夜
宗次郎は一緒にいたクラスの女子と別れるとそのまま家へと帰った。
(少し遅くなっちゃったかな?早く帰ろう…)
そう思いながら宗次郎は少しペースを早めて歩いた…
~狂三side~
狂三は家に帰ってからずっと部屋に籠りっぱなしだった。
あの現場を見た瞬間宗次郎の元へ駆け寄っても良かったが何て言えば良いのかわからなかったのである。
「宗次郎さん…なんで…」
狂三の目は充血していた。帰って部屋に籠った瞬間涙が出てきたのである。
それから2、3時間経ったがまだ宗次郎は帰ってこない。
もう確定だ。宗次郎は自分を捨てて他の女へと移ったのだ…
「う、ぅぅぅぅぅ……」
そう思うと又しても涙が出てきた。
その時だった
「ただいま~」
宗次郎が帰って来た。何時もなら晩御飯の支度をしているが今日は違う。狂三は部屋から出ないと決めた。
~宗次郎side~
「ただいま~」
少し早歩きで帰って来たので何とか何時もの晩御飯の時間には間に合ったようだと思った宗次郎はホッとしていた。
しかし、何時になっても狂三が出ていない、おかえりの声も聞こえない。
「?」
疑問に思いながらも宗次郎は玄関で立っているのもどうかと思ったのでリビングに上がった。
だかリビングには狂三はいないしましてや電気も付いていない。
だか、いつも買い物に出掛けるときに使っているエコバッグがあるから家にはいる筈だ。
そう考えた宗次郎は狂三の部屋へと向かった。
コンコン
「おーい狂三いるー?帰ってきたんだけど~…」
部屋の前まで来た宗次郎はノックをしてから言った。
この部屋に狂三がいるのは間違いない人の気配がするからだ。
「開けるよ?」
狂三から返事が帰ってこないのでドアを開けようとしたが鍵が掛かっていた。
「狂三ー?どうしたの?開けてよー」
宗次郎はドアの向こうにいる狂三に話しかけた。
すると向こうからやっと返事が帰って来た…
「おかえりなさいまし…宗次郎さん……」
やけに元気のない声である。
「どうしたの?元気ないね。熱でも出た?」
すると狂三が宗次郎に言い放った……
「楽しかったですか?今日のデートは」
「今日のデート?何を言ってるの狂三?今日はデートなんてしてないじゃないか」
「私とではありませんわ…他の女と商店街をぶらぶらするのは楽しかったですか?」
それを聞いた宗次郎はあぁと呟いた。そして、
「勿論楽しかったよ」
と言った 。
宗次郎はまさか狂三に自分が浮気していると思われているとは分かっていなかったのでただ単に色んな所を回れて楽しかったと言ったのだが狂三には別の意味で捉えられていた…
「そうですの…それならもう私は必要ありませんわね…」
「えっ…?それってどういう…バン!ダッタッタ…」
宗次郎が言葉の意味を聞こうとした瞬間に狂三は部屋から出ていってしまった…
「ちょっと待ってよ狂三!」
宗次郎も慌てて後を追った…
~狂三side~
狂三は今ファーストフード店にいた。家から出た瞬間影に入りここまで来たのである。
店のなかには他にもたくさんの人がいた。その中には来禅高校の生徒も沢山いた。
「はぁ…」
狂三はため息をつきながらハンバーガーを口に入れた。晩御飯を食べていなかったのでお腹が空いていたのだ。ラッキーなことに晩御飯の材料のお釣りをポケットに入れたままにしていたので買うことが出来た。
(宗次郎さん…)
ホントに1ヶ月前のことだ…これから先自分を幸せにしてくれると言ってくれたのは…だが今は幸せ所か真逆の不幸である。
「これからどうしましょう…」
あの家を出ていってしまったのだ。今さらさらっと帰ることは出来ない…
士道に事情を説明して泊めてもらおうかと思ったが夜にいきなり押し掛けるのは迷惑だろうと思ったので止めた。
(さて、ホントにどうしましょう…)
そう考えていたその時、後ろにいた来禅高校の制服を来た生徒が三人いた。
恐らく制服の色からして3年だろう。その3人の話に少し耳を傾けた…すると
「そう言えば今日瀬田の奴が同じクラスの女子と一緒に放課後買い物してたらしいぜ?」
「マジかよ~…時崎さんて人がいながら何してんだよあいつ!」
「ホントだよなー俺ならずっと時崎さんにくっついていたいぜ!」
どうやら宗次郎の今日の放課後の事は一部の人には知られているようだ…
(やはり一緒に買い物していたようですわね…)
本音を言えばもしかしたら宗次郎じゃなくてそっくりさんだと信じていたがやはり宗次郎の様だ…
「はぁ…」
もう一度深いため息をついた時だった。
三人いて唯一会話に入っていなかった生徒が口を開いた…
「でも俺瀬田とおんなじクラスの後輩に聞いたんだけどよ…俺の後輩がいつも貰ったラブレターはどうしてるんだ?って聞いたらしいんだよ」
「それで?」
「ラブレターはいつも読んではいるけど読んでいるだけだって僕には狂三と言う世界で一番大切な女の子がいるからね!もし世界で一番可愛い女の子が僕の事を好きになっても僕は絶対に狂三を選ぶよ。って言ったんだってよ」
「へー」
一人が少し感心したかのように返した。
すると更に会話に入っていなかった生徒が言った。
「更にその瀬田と今日一緒にいた女子は彼氏がいて誕生日プレゼントを宗次郎に一緒に考えてもらおうと思ったんだってよ。後輩が彼氏持ちからも好かれるなんてセコいとか言って怒ってたよ」
「ホントだよなー」
「ホントホント」
狂三はその話を聞いた瞬間、食べ差しのハンバーガーも机に置いて店を走って出た。
狂三は家に走りながら戻っていた。その時にずっと頭のなかで考えていた。
(やっぱり宗次郎さんは浮気なんてしていなかったんですわ!私が勘違いしたせいで今頃迷惑をかけてしまっている…謝らないと…!)
