「ああああああああああ!?」
「うわぁ!?」
「わっ」
心臓がバクバクと生を主張するように早鳴る。生きてる。首が繋がってる。
しばらく呼吸を整えるために胸を抑えていると、ぎょっとした薫さんと首を傾げている椛が俺を見ているのがわかる。
アジトに戻る前に戻ってきたんだ。
「急にどうした……」
戸惑いながら聞いてくる薫さんを見て、自分の首に触れながら数秒かかって落ち着きを取り戻す。
痛みとかを感じる前に死んでいた。何をされたのかを確認する前に首が落ちた。
ゾッとするような記憶を振り払って、この後薫さんと別れることを思い出し、この先のことを考えてまだ分断するべきではない気がする。
「薫さん……俺たちと一緒に、砦郷町まで行ってください」
「はぁ?」
当然だが馬鹿を見るような目で見られる。
この時点で砦郷町に手がかりがあることは知らないはずなのにいきなり言い出せば不審だろう。
だが、このままアジトに戻ってあの二人を説得して4人で砦郷町に向かうとしても前回並に時間がかかる。ここで薫さんと直接砦郷町に向かえばもっと早くにたどり着き、他の情報を得られるかもしれない。前回殺されたことも踏まえて、早く行動したら遭遇を回避できるかもしれないし。
問題があるとすれば、薫さんをどう説得するかというドデカイ難所があるってだけだが。
「お願いします! 詳しいことは省きますが砦郷町に急ぎで向かわないといけないんです!」
「いや理由を! 言え!」
やめろ正論パンチをかましてくるな!
俺だって言いたいけどループ能力を明かすわけにはいかない。ど……どうする……。
「…………その……時間系の能力ぅ……じゃないですか、俺」
「そうらしいな」
「なんか……未来がちょっと見えて……」
半分くらい本当なのでこれでいけないか?
時間操作だから未来も見れるってことにできないか?
怪訝そうに見てくる薫さんの視線が痛い。正直自分でも苦しい言い訳だと思ってはいる。
「今行かないとまずいんです! あと薫さんしか頼れないし」
懇願しながら頭を下げる。薫さんの表情は見えないが、長い沈黙の後に「はぁ……」と呆れたようなため息が聞こえてきて顔を上げる。
「今回だけだからな。あと、僕個人の用件を優先するからあまりアテにするなよ」
よし、なんとか協力者が増えた。
これで到着時刻が前回より早くなる。
あとは現地でどれだけ情報を集められるかだ。敵のことを考えるとまた死にそうだし、セーブ地点はここでいいだろう。眠りのセーブは今日の朝だから最悪そこまでは戻れるが、そこまで戻るにしても色々と戦力も情報も足りない。
移動しながらまだこの時間では出会っていない苺佳さんへと連絡を試みる。
ID検索がうまくいってよかった。万が一必要になると思って覚えておいたのが功を奏したのかメッセージを送ることはできた。
苺佳さんは不審に思っただろうが、とりあえず識文さんの居場所候補を伝えておく。
最悪、無視されるかもしれないが何もしないよりはマシだ。吉田さんは俺の異能を把握しているし、生きてさえいれば後でフォローしてくれるはずだし。
反応こそないが既読がついたのを確認して砦郷町へと急ぐ。
殺されたときのことがふと頭をよぎる。あんまりにもあっさりと、なんの感慨もなく首が落ちたのを思い出して、思わず首に力が入る。
結依は、無事だろうか。
死んではいないようだが、それでも不安は尽きない。
頼む、結依……無事でいてくれ……!
