東京リバースギフテッド   作:とぅりりりり

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リアル都合で大変遅くなってすみませんでした


怪奇!魔女と悪霊女の戦い

 

 

 自分で作った飯は嫌い。

 極端にまずいだとか、そういうわけではない。

 単に、味がしなくて気持ち悪いのだ。

 

「別に普通よ」

 

 御空に感想を求めてみて一言、特に気にした様子もなかったけれど。

 

 自分の飯は嫌い。

 自分以外の誰かが作ったものか、既製品しか食べたくない。

 

 それでも、飢えは満たせない。この異能を活かすには常に何か食えるようにしておかないといけない。どんなものであろうと、食べ物であれば腐っていようとも。自分で作る味のしない塊を無理やり突っ込んででも田吉に復讐しないといけないと思っていたはずなのに。

 

 田吉の新しい仲間の一人。正体不明のガキ。

 時葛綜真と名乗ったこいつの作った料理はどこか懐かしくて思わず色々なことを忘れて夢中になっていた。

 そして、あの料理。

 

 昔、御空が作ってくれた肉じゃがと同じ味。

 

 今の御空が作ることはない、それを思い出して、無性に悲しくなってしまった。

 なんでこんなことをしているんだろう。

 もう組のことなんてどうだってよかった。ただ、穏やかに暮らせたらいいと、思っていただけなのに――。

 ふと、重くなった頭が晴れるような感覚。

 

 御空が近づいてくる気配がする。

 ちゃんと言わないと。

 

 こいつ(綜真)は僕らの敵じゃない。

 

 

――――――――――

 

 

 眼鏡を胸ポケットに収めながら、魔女と呼ばれたその人は忌々しげに綜真を見る。

 

(視えない)

 

 ダミー情報で覆い隠され、パーソナルな情報を何一つ視ることができずに舌打ちする。情報量の妨害壁で少し頭痛に苛まれるが大した問題ではないというように首をふる。

 もう片方、椛は問題なく視られるため、内心初めて知る情報を頭に入れながら緊張状態の二人に言った。

 

「一人前に阻害? どういう方法かは知らないけど――」

 

 ブラックジャックとも呼ばれる黒い革製の棒を出現させ、二人を睨む。

 

「刹那を丸め込むような相手に手加減なんてしないわよ」

 

 襟周りをくつろげながら魔女は周囲の温度を下げるような殺気を放つ。

 綜真は悩んでいた。逃走を選ぶか、戦うか。

 刹那と違って単体相手ならば異能を使えば逃げ切れるかもしれないと。

 しかし、刹那は運良く不戦勝で済んだだけで、御空相手の対策が一切ない。そもそも呪術を使うというのも現状憶測でしかなく、そもそもどういった戦闘になるかも綜真にとっては未知の存在だ。

 

(どうする? 刹那は向こうの仲間だし置いていっても問題はないだろうけど――)

 

 椛を少し見た綜真は戦える状態ではあることは確認したものの、数の利があっても厳しいことを予感して逃げを選択しようとして、力が抜ける。

 

 綜真と椛、両方とも体の力が抜けたようにその場に崩れ落ちた。

 

私から逃げようとしても無駄(・・・・・・・・・・・・・・)

 

 言葉が鉛のように二人にのしかかる。危機を感じて時間停止を発動させた綜真だったが、体へかかる負荷は変わらない。

 綜真が止めているのはあくまで世界の時間であって、自分の時間は止めていない。自分の肉体への変化を止めていないということに気づいて、停止が切れる。

 

 動き出した時間で、綜真の頭を殴る腕が容赦なく振るわれる。

 出血こそないものの、ブラックジャックによって思い切り殴られたことでただでさえろくに動けない綜真は地面に倒れ込まないように腕を押さえるので必死だ。

 

「くっ――」

 

 椛がなんとか動こうと斧で自分を支えるが、それを見透かしたように御空は椛を強く殴る。

 ただ殴っているだけかもしれないが、その一撃はかなり重い。

 