精霊とは言えど走っていたら息が上がってくる…だが狂三はそんな事は気にせずに走り続けた。影に入り家まで帰っても良かったが何故だがそれは気が引けたのである。
そこを曲がれば家である。ファーストフード店から家までは走れば10分あるかないかだがとても長く感じた…
そして角を曲がると
家の前で立っている宗次郎の姿があった…
「宗次郎さん……」
狂三がポツリと呟いたが宗次郎には聞こえたのかこっちを向いて狂三!と叫び走ってよってきた。
「宗次郎さん…ごめんなさい…勝手に誤解してしまって」
狂三は頭を下げながら謝った。
「いいよ。僕だって用件をちゃんと伝えずにいたのも悪かったから…だから、ね?頭を上げてよ」
宗次郎はそう言うと狂三の頭を掴み無理矢理上げた。
「ちょっと待っててね」
そう言うと家に入り一瞬で戻ってきた。
そして
「はい…僕からの1ヶ月遅れの結婚指輪」
小さな四角形の箱を開けて銀に光る指輪を狂三に見せた…
「これかなり良い指輪ではありませんの?お金はどうやって?」
狂三は少し落ち着きが無くなっていた。
「ラタトスクと契約した時にね。契約金を昨日貰ったんだこの指輪を買うために」
「えっ?」
「それで一緒に買いに行こうかなとも思ったんだけど何だか驚かしたくなっちゃって…そしたら今日商店街の少し外れたところに高級な指輪の売ってる店が合ったんだ。それでこの指輪が確か前に狂三が雑誌で見つけて良いなって言ってたから買ったんだ」
宗次郎は少し照れているのか下を何回も見ていた。
「あ、ありがとうございます宗次郎さん…私絶対に大事にしますわこの指輪を!」
「うん。僕も大切にするよ」
そう言うと宗次郎と狂三はお互いの指輪をお互いの薬指にはめた…
「はは…何だか照れ臭いし…家の前って変だね」
宗次郎が頭を掻きながら言うと狂三は首を横に振りそして笑顔で言った。
「そんな事ありませんわ…場所なんてどこでも良いですもの。それよりも宗次郎さんが私のためにこんなことをしてくれたことが何よりも嬉しいですわ」
「そっか…ならよかったよ」
すると宗次郎も笑った。
「さて家に入りましょう?晩御飯まだ食べていないですわよね?」
「うん。はは、お腹空いたよ~」
二人は晩御飯に何を食べるかを話しながら部屋に入っていった…
~次の日~
いつも通り5人で登校する朝の事…
「緋村さん、士道君、十香ちゃんおはよう」
宗次郎は手を振りながら挨拶した。
「おはようでござる」
「おはよう宗次郎」
「おはようだ宗次郎!」
三人も又挨拶した。
すると剣心がん?と首をかしげてから宗次郎と狂三に聞いてきた。
「何か昨日良いことでもあったのでござるか?二人とも笑顔だから…」
すると宗次郎と狂三は顔を見合わせると二人で答えた。
「はは…少しね」
「えぇ少し…」
「「「???」」」
三人は意味を分からず首をかしげたが宗次郎と狂三の二人はお互いの顔を見て笑った。
そしてお互いの…宗次郎の右手の薬指の指輪と狂三の左手の指輪が太陽に照らされて眩しく輝いた…
とてもそれはとても綺麗に………
はい。これで狂三編の番外編。狂三と宗次郎のデイリーライフは終わりです。
自分的には良い感じに締めることが出来たかなと思います。
さて次からはDEM編に入って行きたいと思っています。
ですので活動報告の方もう少しご協力下さいお願いします!