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出逢い
「ずっと貴方に会いたかった…」
少女は剣心の身体に抱きついた。
「お、おろ…?」
明らかに動揺を隠しきれていない剣心。
「じゃあ…出逢いのキスを…」
そんな中で少女は潤んでいる唇を突き出し目を瞑った。
「な、なななななな!」
こうなった訳は遡ること1時間前
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季節は夏。
士道や剣心、宗次郎は高校を無事に卒業し大学へ入学した。
都合を会わせるために剣心と宗次郎には士道と同じ大学にしてもらった。
そんな夏のある日の朝。
いつも通り起きる剣心。
今は大学に行きやすくするために近くの部屋を借りて住んでいる。
「あ、緋村さん。お早う御座います」
起きてきた剣心を見つけ声を掛けたのは宗次郎。
宗次郎も剣心と一緒に部屋に住んでいる。となると、士道も一緒に住んでる…と言いたいところだが士道は十香達の霊力安定の為にあの家から通学している。
「今日はどうします?授業は取ってるんですか?」
宗次郎が自分が作った朝御飯を剣心と食べていると聞いてきた。
「今日は一限だけ授業を受けるでござるよ。宗次郎は?」
「僕は今日は授業が無いので家に帰ろうかと…」
「おぉ…!そうすると良いでござるな。奏も宗次郎に会いたがってるだろう?」
「えぇ…そうだと良いですけど…」
エレン達との戦いの後、狂三は宗次郎との子供を授かっているのがわかった。かなり時間が経っており妊娠発覚からしばらくして産まれた。
名前は剣心が名前を付けた。宗次郎が剣心に付けて欲しいと言ってきたからである。
悩んだ末に 奏 と名付けた。
特に意味はない。響きが良かったからであった。
宗次郎の子だからなのか成長は早く最近では少し言葉を言えるようになった。まだぎこちない喋り方だが周りの赤ん坊と比べると明らかに成長は早かった。
そして、この春には左之介と夕弦の間にも子供が出来た。
二人も直ぐに籍を入れて夫婦になった。
名前は左之介が自分で付けた。
相楽穣之介
左之介曰くカッコいいからだった。
産まれて三ヶ月しか経ってないが顔付きとしては夕弦に似ていた。皆は母親に似て良かったなと言っていたが左之介だけは何で俺に似てないんだと拗ねていた。
左之介は今は近くの林業会社で働いてる。あの恵まれた体つきにはピッタリの仕事だろう。
剣心と宗次郎はその後、ご飯を食べ終えて支度をして部屋を後にした。
「では、緋村さん。僕はここで…」
「あ、そうでござるな。奏に宜しくしておいてくれ」
分かれ道まで来ると宗次郎と剣心は別れた。
「さて…一限の授業が終わったら何をしようか…」
今日一日の予定を考えていると突如として視界が真っ暗になった。
「だーれだ!」
剣心は目を手で隠されていた。それだけではない、聞いたことのない声の女性にされていることが分かった。
「誰でござるか?」
剣心が優しく聞き返す。
「正解は~…?私でしたー!」
そう言って女の子は剣心から手を退けて一歩下がった。
そして、剣心が振り向いてその女の子を見ると…
「いや…誰でござるか…?ほんとに」
剣心が冷たい顔をして言った。
「えー!?剣心覚えてないの?」
「いや…覚えてないと言うか会ったことないでござるよ。それに何故拙者の名前を?」
「とりゃー!」
話の途中にも関わらず女の子は剣心に抱きついてきた。
「ずっと…貴方に会いたかった…」
「お、おろ?」
さっきまで陽気な雰囲気しかなかったのにいきなり真面目というか大人しくなったので剣心は驚いた。
「て、事で出逢いのキスを…」
女の子は自分の唇を突き出し目を瞑った。
「な、なななななな!」
「早く~…」
「いや!何をしているでござる!」
剣心は冷静になり女の子を突き放した。
「まず御主は誰でござるか!」
「私?私は 耀ヶ谷千琥!
緋村剣心のお嫁さん!」
「…………おろ?」