――――――――――
第二江東市での事件の発端。
綜真が砦郷町に向かうより前の出来事――。
――5日前。
綜真が晴美の研究所で修行をしていた時のこと。
結依は鈴檎と識文とともに買い出しに出ていた。
元々、女性陣だけで買い物は危険。かといって識文一人だとよくわからないものもあったため、3人で出かけることにしたのだ。
「えーっと、和泉さんのお使いもあるし、どこから行く?」
「和泉のなんて無視していいと思いますけど、そうですね……荷物は自分が持つので日用品から買いに行きましょうか」
お使いメモを確認する結依にそう微笑んで識文がふと、前を向いて、左右に視線だけ向ける。結依と鈴檎はまったく気づいていないようで、識文は手首を軽く揺らして構えた。
「危ないので飛び出たりしないように」
「え?」
二人がきょとんとしていると、いつの間にか囲まれていることにようやく二人も気づく。
チンピラが6人ほど。逃げ場を塞ぐように取り囲む。識文は嘆息しながらチンピラたちに声をかける。
「なんですか? わざわざ怪我したいんですか?」
威圧するように、しかし表情はいつもと変わらない余裕を見せながらチンピラたちに言う。すると、奥からもう一人、チンピラたちよりは小柄な人物が姿を見せる。
「
チンピラの一人が現れた人物に対して、識文たちを指差して言うと、現れた人物はバリバリと何かを食べる音を立てながら姿を現す。
茶髪に青い目の中性的な容姿。性別は一見するとどちらか判別し難いが男であれば小柄、女であれば平均的な体格をしている。
半纏を肩に引っ掛けながら、スナック菓子の袋を片手に前に出てきたかと思うと、その袋をチンピラの一人に預けて気だるげに言う。
「あんた、
その言葉に、識文の表情が穏やかなものから無表情へとゆるやかに変化する。
そんなことを気にした様子もなく、茶髪の人物は先程スナックとつまんでいた指先を舐め取りながら言う。
「うちのボスが全員連れてこいって言ってるんでね。後ろの二人も一緒にちょっとついてきて欲しいんだけど」
冷めた目で識文に告げると同時に識文がブレスレットで自分の手に傷をつけ、即座に相手に接近する。
「用があるなら」
その速さに相手も目を見開くが、次の瞬間にはもう識文が茶髪の髪を掴んで地面に叩きつけた。
「まずは地に頭を擦り付けてからじゃないですかね」
叩きつけられた頭を踏み潰して顔を地面に擦り付けるようにする識文にぎょっとする結依はさすがにやりすぎじゃ、と言いかけたところで異変に気づく。
踏みつけたはずの誰かはどろりと溶けるように形が崩れ、識文の足に纏わりつくように動く。
異変を感じ取ったからか、識文はそれに手を出さず振り払って後退するが結依たちの安全に意識がいったせいだろう。音もなく後ろから組み付いたのは先程踏み潰したはずの茶髪の人物だった。
半纏の裾が揺れ、識文の動きを封じて地面に抑え込む。対人格闘に慣れている動きだった。人間の肉体の可動域や弱点を把握している手さばき。
「あ、自傷でもアウトだっけ。じゃあこれ」
茶髪の人物が
もうひとりが識文が舌を噛み切らないように猿轡を噛ませ、これ以上自傷しないよう識文の異能の発動条件を封じきると、結依たちに向き合った。
「で、あんたらも田吉の仲間だっけ。んじゃ多分連れていかないとか」
結依は一瞬悩んで、識文を解放するために動くべきだと判断するが、自分の異能では識文の拘束を解くことができない。
それでもと茶髪の人物の腕を引き離そうと縄を放つが、もう一人の『それ』に縄を防がれ、逆に引っ張られてしまう。
見た目にそぐわない強い力でよろめく結依。それを支えようとする鈴檎が踏ん張るが結局は二人揃って体勢を崩してしまう。
崩れた二人を更に増えた茶髪の人物がそれぞれ押さえつけ、後ろに控えていた手下に手をひらひらと向けた。
