原神世界に転生したから推しと仲良くなりたい……あれ?なんかいろいろ違くない? 作:妄想アイス
かといって楽しみにしてる人なんていないか。
今回ちょっとぶっこんでみました。
「ベリアルー」
「はいママ(ホーミーズ風)」
「いい加減諦めなさい」
「え、やだよ?」
こんにちは皆さん、ベリアルです。
現在、母にアイアンクローされてますが、超元気です。
なぜって?
バーバラが生まれたからですが、なにか?
今は眠っているが、初めて会ったとき、くりくりした穢れのない純粋そうな目がこちらを射抜いた時の気持ちがわかるか?
ゲームやってるときはちょっとキモいなと思ったアルバート、すまなかった。
俺はきっとお前と良き親友になれると思うんだ。
ただしデートイベントの時みたいに妹につきまとったら処す。
「母さん手のけて、バーバラが見えない」
「見たいなら、抱っこしようとするのをやめなさい。あんたじゃまだ重いでしょ」
「むっ、母さんいけないんだぞ!」
「何がよ」
「れでぃに向かって重いなん(スパァーンッ!!)でっ、……ごめんなさい」
「まったく……」
母さんは赤ん坊のバーバラにご飯をあげるために部屋に戻っていく。
くそぅ、次こそは抱っこしてやるからな、バーバラ!!
「にぃに、あそんで」
「あ、ジン。ごめんな、これから外に行くんだ。遊ぶのは帰ってからでいい?」
「や、あそんで」
うぐっ、かわいい……!
しかたない、出かけるのはまた明日にしよう。
どうせ吟遊野郎は見つからねえだろうしな!!
―――――――――――――――――――
数日後――。
今日は珍しく父さんが家にいる。
俺も出かけようと思ってたんだけど、父さんに止められたから家にいる。
理由を聞いてみたらバーバラが生まれたことを祝うためにお客さんが来てくれるのだそう。
「ちょっとベリアル!出かけるなって言われたでしょう!」
「庭で運動してくるだけだよ!すぐ戻るってば!」
ここ数日部屋でジンの相手ばかりしてるからそろそろ我慢の限界だ!
ジンの相手は全く苦じゃないけど(だってかわいいし)。
まだ身体が幼いためか運動しても全然疲れなくてむしろそっちのほうが楽しい。
前世ではインドア派だったけどこの世界ボードゲームくらいしかないからつまらないんだ。
ちなみにどういう風に運動してるかというと、風の翼の練習をしてる。
運動かといわれると微妙だが、あれすごいね、まじで。
今のところ、屋根から庭に飛び降りるくらいしか許されてない。
まあ当然だよな。
初めてやったときかなり怖かったし。
(風強ぇ~。適当な方向に飛んでいかなきゃいいけど)
梯子で屋根に上った俺は、思ったより強かった風を身体全体で受け止めた。
ちょっと不安だけど、まあ大丈夫やろ精神で軽く流す。
もう何度もやってるし、落ちても下に人いるし、マットも敷いてるから大丈夫大丈夫。
そして心の準備を終えた俺は……何の躊躇いもなく苦衷に身を投げ出し……のだが。
結論を言おう。
(日を改めるべきだった……っ!)
今まで風が強い日でも問題なく飛べていたせいで甘く見てた。
強い風にバランスを崩した俺は真っ逆さまに地面に落ちていく。
(うおおおおあああああああ!?お、落ちるうぅぅぅぅぅぅぅっ!!)
あ~、運が悪かったら死ぬなぁ、これ。
運が良くても確実に骨が数本折れるなぁ。
ジンはボロ泣きするだろうし、母さんにはひっぱたかれるだろうし。
風の翼の練習は必ず穏やかな風の日に行いましょう!
慣れていない人はバランスを崩して墜落してしまうかもしれません!
(ええい、こうなったら運頼みだ!!)
せめて体を丸めて頭だけは守る!
そして覚悟を決めた俺はもう数瞬後にくるはずの衝撃に目をぎゅっと瞑って歯を食いしばった。
しかし、予想に反して俺が受けた衝撃はかなり軽いものだった。
――――――――――――――――――――
「大丈夫かい、ベリアル君!!」
うぇっ?
あれ?