 何度も繰り返されたら命に関わるだろうことを確信した綜真は異能でなんとか阻止しようと考えるが、その前に戦況が変わる。

 

 綜真と椛が何者かに掴まれて御空の視界から消える。

 御空はすぐにその乱入者に気づいたが威嚇射撃で足止めをくらい、引き離されてようやく乱入者の姿を目視する。

 

「少し目を離したらこれか。まったく――」

 

 鬱陶しそうに舌打ちしながら首根っこを掴んで撤退させた二人を自分の後ろに置き、御空と距離を保ちながら対峙する。

 

「――薬袋、薫」

 

 魔眼で視られたことに不快感を示すように眉根を寄せて薫は嘲笑する。

 

「自分の手の内を早速明かすような真似をするとはとんだマヌケみたいだな」

「あら、恥晒しで有名なやつと聞いていたけど随分口がまわるようね」

 

 この瞬間、二人は同じことを考えていた。

 どちらが先に相手の冷静さを奪うかどうか。

 その結果、お互いに煽るような言葉を交わしたのだが、お互いの思考を察して二人して静かに口を閉ざす。

 

(そっちがそのつもりなら――)

(さすがにこの程度じゃかからないわね)

 

 互いに構えたのはほぼ同時。薫の銃弾と御空の霊術がぶつかりあって相殺される。

 

「魔女相手は骨が折れるな。だが……」

 

 相殺されたのを確認する前に素早く再装填(リロード)しながら御空の気を引くように話しかけた。

 

「お前、強いだろ」

「はぁ?」

 

 何を当たり前のことを言っているのか、とでも言うように御空は呆れた目で薫を見る。一方の薫は綜真が今までで一番『悪いことを考えている表情』を浮かべながら銃を構えた。

 

「お前みたいに才能があるやつ。異能に恵まれているやつ。ついでに自分の勝利を信じて疑わないやつ」

 

 御空は嫌な予感がして警戒をしながら薫の動きに注意を払う。しかし、薫は相変わらず落ち着いた様子で言った。

 

「そんな青臭い自惚れクソガキを叩きのめすのが、好きで好きでしょうがないんだ」

 

 その言葉と同時に御空を狙う銃弾が鼻先をかすめる。あと少し反応が遅れていたら脳天を撃ち抜いていただろう。

 そのまま更に二発、三発と銃弾が御空を狙う。しかし、その銃弾は御空にすべて回避されてしまうが、薫はそれすらも予定調和というように笑った。

 

「役満だ。"能無し"に負ける気分を味わうといい」

 

 回避した先、出入り口の近くに着地した御空に罠の術が発動する。

 霊術とは詠唱や事前準備が必要となるのが大きな欠点である。

 その詠唱を短縮したり、事前に準備しておくことができれば霊術の扱いに長けていると言える。

 薫は霊術を事前に仕掛け、地雷罠のように利用した。御空がその位置に来るように誘導し、御空も咄嗟に回避と結界術での軽減を試みるがダメ押しとばかりに薫の銃撃が御空に二発、直撃した。

 

「くっ――」

 

 霊術と銃弾をもろに受けた御空の顔が歪む。罠から逃れるように、御空は何らかの方法で術の範囲から抜け出すと、まるで瞬間移動するように薫に近づいてブラックジャックにる重い一撃を叩き込む。

 が、それは左腕で防がれた。

 

(しまった、義手――)

 

「つーかまえた」

 

 ただ淡々と、追い詰めるような声音で薫は呟く。

 そして掴んだ腕を強く握るとそのまま地面へ背中から叩きつける。

 どちらかが突出して強いわけでも、弱いわけでもない。

 ただ、御空は頭のどこかで裏社会の人間でもない相手が積極的に殺しにくるとは思っていなかったのだ。甘え、慢心、あるいは見下し。

 その考えが無意識にそんなことするはずがないと、御空の判断を鈍らせていた。

 

