ブラック企業に勤めていた国分冬はある日届いた宅配便を開けると妹が産み出された。読んでいて何が起こってるのかがよくわからなくなる色々とおかしい物語。

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B・生誕

「あんなゴミクソアホバカ会社辞めてやる」

そう思ったのは21歳の社会人、『国分冬(こくぶんふゆ)」だ。冬は昨日から24時間連続で働いていた。だが今勤めてる会社は典型的というか今どきあるのというレベルのブラック企業で残業代は出ない上に夜勤手当も出ない。おまけにこの後会社の講習もあるとのことだ。だが冬は既にやる気がなかった。なのでその講習には参加しないことにした。

「はあ・・・ブラック企業はいつの時代になってもなくならないんだなあ・・・」

3年ほど前、『大伊田健(おおいたけん)』という男が、ビーカーから妹を産み出し、そこからたくさんのビーカー女子というクローン人間を創り、やがて世界の王へとなった。健は王へとなり、世界中のブラック企業を破滅へと追いやった。だが、その後しばらくしてから反ビーカー女子連盟という組織が発足し、社会へ向けて健の行いを間違ったこととして広め、ビーカー女子及び健は淘汰されることになった。王政は当然崩御。健は拘束され行方が知れない。ビーカー女子もまたそうだ。健の王政が終わり、筍のごとくブラック企業は再び生え出した。

「確かにビーカーで命を産み出そうなんて馬鹿げてたけど、ブラック企業をなくしたいって気持ち、妹が欲しいって気持ちはなんとなくわかるな・・・僕は家族の顔も見たことがないし・・・」

冬は自分の家族の顔を知らなかった。気が付けば国分家にいて、暮らしていて就職をしていた。だが嘆いたところで現状は変わらない。会社を辞めたくても色々と面倒なことになってしまうし、いっそ現実逃避で妹を創るのもアリだが、ビーカー女子を作ろうものならば反ビーカー女子連盟が押し寄せてくるらしい。噂によれば捕まった人のその後の行方は誰にもわからないとか・・・

「ただいま。」

冬は家へと帰ってきた。そのとき母が

「冬、あんたに宅配が届いてたよ。差出人はわからないんだけど・・・」

冬はそれを受け取り開封した。

「えーと・・・ビーカー・・・?それに手紙が入ってる。このままでは全ての命が駆逐される。君にこれを託す・・・健・・・・!健って・・・あの大伊田健・・・!?」

届いた荷物は健からのものだった。冬はわけが分からなかったが、そのビーカーが突然

ドカーン!!!!バリーン!!!!

と家が張り裂けるほどの爆音を鳴らしながら粉々に割れた。割れたビーカーの跡には

「お・・・女の子・・・?」

全裸の17歳くらいの茶色のロングヘア―の女の子が横たわっていた。

「あ・・・あら・・・?わたくしは・・・一体・・・?」

女の子は目を覚ますとそう冬に向かって喋った。

「母さん・・・これって・・・」

「ええ・・・ビーカー女子・・・よね・・・?」

「かなりまずいんじゃない????」

そう。ビーカー女子が産まれてしまった。つまり、反ビーカー女子連盟が押し寄せてくる・・・!

家の張り裂けるような爆音が鳴ったのだ。反ビーカー女子連盟が来るのも時間の問題だ。

「ど、どうしよう母さん!」

「こ・・・こうなったらこの子を連れて逃げなさい!ここは私が何とかするから!」

「でも!」

「行きなさい!反ビーカー女子連盟が来たらこの子だけじゃなくあなたまで・・・」

「ふ~ん・・・Bの産声が聞こえたと思ったらこんな家でねえ・・・」

「!」

聞き覚えのない男の声。反ビーカー女子連盟の幹部だった。

「きゃああああああああああエッチ!!!!!!」

ビーカー女子はそう叫ぶと連盟幹部に近くにあった箱を投げつけた。が、連盟幹部はそんな攻撃がまるでなかったかのように口を開き、

「B、ビーカー、A、アンビリーバボー、D、デストロイ、BAD・・・ビーカー女子はこの世界の生命として本来あってはならない存在。我々の権限を持ってあなた方を拘束します!」

と腰につけていた銃をビーカー女子に向け、発砲した。

「危ない!」

冬はビーカー女子を庇うようにした。銃弾が腕に命中すると

「あ・・・・熱い!!!!痛い!!!!!」

信じられないほどの激痛が体を迸った。

「ふ~ん・・・この銃はB、ビーカー、K、キラー、B、ブラスター、BKB・・・ビーカー女子にしか効かないはず・・・君もビーカー女子って訳かあ。」

「僕が・・・ビーカー女子・・・?嘘だ・・・・!」

「逃げなさい!冬!」

母が閃光球を地面に投げつけ、隙を作った。何が何だかわからなかった冬だが、ビーカー女子を連れ、全力で逃げた。

「ビーカー女子を2つも逃がすとは・・・S、シン、B、バッド、S&B・・・大罪人ですねえ。とにかくあなただけでも拘束しますよ。」

母は連盟に捕まった。

冬とビーカー女子は何とか逃げ切った。

「一体・・・何が何だか・・・」

「あの・・・お姉ちゃん・・・?わたくし・・・お腹がすきまして・・・」

「ああ・・そっか僕の妹ってことなのか。ご飯はまああるとして・・・名前を付けないとね・・・そうだなあ・・・マチなんてどうかな?」

「マチ・・・それがわたくしの名前なんですね。わかりました!」

正直唐突にできたとはいえすごくかわいい妹ができて冬は少し満足していた。近くのコンビニでご飯を買い、車中泊をした。

翌日・・・

「なんだこれ・・・」

車の周りを連盟の役員たちに囲まれていた。


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