~士道・剣心side~
琴里の言った四糸乃の居場所へと向かう途中士道は先程の会話を頭のなかで繰り返ししていた。
「良いところを見せる…か」
「どうしたでござるか?」
「え?いや、四糸乃にどんな良いところを見せたら良いのかなって…」
「それは士道が思ったことを四糸乃に伝えるのが一番ではないのでは?」
剣心はそう言いながら微笑む。
「そうですね。考えすぎたのかもしれません」
「そうでござるな」
その時、
ガン!
剣心が何かとぶつかった。
「おろ!?」
「おわっ!?」
剣心は尻を打った。
「いたた…」
「大丈夫ですか剣心さん?」
「いや、すまないでござる。うっかりしてたでござるよ。」
「ならいいですけど…」
そうやって起き上がった剣心はぶつかってしまった人に
「いや申し訳ない、拙者がうっかりしてたせ…」
言葉が詰まった。
「左、左之助?」
剣心は震える手を抑えながらそう言った。
「お?剣心じゃねぇか!お前何してたんだ今まで!」
左之助も剣心とわかった瞬間今まで安否の分からなかった理由を聞いた。
「いや、その話は後でござる。それより今は左之助。力を貸して欲しいでござる」
「お?どうした?何かあったのか?」
「一人の少女を救いたいのでござるよ」
「まぁ何かわかんねぇけどいいぜ!」
左之助は親指を突きだした。
「かたじけない」
「待ってください!」
すると突然今まで黙っていた士道が声を上げた。
「どうしたでござるか?」
「剣心さんの知り合いってやっぱりこの人何ですか?」
「そうか士道殿は前に左之助に会っていたのでござったな」
そう。士道は前に左之助にここはどこか聞かれたのだがその時の左之助に臆してしまい苦手意識をもっているのだ。
「士道殿。左之助は見た目は怖いかも知れぬが中身はとてもいいやつでござるよ」
「で、でも…」
「それに左之助は強い、四糸乃との戦闘もしくはASTとの戦闘になるかも知れない。そんなときに左之助が居たら心強い。」
「そこまで言うなら…わかりました」
「理解の事感謝致す」
「まぁ、立ち話もあれだし俺は追っかけてる奴がいるんだそいつも探さなくちゃいけねぇ、早く行こうぜ」
「そうでござるな」
三人はまた走り出した。
~四糸乃・ASTside~
あぁ、何だかとてもうるさい。
いつもならよしのんがいるから良いが今はその心の支えであるよしのんがいない。
よしのんが居なくては何も出来ないことくらい自分でも分かっている。だからさっきまで剣心と士道とデートをしたのだ。剣心がデートするか決めるのは私だと言ってくれたから、デートして少しでも強くなれると思ったから…
でも違った。結局はよしのんが居るから出来たのだ。結局はよしのんが居なくては何も出来ない。
自分は弱い。分かってる。
変えたい。変わらない。
どうして?分からない。
心に迷いが出来た…それをASTは逃さなかった。
「打て!」
地面に打ち付けられた四糸乃には何も出来なかった。
ただ歯を食い縛った。少しでも痛みを減らせるように。
ババババン!
四糸乃は目を瞑った…
カンキンキンカンカンキン!
目を瞑ってから少し経つが一向に珠が当たらない。
目を少し開けたそこには…
「大丈夫でござるか四糸乃?」
「ぁ…ぁぁぁ!」
剣心がいた。
~ASTside~
「また出たわね剣心!」
隊長日下部燎子は独りごとの様に呟いた。
すると、
バゴン!