 だが、綜真は知っている。

 晴美が馬鹿にしていようが、トップクラスの実力者たちに見劣りしていようが、薬袋薫という人間は自分を詰ませかけた相手 (・・・・・・・・・・)だということを。

 

 とどめに銃弾を撃ち込んだあと、御空は血溜まりの中、動かなくなり、薫もやれやれといった感慨もない様子で御空の脈を確認してから綜真たちのほうを見た。

 

「何ちょっと目を離した隙に大物相手にしてるんだ?」

「本意じゃないです!」

 

 綜真は不本意であることを告げつつ、御空によって動かなくなった体に力を入れようとして、失敗する。

 椛もまだふらふらしていて、綜真よりも重い疲労をにじませる。

 

「何されたのかは知らないがよほどの異能でもないならさすがに解除されるだろうし、呪術――」

 

 言いかけて、薫は振り返って御空を撃った。

 

 が、それは見えない壁に阻まれて弾かれる。

 

(まさか、こいつ――)

 

 禍々しいまでの負の感情。怒り、悲しみ、そして呪術、すなわち呪いにおいて最もシンプルでわかりやすい感情。

 憎悪。それが形を成すようにボロボロの御空の体から溢れ出るエネルギーとなる。

 霊力とともに可視化現象を引き起こすまでに狂い乱れているそれは薫だけではなく綜真にすらはっきりとわかるほどの脅威。

 その負の力を利用して殺しにしたはずの体が動いているのはさすがの薫にも想定外であった。

 強いエネルギーはただ自己蘇生をするだけに留まらず、薫の攻撃も阻んでおどろおどろしい御空の眼差しが薫を刺す。

 

(死の間際に増幅する霊力で生命維持と自己強化か)

 

 異能者は死にかける、あるいは死ぬ際に強い霊力を発生させる。

 基本的には意識して利用することは少ない。なぜなら”本来は”鍛錬のしようがない危険な行為だからだ。

 だがもし、その霊力を使いこなし、戦略に絡めているのであれば――

 

「――今のは私があんたを舐めすぎていた。それは認めるわ」

 

 

 ゆらりと体を起こす。おびただしい血の中、立ち上がった御空は整えられた髪も乱れ、血が張り付いている。

 ボロボロになった上着を放り投げ、御空は薫が銃を構えているというのに手帳を開く。

 

「あんたに恨みなんてないもの。私の本領は発揮できない」

 

 よろける足を踏みしめよるように強く、床を鳴らす。その間に、手帳に強く強く何かを書き記し、ビリビリと肌を刺すような怒号をあげた。

 

「だけどこれで! あんたをぶっ殺したいと思えるくらいムカつくことができたわ!」

 

 

 ○薬袋薫。

 私を殺した 許さない

 

 

 ただその短い文章を書くと同時に御空の霊力と負のオーラが増大する。綜真でもわかるほどの変化に、薫も冷や汗を流す。

 

「殺されたなら死んでおけよ。生き汚い」

「こっち側でもないのに平然と乙女を手に掛けるようなやつに言われてもなんとも思わないわね」

 

 まだ御空のなにかのせいでろくに動けない綜真と椛を薫越しに一瞥し、御空は忌々しげに呟いた。

 

「乙女の醜態を見たあんたたちもまとめてぶっ潰すわ」

 

 血まみれのままゆらりと体を揺らし、手帳を閉じると先程薫と相対していたときよりも機敏な動きで三人に襲いかかる。

 薫が後ろの二人をかばって受け止めるが、拮抗していた力が傾いた。

 

「なっ――」

 

 薫が御空に押される形で弾かれ、追撃を食らう。

 明らかに先程までとは強さが違うことを再認識した薫はすぐさま煙幕を取り出して視界を覆う。

 

「撤退。あれは勝てん」

 

 潔い敗北宣言に綜真はぎょっとしながら薫に掴まれる。あまりにも断じるからにはそれ相応の理由があるのだろうが、綜真と椛がろくに動けないような状況でそもそも逃げ切れるのかという疑問。

