03
不意に声をかけられたあんまろんたちは、目を点にして声の主の方へと視線を移した。見ればそこに立っているのは一人の男。レベルは最高値の90、メイン職業は《
これだけならただのトッププレイヤーで終わっていたのだが、問題は彼の名前である。
「「「「か・みいいぃぃ~!?」」」」
何しろその存在自体が“伝説”と称されるトップ中のトップであり、そして話題に名前が上がる度にたちまち注目をかっさらってしまう程の超有名人が目の前にいるのだから、その場にいた冒険者たちが驚くのも当たり前。
「おや、ぼくってやっぱり有名人?」
自身を前にして硬直するプレイヤーたちに対し、か・みは
「…………ってことでいいんだよね…………?」
と、呟く他なかった。もちろんあんまろんたちも狐につままれたような表情でか・みを名乗る男を見つめ、
(大きな声出しちゃった……名前は同じだけどこの人本物……だよね?)
食事場の隅の席で本を読んでいた魔女風のエルフの女は、手元の魔導書で朱色に染まった顔を覆い隠してか・みの様子を伺う。
(成り済ましじゃないよな!?本物だって言ってくれ!)
《
(嘘でしょ本物!?本物のか・み!?マジ!?マジなの!?)
あんまろんの隣の席に座る肌面積が多く布地の少ない衣装を纏うヒューマンの女は、当然だが初めて目の当たりにするか・みを前にして完全に気が動転しているのが分かる。
(俺は……夢でも見てるのか?もう何もかもが信じられないよ……)
驚愕のあまり転倒した
(え?……え!?)
そしてあんまろんもまた己の目を疑い、目の前に立ってこちらを見下ろす男を見つめている。
「…………大丈夫?」
か・みはその場にいる全ての冒険者にもう一度声をかけなおすことしかできず、この混乱が治まったのは十数分後のことだった。
04
か・みと相対したことで硬直していた冒険者たちが落ち着きを取り戻し、
「改めて……ぼくは本名
短い自己紹介をし、軽く頭を下げて「よろしく」と続ける。
「お、お初にお目にかかります!」
緊張で
「わっ、わ、私は【アルタナ】と申します!メイン職業は
アルタナは深々と何度も頭を下げなから席に座り、顔を背けて背を丸める。
「あんまろんです。Love On the Marineのギルドマスターで、
あんまろんも囁くような声しか出せず、自己紹介も途切れる。
「俺は……【
「んー…………状況確認は不要として、情報交換から始めようか。まずはぼくから、と言いたいところだけどその前に」
やはりと言うべきか、話題を切り出したのはか・み。
自分のフレンドリストには他のプレイヤーの名前が一つもないため、少なくとも自身よりは多くのプレイヤーと関わっているこの場の人物たちから情報を得た方が手っ取り早いのだ。だがここにあって最年長なのも自分自身であることから、隗より始めよとばかりに話を進める。
「君たちの中に、今この姿になった後にモンスターと戦った子はいるかな?」