もし緋村剣心がデートアライブの世界に行ったら   作:こうけー

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炎の精霊

朝 剣心には突如として外出許可が下りた。

どうやら、何処ぞの人からの命令らしかった。

 

「では気をつけて下さいね~」

看護婦の人が出発する剣心に言ってくる。その声を聞くと歩いていた剣心は振り向いて微笑みそして再び前を向いた。

 

ーーー…………

 

「…と言うわけだいいな?」

ある虚ビルの中で地図を広げてそれを囲む四人の魔術師がいた。

たった今、話していたのはアダム・ユリカエル。

「分かりました」

「えぇ…分かったわ」

返事を返したのは順に、城宮悠仁。アルテミシア・ベル・アシュクロフト。

「でもよー、何でこんな簡単な暗殺にウチら四人も社長は用意させたんだ?」

この男気のある話し方をする女の名前はミルーシャ・ダラビィ。

「言ったでしょミルーシャ?彼の周りには強い人が沢山いるからその人達の足止めよ」

「でも、そいつらって悠仁が勝てたんだろ?」

そう言いミルーシャは先程から静かにしている悠仁を見る。

「勝ってはいないですよ。実際私は瀬田宗次郎に負けました」

何時もなら負け話をするときに顔をしかめる悠仁が落ち着いてるのを見たミルーシャは悠仁が負けたことを快く思っていると感じた。

「ふーん…じゃ、その瀬田宗次郎ってのと戦ってみたいな~」

「私はそんなに戦いたくないけど…」

 

「そろそろ配置につこうか皆」

口々に話す3人に対してアダムはそう言うと先に一人だけその場を後にした。

 

「「「…………」」」

そして3人も後に続きその場を後にした。

 

ーーー………

「司令!剣心さんが病院を出ています!」

一人の機関員が琴里に報告した。

「何ですって!?剣心を外に出すのは11時の筈よ!」

「それが…既に外出要請を出している人物が居たようで…」

「……!DEM社ね…やられたわ!」

報告を受けて焦り出す琴里の姿を見て解析官・村雨令音が琴里に言った。

「とりあえず、左之助と宗次郎は直ぐに呼ぶべきだろうね…」

「えぇ…直ぐに集めるわ」

ーーー………

「……という訳なのいい?」

あの後、琴里は左之助、宗次郎を呼び事情を説明した。

「…あぁ!」

「分かったよ」

左之助、宗次郎が頷くと琴里は転送装置の前に立ち、去っていく二人を見つめた。

「必ず、必ず剣心を守ってね…相手がどんな魔術師を送ってきたかは分からないから貴方達の事も心配だけども…」

すると、左之助は琴里の頭に手をポンと置くと髪の毛をワシャワシャした。

「わーってるよ。必ず帰ってくる。剣心と宗次郎と一緒に…そんで千琥も助けてやろうぜ!」

そう言って白い歯を見せる左之助と笑っている宗次郎を見た。恐らく、宗次郎も同じ気持ちなのだろう…

 

「じゃあ、転送するわね…」

 

ーーー………

 

「暑いな~」

剣心は病院を出た後、只歩いていた。思えばお金も何も持っていないので歩くことしかできなかった。季節は夏真っ只中だ。先程から汗で服がくっついている。

ウーーーーーーン!ウーーーーーーン!

汗でくっついている服を剥がしているといきなり大きな音が鳴り響いた。

「うわ!ビックリした…何だ何だ?」

辺りを見ると人々は走って何処かに向かっている。剣心もその人々の後ろについて走り出した。

(暑い…何でこんなに走ってるんだ?スーパーの特売日なだけならこんな大きなサイレンは鳴らさないだろう…)

考え事をしながらも後ろをついていく剣心は有るものが目に入りその場で足を止めた。

「ここ…何か見たことあるな…」

そう言い剣心が見ていたのは宝石店だった。

「…うーん。気のせいか…っ!?」

突如として剣心の頭に激痛が走った。何か外からの攻撃ではなく頭痛だった。

「…っ!?ぁぁあぁあぁぁあ………!」

その痛みは次第に大きくなっていき徐々に頭が破裂しそうな感じになる。

 

その時だった

 

「探したよ緋村剣心」

 