 その疑問はすぐさま氷塊する。

 すなわち、不可能。

 

 御空は正確に煙幕の中でも薫に接近し、さきほどの薫ほどではないにしろ容赦のない攻撃を与えた。

 

「ぐあっ――!」

 

「はぁ……はぁ……殺してやりたい……!」

 

 まだ霞んでいる煙幕の中、赤い目が揺らめく。まっすぐと3人を見下ろしている御空の目は憎悪、怒り、苛立ち、あらゆる感情が沸騰しているようだった。

 

「殺……殺し……いや、人質にして――」

 

 まるで自分でも抑えきれないかのようにブツブツと思考を整理している様子だが、それでも逃げる隙はない。

 薫は、今にも意識を失いそうな中、綜真たちに伝えようとか細い声で呟いた。

 

「こいつ……空間系能力だ……!」

 

 空間系能力。綜真にはまだ未知の分野ではあるが異能者にとってそれはとんでもない情報だった。

 異能者ごとによって様々ではあるものの、空間系能力とは『空間に干渉する』というもの。

 その能力の応用性は非常に高く、防人衆でも非常に重宝されるほどのレア能力。

 薫は行動不能になるほどの大怪我を受けながら、ようやくその能力に気づいた。

 

 

"夕刻の魔女"御空(みそら)――異能(ギフテッド)【空間操作の魔眼】

 

 

 呪術と霊術、そして空間操作の魔眼。その3つすべてを操る御空は綜真にとっては明らかに今相手取るようなレベルの敵ではなかった。

 

「空間系能力とか……魔眼まであるのに反則だろうが……」

 

 

 

――――――――――

 

 

 薫さんが御空相手にやられ、気絶してしまった。

 こんなの明らかに俺がどうこうできるような相手ではない!

 

 しかし薫さんがやられた以上、俺がなんとかするしかない。

 椛の方がなぜか俺よりも彼女の呪術が効いているのか、あまり期待はできないが――。

 

「次はあんたよ」

 

 真っ赤な目が俺を睨む。

 せめて時間を止めて避けることに専念するしか――

 

 そう思っていたのに能力が使えない。

 

「今異能使おうとしたわね」

 

 御空の攻撃を受けて一瞬意識が飛びかけた。

 

 やば、死ぬ、いや気絶の方がまずい――!

 

 気絶したら今日の朝のセーブ地点がここで更新される。砦郷町に入る前のセーブも残ってはいるけど、貴重な更新地点を更新したくねぇ!

 

「何の異能かは知らないけど、今使おうとしたってことは薬袋薫よりはマシな異能みたいね」

 

 薫さんは戦闘で能力を使うことはほぼないから影響はなかったようだが、もしかして俺のように異能を使うタイプは致命的に相性が悪いのか?

 だとしたら完全に勝ち筋がなくなった。

 

「”この室内(・・)における、私以外の異能者の異能を禁ずる(・・・・・・・・・・・・・・)”」

 

 まるで、宣言するように言うと、御空の攻撃で綜真は意識を失った。

 

 

――――――――――

 

 

 御空の呪術は負のエネルギーを利用してあらゆる制約やデメリットを付与することができる。

 だが、それを無制限に行うには当然代償や大きな消耗が伴う。

 そのため、御空は他人の情報による呪術の強化と、範囲を指定することで緩和していた。

 

 魔眼の空間能力。一度視たのであればその室内を一つの空間と定義し、その空間内部では能力を制限するという呪術と異能の組み合わせによるもの。

 ただし、これだけでは御空の支払うコストがまだ多い。一度発動すれば長時間有効だとしても割に合わないコストになりかねない。

 そのため、御空は『個人情報』を得ることに注力していた。

 呪術は呪う対象をよく知っている必要がある。逆に言えば、よく知っていればいるほど、呪いの強さが高まる。つまり、魔眼で相手の情報を得て自分の呪いを強化するという、他人からすればとんでもない理不尽を強いるのだ。

 

