Fate/Grand Rider   作:けーやん

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今回はマシュの特訓回【後編】です。


episode 4

「何とか骸骨兵(スケルトン)の群れを撃退しましたね」

 

「だな。まあ、サーヴァントと比べて格下で知能もねえ相手だからな。やって貰わなきゃこっちが困るが」

 

 キャスターの提案で始まったマシュの特訓は、厄寄せのルーンで群がって来る骸骨兵(スケルトン)たちをマシュがひたすらに撃退続けた。後ろで立香が近付く骸骨兵(スケルトン)の位置を伝えていた事もあり、心身ともに疲弊するも対処した。

 

「さて、それじゃあ()()と行きますか。ライダー、お前さんは何があってもお嬢ちゃんに手を貸すなよ。本来なら助言しただけでも釣りが来るくらいだからな」

 

「分かりました。彼女たちを頼みます」

 

「応。先輩サーヴァントとして、みっちり(しご)いてやるさね」

 

 キャスターは手をヒラヒラ振りながら立香たちの方へ歩き出す。来太はそんなキャスターの後ろ姿を見ながら立香たちを見守る事に徹する。

 

「限界、です──これ以上の連続戦闘、は──すみません、キャスター、さん──こう言った根性論ではなく、きちんと理屈に沿った教授、を──」

 

「────分かってねえなあ。コイツは見込み違いかねぇ」

 

 息を切らしながら訴えるマシュを見て、キャスターは()()()()()()()()()()()

 

「まあ良いか、そん時はそん時だ。んじゃあ次の相手はオレだ」

 

 そう言ってキャスターは杖を構える。

 

「味方だからって遠慮しなくて良いぞ。オレも遠慮無しで藤丸を殺すからよ」

 

「「「!?」」」

 

 キャスターの突然な発言にマシュは勿論、後ろに居た立香たちも驚愕する。

 

「何言ってんの貴方、正気!?この特訓に藤丸は関係ないでしょう!?」

 

「サーヴァントの問題はマスターの問題だ。マスターとサーヴァントは運命共同体なんだよ。お前もそうだろ、藤丸?お嬢ちゃんが立たなくなった時は手前(テメェ)の死だ」

 

「それは……!?」

 

 叫ぶオルガマリーを一蹴し、自分を睨むキャスターに藤丸は言葉を詰まらせた。

 

「ちょっとライダー!?貴方も見てないでキャスターを止めなさいよ!!」

 

『そうだ!藤丸さんに何かあったらこの特異点を解決出来ない!急いでキャスターを止めてくれ!!』

 

 オルガマリーとロマニが来太に助けを求めるも、来太は頭を下げる。

 

「すみません、俺はこの特訓に関して一切手を貸す事は出来ません。キャスターさんとそう決めました」

 

「貴方それでも藤丸のサーヴァントなの!?」

 

 拒否する来太にオルガマリーは罵倒する。その間にもキャスターは戦闘体勢に入る。

 

「そう言うこった。ライダーじゃなくオレを恨むんだな」

 

「……!マスター……下がって、ください……!私は───先輩の足手纏いには、なりませんから……!」

 

「マシュ……!」

 

「フォウ!」

 

 マシュは疲弊した身体で何とか盾を構えながら立香たちを守ろうとする。そんなマシュを見て、キャスターはニヤリと笑う。

 

「そう来なくっちゃな。んじゃまあ、マトモなサーヴァント戦と行こうじゃねえか!!」

 

 キャスターは空中を指でなぞると文字が浮かび上がり、文字は火球となってマシュたちに放たれる。

 

「グッ!」

 

 マシュは飛んで来る火球を盾で防ぐ。すると、その隙にキャスターが距離を詰める。

 

「そおぉぉら!!」

 

 キャスターは何と杖でマシュを攻撃した。マシュも咄嗟に盾で防御すると想像以上の衝撃に身動きが取れなくなる。

 

「この力は……!?」

 

「生憎様、ルーンを使えば相手がセイバーだろうとバーサーカーだろうと殴り合いは出来んだよ!!」

 

「出鱈目よ!?」

 

『そんなのキャスターの戦い方じゃないじゃないか!?』

 

 オルガマリーとロマニのツッコミの叫びは戦闘の衝撃音で虚しく掻き消される。キャスターは叩き掛ける様に杖で攻撃し続ける。対するマシュは終始防戦一方になっていた。

 

「そらそらぁ!防いでばかりじゃ戦いにならねえぞ!」

 

「ううっ!」

 

 キャスターが攻撃する度にマシュは少しずつ後ろへ後退していき、立香たちとの距離が近づいていた。するとキャスターは攻撃の手を止めて距離を置く。マシュはキャスターの攻撃を受け続けた事により、今にも意識を失いそうになっていた。

 

「ハァ──ハァ──ハッ───!」

 

「おう、そろそろ仕上げだ!主諸共燃え尽きな!!」

 

 キャスターが杖を構えると彼の魔力が跳ね上がる。

 

「我が魔術は炎の檻、茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める社───」

 

「倒壊するは『灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』!オラ、善悪問わず土に還りな───!」

 

 キャスターは宝具を発動させ、無数の細木の枝で構成された巨人を召喚する。巨人は赤々と燃え盛る炎を纏いながらマシュに襲い掛かる。

 

「ぁ───あ、」

 

 マシュは迫り来る巨人に戦意を失い掛ける。その時、マシュは来太の言っていた言葉を思い出す。

 

『君はその盾で()()()()()()()()()()()()

 

『それが解れば、キリエライトさんは()()()()()()()()()()()()()Plus Ultra!(更に 向こうへ!)だよ、キリエライトさん』

 

 マシュは失い掛けた戦意を取り戻し、盾を力強く握り締める。

 

(守らないと……宝具を使わないと、皆消える。所長も、フォウさんも、先輩も───)

 

(偽物でも良い、今この一瞬だけでも良い)

 

()()()()()()()()()()()()()()()皆を、マスターを守る為に!)

