ひーろー・ざ・ろっく   作:星宮 星雅

10 / 22

 ぬわぁん!疲れたもぉん!

 未だにキャラの性格を把握していない男が送る二次創作

 多分、第十話 始まります。


しんてんち・ざ・ろっく ベースヒーロー編

 《少し身内贔屓な監督さん視点》

 

 イェニーの激励と結束バンドのお嬢さん方の後押しもあって、蘇生した京極と後藤さんの演奏を作品内に組み込むことになった。とはいっても、リアリティの為に1から中10までやらせるが実際第1話に組み込まれるのは最後の最後だけで、後は全部ここにいる人間だけが聞くことになる。

 

 ・・・・・・・・・まぁ、それなりにいい演奏だったら劇中歌として音源を使ってやっても良い。だが、ライブの映像自体が全て表に出ることは先ずないのだが、最後の方は映像として使う以上、あの変な仮面をつけての演奏をされては困る。京極は兎も角、後藤さんの方は本当に大丈夫か?

 

 「ひとり、大丈夫か?」

 

 「う、うん、ライブ映像は殆ど使われないらしいし、生放送って訳でも無いし・・・・・・・・・ひ、ひひヒーローが一緒に居てくれるから。だ、だ大丈夫・・・・・・・・・うん、大丈夫」

 

 「そうだな。任された、ヒーロー」

 

 何だ、これなら心配することは無かったな。

 

 一抹の不安も無くなったところで、「仮面騎兵ヴォイス」第一話冒頭の撮影を開始する。

 

 

 

 舞台はライブハウス「STARRY」、主人公の金守響一朗のライブから物語が始まる。

 

 ボンボンというベースの音がアッという間に音楽を作り上げ、ジャンジャンと激しいギターの旋律がベースの音楽に色をつけている。「金守響一朗」に成った京極だが、その本当の武器は変わらない。歌が始まっていない伴奏の段階でありながら、聞く者を音楽の世界に連れて行ってしまう圧倒的技術力と表現力はプロのそれに勝るとも劣らない。だが、それは生で見ている私たちだから得られる現実感でもある。

 

「【騎士サマキラキラ 僕はドロドロ マジに憂鬱な毎日は変わらないままで】」

 

 だが、それだけのアーティストなら山ほど居る。

 

 この音楽の世界を機械越しでも再現することが出来るか?そこが「六苦ヒーロー」のメジャーデビューにおける大きな壁の一つになるだろう。

 

「【モノクロ映画な世界が鬱陶しくて 色をくれよと願い続け この歌をかき鳴らすのさ】」

 

 曲は本作の撮影に辺り、主演の京極に作詞作曲させた「幽霊騎士」という曲だ。

 

 普段であれば本職の作詞家や作曲家に依頼するのだが、折角、音楽関係に強い主演が居るので作らせてみた。京極がこれから音楽活動を続けていく上でも、こういったことに挑戦しておくのは良い刺激になるだろう。

 

 「【今の僕は影の国から出られないと知っているから】」

 

 チラリと隣を見てると、イェニーが「余計なことしちゃったかな」と言いながらも嬉しそうにニコニコと笑みを浮かべていた。私も大概アレだが、イェニーも相当なお人好しだ。

 

 「【色無し幽霊 騎士サマを驕って ハリボテ馬で走って行け】」

 

 「【ウザったい今を切り裂けるよう (つるぎ)振り回せ】」

 

 歌がサビに入り、2人ドンドン調子を上げていく。

 

 文化祭の時も学生とは思えないパフォーマンスを見せていたが、たった数ヶ月で更なる成長が見て取れる。1を2にするよりも99を100にする方が余っ程難しく、ふたりが驕ること無く努力を続けてきたことがよく分る。

 

 「【その剣がある間は 僕も騎士様だ】」

 

 1番が終り、曲は伴奏へと入る。

 

 結束バンドのお嬢さん方や「STARRY」の大人たちもライブは観たことが無かったのか、あるいは以前のものよりも洗練されていることに驚いたのか、驚愕と憧憬の入り交じったキラキラ輝く瞳を2人に向けているのが見えた。目の肥えた私から見ても素晴らしいライブだ、気持ちは良く分かる。

 

 「【星サマキラキラ 僕はクログロ マジで退屈な毎日を照らされたままで】」

 

 「【カラフルテレビな貴女に近づけなくて 星よ光よと欲し続け この愛をぶちまけるのさ】」

 

 2番になっても2人の勢いが衰えることは無いまま、叫び声がぶつかり合うような演奏は激しさを増しながらも、一つの音楽としての調和を保ちながらライブハウス中に響き渡る。

 

