原神世界に転生したから推しと仲良くなりたい……あれ?なんかいろいろ違くない?   作:妄想アイス

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お久しぶりで、原神好きの妄想アイスです。
いや~、小説書くのって大変ですね。
全然まとまらないや。

でもなんとか書き上げたので投稿します。

それでは、どうぞ


第十二話 その魔神は……

「……はい、依頼完了です!先方からも特にクレームの類などは入っておりません。お疲れさまでした」

「終わり?おっしゃー、今日はもうやすもー!」

 

 場所は璃月冒険者協会。

 ベリアルは、その日の分の依頼を終え、帰路に就こうとしていた。

 今日の依頼は、いつもと同じ四つ。荷物の護送に配達、破壊。そしてモンスターの掃討。

 

 しかし、数は同じでも、違うところがある。

 それは質だ。

 普段は璃月港を中心に依頼を受けていたため、時間はかかるが、そこまで疲れはしなかった。

 

 だがここ数日は、定期的な心機一転の一環として、場所を広げてみたのだ。

 

 その結果、依頼は何とか完遂できたものの、璃月中を駆けずり回ることになり、ずいぶんと疲労してしまった。

 

「まさか、送り先が層岩巨淵に軽策荘、果てには翹英荘とは。キャサリンさんも結構無茶ぶりしてくるなぁ。言ったのは俺だけどさ~、は~疲れた~」

 

 配達したり、魔物討伐したり、お茶飲んだり、地脈異常を調査したり。

 まだ俺が死んだ時点では実装されてなかった翹英荘だが、フォンテーヌと璃月の外交門ということでフォンテーヌ人も結構いて、目新しかった。

 

 フォンテーヌかぁ、どんなとこなんだろな!

 とりあえず機械、マシナリーが発展してるとこらしいが。

 

 でもまず俺はフォンテーヌにも行ってみたいが、現状スメールから先に行きたいんだよな……。

 俺の持つ神の目は草元素だからな。

 

 それにまだ見ぬフォンテーヌより、それなりにわかってるスメールを優先したい。

 これまでと同様に、ゲームの時とは比べ物にならないくらい広くなってるだろうけどな!

 

 そういや、さっき協会で大まかな地図を見つけたな。

 ちょっと大陸の地形見てみるか。

 

「どぅえ……!?ナタそんなとこにあんの!?大陸丸っと一周するんじゃないの!?」

 

 びっくり仰天。

 炎の国ナタは、大陸の西、スメールの砂漠を超えたさらに先にあるようだ。

 

 フォンテーヌが璃月の北西、スメールの北にあるもんだから、ずっとそのさらに北東だとばかり思ってた!

 てか、稲妻は後回しとして行きたいなまだ見ぬ国々。

 

 え、なんで稲妻行かないのかって?

 いや……なんとなく……。

 

 たぶん、俺が元日本出身だからいいかなって?

 あとは地形に海が多くて移動が大変すぎるから。

 ゲームでも稲妻苦手だったんだよな……雷電将軍は好きだが。

 

 あとは、勘。

 なんか行っちゃダメな気がするんだよ、命の危険を感じるというか。

 まあいいだろ、いつかは行くさ。

 行っても、離島から出られるかは知らんが。

 

 さて、今日はこれからどうするか。

 チ虎岩で飯食ってそのまま下宿で寝てもいいが……。

 うーん、考え込んでしまう俺。

 

「やぁ、ベリアル殿。もう依頼は終わったのか?」

「うわぁぁぁぁぁああ!!?」

「お、おぉ、すまない。びっくりさせてしまったか」

 

 そんな俺の考えは突然話しかけてきた人物によって中断された。

 いや、くそびっくりした!

 

「す、すいません俺のほうこそ。取り乱しちゃって。気にしないでください、鐘離先生」

「ふむ、問題がないのであれば、なによりなのだが……」

 

 話しかけてきたのは、鐘離先生。

 そう、鐘離先生だ。あの。

 

 どうやら岩神をやめる前から凡人のふりをして俗世に紛れ込むことはしていたらしい。

 甘雨、さんと遭遇した次の日にヌルッと店で遭遇した。

 うん、ヌルッと。ほんとにヌルっと。

 

 ……なんで国のトップ層と二日連続で出会ってんだ俺は???