どこからか音がした。
「おらおらおらおらおら!」
燎子の視界には随意領域を叩き続ける左之助がいた。
「あの男何でここに?!」
「てめぇらか!俺の食糧を潰したのは!監禁したうえにここまでするとは覚悟しろよ!」
しかし燎子は思っていた。いくら少し筋肉が有るからって随意領域は壊せないと…
しかしその考えは直ぐに壊された。
バキ!バキバキバキバキ
自慢の随意領域はものの見事に壊された。
「なっ!?くっ!」
燎子は唇を噛んだ後隊員達に命令した。
「左之助を捉えなさい!」
「はい!」
~四糸乃・剣心side~
「な…なんで…」
「四糸乃を救う為に来たんだよ」
「え?」
四糸乃は剣心の口調が変わったのかと思ったが剣心の後ろから士道が現れた。
「剣心さん…」
「分かったでござる。拙者はASTの足止めをするでござるよ」
「ありがとうございます」
剣心はその場から立ち去った。
「ぁ…あの…」
「ん?」
「す、すいません…デートの途中で逃げ出してしまって…」
「いいよ…それよりほら」
そう言って士道は手に持っていたよしのんを渡す。
実は琴里と話した後ふと見たらよしのんが落ちていたのだ。
「こ、これ…」
「大事な友達なんだろ?なら大切にしろよ?」
「あ、ありがとうございます」
「四糸乃…」
「?」
~剣心side~
士道と四糸乃と離れた剣心はASTを見ていた。
しかしASTは左之助の捕獲に手こずっているようだ。
やはり二重の極みは強い。
そんな事を考えていると急に人の気配を感じた。
カキィン!
剣と剣が交じりあった音がした。
「お主は…」
「緋村剣心貴方を捕縛する」
折紙は剣心に向かってきた。
「捕縛?どういうことでござる?」
「貴方は前のプリンセス戦で天使をその刀で壊した。その力を私たちに貸して欲しい。」
「断れば?」
「無理やり捕縛すると言った筈」
「そうか…」
すると剣心は向かってくる折紙の刀を受け止めてこう言った。
「聖霊の気持ちを知らずに只武力で殲滅しようとする貴様らには死んでも付かぬ」
「そう」
折紙はそう言ってから…
「なら私は貴方と正々堂々と勝負する。勝ったら…」
「そっちに付くでござるよ」
その瞬間、折紙は又しても剣心に正面から向かっていった。
しかし剣心も普通に対応して詰め寄った。
「龍翔閃!」
折紙は構えてはいたが速さについてこれず見事にくらい宙に浮いた。
「龍墜閃!」
宙に浮いた折紙は剣心に剣で叩き落とされた。
「くっ…!」
「勝負ありでござるな」
「ま、まだ…」
「今の御主では拙者には勝てぬでござるよ」
「そんな事…!」
「強くなりたければ変なプライドや力など捨てよ。聖霊と戦うのなら生き延びるつもりで戦え。生きる意志は何より強い」
「…くっ…」
その瞬間折紙の視界は真っ暗になった。
~士道・四糸乃side~
「俺はお前のヒーローになる。そして友達になる!」
「…!」
「お前をもうよしのんだけになんてさせない。俺と剣心さん、他にも色んな人がお前を助けてやる。だから…」
「…?」
「俺にお前を救わしてくれ」
「…っ!」
その瞬間四糸乃は涙が出た。
こんな事を言ってくれた士道に惚れた瞬間なのかも知れない…
「だから四糸乃…俺とその…キスをしないか?」
「キス…?」
「その…唇と唇を合わせるんだ…」
するとその時
四糸乃は士道の唇に唇を触れた。
「…!?」
「これで…いいですか?」
「あ…あぁ」
すると四糸乃の霊装が光の粒子になって消えていった。
「士道さん…これ…」
「こ、これはその!」
すると…
~オールside~
「あ…」
「え…?」
「おぉ…」
「へへっ…」
雨だった空が雲一つない晴れに変わった…
「綺麗…」
四糸乃はそう言うと空をじっと見つめた。
剣心は今まで見たことのない素晴らしい空だと思った…
はい。一応四糸乃編は終了です。
少し今回は剣心と折紙の闘いを入れてみました。
楽しんでいただけたでしょうか?
そうならば幸いです。
さて、次かその次から少し凛祢編入ります。
一応凛祢編は琴里の霊力を封印した所までなのでそこまでしなくてはいけませんが番外編という事で、封印した後でやっていきます。