女帝シリーズ   作: 01leader

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実はPixivに上げた初のウマ娘作品です。
女帝よ,永遠なれ。


第1話 一年越しの温泉旅行

あの温泉旅行から1年。

 

あの時の私は「もしかしたらトレーナーと・・・」いう淡い期待を抱き・・・その・・・勝負下着まで着けたのだが・・・・・何も無いまま終わってしまった。

反省すべき点はハッキリしている。

トレーナーに対し,「女帝」としての振る舞いができても,それ以外の振る舞いができなかったからだ。

 

あの旅行の次の日,私は母に電話でこの事を伝えたところ・・・これ以上ないくらい笑われ,ダメ出しを受けた。

 

ダイナカール

グルーヴちゃん。そりゃあ何も起こらないわよ。だいたいトレーナーさんに「好き」だとか「愛している」とか言った事あるの?

あと私も一度会ったけどトレーナーさんは常識ある人よ。まだ高等部のあなたに手を出すわけないじゃない?

だいたい旅館に行くとき,どんな格好したの?またPTAの役員にしか見えない,あの服を着たんでしょう?

 

散々な言われようだった。

ただ私服に関しては,あれこれ言って欲しくないものだ。

 

ダイナカール

はぁ・・・とりあえず色々助言したいけど,また旅館に行く事になったら教えて頂戴。私から見ても,あなた達はお似合いだから。ただし高等部を卒業してからね。

って言ってもあと2週間後だったわね,卒業式。

 

・・・まあ,こんな感じだ。

URAファイナルズも終わり,私は高等部の卒業を控えるだけになった。

私はURAの後,ウィンタードリームトロフィーへの移籍を宣言。そして4月からは学園内の大学にあるトレーナー専攻学部に通い,トレーナー試験の合格を目指すという進路だ。

 

それで私はというとトレーナーに告白も何もできないまま現在に至っている。

当然,母からは「卒業式という,これ以上ないタイミングを逃すなんて」と呆れられた。

しかし今の私はトレーナーになる勉強をしているので当然ではあるが実地講習もあり,ウィンタードリームトロフィーへ向けての練習もあるので,トレーナーとは今も会っている。そして時間が合えばトレーナーの部屋に行き,掃除をしている。

・・・つまり私とトレーナーの距離感も関係性も高等部の頃と変わっていなかった。

 

そんな私に業を煮やしたのか母から電話があった。

 

「グルーヴちゃん。今度,家に帰ってきなさい。」

 

帰った私に待ち受けていたのは母親からの尋問

「トレーナーさんの事,好きなんでしょ?」→はい

「愛してるんでしょ?」→・・・はい

「結婚したいんでしょ?」→・・・・・・・

「沈黙は肯定とみなします」

 

とにかく「エアグルーヴはトレーナーの事が好きだ」という事を確認させられた。そして「もう一度,トレーナーさんと温泉旅行に行って,そこで決めてきなさい」と言われた。

それからは怒涛の日々だった。トレーナーとスケジュールを合わせ,母からは「私が旦那であるトレーナーと結婚した方法」をレクチャー(7割が惚気話)させられた。

 

そして迎えた一泊旅行当日。

温泉や食事を堪能し,思い出話に花を咲かせていたところ,あっという間に寝る段階になっていた。

勝負は,ここからだ。

 

まあ本当は,もっと前の段階での作戦もあった。

ただ「いつもより胸元をあけた服と短めのスカートを履いて,下着をチラっと見せろ」という,とんでも内容だった。「はしたない」と言う私に対し,「勝負服で谷間も脚も出していて,挙句の果てにブルマ姿まで晒していて今さら何が恥ずかしいの?」と母からの反論。最終的には「色仕掛けはトレーナーと結婚したら」と妥協案を提示して何とか,その作戦は引っ込めさせた。

 

すでにトレーナーは布団に入って,横になっている。

私は洗面所に来ていた。

「やるしかないのか・・・」

 

私は浴衣を脱ぎ,下着を外した。そして,また浴衣を着た。

部屋に戻り,脱いだ下着をバッグに入れた。

トレーナーは私に背中を向けた状態。

それを良い事に私は自分の布団をトレーナーにくっつける。

布団に入り,そして母に言われた事をする。

 

「おい。寝る前の挨拶ぐらいしないか,たわけ」

トレ「ああ,おやすみ~」

「挨拶は顔を見てするものと教わらなかったか?」

トレ「わかったよ」

そしてトレーナーは,こちらに体を向け・・・固まった。

そりゃそうだ。

トレーナーの視線の先には浴衣をはだけて胸元と脚を露出している私がいたからだ。

トレ「ちょっと,エアグルーヴ・・・その格好」

「どうだ・・・き,貴様には特別に見せてやるぞ。じょ,女帝のその・・・おい!そのまま見ていろ,たわけ!」

背中を向けようとするトレーナーに怒鳴る。私だって恥ずかしいんだぞ・・・。

「どうだ?」

トレ「ど,どうと言われましても・・・」

「き,貴様は私で・・・私の体に興奮しないのか!」

トレ「はい,してます!」

バカ正直な男だ。ここで押し切らなければ・・・。

 

私は,そのままトレーナーに抱きつき,脚を絡める。

その際,私の下半身に何か硬いものが当たった。

よし。ここまで作戦は成功している。

 

「なあ,トレーナー」

トレ「は,はい」

「私は貴様の事を愛している。だが私と貴様の関係は『女帝と杖』のまま・・・」

「・・・私は・・・怖かったんだ。この思いを打ち明けて・・・関係性が変わってしまうのが・・・」

 

泣くつもりなど無かったのに・・・

 

「でも,もう抑えられなかった。だから,こんな・・・事までしてしまっ・・・」

 

溢れ出る思いはあるのに言葉ではなく涙でしか出てこない。

私はどうすればいい?怖い,トレーナーの顔が見れない。

 

「んっ・・・」

 

何が起こっているんだ?トレーナーの顔が私の近く,そして,この唇に伝わる感覚・・・・。

私はトレーナーの顔を見る。

 

トレ「俺もエアグルーヴを愛している」

 

何の迷いも,躊躇もない言葉だった。

私がトレーナーから欲しかった言葉。

 

「あ・・・ぁ・・・あぁぁぁぁ・・・」

 

何も返せない私に再びトレーナーは唇を重ねてくる。

気づけば私も,それに応えようと激しくトレーナーを求めていた。

その後,私たちは肌を重ね,ひたすらに愛し合い,そして気づけば意識を手放していた。

 

 

 

 

 

数ヶ月後

 

 

 

 

 

トレ「エアグルーヴ。とても似合ってるよ」

「ありがとう。まさか,あの時の勝負服を私達の結婚式で着ることになるとはな」

トレ「ああ。俺も,そのウエディング勝負服を着たエアグルーヴの隣に夫として立つ事になるなんて思わなかったよ」

 

嬉しい事を言う男だ。

まあ,この勝負服については当時ブライアンと色々あったがな・・・。

 

トレ「さあ。行こうか。」

「ああ,喜んで」

 

差し出された手を取り,私たちは未来へと歩き出した。

 

 

 

 

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