 「【今の僕はに星の空へは遠すぎると知っているから】」

 

 2度目のサビが近づき初め、年末の正月番組で行うカウントダウンよりも実体を伴った緊迫感とド既読とした緊張感が辺りを支配する。足繁くライブハウスに通う音楽ファンの気持ちがよく分った。

 

 「【声無し幽霊 ヒーロー気取って 2本の脚で走って行け】」

 

 「【クソッタレな今をぶっ壊すんだ 音をかき鳴らせ】」

 

 京極もベテランなだけあって演じることを忘れちゃいないが、惚れた女の前で格好をつけているのか、或いは音楽そのものの楽しさに目覚めたのか。普段よりもずっと気合いが入った姿を見せている。予定では京極1人に歌わせる手筈だったが、後藤さんのお陰で想定よりもずっといい音源と映像を撮ることか出来そうだ。

 

 「【その音が響く間は 君もヒーローだ】」

 

 「【それでも寄越せよ 幽霊の僕がこの世界で生きられるよう 生き返るチャンスを寄越せ】」

 

 「【幽霊のままだって誇り高い騎士様だ】」

 

 「【幽霊のままだって 僕は輝く騎士サマだぁぁぁぁ―――!!】」

 

 思い人に捧げられた歌と自らを鼓舞する歌の違いだろう。文化祭で歌っていた「海底の人魚姫」が「猫背の人魚姫」のことを歌っていたのに対して、この「幽霊騎士」では「僕」が主体となっていた。

 

 叩きつけるような絶叫とともに曲が終り、もうすぐ本番のドラマパートに入る。

 

 

 

 演技と本気の入り交じったエキストラの観客たちの歓声を聞きながら、京極が「ありがとー」と愛想を振りまきながら舞台裏へと戻っていく。

 

 「カットッ!!うん、主人公の顔見せで終らせるのが勿体ないぐらいのライブシーンだ」

 

 京極たちが完全に舞台裏へと捌けていくのを見届けると、私はそこで1度カットを入れた。

 

 周囲が一気に現実に引き戻されて、空気が弛緩してガラリと変わった。舞台裏から京極が後藤さんの背を摩りながら現れると、結束バンドのお嬢さん方が2人に群がった。

 

 「凄いよ!2人とも!!ぼっちちゃんの演奏が凄いのは前から知ってたけど、ライブになるともっと凄くなっててビックリしたっ!!」

 

 「ベースの圧倒的な音も然る事ながら、表現力は正しく世界を作る創造神のそれ。歌も聴いているだけで、目の前で笑ったり泣いたり話しかけてきたりしてくるみたいに感情がダイレクトに伝わってきていて、それが世界観を作り上げている。ぼっちのギターも鮮烈で熱烈で稲光のように激しくありながら、世界観に何の違和感も与えずに、むしろ補強に一役も二役も買っている。それはまるで無音声映画に声優の声とBGMが追加されたかのように、ベースと歌だけでも一つの音楽として完成している曲を更なる次元へと昇華している。また曲自体も大変素晴らしく・・・・・・・・・」

 

 物静かな印象のあったお嬢さんがやたら早口言葉でまくし立てており、その興奮具合に後藤さんが若干怯えを見せ始めると、京極が後藤さんを庇うように前に出て、ドラムのお嬢さんが捲し立てているお嬢さんの口を強引に押さえつけた。

 

 あれでいい、ああいった子ども同士のバカ騒ぎは大人になるとどうもやり辛くなってしまうからな。京極は後藤さんを愛するあまり無意識に2人の世界に閉じこもろうとする悪癖があったので少し心配していたが、異性ばかりなのは気になるものの子ども同士での繋がりを広げることが出来そうなのは良いことだ。大人の世界には後で嫌と云うほど浸かることになるのだから、今はまだ子どものままでいさせよう。

 

 可愛い秘蔵っ子の明るい青春を祈りながら、私は台本を開くのだった。




 この場を借りて、評価を頂いた皆様に御礼申し上げます。

 筆者は承認欲求モンスターなので、高評価や感想で簡単に舞い上ってしまうのです。

☆10 かんかんさば様 
☆9 K356様 ジョニーJ様 ひも様 ユキノリス様 くろきし様 SMC様 みけへこ様 タマン様 
☆6 流れ者様 
☆5 絹旗様 
☆1 ごまくま様 グナイゼナウ様 
☆0 vergil666様 

推しの子要素どの位欲しい?

  • 仄めかす程度
  • 偶にゲストとしてキャラが出るくらい
  • 1人くらいはレギュラーに欲しい
  • 1回共演させるぐらいはしろ
  • ガッツリ作品に組み込め
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