グループ分けをした剣心達は各グループに別れて行動していた。
そのなかで剣心・宗次郎・琴里の三人は旅館からあまり離れずに適当な店に入りお茶をしていた。
~剣心・宗次郎・琴里side(出発前)~
「さて結局どこにしますか」
宗次郎が剣心と琴里と何処に行くか迷っていると途中で話が脱線してしまったので話を戻したのだ。
「そうね。本当にどうしま……ピロロロごめんなさい少し通信が入ってきたわ」
琴里はそう言って少し距離をとった。
「もしもし令音?どうしたの?」
琴里は令音からの通信だと着信音で分かったのでそう言った。
『いや、少し気になったことがあってね……』
「気になったこと?何?」
琴里が少し声を低くして聞いた。
『うむ…先程君たちが集まっていたときにエステを誘ってきた女がいただろう?』
「えぇ。居たけどそれが?」
『あの女はもしかしたらDEMの魔術師かも知れない……更に魔術師のなかでも一番の強者……』
「それって…エレン・M・メイザース…!?」
『あぁ、あの時の映像を神無月が見たところ顔や雰囲気がかなり似ていると言ってね…調べてみたんだ色々と。そしたらあの女がエレン・M・メイザースである可能性は極めて高いのが1つ。そしてこの旅館がDEM社の系列なんだ…』
「なるほどだから十香や四糸乃や狂三が選ばれたわけね…」
琴里は先程十香達が入っていった旅館の玄関を見つめながら言った。
「わかったわ。私と剣心と宗次郎はこの近くに待機しておくわ…十香達の反応が少しでも変わったらすぐに言ってね」
『分かった…すぐに伝えよう…』
令音はそう答えると通信を切った。
そして琴里はその場で考えた。
(さて、剣心達にはそのまま伝えようかしら…?でも宗次郎なんて説明したら狂三を助けようと勝手に行ってしまう可能性がある…でも何も伝えずにもしもの場合が起きてしまったら行動が遅れるわね…何とかして宗次郎には留まってもらうようにするしかないわね…)
琴里は考えを纏めると剣心達の元へ戻り説明した。
「…………………って事なのよ。宗次郎、狂三を助けに行きたい気持ちは分かるけど抑えてちょうだい。狂三だって霊力をまだ封印していないからある程度戦う事はできるはずよその間に私達は駆けつけて一気に叩き潰すのよ」
琴里は説得している手に力が入り手を握っていた。
「わかったよ琴里ちゃん。でも襲われたのを知ったときには直ぐに僕は助けに行くよ?いい?」
「構わないわ…なるべく増援を早く駆けつけさせたいしね」
琴里は宗次郎にOKサインをしながら答えた。
そして今に至っている訳だが早一時間が過ぎていた。
普通のエステならばもうすぐ終わる頃だと琴里は思いながら構えていた。
「琴里殿。そんなに慌てずとも大丈夫でござるよきっと」
剣心が琴里があまりにも落ち着いてないのに心配したのかそう言ってきた。
「そうね…でももしもの事があるから気を引き締めていましょ」
「そうでござるな」
剣心もまた真剣な表情で通信が来ないことを願いながら待ち続けた…
~十香・四糸乃・狂三side~
三人のエステが始まってから45分程経っていたが特に何もしてこないので逆に疑いが強くなる狂三だった。
(どういうことですの?あの天下のエレン・M・メイザースがこの好機になにもしないなんて…かれこれ普通にエステをしてかなりの時間が経っていますわ…エステもメニューがかなり終わりに近づいてきている…本当に何もしてこないつもりですの………?)
