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「フゥ……あ、ヤバッ!?」
来太は【デザイアドライバー】に装填された【ブーストレイズバックル】から煙が出ている事に気付くと慌てて取り外して上空へ放り投げる。すると【ブーストレイズバックル】は煙を噴射して空中を不規則に飛び回り、爆発して粉々になった。
「え、壊れた?」
「ブーストバックルは強力なアイテムだけど消耗品でね。大技を発動したらああなるんだよ」
「あの、よろしかったのですか?あのアイテムも来太さんの宝具の筈では?」
「大丈夫。暫く経てばまた使えるから」
『それって自動的に宝具が修復されるって事かい!?普通そんな事出来ないと思うけど!』
「まあ、俺は別の世界から来たサーヴァントなので」
「簡単に片付けるんじゃないわよ……」
「フォウ」
来太たちが話していると、地面にうつ伏せで倒れていたセイバーが呟く。
「私の敗北か……まさか、私の聖剣が敗れるとはな……」
来太の強力な攻撃を受けたセイバーは自身の身体が光の粒子へと変わる様を見て言った。共に敗れたバーサーカーは既に消滅していた。
「ま、今回はオレたちの方が強かったって話だ。それだけだろ?」
「フッ、そうだな。しかし、貴方も随分と無理をした様だな、キャスター」
「言ってろ、テメエのその人形みたいな顔を少しは変えてやりたかったんだよ」
クー・フーリンも『
「そうか……聖杯を守り通す気でいたが、己の執着に傾いた挙句敗北してしまった。結局、どう運命が変わろうと、私1人では同じ末路を迎えると言う事か」
「あ?どう言う意味だそりゃあ、テメエ、何を知ってやがる?」
「いずれ貴方にも知る事になる、アイルランドの光の御子」
睨むクー・フーリンにそう言うと、セイバーは立香たちを見つめる。
「"グランドオーダー"───聖杯を巡る戦いは、まだ始まったばかりだと言う事をな」
そう言い残してセイバーは消滅すると、黄金に輝く水晶体だけがその場に残った。
「セイバーの野郎、言いたい事言うだけで言って消えやがった。チッ、しょうがねえ。藤丸、後の事は任せるぜ」
「キャスター!」
「お前さんはマスターとしてはまだまだ新米だが、航海者に1番必要なモノが備わっている」
クー・フーリンは消滅する手を立香の頭に乗せて、笑いながら言う。
「運命を掴む天運と、それを前にした時の決断力だ。お嬢ちゃんと一緒にセイバーの聖剣を相手に正面から立ち向かった。その向こう見ずさを忘れるな?そう言う奴にこそ、星の加護ってヤツが与えられるからよ。次があるなら、そん時はランサーとして喚んでくれ」
「……うん、分かった。絶対喚ぶね」
「応!……それとお嬢ちゃんも。セイバー相手に良く戦った。お前さんはもう1人前のサーヴァントだ。胸を張りな」
「は、はい!ご指導ありがとうございました!」
「ああ……それとだ」
クー・フーリンは最後に来太の方を見る。
「またな来太。次に会ったらお前さんに
「……分かりました。誰にも迷惑を掛けないと約束してくれるなら受けて立ちます」
「ああ、良いぜ。ケルトの戦士は
「はい……また会いましょう。クーさん」
クー・フーリンは最後に笑ってその場から消滅する。
「……えっと、私たちは次にどうすれば良いのかな?」
立香は少し困惑しながら次にどうすれば良いのかをマシュに訊く。
「セイバーが所持していた聖杯を回収すれば元の時代に戻れると思います。ですよね、ドクター?」
『ああ。大聖杯とは別でセイバーが所持していた聖杯が今回の異変の原因だからね。早く回収して戻ってくれ』
「それじゃあ早く聖杯を回収しましょうか、所長……所長?」
立香が声を掛けるもオルガマリーは何か考えている様子だった。
「……"
「オルガマリー所長〜」
「え?そ、そうね。良くやったわ、藤丸、マシュ、ライダー」
立香がもう一度声を掛けるとオルガマリーは漸く反応し、来太たちの方を見る。
「不明な点は多いですが、此処でミッションを終了とします。速やかに聖杯を回収して元の時代に戻りましょう」
「はい、至急回収───」
「いや、まさか君たちが此処までやるとはね。計画の想定外にして、私の寛大さの許容外だ」
マシュが聖杯に動こうとしたその時、大聖杯の前に人影が現れる。その正体は、癖のある長髪にシルクハットが特徴の男だった。そして男の左手にはセイバーが所持していた聖杯が収まっていた。
「あの人は確か……」
「レフ教授!?」
『レフ───!?レフ教授だって!?彼がそこに居るのか!?』
「その声はロマニくんかな?君も生き残ってしまったのか」
レフと呼ばれる男の登場にマシュとロマニが驚愕し、レフもロマニの声に反応した。そしてレフは溜め息を吐く。
