原神世界に転生したから推しと仲良くなりたい……あれ?なんかいろいろ違くない?   作:妄想アイス

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ああああああ!!!時間かかった!三か月ぶりの投稿!!
お待ちいただいた方は申し訳ありません!いてくれるか分からんけど!

ひとまず読み返しはしたけど、おかしい場面やよく分からない場面があったら感想で教えてください!意見をもとに修正しますので!

それでは、どうぞ!


第八話 眼差しを向けるのは、己の未来

(どうしたもんかな、これから……いやまあ決めてはいるんだけど)

 

 大雨の中、俺はずぶ濡れになるのを気にもしないまま…………ただひたすら走っていた。

 

 結論から言ってしまおう……俺は家出した。

 

 その原因は、最近、母さんが口うるさく、騎士団に入れというようになってきたことだった。

 始まりは、半年前のあの日、母さんが俺に騎士団に入るように言ってきたこと。

 しかしながら、冒険者になろうと決意した直後だった俺は、当たり前だがそれを断固として拒否した。

 母さんも最初のうちは、突然だったのを自覚していたのか、大人しく退いてくれていたのだが……。

 

「ベリアル、あなたは騎士団に入るのよ」

「ベリアル、言うことを聞きなさい!」

「ベリアル!!」

 

 次の日から、説得の嵐を浴びせかけてきた。

 初めはやんわりとだったものの、一か月ほど経った頃には、だんだんと口調が強みを帯びてきて、最後には言い争いになっていた。

 しまいには俺はつい衝動的に『冒険者になりたい』と伝えたことが母さんの怒りに火をつけてしまった。

 

 そう、『冒険者になりたい』と言ってしまったのだ。

 

 母さんはそれを聞いて激怒。いや、激怒どころじゃない。あれは火山の噴火に等しかった。

 それまでとは比較にならない勢いで、怒鳴りながら怒ってきて、俺は情けなくも、震えあがったよ。

 でも「グンヒルドの血筋として~」とか言われても俺には正直関係ない。むしろ、俺にとってその類の言葉は、前世の親父を思い起こさせるトラウマでしかない。

 途中から、仕事から帰ってきた父さんが間に入ってくれようとしたけど、もともと夫婦間に亀裂が生じ始めていたようで、二人の口論はヒートアップしていき…………結果的に、両親の壮絶な口喧嘩に耐え切れなくなった俺は、逃げ出した。

 

 気付いた母がこっちを向いて何か言っていたが、父さんが立ちふさがったのだろう。

 母は追いかけてくることはなく、二人の争う大声が響き続けた。

 

 そこから走って自分の部屋に戻ると、必要なものと最低限の荷物を持って、窓から壁の凹凸を利用して、降りようとした瞬間、

 

「お兄ちゃん?何してるの?」

 

 その声を聴いて、俺は窓に身を乗り出した姿勢のまま、つい立ち止まってしまった。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 俺はその時、少しばかり、自分が嫌になった。

 

 自分のことばかり考えて、二人のことを……二人にとっていきなり俺と会えなくなることは、かなりショックを受けるだろうことなのに、挨拶も何もなく飛び出そうとしていた。

 

 振り返ると、ジンとバーバラが、不安に揺れた表情で、こっちを見ていた。

 屋敷は広いが、響き渡る二人の激しい口論は、二人の部屋まで届いていたのだろう。

 ジンは、両親に助けを求めようにも、その二人こそ恐怖の原因であったため、どうすることもできず、俺の元まで来たのだろう。まだ幼いバーバラに至っては、何が起こっているかも理解できずに、ただ震えている。

 

「ジン……バーバラ……」

「に、にぃに~」

 

 バーバラは不安が限界に達したのか、手を繋いでいたジンを引っ張って、俺に飛び込んできた。

 いつものことであった俺は、慣れた動きで、目線をバーバラに合わせるようにかがみ、可愛い妹を受け止めた。

 バーバラと手を繋いでいたジンも何の抵抗もなく引っ張られてきたので、もちろん一緒に抱き止めた。

 

「お、お兄ちゃん。お父さんとお母さんが……」

「あぁ、分かってる。ごめんなぁ、俺が原因だ」

 

 厳密には、俺だけが原因ではないんだろう。なぜならゲームでも二人は離婚している。

 そこに至った理由は明かされていなかったから知らないが、それでも離婚するだけの何かがあったことには間違いない。

 

 ……俺が騎士団に入る気があったのならまだ円満だったかもしれないけど、もうなりたいものは決まってたんだからしょうがない。

 それに、俺は怖かった。二人の激しく言い争う姿にこの上ない恐れを抱いた。

 

「……お兄ちゃんは……出て行っちゃうの?」

「……そうだな」

 