そんな事を考えていると突如としてエステ中の部屋にエレンが入ってきた。
「どうですかエステの方は?ってそちらのお二人がたは眠っていらっしゃいますね」
そう言われた狂三は十香と四糸乃を見ると確かに二人とも眠っていた。エステ中に眠ってしまうことなんて珍しくない。そう思っているとエレンが狂三の元へと近づき耳元で囁いた…
「やはり貴方は少し別格のようですねナイトメア」
「っ!?」
狂三はそれを聞くと同時にベッドから飛び出して霊装を纏った。
「どういうことですの?この二人は自然に眠っているのではないんですの?」
「えぇ、確かに自然に眠っていますが言い方が少し違いますね…そうですね言い方を帰れば
自然に眠らされた
とでも言いましょうか…」
エレンは少し笑うと指をならした。
すると奥の部屋から黒と白の混じりあった少し奇妙な服を着て笛を持っている女が現れた。
「誰ですのあなたは?」
狂三はその女を睨み付けながら聞いた。するとエレンが答えた。
「彼女の名前はハーメルン・メスナルク…我々DEM社の特別魔術師です」
「特別魔術師?」
狂三がエレンの言った言葉を繰り返すとエレンが続けた。
「はい。本来のDEM社の魔術師は顕現装置を使い戦うのがスタイルであり常識です。ですが特別魔術師というのは顕現装置が領域内では全てを具現化したりすることが出来るのは知っているでしょう?その顕現装置内で作った特殊技を人の脳に埋め込み永久的にその特殊技を使うことが出来る…これが特別魔術師です」
エレンがそう説明すると狂三を目を大きく開き構えた。
「ですがね…この特別魔術師はまだ制作段階なのですよ。それによりここにいるこのハーメルンは脳に大きな負担を掛けてしまい特殊技を使えても顕現装置を使う事が出来ないつまり…特殊技を封じられれば只の人間と言うことです」
「ならその特殊技を抑えればいいだけですわね!」
狂三は言うと同時に大きく地面を蹴りハーメルンの元へと駆け寄り殴りかかろうとした。
だが…
ハーメルンが笛を吹くと同時に
「!?体が動かな…い…」
その途中で狂三は動けなくなった。
「確かに特殊技を封じられれば只の人間と言いましたがその代わり精霊であってもそう簡単に封じることの出来ない特殊技を使うに決まっているではありませんか」
エレンは狂三の元へと又しても近寄ると言った。
「因みにハーメルンのこの特殊技がどういうものか教えてあげましょう…この笛ですよ」
そう言ってエレンはハーメルンが吹いている笛を指差す。
「笛?」
狂三もエレンの指に釣られて笛を見た。
「はい。彼女の特殊技はあの笛を使って奏でた音を相手の耳から脳へと侵入させます。そして脳の命令を出している神経に音が命令をする。すると脳は音が命令した通りに体に命令すると言うわけです。つまりどれだけ強くても早くても見えなくても音からは逃げられない…無敵の技なのです!」
エレンは説明し終わると同時に大きく笑った。しかし直ぐに笑いを止めて付け足した。
「ですがデメリットも有ります。先程言った通り特殊技しか使えないのと一緒にこれはハーメルンだけですが彼女は演奏し続けないと相手を思い通りに出来ません。なので一対一の時は相手を討ち取る事が殆ど出来ません。一応相手を討ち取る技はあるのですがそう言った大技などは発動するのに時間が掛かるのです…同じスタイルでも大技になっていけば行くほど時間が掛かるのです」
「くっ…」
狂三は必死に足掻こうとするが動けない。
するとエレンは剣を手に持ち掲げた…
「ですが大丈夫ですよ。今は私が居ますので止まっているあなたなら直ぐに討ち取る事が出来ます…後の二人も直ぐにあの世に送ってあげますので…では…さよなら!」
言い終えると同時に剣を降り下ろした………
狂三は死を覚悟した。十香も四糸乃も眠っている。他の皆は旅館から離れている。誰も助けには来てくれない。
狂三は目を閉じた……
しかし直後剣と剣がぶつかり合う音がした。
狂三は目を開き前を見た…そこには………………
宗次郎がいた。
「大丈夫かい狂三?遅くなってごめんね」
「…ぅぅ…宗次郎さん…」
「泣かないでよ…大丈夫。直ぐに終わらせるからさ………」
「はい………」
狂三は大きく頷くと宗次郎をじっと見つめた。
「さて………僕の奥さんに随分と手荒い真似をしてくれたね………」
宗次郎はエレンを笑いながら見つめて言った。
「あなたは?」
エレンも又宗次郎を見つめて聞いた。
「僕は瀬田宗次郎…………さてそんな事より僕は今怒っているんだ…」
「………!?」
宗次郎はそう言い終えるとエレンの剣を弾き飛ばし蹴ってエレンを吹き飛ばすと一瞬でハーメルンの元へと駆け寄り剣を降った。
しかしハーメルンはギリギリの所で避けた。
「よく避ける事が出来たね…今のは4割ぐらいの力で行ったんだけど…でも君の一番大切な笛は………」
宗次郎はそう言いハーメルンの持っている笛を指差した。
するとハーメルンの笛は真っ二つに割れた………
エレンは瓦礫の中で考えていた。
(今ので4割?今のでさえ見えなかったし蹴りも抑えきれなかった……少し不味いですね……)
エレンは頭から汗を掻いていた。
すると…
「その汗は只の汗かい?それとも冷や汗かい?まぁどっちでもいいや……どっちみち君はここで…………
殺すから…」
宗次郎は笑っていた顔を怒りに染めた…狂三からは顔は見えなかったが後ろ姿からでも感じる事が出来る気配がただ者ではないのだけはわかった。
はい。調子が良かったので連日で書いてみました。
どうですか?宗次郎カッコいい登場のしかたじゃないですか?
次回もご期待下さい!