はあのへっぽこ店主の下であくせくと働くのみだ」

 

 

「バニル!バニル!帰る前にアルダープから代価を貰わないと!さっき言ってくれたんだ、代価を払ってくれるって!」

 

 

マスクウェルは笑いながらアルダープに近づくと、アルダープの腕を"握り潰した"。

 

 

「マスクウェルの代価は彼が好む味の悪感情を決まった年月分放ち続ける事。…フムフム、貴様、随分とこやつを酷使したものだな。残りの寿命では到底、払いきれるものではないぞ?マスクウェル、続きは地獄に帰ってからやればよい」

 

 

「そうだね!地獄に連れて帰ったら僕が側にいてあげるよアルダープ。ずっとずっと君の絶望を味あわせてよアルダープ!」

 

 

マスクウェルは笑いながらアルダープと一緒に地獄へ帰り、その様子を見ていたバニルは、ゆっくりと帰路に着いたのだった。

 

 

 

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