名前を呼ばれてようやく自分の体に痛みがないことに気づいた。
思わず四肢や胴体に触れて確認した。
「怪我してない?」
「よかった、無事だったんだな」
俺は一切傷を負っていなかった。
おそらく目の前の男性が受け止めてくれたんだろう。
「こ」
「こ?」
「怖かったああぁぁぁぁ」
「はは、怪我がなくてよかったよ」
声の方向を見上げると30歳くらいだろうか。
整えられたあごひげもつ赤髪の男性がいた。
と、とりあえずお礼を言わねば。
命の恩人なんだし。
「あ、ありがとうございます。って、あれ?俺の名前知ってるんですか?」
「ああ、前に会ったのはもう数年前だからね。覚えていないのも無理はないか」
ん?まてよ?
赤髪、あごひげで前に会ったことがある?
え、いやいやまさか。
「ほら、私だよ。ク…」
「クリプスおじさん!?」
クリプス・ラグヴィンド!!
俺の推しキャラ、『ディルックの旦那』の親父じゃねーか!?
うっわ、くっそイケオジじゃねーか、俺もこんな風になりたい!
「はははっ、思い出してくれたみたいだね」
「あ、はい」
やべえ、内心かなりテンション上がって隠すので精いっぱいだ。
だって、旦那の親父さんは原作開始より3、4年前に亡くなってるキャラだからな。
ちなみにさっきまで忘れてたけど俺は記憶が戻る前に一度会ってたっぽい。
って、そういえば今日祝いに来る人って……。
「なあ。おじさんはバーバラが生まれたのを祝いに来たのか?」
「バーバラ?ああ!新しく生まれた妹さんのことかい?もちろんそうだよ!まさかこんなことになるとは思ってなかったけどね」
「おじさん、お願いがあるんだ!どうかこのことは父さんと母さんには黙っててくれない?」
「……それはどうして?」
そんなの決まってるじゃないか!
「今日はバーバラが生まれたことを祝う日だからだよ!お祝いムードが消えた時には言っていいから!」
俺がばかやったせいで台無しにでもなったら、なんかすっごい嫌だ。
ちょうどおじさん以外に目撃者はいないっぽいし。
「……わかったよ、約束する」
「ありがとうぅ」
よかったぁ。
あ、そうだ、マットとか梯子とか直してこないと!
「じゃ、おじさん。俺片づけてくるから先に行ってていーよ!」
――――――――――――――――――――
「……大きくなったな、もう10に差し掛かるころだったか」
焦ったように駆けるベリアルの後ろ姿を見送りながら、クリプスは独り言ちる。
物心つくかつかないかの時分のベリアルのやんちゃぶりはモンド城中に響き渡るほどだった。
この世のすべてが、目につくありとあらゆるものが、とても楽しいものであるかのように、なにもかもに首を突っ込んでは怪我を負ってくる。
はてしない好奇心にサイモンもフレデリカも皆振り回されていた。
「やんちゃは変わってないようだが、確かに変わった。どこか大人びている」
仕事柄モンドを離れることも多いせいで顔を合わせることが少なかった。
だが、今後はモンドにいる時間を増やしたほうがいいかもしれない。
(彼は世界の変革者の一人となる。そんな確信がなぜかある)
「神は私に眼差しを送ることはなかった。私は騎士にはなれなかった」
「だが……」
「英雄の卵を見守る権利くらいはあるだろう?」
いずれ蝕まれるはずの憧憬の一条に、たった一人の幼子の定まらぬ未来が加わった。
はたしてその些細な違いはこの世界の本来の筋書きをどれほど乱したのだろうか。
否、ベリアルという名の異物がこの世界に紛れ込んだ時点ですでにこの世界は完膚なきまでに変わっていた。
「ふふふっ、今度
未来で〈闇夜の英雄〉と呼ばれ、
いろいろ言ったけどいいよね?
アンチ・ヘイトも女体化もタグに入れてるわけだし。
クリプスさんの情報ってあまりないからそれっぽく書くしかない。
とりあえず騎士団に入りたかったことはセレベンツでわかってるので入れます。
(セレベンツ分からない人は検索して調べてください)
仕事でモンドを離れることが多いとかは独自設定です。
あと年齢とかは死没時点で40代だと思ってます(勝手に)
つまり現時点でだいたい30代前半くらいかな?
別に年齢わかってないんでなんでもいいんですけどね。
おかしなとこあったら感想で言ってください。
純粋な感想でもいいです。
くれるだけでうれしいです。
そういうのに飢えてるんです。
白猫黒猫子猫さん、minotaurosさん、誤字報告ありがとうございます。