 

「あれ?先生、そちらの人は……?」

 

 よく見ると、鐘離先生のすぐ後ろには、初老の男がいた。

 璃月よりもモンドに近い服装をしている。

 いや、モンドとも若干違う気がするな、これはいったい……。

 

「あぁ、彼は俺の友人だ、すまない、自己紹介を頼めるだろうか」

「もちろんだ鐘離殿」

 

 そういって前に出てくる男の背は、ベリアルが思っていたよりずっと高かった。

 二メートルは軽く超えているだろう。

 いまだ成長期のベリアルにとってはずいぶんと首に負担のかかる対格差だ。

 

「アルドガレッサだ、よろしく頼む。そのままでは言いにくいだろうからガレッサとでも呼んでくれ」

「あ、えと、初めまして。俺は、ベリアルです。よろしくお願いします」

 

 うん、マジででかい。

 原神の人間は結構背の差が激しいところはあったからな。精鋭の背格好とかあきらかな差がわかる程度にはあったし、この人もその類か。

 

「ははは、ベリアル殿は、緊張しているようだな」

「そのようだな。儂は人に怖がられやすい」

「あ、怖がってるわけではないので……」

「そうか?世辞でなければ、それは嬉しいな」

 

 どうやらいろいろ考えて黙り込んでいたのを、怖がられていたと勘違いされたようだ。

 悪い癖だ、直さないとな。

 

 それはさておき。

 

「なんか用でもあったのかな、先生?」

「うん?いや、なにもない。強いて言うなら、二人で歩いて話していたところに、貴殿を見かけたので、紹介しようと思っただけだ」

 

 えぇ……??

 このアルドガレッサって人と、俺を?

 どういう組み合わせだ?

 

「なんのことはないさ。ただ、新進気鋭の若者を友人に紹介したくなったに過ぎないからな」

「そ、そう」

 

 新進気鋭、かぁ。

 当然俺のことなんだろうけど、なんかそう評されるとむず痒いな。

 俺はただ原神オタクなだけなんだが……。

 

「ふむ、ここでずっと喋るのも通行の邪魔で、よくはないか。そこに茶屋がある。深い話はそこでしよう」

「了解した」

「わかった、いいよ~」

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 数分後。

 

「さって、改めて自己紹介でもさせて。俺はベリアル。歴史とか魔神とか調べるのが好きな、モンドから来た冒険者だよ」

 

 自己紹介、大事。

 ディルックとの会話でそれを思い知ったぜ。

 さすがにこのおっさんは女じゃねえだろうけどな!

 

「うむ、礼儀正しい若者だ。改めて、儂はアルドガレッサ。趣味は陶芸でな。出身は……いちおう璃月ということになるか。言うべきでないことも多いのでな。そこは勘弁してくれぃ」

 

 ま、俺も言ってないことあるし何の問題もない。

 

「そういえば先生、俺、最近璃月中を駆け回ってさ、その合間に遺跡を調べたりしてたんだ」

「ほう?」

「その最中に、いろんなことが知れたんだ」

 

 翹英荘にいた魔神だとか仙人だとか、古い帰璃原の遺跡がなんだったのかとかね

 

「そうやって調べてるうちに、一つの名前が気になってさ」

 

 ある遺跡に記されていた文言。

 擦れて読めないところもあったが、おそらく上古の魔神を讃えていたその碑文には、こんなことが書かれてた。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 テイワットには、かつて数々の強大な魔神や、魔獣、強力な元素生命が跳梁跋扈していた時代があった。

 

 魔神たちは人々の王となることで信仰と力を集め、魔獣や元素生命たちは己の活動するテリトリーを定め、ある者はその土地を守り、ある者はその土地の王者として好き勝手に振舞い、ある者はその土地の生命たちを慈しんだ。

 

 あの時代は、多くの強者が各々の領域を持っていた。それぞれが納得できる形でその境界は存在し、戦争以外の目的でそこを超える者はごく少数だったのだ。

 

 その〝魔神〟はそのごく少数に含まれる奇人、いや『奇神』だった。

 

 特定の領域を持たず、その代わりに大陸中に現れ、そこにある全てをひたすらに楽しみ、尊重しながらも、時には魔神らしく好き勝手に振舞う。

 

