ひーろー・ざ・ろっく   作:星宮 星雅

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 ちょっと、体調崩して執筆休み気味です。

 とは言っても、まだ書き溜めを崩している段階ですけど


しんてんち・ざ・ろっく 後藤ひとり編

 舞台上で盛大に粗相をやらかしてしまって新たなトラウマを作ってしまった後、舞台裏で溶けてスライム状になってしまったけけれど、キョーくんが「後藤ひとりのカッコイイロック」を弾き語りしてくれたお陰で人間に戻ることが出来た。毎度、キョーくんには感謝してもしきれない。

 

 後日、仮面で素顔を隠していたはずなのに学校でギターヒーローと呼ばれてしまい、舞台での粗相がフラッシュバックして階段下の謎スペースで盛大に吐きながら、高校は私のことを知る人が誰も居ないところへ行くと決意した。だけど、そこにキョーくんは居なかった。

 

 

 

 あれは私が秀華高校への入学を決めたことをキョーくんに伝えに行った時のこと、何故か私の写真が天井や壁にびっしり貼られたキョーくんの部屋へ行くと、何時になく神妙な顔をしたキョーくんは私が話を切り出す前にベージュ色の冊子を1冊差し出した。

 

 「今度、日曜朝の特撮ヒーロー番組に主役として出させて貰うことになった。」

 

 「お、おめでとう!やっと、キョーくんの実力が認めて貰えたんだ!」

 

 その報告を聞いた時、私は心の底から本当に嬉しかった。

 

 私はキョーくんが毎日頑張って下積み生活を送るのを一番近くで見ていたから、私はキョーくんの1番最初のファンだから、キョーくんの躍進していくのは私にとっても夢だった。それに、今は「六苦ヒーロー」の活動があるから、キョーくんが遠い世界の人になってしまっても一緒に居られる。少しも寂しくないと言ったら嘘になるけど、それ以上に素直に喜べた。

 

 以前、特撮ヒーロー番組の主役といえば若手俳優の登竜門だってキョーくんに聞いたことがある。ということは、キョーくんはこれからスターダムを駆け上がっていくんだ。私も相棒に相応しいギタリストでいられるように頑張らないと!と、気合いを入れ直した時のことだった。

 

 「これから、暫くの間は撮影でかなり忙しくなる。残念だけど、高校の方も芸能活動による欠席を配慮してくれるところを選ばないといけない。だから、ひとりと同じ学校に行くのは難しい・・・・・・・・・」

 

 キョーくんは酷く苦渋に満ちた顔で血の涙を流しながら、私をぼっち学園生活の谷に突き落とし、絶望・恐怖・失意・・・・・・・・・複数の感情が入り乱れた末に私が爆発四散したのは。

 

 

 

 中学までは私がどんなに惨めな姿を晒しても一緒に居て褒めてくれるキョーくんが居たから何とかやってこられたけど、秀華高校にはキョーくんは居ない。正真正銘ひとりぼっちに成ってしまった私は陰の住民として気配を隠しながらひっそりと生きる他無かった。

 

 キョーくんには安心して貰う為に「わ、わわ私だってもう高校生だし、中学では体育館中を沸かせた女!1人で高校ぐらい余裕ですよ!アハハハハ!」なんて調子の良いことを言ったけど、正直、満員電車に乗るだけで周囲の陽キャな乗客たちの声とオーラにやられてナメクジになってしまう。

 

 うう・・・キョーくんは今頃必死に頑張ってお仕事してるのに私はナメクジ生活・・・・・・・・・・

 

 「聞いて下さい、ニューアルバム「電車も乗れないナメクジのレクイエム」」

 

 現実から逃避するように、建物の影で弾き語りをするのも日課になった。

 

 こうして定期的にギターに触って音を聴かないと人間であることを忘れて戻れなくなる。

 

 もう、私を優しく人間に戻してくれるキョーくんと一緒に学校に行けないんだから、自分で自分を守れるように頑張らなきゃ!私はギターヒーロー!みんなのヒーロー!

 

 「あ、でも、私みんなの前で吐いちゃったんだったあはははは・・・・」

 

 ああ、また身体が溶けていく、ギターを・・・・・・・・・ギターを弾かないと身体がぁ。

 

 「あっ!ギターぁっ!?ギタースライムッ!?