剣心は痛みに耐えながら声のする方を見た。そこには四人の人が立っており男2人女2人。

その四人は皆変な服装をしており不気味だった。

「っ……誰ですか?」

剣心が声を振り絞ってそう言うと一人の男が言う。

「どうやら、本当に記憶を無くしているようですね……」

「あぁ……ラタトスクの連中が来る前にかたをつけよう」

男二人が話している内容が剣心にも聞こえてきた。

「記憶を無くしている?誰が?」

「まさか……ラタトスクが接触してない筈がない。どう言うことだ…?」

「ラタトスク…あ、そういえばこの前そんな事を言う人が病室に来ましたよ」

剣心が何も隠さずにラタトスクの事を話してくるものだからアダムは少し調子が狂った。

「………とりあえず、緋村剣心。貴方はここで死ぬんですよ」

「え……?何で?」

一瞬にして剣心の顔が青ざめていく。そうやって剣心の顔が段々青くなっていくのと同じようにアダムが剣心に近づいていく。

「君は知らないで良い…只、ここで死んだら良いんだ」

そして、0距離になるとアダムはレイザーブレードを出して掲げる。剣心は腰が抜けたようにその場にいただけだった。

そして、レイザーブレードが降り下ろされ刀が目の前まで来る。剣心は目を瞑ることしか出来なかった。

しかし、何時まで経っても痛みは来ない。その前にとても高い音が直ぐ側から聞こえた。

恐る恐る目を開き前を見ると二人の男が壁になるように立っていた。

「ごめんね…この人を死なせる訳にはいかないんだ」

「待ってる奴らが沢山居るからな」

よく見るとアダムのレイザーブレードは宗次郎の刀によって止まっていた。

「あ、貴方達はこの前の…」

剣心は微かに見えた宗次郎と左之助の顔を見て思い出した。

「すごい状況に巻き込まれて足が動かないのも分かりますけど逃げてください緋村さん。僕ら二人で四人相手するのも大変なのに緋村さんを守っていては更にキツいです」

「え…?」

「はやく!」

「わ、分かりました!」

宗次郎の怒声にも近い声に驚いたが剣心は千鳥足のようにフラフラとなりながらもその場からゆっくり去っていった。

「私達が逃げていく彼を追いかけないと思ってるの?」

一人の女が宗次郎達の横を走り抜けようとした時だった。

 

宗次郎達の後ろに炎の壁が発生し剣心の後を追えなくしてしまった。

「これは…?」

剣心を追いかけようとしていた女は炎の壁を見つめていた。

「そこまでよアダム・ユリカエル、城宮悠仁、アルテミシア・ベル・アシュクロフト、ミルーシャ・ダラビィ」

その声は宗次郎、左之助が知っている人物の声にそっくりだった。

二人は声がする方を向くとそこには

 

 

 

「良くも私達の仲間を殺そうとしてくれたわね。悪いけどお仕置きとして灰にして消してあげるわ」

 

 

 

 

ラタトスクの司令官・五河琴里だった。

 

「何でお前がここにいんだよ!てか、何だお前その格好!?」

左之助が琴里を見ると一番に声をあげた。宗次郎も驚きを隠せないのか目を見開いている。

「悪いわね今まで騙してて…でも4対2じゃ流石に分が悪いでしょ?」

琴里は宙に浮いていた体をゆっくりと地に下ろし両足が地に着くと天使を発動した。

「焦がせ【灼爛殲鬼】!」

すると、琴里の手に琴里よりも大きな斧が納められそれを右に左に振ると火がその斧から発生した。

「成る程ね、7年前に一度だけ観測された天宮市に大きな火災を巻き起こした精霊〈イフリート〉それが貴方って訳ね」

アルテミシアは自分のレイザーブレードを出すと琴里にかなりの早さで迫ってくる。琴里は難なく避けたがその瞬間体に重たいで済まないほどの重みが体にのし掛かりその場に膝をつけてしまった。

「…っく!この!」

「私の随意領域は簡単には壊せないわよ」

言い終えると同時にアルテミシアのレイザーブレードが琴里の胸めがけて襲いかかってきた。そして無惨にも琴里の胸をレイザーブレードが刺しグシュと気持ちの悪い音がその場に響き渡った。

「琴里!」

左之助が名前を叫ぶが琴里の返事はなく体は動かない。

「イフリート…大したことなかったわね」

アルテミシアがレイザーブレードを納めるとミルーシャが「すげぇー。流石ー。」と適当なことを言っていた。が、それも無視し次は宗次郎達の方を向いた。

「後は貴方達だけよ。けどウザイこの壁も消えた。私は緋村剣心を追いかけるけど良いよねアダム?」

「あぁ…許可しよう」

そうしてアルテミシアが剣心の逃げた方向へ向かおうとした時だった。

「勝手に殺してくれてんじゃないわよ」

「「「「「「!?!?」」」」」」

琴里を除く他の六人は全員が信じられないように琴里を見た。なんせ、先程アルテミシアに刺された胸は青い炎が発生し傷口を癒していたのだ。

「心配させやがって!生きてたんなら早く起きろよ!」

「ごめんなさいね左之助。とりあえず私が死ぬことはないから思う存分戦いなさい。勿論、宗次郎も」

「分かったよ。それじゃあ久し振りに暴れちゃおうかな?」

宗次郎は先程から何もせず立っているミルーシャを見る。ミルーシャも宗次郎を見ると笑顔になった。

「お!?アンタが瀬田宗次郎ね!いいよー!勝負だー!」

 

「てことは、俺の相手はおめぇだなアダム!」

「岱を一瞬で倒した相楽左之助…君にも興味が少しあったんだ。けど言っておくよ…僕は岱よりも遥かに強いからね」

「上等だぜ来いよ!剣心の借りも返してやるぜ!」

 

「では、私はゆっくり観戦しましょうか…」

そう言い悠仁はその場から少し離れてビルの最上階まで一期に登りそこに腰掛けた。

 

そんな中でアルテミシアは琴里に話し掛けた。

「瀬田宗次郎は残念ね」

「何ですって?」

「ミルーシャと戦うなんて…あの子貴方達の一番の戦力でしょ?特別魔術師って知ってるわよね?彼女はその中でアダム・イヴと並ぶかそれ以上の能力を持ってるわ。つまり彼がミルーシャに勝てることはないわよ。私でさえ勝てないんだから化け物すぎてね」

琴里はその話を聞くと鼻で笑った。

「フン!勝手に言ってなさい!こっちからも言っておいてあげるわ。化け物がそっちにしかいないと思ったら大間違いよ!」

「その化け物の緋村剣心は役に立たないでしょ?」

「えぇ…けどきっと私達と共にまた戦ってくれるわ」

 

左之助はアダムと

宗次郎はミルーシャと

琴里はアルテミシアと

 

 

「さぁーー私達の戦争【デート】を始めましょう」

 

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