 〝彼〟をよく知る者は、様々に〝彼〟を称した。

 

 曰く、彼の〝魔神〟は自由を愛する『旅行者』である。

 

 曰く、彼の〝魔神〟は不義を許さぬ『審判者』である。

 

 曰く、彼の〝魔神〟は遥か遠い遠い未来を待ち続ける、歴史を見守る『傍観者』である。

 

 曰く、彼の〝魔神〟は己の知らぬ未知をなによりも好む『冒険者』である。

 

 そして…………彼は、誰に憚られることのない『王者』である。

 

 誇り高き、その魔神は……

 

 〝燭業歳君(しょくごうさいくん)〟、もしくは、〝(ともしび)の魔神『歳』〟

 

 璃月の民に、そう呼ばれていた。

 

―――――――――――――――――――

 

 

 そのあとは何でもない

 最近の依頼は大変だったとか、ガレッサさんの作品が売られてる店がどこだとか当たり障りのない内容の話をしていった。

 しかし、そんななんのことでもない会話が楽しかった。

 気づけば、日も暮れて、泊まっている下宿の晩飯の時間が近づいてきてしまった。

 

 最後の話題として、俺は旅の次の目的地について話すことにした。

 

「そうだ、ガレッサさんは璃月人じゃないよな。俺、次はスメールに行こうと思ってるんだ。なにか知ってることはないかな?」

「スメールか……スメールは……教令院には気を付けておけ。あれらの中にはなかなか傲慢な連中がおる」

 

 あ~、アザール……。もういるか。

 

「教令院……まーあーんま良いイメージないね……」

「全員が全員ではないんだがのう」

 

 そりゃそうだ。人間なんて千差万別なんだしな。

 

「ありがとう、教令院には近づかないようにしとくよ、どうせ俺のテーマとは合わないし」

 

 俺の記憶が正しけりゃ、教令院は基本魔神に関することはあまり調べようとはしてなかったはずだ。

 それにそんなこと、冒険者に教えてくれるようなご親切な組織じゃないだろうしな。

 

 スメールにはあまり長く滞在しないかもな。

 

「それじゃ、またね。鐘離先生、ガレッサさん」

 

 急いで下宿に戻らないとな。

 下宿のおばさん優しいからいいんだけどさ。

 優しいからこそ、ちゃんと真面目にしとかないとな。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 ベリアルが走り去った後、誰もいないところに移動した二人。

 

「さて……こうしてベリアルという冒険者にあってもらったわけだが………貴殿はどう思われるかな、アルドガレッサ殿?」

 

 鐘離、いや、岩神モラクスは、目の前にいる男に問いかけた。

 やはり、ベリアルとこの男を引き合わせたのは明確な理由があった。

 

「全くもって理解ができん状況だ。しかし……」

 

 アルドガレッサは、理解ができずとも、知っていることがあった。

 

「500年前、〝歳君〟はこう言っていた。『己で調べ上げたものを除き、ベリアル・グンヒルドにこの俺に関する情報を与えるな』、と。あの時は理解が及ばなかったが、今なら薄っすらとわかる」

 

 彼は、燭の魔神『歳』を祀る者。『歳』の信奉者。

 燭の魔神と直接の関わりを持つ古き生命。

 

 『歳』からの命ゆえに、己の知るありとあらゆる『歳』に関する情報を、ベリアルに与えることを禁じられていた。

 

 しかし、ここで疑問が残る。

 

 なぜ、なぜ『歳』は、ベリアルのことを知っているのだろうか。

 なぜ、ベリアルに己の情報を与えないようにしたのだろうか。

 

 その答えを知るのは……誰であろう燭の魔神本人だろう。

 しかし、彼の神はここにいない。

 

 その答えを知ることができるのは、またの機会になるだろう。




お読みくださりありがとうございました!

さて!ここで!ようやくこいつの名前が出せました!
私が考えたオリジナルの魔神!

覚えてる方は覚えてるかもしれませんね、前回甘雨ちゃんが最後にぼそっと口に出した名前

結構お気に入りなんですよ!
さてここまでしたからにはちゃんとこいつの正体も書いていかないとな



感想、誤字修正など、もろもろお待ちしてます。
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