もし緋村剣心がデートアライブの世界に行ったら   作:こうけー

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宗次郎の答

「………………」

 

悠仁は只ひたすら黙っていた。脳は昨日瞬殺出来た相手なのだから今日も瞬殺出来ると…

しかし、体は動かなかった。別に先程の攻撃に驚きはしたが体は動かなくなる事など無い筈だ。

 

「さっきから随分と静かだね」

「昔から煩いのは嫌いでしてね」

 

宗次郎も悠仁の異変に気づいているのか妖しげな笑顔を見せてくる。それは悠仁を更なる焦りに駆らせた。

悠仁の額からは冷や汗が流れていただけではなく体全身にまで流れ出してきていた。

 

「所で緋村さん達は?」

宗次郎はDEM社の入り口まで来ると秘書のような女性に案内されてここまで来たのだった。

 

「彼らは私の出したゲームに付き合ってくれていますよ。」

 

「ゲーム?」

「えぇ……5連戦していただき最後の5戦目で立っていた方の勝ち。更に貴方達が勝てば輝ヶ谷千琥を返すと同時に鳶一折紙も返します」

「そうなんだ……所で輝ヶ谷千琥って誰?」

 

宗次郎の質問も無理はなかった。何せ宗次郎はこの3日間で千琥に1度も会っていなかったのだから。

 

「輝ヶ谷千琥……通称〈グリエル〉。精霊ですよ」

「そうなんだ…その子を何で返してくれるの?」

「そうですね緋村剣心の為ですよ極端に言えば…ですが」

「緋村さんの?」

「えぇ………それはですね。ーーー」

 

「ーーー!?」

 

悠仁から聞かされた話は凄まじい話だった。輝ヶ谷千琥という精霊と緋村剣心の出会った理由…目的…どれもDEMに渡れば恐ろしいことになる。

 

「この事を知っているのは?」

「アイザック様にアデプタスNo.を貰った者のみです。あとは貴方ですかね」

 

見ると悠仁の体は先程とは違い落ち着いている様に見えた。恐らくDEMの目的に宗次郎が衝撃を喰らったからであろう。

 

「少し長話をし過ぎましたね…そろそろ決着を着けましょうか」

 

悠仁はようやく動いたら体で愛刀【月螺】を持ち構えた。

 

同じくして宗次郎も【菊一文】を持ち構える。

 

暫く音の無い時間が流れたその中で先に口を開いたのは宗次郎だった。

 

「忠告しておくよ…」

「?」

 

 

 

「今の話を緋村さんが聞いたら終わりだよ」

「それはどう…も!」

 

会話が終了すると先に飛び出したのは悠仁だった。月螺を前に突き出して向かってくる。宗次郎は悠仁の速さは昨日見たので難なく避けた。しかし悠仁の速さは初見の人ならば100%避けられないと言っても良いほど速かった。比べるとしたら剣心と良い勝負だ。更に昨日ヤられた【月光斬】と言う技。妙な技だった。普通の剣術なら何も変わらないが昨日の技は壁に打ち付けられて意識朦朧の中で見たので確かではないが剣の刃が変わっていた。

今の悠仁の刀は普通の日本刀と見える昨日も同じだった。しかし、切りつけられる瞬間に普通の刃先ではなく少しばかりギザギザの刃に変わっていた。

恐らくDEM社の武器と思ったのだ。

 

「今までこの【月の四段】を避けたのは貴方が初めてですよ…まぁ2回目なので避けられて当たり前ですが…」

 

悠仁は少し笑うと構え直し、更なる攻撃に出た。

 

「【月の乱舞】!」

 

宗次郎は悠仁の連撃を避けながら先程の奇妙な刀を観察していた。やはり見ると刀の刃が三つに分岐していた。恐らく連撃用の刀へと変化したのだろう。

 

「奇妙な刀を使ってるんだね」

「えぇまぁ奇妙な刀ですかね…それより避けてばかりでは私はたおれませんよ?」

 

悠仁の言う通り、宗次郎は1度も攻撃をせずに避けてばかりいた。悠仁は刀の観察とは考えもしなかったが宗次郎は悠仁の挑発に乗らずに只ひたすら避け続けた。

 