「直ぐに管制室に来て欲しいと言ったのに、私の指示を聞かなかったんだね、まったく───」
「どいつもこいつも統率のとれないクズばかりで吐き気が止まらないな。人間と言うのはどうしてこう、定められた運命からズレたがるんだい?」
突如レフの表情が一変し、明確な敵意を向けられた事に立香たちは硬直する。そんな中で来太はレフに話し掛ける。
「貴方は
「私も君に聞きたい事がある、異界から来たライダーのサーヴァント。
「彼らが必死に生きようと足掻いているからだ。俺にとって、助ける理由はそれだけで充分だ」
「話にならないな。君も彼らと同じ愚かな存在だよ」
レフは失望した表情で来太に言った。するとオルガマリーがレフの元へ走る。
「レフ……ああ、レフ、レフ、生きていたのね!良かった、貴方が居なくなったら私、この先どうやってカルデアを守れば良いのか分からなかった!」
「所長……!いけません、その男は……!」
『止まるんだ所長!』
マシュとロマニが呼び止めるもオルガマリーの耳には2人の声が聴こえていなかった。そんな彼女にレフは友人の態度で話す。
「やあマリー。元気そうで何よりだ。君も大変だった様だね」
「ええ、ええ、そうなのレフ!管制室は爆発するし、この街は廃墟そのものだし、カルデアには帰れないし!予想外の事ばかりで頭がどうにかなりそうだった!でも良いの、貴方が居れば何とかなるわよね?」
オルガマリーは泣きながらレフに懇願する。レフは笑みを浮かべながらオルガマリーを見下ろす。
「だって今までそうだったもの。今回だって私を助けてくれるんでしょう?」
「ああ。勿論だとも。本当に予想外の事ばかりで頭にくる。その中でも予想外なのが君だよ、マリー」
レフは目を細めながらオルガマリーを睨む。
「
レフの突然の告白に来太たちは勿論、オルガマリーの表情は凍った。
「───、え?……レ、レフ?あの、その、どう言う、意味?」
「いや、生きている、と言うのは違うな。君はもう死んでいる。
何を言っているのか理解出来ないオルガマリーを無視してレフは言葉を続ける。
「トリスメギストスはご丁寧にも、残留思念になった君をこの土地に転移させてしまっんだ。ほら。君は生前、レイシフトの適性が無かっただろう?肉体があったままでは転移出来ない」
レフはオルガマリーを嘲笑う。
「解るかな?君は死んで初めて、あれ程切望した適性を手に入れたんだ。だからカルデアには戻れない。だってカルデアに戻った時点で、君はその意識は消滅するんだから」
「え……え?消滅って、私が……?ちょっと待ってよ……カルデアに、戻れない?」
「そうだとも。だがそれではあまりにも哀れだ。生涯をカルデアに捧げた君の為に、せめて今のカルデアがどうなっているか見せてあげよう」
レフはがそう言い、彼が持つ聖杯が輝き出すと、レフの背後の空間が開き、地球儀の様な装着が真っ赤になっていた。その光景にオルガマリーは唖然となる。
「な……なによあれ。カルデアスが真っ赤になってる……?嘘、よね?あれ、ただの虚像でしょう、レフ?」
「本物だよ。君の為に時空を繋げてあげたんだ。聖杯があればこんな事も出来るからね。さあ、よく見たまえアニムスフィアの末裔。あれがお前たちの愚行の末路だ。人類の生存を示す青色は一片も無い。あるのは燃え盛る
レフはニチャリと怪しく嗤う。
「良かったねぇマリー?今回もまた君の至らなさが悲劇を起こしたワケだ!」
「ふざ───ふざけないで!」
オルガマリーは涙を流しながら激情してレフに殴り掛かろうとする。
「私の責任じゃない、私は失敗していない、私は死んでなんかいない……!アンタ、何処の誰なのよ!?私のカルデアスに何をしたって言うのよぉ……!」
「アレは君の、ではない。まったく───最期まで耳障りな小娘だったなぁ、君は」
すると、オルガマリーの身体が突然宙に浮く。そして真っ赤になったカルデアスの方へ引き寄せられていく。
「このまま殺すのは簡単だが、それでは芸が無い。最後に君の願いを叶えてあげよう。"
レフが言っている事を理解したのか、オルガマリーの顔から血の気が一気に引いた。
「ちょ───何言ってるの?レフ?私の宝物って……カルデアス、の事?や、止めて。お願い。だってカルデアスよ?高密度の情報体よ?次元が異なる領域、なのよ?」
「ああ。ブラックホールと何ら変わらない。それとも太陽かな。まあ、どちらにせよ人間が触れれば分子レベルで分解される地獄の具現だ。遠慮なく、生きたまま無限の死を味わいたまえ」
「いや───いや、いや、助けて、誰か助けて!わた、私、こんな所で死にたくない!」
オルガマリーは泣き叫びながら助けを乞う。