 鋭いなぁ……。まだそんなことを予測できる年じゃないだろうに……。

 母のあの様子では、きっとこの先も変わらず騎士団に入るよう言ってくるだろう。

 この恐怖を俺はよく知ってる。この身勝手に未来を押し付けられる感覚は、前世のクソ親父から受けたものと同じものだ。母にあんな一面があるなんて知らなかった。

 分かってる、母のあれは一時のものだ。クソ親父のように頭がイカれていたわけじゃない。

 母は、母さんは純粋に、俺の将来を心配して言っているのだ。

 母さんのことは俺も大好きだ。家族だから、母親だから。きちんと俺を愛してくれているのだから。

 

 それと、母さんからの説得が始まってから、なんだか母さんの様子がおかしいことに気が付いたんだ。だから、父さんに相談してみたら、どうやら離婚についての話が進んでいたらしく、それで母さんの精神に強い負荷がかかっているのかもしれない、ということだ。

 あの日の喧嘩も俺の行方不明によってうやむやになっただけで、子どもたちには見せないようにしていたが、もう離婚することに関しては決定していたそうな。

 今の母さんは、家族と離れ離れになることについて強い不安を抱いていて、それが原因で俺がグンヒルド家の者として騎士団に入ることを強く望んでいたのだろう。

 

 けれど……あの感覚は、俺のトラウマを酷く刺激する。

 それに俺はもう決めている、今世こそは自分ですべてを決めると。

 他人に押し付けられた未来では、俺は自信をもって生きることができない。己が己であると、思うことができない。

 だから……俺は自分がやりたいことをやるために……この家を出る。

 

「ごめんな、二人とも。兄ちゃんにはやりたいことがあるけど……この家にいたままじゃ、叶わないんだ」

「……………そう、なんだね」

「にぃにぃぃ!行っちゃヤダよぉぉ!」

「大丈夫だって。家出するだけだから、二度と会えないわけじゃない。また会える」

「ふみゅぅ……ぜったい……ダメなの?」

「……あぁ」

 

 くそ、そんな可愛らしい顔で俺を見るな。行きにくいだろ。

 ああ、そうさ。俺は二人と、家族とずっと一緒にいたい。

 でも……だめなんだよ、バーバラ。置いて行ってしまうのは、仕方ないんだ。

 冒険者なんて、まだ幼い子供を連れて行くような職業じゃないんだし……。

 それにモンドは……『旅人』が一番最初に訪れる国で、ジンもバーバラもその時に関わるんだから。

 まあ、魔神任務自体には、バーバラはそこまで深くは関わらないが……。

 

 それにしてもモンド城を出るとしたら……ひとまず清泉町にいくか。

 

 そうだな、そこで誰かに手紙を渡してもらうように頼もう。

 余裕があれば母さんや父さんにも書こう。時間を置けば母さんも落ち着いてくれるかもしれないし、やっぱり自分の考えは全てきちんと伝えておいた方が良い、たとえ直接自分の口からじゃなくても。

 

 俺を愛してくれたのだから。今はまるで前世の父親のような恐怖を感じているが、母さんは最終的には俺の考えを優先してくれる人だから。じゃなきゃ、もう俺は騎士団の見習いに出されてるはずだ。

 むしろ俺は母さんにも父さんにも寄り添えてない親不孝の大馬鹿者だ。

 はっ、そういうところは前世のころから、何一つ変われちゃいないらしい。

 

 ……前世、もしそのまま生きていたとしても俺の未来はクソ親父に定められたままだったと思う。

 あそこは生きるのに必要なルールが多すぎるから、俺がやりたかった別の道に飛び移るのは酷く困難だった。

 でも、今は……今回は、手を伸ばせばすぐに掴めるんだ。

 冒険者だって簡単な仕事じゃないけど、それでも楽しくやれるのが一番だから。

 

「……わかったよ。うん、決めた。私がお兄ちゃんの代わりに騎士になる。お兄ちゃんは自分のやりたいことを頑張って」

「そいつは……まあ、いいか。お前はどのみちそうなってた気がするし。んじゃ、俺はお前の趣味に合った物を探して送るよ。ホントは可愛いものとか大好きだろ?俺の代わりをしてくれる礼ということで」

「ちょっ、なにそれ。それじゃ私が生贄みたいじゃない!」

「くはっ、すまんすまん」

「……くすっ」

 

 よかった、笑えた。このまま何も分からないまま置いていくことにならなくて本当によかった。

 ……過労だったり、期待に応えようとしすぎたりで、鬱になるなよ、二人とも……。伝説任務やデートイベント考えたら、普通にあり得るからな。この娘たちも、俺も、母さんも、不安なことは溜め込むタイプだからな。

 …………うん、やっぱり、手紙は定期的に送ろう。というか、やりとりにしよう。心配になってきた。

 

「ジン……バーバラ……ひとまず、またな」

「……うん、お兄ちゃん、元気でね。いってらっしゃい……」

「にぃに……いってらっしゃい!!」

 

 そして俺は二人の身体から手を放し、今度こそ窓に乗り出し、十何年も過ごした家を出た。

 

――――――――――――――――――――

 

「ハァッ、ハァッハァッハァッ」

 

 走る。ただただ走る。

 後ろは気にしない。緊張と期待で心臓が勝手に跳ね、息が上がるのは止まらない。

 当然だが、もう父さんと母さんの喧嘩の声は聴こえない。

 このまままっすぐ冒険者協会に向かおう。

 まだ協会は閉まってないはずだ。というかキャサリンさんってゲームだとどんな時間でもいたけど、この世界でもそうなのかね?