 そのため、情報があまりなかった『みーくん』と『鈴檎』、『綜真』には効きが弱い。

 

 ただあらゆる有利を加味しようと一度の死で自己強化がされている御空相手に敵う術はなかった。

 死の危機で得る霊力の凄まじさは綜真ならいつか理解できるだろう(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「うぅ……」

 

 意識は失っていないものの、御空の呪術が効いている椛は御空を睨んで唸るしかできない。

 椛の異能は自己強化。つまり呪術で制限をされると逆に自分へのデバフになるだけだが、椛にはそれがわからない。

 当然、素の身体能力で敵う相手でもない。

 完全に詰みの状況だった。

 

「さて――」

 

 まだ死による自己強化が残っている御空が気になったのは動けない椛よりも、綜真のことだった。

 

 最初に視たときから違和感を抱いていた御空は改めて魔眼で視ようとする。

 

「これは――呪術?」

 

 綜真を魔眼で視れないように防いでいるのは呪術によるものだった。強化された御空でも解除するのは難しい。時間をかければできなくもないだろうが、今解除するよりも御空は別のことが気になっていた。

 

「この霊力……」

 

 綜真に触れようとして、御空は手を引っ込める。

 何か、いる。

 

 

『卑しいドブネズミが』

 

 

 御空にはそれがはっきり聞こえた。まるで、世界を呪うような凄まじいまでの負のエネルギー。

 

 

『わたしの綜真くんに触るな』

 

 

 その声は御空だけに聞こえていた。椛は、御空の様子が変わったことを不思議そうに見ており、ただなんとなく、野生の勘で恐ろしい何かがいるような気がしてきょろきょろと視線を動かす。

 

(何? 今のは……)

 

 御空も、警戒するように視線を動かすが何もいない。

 別の敵だろうかと一瞬考えるが、そんなかわいいものではないと直感する。

 

(もっとおぞましい何か)

 

 綜真に触れようとしたのをきっかけに聞こえるようになった声。

 そして、その発言からして綜真に執着しているような気味の悪い感情。

 

(何か取り憑いている……?)

 

 御空もわからない何か(・・)を、引きずり出すように綜真、の後ろを注視する。

 

 いる(・・)

 

 自己強化が続いているうちに危険なものは排除しておこうと、御空は取り憑いている何かを引きずり出すために空間操作の魔眼を使用してみるが反応がない。

 

 つまり、この場にはいない(・・・)ことがわかる。

 

「それなら――」

 

 呪術か霊術か、かなり希少な例だが能力で別の場所に本体がある。

 綜真が楔となっているのであれば綜真から引き剥がせばいい。そのためには――

 

 そう考えて、御空は綜真の頬に触れ、強化した自分の呪術が跳ね返る。

 

『あははははははっ! しょせんはドブネズミ。呪詛返しの警戒がまるでなってないじゃない!』

 

 

 この一瞬のやり取りが、御空と美沙杜の命運をわけた。

 

 

 強化された自分の呪術が跳ね返った御空は気絶している綜真に重なるように崩れ落ちる。

 わけがわからない椛は頭に疑問符を浮かべながら状況を見ているが、見えない何かがいるような気配と、御空が急に倒れたことしかわからない。

 

 困惑の中、御空がゆっくりと体を起こす。

 

『あら、しぶといわね。でもあれだけの情報量を一度に受けて精神のほうが――』

 

「わた……」

 

『うん?』

 

 御空の様子がおかしいことに気づいた美沙杜はない体の首を傾げる。椛も御空の様子を見て困惑していると、突如御空が赤い瞳が正気を取り戻したように光を灯していた。

 

 

「私が……お姉ちゃんってこと……?」

 

 

『は?』

「????」

 

 

 この瞬間、初めて美沙杜は心の底から困惑し、絶句した。

 状況について行けない椛はわけがわからず気絶している綜真と薫をかばうようによろよろの体で引っ張って虚空を見つめるしかなかった。

 

 

 

 




椛が一番かわいそう
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