「ん、眠り香持ってきて。これ以上暴れられると面倒」
茶髪の人物が周りの手下から預かった霊具を識文と結依、鈴檎に嗅がせて全員の意識を奪うと、それぞれを手下に運ばせて、周囲の住民たちに言い放つ。
「近いうちに
その宣言にも似た吐き捨ては、第二江東市の人々をざわつかせるのには十分だった。
――――――――――
結依と鈴檎は識文と引き離され、見知らぬ場所に監禁されていた。
薄汚れた部屋で目覚め、どれだけ時間が経ったのかもわからない。
「結依さぁん……」
「だ、大丈夫だよ。みんなだってすぐ気づくだろうし……」
不安で半泣きの鈴檎を励ますが、結依も不安を抱えて飲み込む。今自分まで嘆いてしまったら鈴檎を更に不安定にさせてしまう。
そう思っていると、少し騒がしい気配がして身構える。
4、5人のチンピラがにやにやと気持ちの悪い視線を向けて入ってくる。
「カワイイじゃん。ナマの女子高生とかひっさしぶり」
「もったいねぇよな。ボスの命令とはいえよ」
なんの話だろうと結依は警戒しつつ、状況を把握しようと様子見する。
鈴檎は見知らぬ大人たちに怯えているようで結依の裾を掴んで震えていた。
「俺こっちのパツキンの方」
「んじゃ俺はこっちの白い子もらうわ」
それぞれが物色するように見てきて、結依は半ば確信を得る。
絶対マズイ。異能で対抗しようにもこの部屋に入ってからどうも安定しない。
「ちょっと、放して!」
「暴れんなって。イイモン用意してあっから――」
鈴檎と引き離され、腕を強く掴まれる。結依は恐怖をなんとか隠しながら反抗しようとして力づくで抑え込まれてしまう。
が、絶叫がその場を変えた。
「ぎゃあああああ!?」
鈴檎を掴んでいたチンピラたちの手が変色している。
――そう、腐っている。
人体も容赦なく腐り落ちていくだけでなく、周囲のコンクリートも変化しているのがわかる。
見境なしに自分の周囲に腐蝕をもたらしているのだ。
「な、なんだ!?」
「うっ、あうう……」
泣きじゃくりながら自分に近くにいるすべてを腐らせていく鈴檎を見て、結依は思い出す。以前の暴走を。こんな状況だとそうなるのもおかしくはないがこのまま発動し続けると自分はおろか鈴檎も危ない。
「やべぇ! 逃げるぞ!」
男たちは結依も放り投げて部屋から出る。残された結依がパニックになる鈴檎に近づくと、少しだけ落ち着いたのか、腐蝕も収まっていく。
「うぅ、ひっく……」
状況的にありがたくあるけれど、結依は異能をうまく扱えないような状況なのに、鈴檎はほとんど暴走のような形で発動することに引っかかりを覚えた。
完全に異能を封じているわけではないということだろうか。
「なんの騒ぎ?」
部屋の外で腐った腕のことで喚くチンピラたち。そして、それらに声をかける女性がいた。
夕日色の髪。眼鏡をかけ、長い髪を後ろで一括にしたクールな女性。二十歳前後くらいの年頃だろう。
バランスの取れたスタイルは女性的ではあるものの、パンツスタイルということもあって凛々しさも備えている。
が、そんな美人が蔑むようにチンピラたちを見ながら吐き捨てる。
「まったく、命令も忘れる鳥頭どもが」
「み、
侮蔑がこもった青い目でチンピラたちを一瞥したかと思うと、結依と鈴檎を示しながら言う。
「死にたいなら死ねばいいわ。私は言ったはずよ。
結依は御空と呼ばれた女性の発言から、どうやらまだ生かしておくつもりではあることはわかったが、何かきっかけさえあれば殺されるというのもなんとなく読み取れた。
女性は部屋のロックをかけ、格子の向こうで何か部屋そのものに術をかけているような動きを見せると、チンピラたちに無感情で言い放つ。
「腐ってそのまま腕を失くしたくなければさっさと治療しに下がりなさい。その後、死ぬ気で働くといいわ」