 まあ、行ってみりゃわかる話だ。

 

 気づけばもう夜。雨も降り始めてる。周りの家々から漏れ出る光は、俺を微かに照らす。

 ゲームでは全く感じることのなかった、人々の生活の息遣いを感じる。

 ワクワクしてくる。笑いがこみあげてくるッ。襲い来る不安を振り切って、走ることができる!

 

 ああ、まだ完全には理解できてない!けど!ここは現実で、ゲームじゃないことはよく知ってる!

 理解はこれから身体を張ってしていけばいい!

 ゲームは既知でも、現実は未知だ!なにもかも!

 

 もう俺は自由、そうだ、自由だ!

 そうだよ!ようやく離れられた!己を『ベリアル』と認めても!まだ前世の呪縛は残っていた!

 これから先もきっと思い出すことはある!忘れることなんてできない!

 難しく考える必要はない。やりたいことをやるだけだ!

 俺はこれから、過去の恐怖に怯えるのではなく、自分自身で無限大の未来を計るんだ!

 

「『自由』だ!アッハハハハッ!!」

 

――――――――――――――――――――

 

「へぇ、いいね。自分で『自由』に飛び込むんだ」

 

 ベリアルが初めての『自由』を精一杯謳歌しているとき、西風(セピュロス)教会前の広場、風神像の掌に座る一人の『緑の詩人』がそれを観察していた。

 いや、『緑の詩人』だけではない。その後ろ、風神像の頭頂部には、いつぞやの焔の如き紅の鳥もまた停まってベリアルを見下ろしていた。

 

「君はどう思う?」

『……さてな。そんなことを俺に聞かれても困る。アレは、まだ巣立ちしたばかりの若鳥に過ぎないんだよ、バルバトス。いや、それを言うならば、地上に顔を出したばかりの新芽か?』

「あははっ、確かに考えたらそうかもね!それに彼は今やっと、自分自身で人生を歩み始めた」

 

 『緑の詩人』……ウェンティはライアーを爪弾きながら後方の古い友人に漠然とした問いを投げかけるが、紅鳥は気にする様子を特に見せることもなく、いつのまにやらベリアルの冒険鞄に入っていた『草元素の神の目』を見続けている。

 その眼はどこか遥かなる過去を懐かしんでいるように、ウェンティには感じられた。

 

「別に今は話す気はないんだろうけど、いつかは話してもらうよ?君がなぜ彼に興味を持っているのか、彼がどういう存在なのかを」

『話さなくても、お前のことだ。自身で勝手に気付きそうなものだがな?』

 

 目の前の風神の要求をどこ吹く風と受け流した紅鳥は、満足したのか翼を広げて南西の空にに飛び去って行った。

 それを見届けて、ようやく視線をベリアルに戻したウェンティ。

 彼の顔は心底楽しげで、好奇心と期待に溢れていた。

 

「いってらっしゃい、自由に身を投じた旅人よ。君の旅路を、このバルバトスが祝福するよ」

 

 風神は、彼が自分を探していたことを知らない。あの日、彼らが遭遇しなかったのはただ運がなかっただけだが、縁というものは存外見知らぬところで繋がるものだ。

 

 そうこうする中、強くなる雨。

 風神の少しばかりの祝福を背中に受けた少年は、未来に向かって確かな一歩を踏み出した。

 

――――――――――――――――――――

 

「こらー!そこにいるのは誰ですか!!」

「いっけない!逃げなきゃ!」

 

 ………最後くらいはかっこつけたまま締めてほしいものだ。




いやホント締まらないですねぇ。でも私の中のウェンティのイメージこんなのですよww
ていうか、鳥よ鳥wwこいつもう少し黙ってる予定だったんですけどね!

そしてここで手に入れましたね、『例の物』を。
まあ、草元素にした理由は、モンドにいないな~と思ったのと、彼を作った時、ちょうどアルハイゼンをお迎えしたからです。

というか、フォンテーヌ出ますね!すごく楽しみです!リオセスリとフリーナは絶対確保してやる!!
もしかしたら、旅人来てからのベリアルの活躍は、フォンテーヌ主体になるかもしれない!
まだ分からんですけどね!www

では次回投稿も長いと思うので、気ままにお待ちいただければ幸いです……。
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