 

 

「ああ、ああぁあああ───!!!」

 

 

 その時、マシュの持つ盾から光の守護防壁が展開され、巨人の一撃を防いだ。そして巨人が消えると同時に守護防壁も消滅する。

 

「あ……私……宝具を、展開出来た……んですか?」

 

 呆然と呟くマシュにキャスターは想像以上の結果に口笛を吹く。

 

「何とか一命だけは取り留めると思ったが、まさかマスター共々無傷とはね」

 

 キャスターは立香を見て笑いながら言う。

 

「喜べ……いや、違うか。褒めてやれよ藤丸。アンタのサーヴァントになったお嬢ちゃんは、間違いなく一線級の英霊だ」

 

「うん!凄かったよマシュ!」

 

「フォウ、フォーーーーウ!」

 

「先輩……フォウさん……!」

 

立香はマシュに抱き付き彼女の頑張りを讃え、フォウもマシュに飛び付いた。マシュは嬉しさと達成感で思わず目尻に涙を浮かべる。

 

「キリエライトさん」

 

「来太さん……」

 

 来太は立香たちの元へ駆け寄り、マシュに声を掛ける。するとマシュは来太に頭を下げる。

 

「ありがとうございます。あの時来太さんが言って頂いた言葉のお陰で、私が守るべきモノに気づく事が出来ました」

 

「俺はあくまでヒントをあげただけ。答えを見つけ出したのはキリエライトさんだよ」

 

 感謝するマシュに来太は右手を彼女の頭に乗せ、優しく撫でる。

 

「今の君はついさっきの自分よりも更に先へ進んだ。大変よく出来ました、キリエ……()()()

 

「っ!?来太さん、今私の事名前で───」

 

「うん。本当によく頑張ったよ、マシュ」

 

「っ!はい!ありがとうございます!」

 

 何度も感謝するマシュに、来太は頭を撫で続ける。すると、立香が2人の間に割り込んで来た。

 

「えーー?マシュにだけ頭撫でるの狡くないかなーー?私も結構頑張ったと思うけどなあ」

 

「そうだね、藤丸さんもよく頑張りました」

 

 来太は立香の頭を撫でる。立香は頭を撫でられて満更でもない表情をする。

 

「フフフ、苦しゅうない。褒めて遣わす」

 

「勿体なきお言葉です……姫様?」

 

「おい、何故に疑問系にした?私はお姫様っぽく無いって事かな?」

 

「何でだろうねえ?」

 

「否定するな!あと私の事も名前で呼んでよ!」

 

「うーん、それはもう少し親睦を深めてからかな」

 

「育成ゲームか!絆レベル的なモノを上げろと!?そんな事より今すぐ私の名を言ってみろーー!!」

 

「お、落ち着いて下さい先輩!」

 

「フォ、フォウ?フォウ!」

 

「フォウさんも撫でて貰いたいのですか?」

 

「フォウ!」

 

「うん、良いよ。フォウくんも頑張ったね」

 

「フォウ♪」

 

「無視するなーー!」

 

 いつの間にか蚊帳の外にされた事に激昂する立香をマシュが宥め、来太はフォウの頭を撫でる。そんな光景を大人組が眺める。

 

「全く、気が緩むのが早いんじゃないの?これからセイバーとの戦いがあるってのに」

 

『まあまあ、所長。息抜きは大事ですよ』

 

「ま、セイバーと対峙したら直ぐにドンパチになるからな。その前の心構えって事で良いんじゃねえか?」

 

 その後、マシュが発動された宝具は真名に至っていない事もあり、仮名としてオルガマリーが仮想宝具 疑似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)と命名したのであった。

 

 そして、キャスターからセイバーの真名を聞かされた来太たちはより一層覚悟を決める。

 

 セイバーの真名は、かのブリテンの王にして騎士王。聖剣エクスカリバーの担い手であるアーサー・ペンドラゴンである事を。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「そうか、ランサーも倒されたか……どうやらキャスターに加担する者がいる様だな」

 

 冬木市のある洞窟の奥で怪しく輝く巨大な魔力の塊、大聖杯の前に立つ黒の甲冑を身に纏う小柄な騎士セイバーは地面に突き刺した黒い聖剣の柄に手を置きながら呟く。

 

「この聖杯戦争を終わらせる為に手数で勝負を決めるか……なら、此方も()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 セイバーはそう言って、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()




次回「総力戦【前編】」

特異点F終了後、カルデアに召喚されるサーヴァントは……(投票の多い2騎までとします)

  • アルトリア・ペンドラゴン
  • セイバー・リリィ
  • エミヤ
  • クー・フーリン
  • メドゥーサ
  • メディア
  • 佐々木小次郎
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