女性がそう言い残して去っていく。チンピラたちも怯えた様子で女性に従い離れていく。
結依は落ち着いたのか、涙をゴシゴシと拭う鈴檎に向かい合って声を潜めながら言った。
「どうにかして逃げよう。このままだと何されるかわからない」
「で、でも逃げられるのでしょうか……」
不安そうな鈴檎の言うこともたしかだが、異能が完全に使えないわけではない。
なにかカラクリさえわかれば――。
ふと、結依は最近離れていた綜真のことを思い出す。
今頃どうしているだろうか。
こちらの状況に気づいて助けに来てくれるかもしれない。
だからといって、大人しく待っていていいわけがない。
結依はたまに運ばれる食事や監視を注意深く観察することを決め、脱出の計画を立て始めた。
――――――――――
「んでェ? 和泉ってやつにはまんまと逃げられて砦郷町のどこにいるかもわかんねえって?」
「は、はい……」
「アッハハハハハハ! さすがにそこらのチンピラじゃキツイみてぇだな」
砦郷町に突如現れ、第二江東市全体を恐怖で支配しようとしている嗣吉は報告してきたチンピラを見て笑う。
ソファに深く腰掛けている嗣吉と、嗣吉とは反対の場所で一人用ソファに座る人物。
識文を捕獲した半纏を羽織った刹那だ。目の前の机に駄菓子を並べ、手には煎餅を持ってバリバリと咀嚼している。
「刹那ぁ、テメェ行くか?」
「嫌だよ、めんどくさい。僕はちゃんと仕事したから御空に行かせれば?」
「御空ねぇ……まあアリっちゃアリだが――」
飲み干した空き缶を手で潰し、ちょうど入ってきた御空へと視線だけ向けた嗣吉は御空の表情を見て面倒そうにこめかみを掻く。
「ちょっと嗣吉。あんた配下の教育どうなってるわけ?」
「あ? んだよ、なんかやらかしたか?」
刹那がバリバリと何かを食べていると嗣吉とも違うソファに座って御空は長い足を組み換えながら言う。
「やらかしたっていうかやらかそうとしてたのよ。捕まえた女の子二人に手を出そうとして……品性の欠片もないわ。ああいうことされるとこっちまでそういうことを許容してるみたいに思われて不愉快なのよ」
「しゃーないよ。男は下半身でモノ考えるから。ここらのは特に脳直だけど」
刹那のコメントに嗣吉は渋い顔をし、それを気にすることなく御空は更に続けた。
「ま、手を出す前に自分の手が腐って使い物にならなくなりかけたからざまぁないわ。私がいる限り、目のつくところでそういうことさせないで」
潔癖女めんどくせぇ……と嗣吉と刹那は心の中で思うが口にはしなかった。それこそ口に出すと5倍面倒そうだと判断したからだ。
「っせーな……ま、命令無視すんのは確かにいらねぇな」
空き缶を放り投げ、カンッという音が響いて転がり、"誰か"の足にぶつかって止まる。
砦郷町を広く見渡せる一室。しかし外からは結界を利用して内部は見えないようにされているため、彼らがここにいるということは極一部の人間しか知らない。
「そんでよォ、早いとこ答えろよ。時間稼ぎのつもりか? 田吉」
田吉は全身ボロボロになった姿で拘束され、手は隠れて何かできないように頭の上でまとめられていた。
座るような姿勢のため、嗣吉の視線が自然と見下すような形になる。
「オヤジの遺産と例の鍵。どこに隠してんだ」
「自分で探せよ、お
皮肉のようにお義兄様、と返すと嗣吉は俯いていた田吉の首を掴んで無理やり顔を上げさせる。
絞め殺しかねない力だが、田吉が酸欠になりそうなところで手を放して嗣吉は言う。
「調子に乗ったてめーにどうしたら一番最悪なし返しができるか考えてよォ」
後ろで刹那が興味なさげに持ち込んでいた食べ物をすべて食べきり、御空は足を組んだまま本を読んでいる。