「だってまだ褒められてない……!誰も、私を認めてくれてないじゃない……!どうして!?どうしてこんな事ばっかりなの!?」
「誰も私を評価してくれなかった!皆私を嫌ってた!」
「やだ、やめて、いやいやいやいやいやいやいやいや……!だってまだ何もしていない!生まれてからずっと、ただ一度も、誰にも認めて貰って無かったのに───!」
子どもの様に泣き叫ぶオルガマリーを見て、立香たちは必死に手を伸ばし、レフは愉悦に満ちた表情でそれすらも嘲笑う。
「悪いけど───彼女は俺たちの大事な仲間で、その聖杯は俺たちの戦利品だ。返して貰うぞ」
───しかし、助けを求める人間が目の前に居て、
『TACTICAL SLASH』
「何!?」
次の瞬間、聖杯を持っていたレフの左腕が切断された。そして切断された左腕から溢れ落ちる聖杯を掴み取った男──来太の意思に反応して聖杯が光り輝くと、カルデアスに呑まれる寸前だったオルガマリーが今度は来太の方へ引き寄せられ、来太は彼女をしっかりと抱き寄せる。
「ら、ライダー……!?」
「もう大丈夫ですよ、オルガマリーさん」
『NINJA』
『READY FIGHT』
涙を流したまま呆然とするオルガマリーに、忍者の様なグリーンカラーのアーマーを上半身に纏った来太がそう答え、2人は立香たちの傍に着地する。
「来太!?」
「所長!ご無事ですか!?」
『ちょっと待って!?その鎧……まさかライダー、今の君は
「説明は後です、ロマニさん。藤丸さんたちも警戒を解かないで」
来太はオルガマリーを降ろして、弧を描く両刃刀【ニンジャデュアラー シングルブレード】を構えた状態でレフを睨む。
「お……おのれ───」
レフは切断された左腕の斬り口を右手で押さえながら来太を憎悪の表情で睨み返す。
「おのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれぇ!ライダーァ、貴様!余計な真似を!!」
「生憎だけど、敵を目の前にして余裕な態度をしていた貴方が悪いよ。そう言うのは敵を全滅してからじゃないか?」
「黙れぇ!……どちらにしても、所詮そんな抵抗も無意味だ。カルデアは用済みとなった。貴様たち人類はこの時点で滅んでいるのだからな」
レフはそう言い残すと姿を消した。それと同時に洞窟が激しく揺れ崩壊が始まる。
『不味い!セイバーが消滅した事で特異点の崩壊が始まったんだ!』
「ドクター、至急レイシフトを実行して下さい!」
『分かってる、もうやってるよ!でもゴメン、そっちの崩壊が少し早いかも!』
「待ってドクター!所長はどうなるの!?」
レイシフトの実行準備に取り掛かるロマニに立香が訊く。
『それは……』
「……良いわよ………私なんて」
ロマニが言葉を詰まらせているとオルガマリーが呟いた。
「オルガマリーさん?」
「助けてくれてありがとう、ライダー……いえ、佳面来太。だけど、もう良いの。レフの言う通り、既に死んでいる私はこの特異点と一緒に消滅するわ」
「そんな!?ドクター、何とかならないの!?」
『……残念だけど。残留思念の状態になっている所長をカルデアに戻したとしても消滅は免れない』
「そんな……!?」
「先輩……」
納得出来ない立香にマシュはどうすれば良いのか分からない表情で見つめる。
「───本当にそれで良いんですか?」
「え?」
来太はオルガマリーに問い掛ける。
「さっき貴女は"死にたくない"、"まだ誰にも認めて貰っていない"って言ってたじゃないですか。なのに、本当に此処で消える事を望むんですか?」
「佳面来太……」
「死を覚悟するな。必ず勝ち抜けると信じろ!そうすれば、運は巡って来る」
「オルガマリー・アースミレイト・アニムスフィア。貴女はどうしたい?」
「───たい」
来太の言葉を聞いたオルガマリーは震えながら呟くと、顔を上げて叫ぶ。
「生きたい!死にたくないに決まってるじゃない!まだ私は何も成し遂げていない!何も残していない!」
「お願い……助けて」
「……それだけ聞ければ充分です」
助けを求めるオルガマリーの言葉を聞いた来太は握っている聖杯を見る。
「聞いたか聖杯。本当にどんな願いも叶える願望機だと言うのなら、今すぐ彼女の願いを叶えてみせろ!!」
来太がそう言うと、聖杯が眩い程の光を放った。
聖杯くん「いきなり狐野郎に煽られた。ムカついたから本気出したろ」(・Д・#)
【仮面ライダーギーツ ニンジャフォーム】
クラス:アサシン
固有スキル
気配遮断:A+
保有スキル(追加付与)
破壊工作:B
忍術:A+
特異点F終了後、カルデアに召喚されるサーヴァントは……(投票の多い2騎までとします)
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