 

~剣心side~

 

剣心達は13階にいた。丁度3部屋目と4部屋目の中間地点だ。その時、琴里のインカムから通信が入った。

 

「もしもし令音?」

『あぁ…私だ。先程宗次郎がそちらに向かったよ』

「な!?本当に!?」

『あぁ…言うことを聞きそうには見えなかったのでね。無理しない程度にと条件付きで行かせたよ』

「はぁ…わかったわ。ありがと令音」

 

琴里はインカムとの通信を切るとみんなの顔を見渡した。

 

「…宗次郎が今DEMに来てるらしいわ」

「本当ですの!?」

 

いち早く反応したのはやはり狂三だった。

 

「えぇ……意識を取り戻した後に部屋を出たらしいわ」

「今どこに?」

「恐らく後ろに居るでしょうね…宗次郎は傷が癒えてないわ。彼が来るまでにケリをつけましょう」

 

皆はゆっくりだった足を早く動かした。

 

 

~宗次郎side~

 

「はぁ…はぁ…」

「ふふ…いくら逃げてるだけとは言えど傷口は大きく開いているのに癒えていない…流石に痛みますよ」

 

宗次郎は少し滲んで服に染み付いている傷からの血を手で覆った。あれからも只避け続けていたが傷口は徐々に開いていき今に至っていた。

 

「はぁ…はぁ…【Ⅳの弾】さえ有れば…」

「それは時崎狂三もとい…ナイトメアの能力ですか?」

「…まぁね。でも一つ訂正してよ…」

「何です?」

 

宗次郎は支えにしていた刀を持つと立ち上がり刃先を悠仁に突きつけ目を細くする。

 

「ナイトメアじゃない…時崎狂三。いや、瀬田狂三だよ!!」

 

すると宗次郎の剣気が周りの地面が皹を刻みその勢いの風で宗次郎の髪を逆立てて服が自然に脱げた。

 

(この剣気……異常だ…これは不味い!)

 

悠仁は危険を察知して数歩後ろに下がった。

 

「まず体勢を直さな…「逃がさないよ…?」がっ!?」

 

先程まで何メートルも遠くに居り更に先に後ろに離れたというのに一瞬にして宗次郎は回り込み後ろから峰でぶつけてきた。

その打撃の勢いで悠仁は勢いよく壁に打ち付けられた。更に宗次郎はその場で剣を数振りすると悠仁の周りの壁を貫いていった。

 

「っ……」

 

悠仁の額から又しても冷や汗が流れてくる。今度も体は動かない。その中で違うのは先程までは脳は勝てると思い込んでいたが今は違った。

 

 

負けるとしか思えていなかった

 

「あれれー?どうしたの?」

「どうやら時崎狂三の侮蔑は貴方の力にしてしまった様ですね…ふふ。時崎狂三は幸せ者ですね」

「違うよ狂三は僕を幸せにしてくれてるんだ。僕は狂三を何時か幸せにしてあげる…昔、約束したんだ。二人で幸せになろうって…その為に一人が汚れるのも許されないんだ。どっちかが欠けるなんてもってのほかさ。でもね?欠ける前に嫌なのは愛する人を馬鹿にされた時さ…君は狂三を差別した…それは言葉の暴力なんだよ……」

 

宗次郎は天井を見つめると深呼吸をして話を続けた。

 

「僕も昔は人を殺め続けた…斬って斬って返り血を浴びて…それでも斬り続けた。でも、ある日緋村さんに出会って負けて教えられたんだ… 自分の生き方はこれから先の人生で自分が見つけろって…そして、見つけた。それはね……人を愛し、そして守る生き方をするって」

 

悠仁に向けて優しい笑顔を見せると表情を元に戻す。悠仁も話している間に填まっていた壁から這い出ていた。

 

「この台詞を言うのも2年ぶりだね…」

 

 

 

高まっていた剣気が剣に集まっていくのがはっきりと分かる。そんな中で宗次郎が曾て1度だけ言いそしてラタトスクの代名詞とも言えるあの台詞を口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ…僕達の戦争〈デート〉を始めよう!」




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