という訳で、今週もどうにかこうにか間に合わせることが出来ました。
今回は2つの作品の要素がなんかこう、すごくすごい感じに組み合わさったかも知れません。
不思議だ、何時も通りのSTARRYの筈なのに空気が十倍ぐらい重たい・・・・・・・・・っ!!
や、やっぱり、私みたいな根暗陰キャがお誘いなんて無理だったんだ!!・・・・・・・・・・・でも、他に頼れる宛何て無いし、このチケット結構いい値段したし・・・・・・・・・・よ、よし!やっぱり、言おう!言うんだ!私は何時までも根暗なぼっちのままじゃない!!私は(妄想で)武道館を埋めた女!!
「あ、あ、あああ、あ、あのっ!!?」
「うぉ!?びっくりした!急に如何したの?ぼっちちゃん?」
ああ、虹歌ちゃんを驚かせてしまったっ!?
それに喜多さんやリョウさんもこっちを見てるっ!?これはまさか「おう?何、ウチの虹歌を驚かせとんじゃ?」「こらあ、詫び入れて貰わないとですね?先輩」ということではっ!?そして私は虹歌ちゃんを驚かせた罪でコンクリートと一緒に夜の東京湾へ・・・・・・・・・・・・っ!
「せ、せめて、ギターと一緒に沈まさせて下さい!!」
「何処に沈む気!?」
それから、虹歌ちゃんや喜多さんのフォローのお陰で何とか要件を切り出せた。
うう、フォローして貰わないとお誘い1つも出来ないなんて情けない・・・・・・・・・け、けど、私にしては凄く頑張ったよね?コミュ障脱却に向けて100歩・・・・・・・・・10000歩ぐらい前に進めた気がする。
そ、そうだよ!フォローして貰ったとはいえ、ちゃんと誘えたんだ!!私は凄い!私は出来る子!
「うへ、うへへへ・・・・・・・・・」
「おーい、帰ってこーい」
ハッ!不味い不味い、意識が飛んでしまっていた。
折角、ちゃんとお誘い出来たんだから、約束をしないとチケットが無駄になってしまう!
「でも、珍しいわね?後藤さんからお誘いなんて・・・・・・・・・・京極くんの出てる舞台?」
「あっ、いえ、これはキョーくん関係無い舞台です。けど、その、昔、私がキョーくんを誘った時、キョーくん「歌劇の方にも興味があるから」って言ってて、でも、結局、そういう曲は全然やれてなかったから・・・・・・・・・」
キョーくんは歌劇にも興味があるからボーカルを引き受けてくれたのに、私が今まで作曲したのは私の趣味のロックばかり。でも、今まで歌劇なんて見たこと無いし、勉強のために1人で観劇に行く勇気も無くて、キョー君や柊くんはそれぞれ撮影や内職で予定が埋まっていて、お父さんとお母さん、ふたりを誘おうとしたら2人も忙しくて無理だと断られてしまった。そこで、最後の頼りとして結束バンドのみんなを誘うことにして今に至る。
3歳児の方よりも予定がスカスカな私って一体・・・・・・・・・
「まぁ、ミュージカルとかの曲とロックは違うよねぇ・・・・・・・・・」
「でも、オペラに使われる楽曲は台詞に近い歌詞が多いからキョーに向いてる」
「私、ミュージカル見るの初めてです!」
溶ける私にはもう慣れたものなのか?虹歌ちゃんたちは特に慌てることもなく、崩壊した私の身体からすり抜けたチケットを取ってくれた。ち、チケットを手に取ってくれたってことは、い、一緒に行ってくれるってことだよね?そう信じて良いよね?
「誘ってくれてありがとう、ぼっちちゃん!」
私の不安なんか初めから無かったみたいに、虹歌ちゃんは笑って見せてくれた。
そうして結束バンドのみんなで舞台を見に行った帰り道、私たちは熱に浮かされたような興奮に突き動かされるようにして、舞台の感想を語り合っていた。
「すっごかったね!何ていうかもう、自分たちがそこに居るみたいで!!」
「ですね!スクリーンの映像もリアルで、ステージも回転して、それに役者さんたちの名演技!ラストの刀鬼が鞘姫に駆け寄るシーンなんて私思わず泣いちゃいました!」
「そ、そうですよね!何ていうか別世界に居るみたいで・・・・・・・・・っ!」
「肌で感じろ、肌で」
初めて見た舞台の上には、私たちの想像を遙かに超えた幻想の世界が広がっていた。
スクリーンに映し出させる映像、劇場そのものを震わせるような聞き取りやすい台詞と音楽、舞台そのものが回転して場面がスムーズに入れ替わり、私たち観客が一切の違和感を感じないまま物語の世界へと案内される。
それは正しく、異世界に連れてこられたような体験だった。
キョー君がオススメしてくれたから期待していたけど、まさか私たちとそんなに変わらないのにあんなに演技が上手い人たちが沢山居るなんて・・・・・・・・・みんなキョー君とは違うけれど、並んでも負けないぐらい役になりきっていた。表現していた。
キョー君が『今日甘』のドラマの時に散々扱き下ろしていた人も居たけど、それから努力したみたいで凄く上手くなってました。周りがみんな上手だったので荒く見えるところもあったけど、それでも一緒に1つの舞台を作ることが出来ているんだから本当に凄い。
「私も何時か、あんな風に・・・・・・・・・」
「えっ!ぼっちちゃん演技始めるの!?バンドはっ!?」
「あっ、いえ、そういう意味じゃなくて・・・・・・・・・私、星座に成りたいんです」
「星座ですか?」
喜多さんがキョトンと首を傾げ、私は小さく首肯して答える。
星座になりたい。六苦ヒーローや結束バンドという仲間を恵まれて生まれた、私の新しい願い。今でもチヤホヤされたいのは変わらないし、学校中退もしたいけれど、1番叶えたい願いは星座になることだ。
「私は本当に仲間に巡られました。キョー君、柊くん、虹歌ちゃん、喜多さん、リョウさん・・・・・・・・・ただギターが上手いだけの私には勿体ないくらい、綺羅星みたいに輝く素敵な仲間」
「私はそんなみなさんと胸を張って肩を並べられるようになりたいんです。私だって六苦ヒーローの、結束バンドの仲間なんだって、自信を持って言えるようになりたい。私も星になって、みんなとあつまって星座になりたい」
それが今の私の夢、私がバンドを頑張る理由だ。
「後藤さん・・・・・・・・・」
「ぼっち・・・・・・・・・」
「よーし!」
何を思ったのか?突然、虹歌ちゃんが大きな声を上げて腕を空に掲げた。
数歩前へと出ると、クルリと振り返って私が憧れた花が咲くような笑顔を見せてくれる。
「帰って練習しよう!ぼっちちゃんがお星様になれるように、ぼっちちゃんがお星様になるまで輝き続けられるように!私たちも頑張らないと!」
「はいっ!私、何だか燃えてきちゃいました!」
「ぼっちにはお金も借りてるしね」
「みなさん・・・・・・・・・」
やっぱり、みなさんは私のお星様です!
・・・・・・・・・でも、それはそれとしてお金は返して下さい。
キョー君は(芸能人基準で)フツメンなので顔面至上主義の鏑木Pの企画にはお呼ばれすることが出来ませんでした。