 

 身体が溶けていくのを感じながら、誰かの声が聞こえた気がした。

 

 

 

 気がつくと、私は暗くて落ち着く場所で横たわっていた。

 

 たしか私は日課の自己蘇生作業に失敗してナメクジになっていた筈、つまりはここは・・・・・・

 

 「死後、ナメクジたちが裁かれるというナメクジ地獄・・・っ!?」

 

 「そんな変な地獄じゃないよっ!?」

 

 「ひぃ!ご、ごごごごめんなさい!ナメクジだなんて調子に乗りすぎました!!」

 

 聞き慣れない声に何時ものコミュ障を発揮して、声のした方へと身体を向けて土下座をすることで精一杯の謝罪を示す。そ、そうだ・・・お詫びも用意しないと・・・・・・・・・

 

 「こ、これ、私が何時かお嫁に行く時用にお母さんが貯めていてくれた貯金です・・・・・・・・・」

 

 「受け取れないよっ!!というか、謝らなくて良いから!リョウも受け取ろうとしない!」

 

 「で、ででででも、他に価値のある者なんてギターぐらいしか持ってないなくて・・・・・・・・・」

 

 「それだよ!私たちヘルプのギターを探してたんだ!」

 

 

 

 優しい人たちのお陰で何とか落ち着いて詳しく話を聞いてみたら、ここは「STARRY」というライブハウスで優しい人たちの初ライブ直前にギターが逃亡、何とか出来ないものかと代わりのギターを探し回っていたところ、建物の影で弾き語りをしていた私のギターを聞きつけたらしい。

 

 人間に蘇生してくれた恩返しはしたいけど、他の人とセッションするなんてキョーくんとしか経験が無い。キョーくんは何だかんだ付き合いも長いし、ずっと私に合わせてくれていたから、何とか一緒にライブも出来たけど、知らない人たちと初めての曲でセッションなんて・・・・・・・・・大事な初ライブを壊してしまう。

 

 「ご、ごごごめんなさいっ!あ、あの、何時も同じ人とセッションしてたので・・・・・・・・・・」

 

 「だったら大丈夫だよ、セッションの経験はあるんでしょ?」

 

 「で、でででも、何時もは私の方が合わせて貰ってて・・・・・・・・・」

 

 「私たちも急にヘルプ頼んだ立場だから、出来る限りあわせる」

 

 うっ!何だが凄く気を遣わせてしまっている・・・・・・・・・っ!!

 

 私にキョーくん・・・・・・・・・ベースヒーロー以外の人とセッションなんて出来る筈無いのに!で、でも、そのキョーくんは今も私じゃ無い人と一緒に必死で頑張っている。そんなキョーくんの相棒に今の私は本当に相応しいの?いや、ダメだ!私も成長するために一歩を踏み出さないと・・・・・・・・・でも、やっぱり怖い。

 

 うう・・・・・・・・・助けて、ギターヒーロー!

 

 「はーはっはっは!君たちの初ライブのギターはこのギターヒーローが請け負った!」

 

 「何その仮面!?すっごいキャラ変わったね!」

 

 「キャラ?何のことだい?ギターヒーローはさっきここに来たばかりだよ?」

 

 「コレ(段ボール)被らせたら何ヒーローになるかな?」

 

 「リョウは変な実験しようとしない!!」

 

 後藤ひとりはどうしようもないプランクトンだけど、キョー君が居ないと何も出来ないナメクジだけど、それでもギターヒーローなら大丈夫だ。だって、ギターヒーローはベースヒーローと対等で相棒なんだから!

 

 この仮面をつけている間は、私だって胸を張ってヒーローになれるんだから!





 本作ではギターヒーローは六苦ヒーローのギターとしての芸名という扱いなので、この時点でギターヒーローの名前を知っているのは文化祭ライブに居た人だけです。

推しの子要素どの位欲しい?

  • 仄めかす程度
  • 偶にゲストとしてキャラが出るくらい
  • 1人くらいはレギュラーに欲しい
  • 1回共演させるぐらいはしろ
  • ガッツリ作品に組み込め
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