こんな状況でも二人は気にする素振りも見せず、嗣吉の苛立った目が田吉を睨む。
「てめーの仲間を目の前でブッ殺してからてめーも殺してやることにしたんだ。すぐ殺すだけならカンタンすぎっからよォ。だからさっさと遺産と鍵の場所を吐けや」
憎しみのこもった声に、田吉は数秒黙った後、苦笑する。
「は……相変わらずお前がバカで助かるわ」
「……あ?」
当然ながら逆鱗に触れたようで、嗣吉は田吉を睨みながら殺気を滲ませる。しかし、田吉は臆することなく、少し乱れた呼吸を整えて続けた。
「クソオヤジの教えすら忘れてるお前に、俺を殺してスラム統一? 相変わらず大言壮語だけは一人前なこった」
ピリピリとした互いの殺気と霊力のゆらぎで御空や刹那には霊力の可視化現象が発生していた。ピシッと空間がひび割れるような圧に、思わず二人とも手が止まる。
「生かして捕まえようとしてる時点で二流だって言ってんだよ。そんなだから、実子の癖に後継者から外されてんだよ、バーーーーカ」
捕まって不利な状況にも関わらず田吉の煽りはまっすぐ嗣吉に突き刺さる。
言葉で一蹴することなく、嗣吉は動けない田吉を暴力で黙らせようと腹を狙う。
「お前さえ! お前さえいなけりゃここは俺のモンだったんだよ! クソオヤジがどっから連れてきたか知らねぇガキのお前が! 俺が
怒りのこもった嗣吉の声に、御空が呆れたように立ち上がって嗣吉を制する。
「殺したら駄目なんだからそのへんにしておきなさいよ」
「……チッ」
そんな中、三人と田吉がいる部屋に入ってくる人物がいた。
「いやぁ、新生吉田組の諸君」
どこか胡散臭い男がゾロゾロと配下を引き連れており、チンピラというよりヤクザのようだ。
「調子はどうかな」
「さあな。遺産と、大金庫の鍵の在処はまだわかってねぇよ」
「なるほど。しかしまだ猶予はありますからね。人質もいる」
ボロボロの田吉を横目ちらりと見て、男は嗣吉の肩を気安そうに叩く。
「これだけ協力しているのですから、当然……契約は守ってもらいますよ?」
「はっ、ならそっちもさっさと残党探しを進めろよ。徹底的に潰さないと安心できねーだろ、
「ええ、ええ。では、私どもはこれで。ああ、そちらは差し入れです」
磐岡と呼ばれた男は刹那の近くに食べ物と、机にメタリックなケースを置いて配下とともに、出ていった。
「ヤクザと手を組んでまでこんなスラムが欲しかったのか?」
「てめーにゃ関係ねぇだろ」
田吉の疑問に嗣吉はシンプルに返しながら机の上の薬品を確認し、嗣吉が一錠コーラで飲み干した。
刹那と御空も手近な飲み物で一錠流し込んで、一息つく。
それを見て田吉は三人を鼻で笑う。
「おクスリおクスリってあっほらし」
「負けた言い訳か? 勝ちゃいいんだよ」
勝ち誇る嗣吉に、田吉は態度を変えず言い返す。
「お前がどんだけない頭絞っても、ヤクに頼っても、こっちには綜真がいるんだよ。
その言葉に、嗣吉は目を細める。
識文や和泉ならば納得はしただろう。田吉の仲間の中でも飛び抜けて実力があることは有名だったからだ。
だが、聞き覚えのない名前。無視することは可能だが、嗣吉は妙に引っかかりを覚えた。
「そうま? おい、御空。どいつだ?」
「情報は少ないけど最近仲間入りした子みたい。どんな異能かはわからないわよ」
「あぁ? だとしたらなんだ。俺がガキ一人もろくに殺せねぇと思ってんのか?」
――嗣吉は違和感はあった。しかし、どれだけ危険でも先に殺せば問題ない。そう考える。
――田吉は嗣吉がそう考えるであろうことを想定していた。
――
嗣吉は挑発に乗って外に出ようと身支度をする。
刹那と御空もそれぞれの役割を果たすために立ち上がる。
「第二江東市はほぼ手中だ。さっさと田吉のお仲間狩りといこうぜ」
"二代目
"夕刻の魔女"
"多重暴食家"